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胎内およびその道中で見かけた野草V



ここ何年か通っている「胎内 星まつり」。
その道中や会場である「胎内自然天文館」近辺で見かけた野草をまとめたものです。

ただ、星まつりが毎年、8月の初旬に開催されるため、その時期に見かけた野草のみです。
特に珍しいものではありませんが、こんな野草が見られるのだと思っていただければ幸いです。

< トピック >

今回、新たに見かけた、下記の野草を追加しました。
コヒルガオ、タニウツギ
今回、下記の野草の写真を追加しました。
カワラケツメイ、ツルマメ



ここでは、被子植物はAPG III体系で、その他は従来の体系で掲載しています。
ナス目
ナス科(ワルナスビ、ペチュニア、ホオズキ、ヒルガオ、Newコヒルガオ)
ナデシコ目
ザクロソウ科(ザクロソウ)
タデ科(イタドリ、ミズヒキ、ギンミズヒキ)
ナデシコ科(カワラナデシコ)
ブドウ目
ブドウ科(ノブドウ、ヤマブドウ)
バラ目
イラクサ科(アカソ)
クロウメモドキ科(クマヤナギ)
バラ科(キンミズヒキ、シモツケ)
ベンケイソウ科(ツルマンネングサ)
フウロソウ目
フウロソウ科(ゲンノショウコ)
フトモモ目
アカバナ科(ツキミソウ、ミズタマソウ)
マツムシソウ目
スイカズラ科(オトコエシ、オミナエシ)
スイカズラ科(タニウツギ科)(Newタニウツギ)
レンプクソウ科(ヤブデマリ)
マメ目
マメ科(カワラケツメイ、ネムノキ、イタチハギ、クズ、クサネム、ヤブツルアズキ、
    ツルマメ、ヌスビトハギ、ヤマハギ、ヤハズソウ)
胎内およびその道中で見かけた野草V
和名インデックス


ワルナスビ(Solanum carolinense)
<ナス目・ナス科・ナス属>

ナス科ナス属の多年草で、北アメリカ原産の帰化植物。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に広く分布している。
海外でも、アジア、ヨーロッパ、オセアニアと世界各地に帰化している。
本種は、種子だけではなく、地下茎でも繁殖し、さらにその切れ端からも再生するので、厄介な雑草。
草丈は50cm前後まで成長し、花は白色から淡紫色まで変化に富む。
果実は、球形で未成熟な時には縞模様があるが、黄色く熟すと縞は消える。
全草が有毒なソラニンを含んでおり、家畜などが食べると中毒を起こす。

2013/8/25
新発田市街を流れる加治川のほとりで見かけたワルナスビです。
その旺盛な繁殖力で、あっという間に全国に広がった根絶が難しい雑草です。

ペチュニア(Petunia hybrida)
<ナス目・ナス科・ペチュニア属>

ナス科ペチュニア属に属する1年草または多年草で、南アメリカ原産の園芸品種。
ペチュニアは、南米原産のナス科ペチュニア属に属する草本の総称として用いられ、
同属の種の1つであるツクバネアサガオ「Petunia hybrida」の事でもある。
1767年にフランスのコンメルソンがウルグアイで本種の白花を発見したのが最初である。
その後、1831年にはブラジルから赤紫の花がヨーロッパに入り、両者の交配が行われた。
それが、現在のペチュニアの元となった「ペチュニア・ヴィオラセラ」である。
その後、さらに品種改良が進み、花の大きさ、花色などが非常に多くなっている。
現在、日本国内で販売されている品種は約1400種に上るとされている。
草丈は10〜30cmで、花期は4月〜10月とかなり長い。

2019/8/25
新発田郊外を流れる加治川の河川敷で見かけたものです。
橋の上から見たとき、赤い花がポツリポツリと咲いていて、気になって見に行ったらペチュニアでした。
おそらく、どこかから流れ着いたペチュニアの種が発芽して、花を付けたのでしょう。

ホオズキ(Physalis alkekengi var. franchetii)
<ナス目・ナス科・ホオズキ属>

ナス科ホオズキ属の多年草で、東南アジア原産の外来種。
古くから栽培されており、逸出して野生化したものも見られる。
草丈は60〜80cmで、地下茎で横に広がって生え、茎は直立するが、倒れることもある。
葉は互生し、長さ5〜10cmの広卵形で、先が尖り、大きな鋸歯がある。
花期は6月〜7月で、葉腋から長い花柄を出して、淡黄白色の花を下向きに付ける。
花冠は、直径15〜20oの杯型で、5浅裂して平開し、5角形になる。
中心部は淡緑色で、全体に白い毛が多く、オシベは5個で、花糸は葯の背面に付く。
萼は短い筒状で先が5裂し、花後、長さ4〜6cmまで大きく膨れて液果を包み込む。
熟すと、液果も萼も赤色になる。液果の直径は10〜15mmほど。

2019/8/22
奥胎内ヒュッテへ向かう道路脇で、コンクリートで固められた法面にへばり付いていたものです。
ホオズキは奇麗に色付いていて、秋が近づいていることをアピールしているようでした。

ヒルガオ(Calystegia japonica)
<ナス目・ヒルガオ科・ヒルガオ亜科・ヒルガオ属>

ヒルガオ科ヒルガオ属のつる性の多年草で、在来種。
アサガオ同様に、朝開花するが昼になっても花がしぼまないのが和名の由来。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国に分布する。
毎年、地上部は枯れ、春に蔓が伸び始めて、夏には大きく繁茂する。
葉は互生し、長さ5〜10cmのほこ形〜やじり形で、基部は斜め後方に張り出すが、裂けない。
花期は6月〜8月で、葉腋から長い花柄を出し、淡紅色の花を1つ付ける。
花冠は、直径5〜6cmの漏斗型で、ツボミの時は螺旋状に巻いている。
花柄の断面は円形で、翼はない。萼片5個を2個の苞が包んでいる。
方は長さ20〜25mmの卵形で、鈍頭。オシベは5個で、基部に腺毛があり、葯は白色。
結実することは滅多になく、地下茎を伸ばして広がる。

2018/8/26
国道290号線 加茂市下土倉付近の側道脇で、ススキなどに絡みついているヒルガオを見かけました。
コヒルガオかどうか判断するために、花柄を見ようとしたのですが、距離があってはっきりしません。
仕方がないので、後で写真を強拡大して、花柄に翼がないことを確認し、本種としました。

コヒルガオ(Calystegia hederacea)
<ナス目・ヒルガオ科・ヒルガオ亜科・ヒルガオ属>

ヒルガオ科ヒルガオ属のつる性の多年草で、在来種。
ヒルガオ同様の形態で、ヒルガオよりいくぶん小型の花なのでこの名がある。
日本では、本州から四国、九州で見られる。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾、モンゴル、ロシア、南アジアと東南アジアの一部などに分布する。
葉は互生し、葉先は鋭頭で基部が張り出したほこ形、張り出した耳の部分が2裂する事が多い。
花期は6月〜10月で、葉腋から長さ数pの花柄を出し、小形のロート形の花を1個付ける。
花冠の直径は3〜4cmで、五角状のことが多い。花色は淡紅色。
花柄の上部に狭い縮れた翼があるのが特徴で、同属との区別点である。
萼片は5個あるが、2個の苞が包んでいる。苞は長さ1〜2cmの3角状卵形で、鋭頭。
オシベは5個で、葯の先は尖る。メシベは1個で、柱頭は2個。
なお、コヒルガオが結実する事は少なく、地下茎で広がる。

2024/8/24
星まつり会場から芝生広場に向かう途中、道路脇で咲いているコヒルガオを見かけました。
特にどうといった花ではないのですが、この会場周辺で見かけたのは初めてになります。
ヒルガオかコヒルガオか分からなかったので、近づいて花柄に翼があるのを確認できました。
中央の写真で花柄の右下の方に、小さく波打って凸凹した翼が見えていると思います。

ザクロソウ(Mollugo pentaphylla)
<ナデシコ目・ザクロソウ科・ザクロソウ属>

ザクロソウ科ザクロソウ属の1年草で、道ばたや畑の縁に普通に生える。
日本では、本州から四国、九州に分布する。海外ではアジアの熱帯、亜熱帯に分布する。
草丈は10〜25cmほどで、茎は4綾があり、よく分枝して斜上する。
葉は、長さ1〜4cmの披針形で、下部では3〜5個が偽輪生し、上部では時に対生し小さい。
花期は7月〜10月で、茎頂や葉腋に集散花序を出し、花柄は細長く、小花柄は2〜4mm。
花は直径3o程で、花弁はなく、白緑色の花被片5個が花弁のように見える。
花被片は長さ2mm前後で不揃い。オシベは3個、メシベが1個ある。
刮ハは直径2mmほどの球形で、種子は長さ0.5mmほどの腎形。赤褐色で艶があり、微細な突起がある。

2017/7/27
加茂市、薬師山の麓にある駐車場の脇は、斜面から水がわき出た湿地で、その外れで見かけました。
ザクロソウは小さな目立たない花でしたので、最初、花が咲いているのに気が付きませんでした。
ここで確認したのは初めてですが、背が低く、細い茎や葉なので気を付けていないと見落としそうです。

イタドリ(Fallopia japonica)
<ナデシコ目・タデ科・タデ亜科・イタドリ属>

2013/8/23

2016/8/26
タデ科イタドリ属の多年草で、スカンポなどの別名を持つ。
北海道東部を除く日本全土、朝鮮半島から中国、台湾に分布する東アジア原産種。
世界の侵略外来種の選定種で、その旺盛な繁殖力ゆえに嫌われ者です。
茎は中空で多数の節があり、三角形の葉が互生する。
雌雄異株で、雄花はオシベが花弁の間から飛び出すように長く発達している。
雌花は、メシベよりも花弁の方が大きい。
秋に熟す種子には3枚の翼があり、風によって散布される。

胎内星まつり会場へ登って行く道路脇で見かけたイタドリです。
ほぼ同じ時期に撮っているのですが、2013年はツボミで、2016年は開花しています。
その年の天候状態によって、開花時期が大きくずれるものなんですね。


2018/8/26
国道290号線 加茂市下土倉付近の側道脇で見かけたイタドリの大きな株です。
たくさんの花序を立ち上げていましたが、咲き始めたばかりのようで、一部咲きといった程度。
2013年と2016年のちょうど中間くらいの開花状況でした。

ミズヒキ(Polygonum filiforme)
<ナデシコ目・タデ科・タデ亜科・イヌタデ属>

タデ科イヌタデ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州、南西諸島まで全国に広く分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、ヒマラヤに分布する。
葉は互生、広楕円形で、長さ6〜15cm、先端は尖る。
また、時季(初夏の頃)によっては葉に「八」の字の模様(鼻緒のような模様)が入る。
托葉があり、鞘状。葉や茎全体に粗毛がある。花期は8〜11月頃。
花は総状花序で、茎頂や葉腋から長さ20〜40cmになる花穂を出し、それに小花がまばらに咲く。
小花の色は上半分は赤色、下半分は白色であり、これが和名の由来。

2016/8/27
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の方へ向かう通路、その脇の草むらで見かけました。
ちょうど、アリが1匹、花茎を登って来ていて、開花している1つの花から蜜の採取を始めたのです。
小さな花なので、蜜の量は多くないと思いますが、それに見合った媒介者がいるのですね。

 
2018/8/25
胎内の星まつり会場から少し離れた芝生広場。それを取り囲む林の中で見かけました。
最初に見かけたのはギンミズヒキでした。その脇で1本だけ、キンミズヒキが花序を伸ばしていました。

ギンミズヒキ(Persicaria filiformis form albiflorum)
<ナデシコ目・タデ科・タデ亜科・イヌタデ属>
 
タデ科イヌタデ属の多年草で、北海道から本州、四国、九州まで全国に広く分布する。
分布的には、ミズヒキと同じで、ミズヒキの白花品種。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾、ロシア、ミャンマーに分布する。
草丈は50〜80cmで、葉は互生し、長さ6〜15cmの広楕円形で、先端は尖る。
葉の両面には毛があり、表面の中央に「八」の字の黒い斑紋が入ることがある。
花期は8月〜10月で、茎頂や葉腋から長さ20〜40cmになる総状花序を出す。
それに直径5mm前後の小花をまばらに付け、ミズヒキと異なり、萼片4個は全て白い。
オシベは5個、メシベは1個で、花柱2個は長く、果時まで残る。
果実は痩果で、長さ2.5mm前後のレンズ状の卵形。褐色で光沢がある。
痩果の柄は長さ1mmほどで関節があり、熟すと関節がはずれて果実が落果する。

2018/8/25
胎内の星まつり会場から少し離れた芝生広場。それを取り囲む林の中で見かけました。
かなり大きな株で、たくさんの花序を出して、多くの白花を付けていました。
それに隠れるように、花序を1本だけ横に伸ばしていたのが、上記のミズヒキです。


ミズヒキ、ギンミズヒキ、キンミズヒキの花

       .
   <ミズヒキ>        <ギンミズヒキ>      <キンミズヒキ>
ミズヒキとギンミズヒキ、キンミズヒキの花を並べてみました。
ギンミズヒキはミズヒキの白花品種ですので、基本的に花の色以外は同じで、タデ科の植物です。
キンミズヒキは、名前にミズヒキと付いていますがバラ科の植物ですので、花の構造がまるで異なります。


カワラナデシコ(Dianthus superbus L. var. longicalycinus)
<ナデシコ目・ナデシコ科・ナデシコ属>

ナデシコ科ナデシコ属の多年草で、在来種。日当たりの良い草地や河原などに自生する。
日本では本州から四国、九州に分布している。海外では、朝鮮半島から中国、台湾に分布する。
草丈は30〜50cm程度で、茎は根際から叢生し、各節は膨らむ。
葉は対生し、線形で長さ5p前後。先は鋭く尖り、基部は茎を抱く。葉柄はなく、全縁。
花期は7〜10月で、茎頂に直径5p弱の花を付ける。
淡紅色の花弁は5枚で、先が細かく裂ける。花弁の基部にはひげ状の毛がある。
萼筒は長さ4cm弱あり、苞は3対か4対ある。オシベは10本、メシベの花柱は2本ある。
なお、花色は淡紅色が多いが、白色のものも見られる。
本種の基変種は、エゾカワラナデシコで、本州の中部以北に分布しており、非常に良く似ている。
見分け方は、草丈が低く、苞が2対しかない点である。

2017/7/27
カワラナデシコは、鶴岡市立加茂水族館の駐車場脇の草原で、数株が花を付けていました。
時々見かけるのですが、あまり大きな株は見たことがありませんでした。
ここは日当たりもよく、人もあまり来ないようなので、大きく育ち、花も立派でした。
萼片の長さが40mmほどある花の直径より長めで、苞が3対以上あるのが特徴です。


カワラナデシコの仲間

カワラナデシコ
エゾカワラナデシコ
タカネナデシコ







萼片の長さは3〜4cm
苞は3〜4対

萼片の長さは2〜3cm
苞は2対










萼片の長さは2〜3cm
苞は2対

カワラナデシコは平地や山地で時々見かけますが、この写真は山形県の加茂水族館で見かけたものです。
色が最も淡くて、花被片舷部の基部にある毛は濃紅紫色です。
エゾカワラナデシコは、八島ヶ原湿原(標高約1,632m)で見かけたものです。
花被片の色が最も濃い赤紫色で、花被片舷部の基部にある毛も濃紅紫色ですので、目立ちません。
タカネナデシコは、竜王マウンテンパーク(標高1,770m)の山野草ガーデンで見かけたものです。
草丈は20cmなく、基部の毛が紫褐色で、苞の数は2対です(写真を撮り忘れました)。
上段の写真で、花の基部にピンボケですが、かろうじて写っています。


ノブドウ(Ampelopsis glandulosa var. heterophylla)
<ブドウ目・ブドウ科・ノブドウ属>

ブドウ科ノブドウ属のつる性落葉低木で、日本全国で見られる。
日本も含め、東南アジア一帯に分布しアメリカにも帰化している。
藪に多く見られ、都市でも空地などに見られる。
太いつるは暗灰褐色で、褐色の皮目が目立つ。
葉は互生し、葉身はほぼ円形で3〜5裂する。基部は心形で、縁には鋸歯がある。
葉に対生して、巻きひげが出て、先が2又に分かれる。
花期は7月〜8月で、葉に対生して集散花序を出し、直径数oの小さな花を多数付ける。
花被片は5個あるが、開花後、早めに落ちてしまう。
オシベは5個あり、花糸は短い。メシベは細く、1個で直立する。花盤は子房を環状に巡り、全縁。
果実は液果で、直径は7mm前後の緑色の球形。熟すにつれ、淡緑色からピンク、紫色になる。
しかし、ブドウタマバエやブドウトガリバチが寄生して、虫えいを作ることが多く、紫色や碧色等になる。

2017/7/29
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の方へ向かう通路、その脇の草むらで見かけました。
ちょうど、アリが1匹、花茎を登って来ていて、開花している1つの花から蜜の採取を始めたのです。
小さな花なので、蜜の量は多くないと思いますが、それに見合った媒介者がいるのですね。


2018/8/23

2018/8/26
2018/8/23 国道290号線 五泉市高松付近の農道脇で、樹に絡みついていました。
既に果実の一部が虫えいとなり、紫色に色づき始めていました。
2018/8/26 国道290号線 加茂市下土倉付近の側道脇で、斜面を這っていました。
こちらは花が咲き始めたばかりで、果実は見当たりませんでした。
葉に大きな切れ込みが見られる「キレハノブドウ」と呼ばれるタイプのノブドウです。

ヤマブドウ(Vitis coignetiae)
<ブドウ目・ブドウ科・ブドウ属>

ブドウ科ブドウ属のつる性落葉低木で、寒冷地に自生する野生種。
日本では、北海道、本州、四国に分布し、韓国の一部や、サハリン島、南千島に分布する。
樹皮は古くなると縦に裂け、薄く剥がれる。随は褐色で、若い枝や葉にはくも毛がある。
葉は互生し、葉身は直径30cm程の円心形で、3〜5残裂する。縁は浅い鋸歯がある。
新芽は淡紅色で、新葉も淡紅色の毛に覆われている。
表面は当初綿毛があるが、後に無毛になる。裏面には赤褐色の綿毛が密生する。
葉に対生して巻ひげを出すが、全節ではなく、2回出すと、次の節からは出ない。
花期は6月〜7月で、雌雄異株。葉に対生して円錐花序を出し、黄緑色の小花を多数付ける。
萼は輪形で、花弁およびオシベは5個、メシベは1個。
雌花のオシベには発芽能力のない花粉しか持たず、雄花のメシベは柱頭は花柱が退化している。
果実は液果で直径8o前後の球形。房になって垂れ下がり、秋には黒紫色に熟す。
生食可能であるが酸味が強く、果実酒に使われてきたが、近年はワインやジャムなどにも利用される。

2017/7/30
只見線の越後須原駅近くの駐車場で、線路わきの法面から伸び出してきたものです。
葉が緑色から淡紅色まで、実にきれいなグラデーションになっています。
ヤマブドウの新葉は淡紅色のクモ毛がありますが、徐々に取れて表面は緑色になります。
人の手が入らなかったので、その変化がそのまま残った結果のようです。
ちなみに、秋には紅葉するので、紅葉したヤマブドウもきれいですね。

アカソ(Boehmeria silvestrii)
<バラ目・イラクサ科・カラムシ連・カラムシ属>



<雄花>            <雌花>             <葉>
イラクサ科カラムシ属の多年草で、在来種。
日本は、北海道から本州、四国、九州まで、全国に分布している。
海外では、朝鮮半島から中国に分布する。
草丈は1mに達し、茎は叢生して分枝は少なく、木質化しない。茎や葉柄は赤みを帯びる。
葉は対生し、長さ十数pの広卵形で、3主脈が目立ち、葉先が3裂する。
中央の裂片の先は尾状に伸び、葉の縁には重鋸歯がある。
花期は7月〜9月で、雌雄同株。雄花序は茎の下方に、雌花序は茎の上方に付く。
雄花には、4個の淡黄白色の花被片と4個のオシベがある。
雌花は集まって赤みを帯びた球形になり花軸に並ぶ。2個の花被片が合着して筒状になる。
有性生殖の2倍体と無性生殖の3倍体があるが、全国的に3倍体の個体が多い。
なお、良く似たクサコアカソやコアカソは、葉先が3裂しないことで区別できる。

2013/8/23
国道290号線の守門と栃尾の間で、道路脇で見かけたアカソの群落です。
道路脇から枝を横に大きく伸ばし、たくさんの花序を付けていました。
雄花序は、たくさんの雌花序や葉の陰に隠れるように、そっと花序を伸ばしていました。
葉の写真では、3裂した中央の裂片が、基部がすぼまり、尾のように伸びているのが分かると思います。


<アカソの群落>

<雌花序>


<雄花序>
2018/8/25
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場。それを取り囲む林の中で見かけました。
ただ、林内で日当たりが悪いためか、茎などは緑色で赤みがなく、アカソらしくない容姿です。
非常に大きな株で、たくさんの雌花序(茎頂部付近)と雄花序(下部の葉腋)を付けていました。
上部の雌花序は、ほとんどの雌花が開花し、髭状の花柱がたくさん出ています。
下部の雄花序は、アップで撮ったものは未開花で、4個の花被片はしっかり閉じていました。
その下部のものの中には、開花しているものもあったようですが、アップで撮り損ねました。

クマヤナギ(Berchemia racemosa)
<バラ目・クロウメモドキ科・クロウメモドキ連・クマヤナギ属>

クロウメモドキ科クマヤナギ属に属するつる性落葉低木で、日本固有種。
日本では、北海道南部から本州、四国、九州に分布する。
樹高は、他の物に左巻き(上から見て)に絡んで伸びると5mほどになり、樹冠は傘形に広がる。
若枝は暗黄緑色であるが、成長と共に黒っぽくなって紫褐色になり、直径は数cmほどになる。
葉は互生し、長さ4〜6cmの長楕円形で全縁。葉先は鈍頭〜丸く、基部は円形〜浅い心形。
新枝の葉は大きくて細長いが、2年枝につく葉は丸みを帯びる。
羽状の葉脈が目立ち、側脈は7〜8対が並行して縁まで伸びる。
※ よく似たオオクマヤナギの側脈は、9〜13対あり、葉も大きい。
葉表は光沢があるが、葉裏は粉を吹いたような白みを帯びる。
葉柄は1cm前後で、淡赤色を帯びる。秋には黄葉して落葉する。
花期は7月〜8月で、枝先や葉腋から総状花序を出し、黄緑色の小花を多数付ける。
枝先では大形の複総状花序になるが、横枝は再分枝しない。
花は直径3mmほどで、花弁と萼片は各々5個あり、花弁は萼片より短い。
萼片は長三角形で先が尖り、花弁のように見える。花弁は先がわずかに開く程度である。
花弁は左右から内に巻いてオシベの花糸を包み込み、花弁の上に葯が出る。
果実は核果で、長さ5〜7mmの長楕円形。翌夏に緑色から赤く熟し、その後、紺〜黒色になる。
果実が熟す頃に新しい花が開花するので、熟した果実と花を同時に見ることができる。
なお、熟した果実は生食可能で、大概は鳥類の餌となる。

2018/8/26
越後須原駅近くの道路脇の畑の縁に沿って、ボタンヅルがたくさん花を咲かせていました。
そのボタンヅルの外れで、緑白色の小花をたくさん付けた、見慣れない木?を見かけました。
後で調べて、葉の側脈が6〜7対であったので、クマヤナギと分かりました。

キンミズヒキ(Agrimonia pilosa var. japonica)
<バラ目・バラ科・バラ亜科・ワレモコウ連・キンミズヒキ属>

バラ科キンミズヒキ属の多年草で、在来種。
日本では北海道から本州、四国、九州に分布し、山野に自生する。
草丈は50cm以上で、1mを超える場合もある。葉は互生し、奇数羽状複葉。
茎の上部は枝分かれし、花柄の短い総状花序を付ける。
花は直径10mmほどで、黄色の5花弁。オシベは10本前後あり、メシベは2個ある。

2016/8/26
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の方で、通路脇の草むらで見かけました。
既に花は咲き終わり、くっつき虫の果実が大きくなり、所どころに黄色いものが付いてました。
このときは、直ぐに本種とは気づかず、後で調べることにしました。
忍野八海の方へ行った時、偶然、この果実と花を見て、本種と分かりました。


2018/8/25
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場。それを取り囲む林の中で見かけました。
そう多くはなく、たまに見かける程度ですが、ここではちょっとした群落になっていました。

シモツケ(Spiraea japonica)
<バラ目・バラ科・モモ亜科・シモツケ連・シモツケ属>

バラ科シモツケ属の落葉低木で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と各地に分布する。
海外では、朝鮮半島、中国に自生する。
樹高は1mほどにしかならず、幹は暗褐色、樹皮は縦に裂ける。
葉は互生し、長さ6cm前後の狭卵形で、先は尖り、基部を覗いて重鋸歯がある。葉柄は短い。
花期は5月〜9月で、枝先に複散房状の花序を出し、淡紅紫色の小花を多数密に付ける。
花は直径5o前後で、花弁は5個、メシベは5個で、オシベは25〜35個。
萼片も5個で、長さ2o程の三角形で、内側に短毛がある。

2016/8/27
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の方へ向かう途中の草むらの中で咲いていました。
既に、花期は終盤で、ほとんどが枯れていて、開花していた花序は2つだけでした。

ツルマンネングサ(Sedum sarmentosum)
<バラ目・ベンケイソウ科・センペルビヴム亜科・マンネングサ連・マンネングサ亜連・マンネングサ属>

ベンケイソウ科マンネングサ属に属する多年草で、朝鮮半島から中国東北部が原産地の帰化種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と広く帰化している。
草丈は10〜20cmで、茎は花茎は赤みを帯び、10〜30cmと長く匍匐して節から発根する。
葉は3個が輪生し、葉身は長さ15〜30mmの長楕円形で、淡緑色〜黄緑色。
葉の基部は急にすぼまり、葉先は尖るが先端は丸みがある。葉の縁は全縁。
花期は5月〜7月で、茎先に散房花序風に3〜5分枝して直径5〜6cmになった集散花序を付ける。
花は直径15〜17mmの無柄で、5数性。黄色い花弁は長さ5〜8mmの披針形で先が尖る。
オシベは10個で花弁より短く、葯は橙赤色。花弁の間にあるオシベ5個は、他の5個より長い。
心皮は散開し、長さ5〜6mmの長楕円形で、花柱は長い。
日本に分布しているものは、普通は結実することはなく、匍匐枝を伸ばして増える。

2019/8/22
越後須原駅近くの道路脇の畑の縁で、壁に沿ってボタンヅルが咲いている所で見かけました。
といっても花は咲いておらず、分厚い葉が3個輪生して、茎を壁に垂れているだけです。
葉が3個輪生していることを頼りに探すと、本種にたどり着きました。
花は、他のマンネングサ属と似た黄色い花のようです。

ゲンノショウコ(Geranium thunbergii)
<フウロソウ目・フウロソウ科・フウロソウ属>

2013/8/23           2013/8/23           2016/8/26
フウロソウ科フウロソウ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州、沖縄まで広く分布している。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾にも分布する。
草丈は、30〜40cm程度で、葉は互生する。
葉は掌状に3〜5裂し、長い葉柄の付け根に1対の托葉がある。
花期は5月〜8月で、花は葉腋から花柄を伸ばし2個付く。
花径は15mmくらいで、花弁と萼片は5個、オシベは10本、メシベの花柱は5裂する。
花弁の色は、西日本では紅紫色が多く、東日本では白色に近いものが多い。

国道290号線の守門と栃尾の間で、道路脇で見かけたゲンノショウコです。
どちらも東日本に多い白系統の花でした。
東西の花色の違いに関しては、こちらをご覧ください。


2018/8/25
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場。それを取り囲む林の中で見かけました。
ここの花も、東日本に多い白系統の花でした。

ツキミソウ(Oenothera tetraptera)
<フトモモ目・アカバナ科・マツヨイグサ属>
 
アカバナ科マツヨイグサ属に属する二年草または多年草。
メキシコ原産で江戸時代に鑑賞用として渡来。
花期は6〜9月ごろで、花は夕方の咲き始めは白色であるが、翌朝のしぼむ頃には薄いピンク色となる。
花弁は4枚で白色ですが、徐々に白から薄ピンク色そしてやがて赤紫色に変わって行く。
中心に雌しべがあり、先が4裂している。その周囲には8本の雄しべがある。
同じ属のマツヨイグサ(竹久夢二が宵待草と詠んだことで有名)を月見草と呼ぶ事があるが、
標準和名では、白花をツキミソウ、黄花をマツヨイグサ、赤花をユゲショウとして区別している。

2012/8/24
星まつり会場に、同好会の方が持ってこられていたツキミソウです。
以前は自生している所があったそうなのですが、今は自生しているものはないとのことです。
そのため、絶やさないように種子を採取して、増やす努力をされているそうです。


マツヨイグサ属の花

   .
ユウゲショウ                 ヒルザキツキミソウ     .

マツヨイグサ          メマツヨイグサ          コマツヨイグサ
ユウゲショウ、ヒルザキツキミソウとも、昼間に花を咲かせるマツヨイグサ属です。
マツヨイグサ、メマツヨイグサ、コマツヨイグサは、夕方以降に花を咲かせるマツヨイグサ属です。
標準和名では、黄花をマツヨイグサ、白花をツキミソウ、赤花をユゲショウとして区別しているそうです。


ミズタマソウ(Circaea mollis)
<フトモモ目・アカバナ科・ミズタマソウ属>

アカバナ科ミズタマソウ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と広く分布する。
海外では、朝鮮半島、中国、インドシナ半島にも広く分布している。
草丈は30〜60cmほどで、地下に匐枝を伸ばして広がり、茎は直立する。
葉は対生して、長さ3〜15cm程の卵状長楕円形で、長い葉柄がある。
花期は8月〜9月で、茎頂や葉腋に総状花序を出して、小花を付ける。
花の直径は5mmほどで、2裂した白い花弁が2個向き合って付く。
緑色の萼片は花弁より大きく、2個が向き合って付き、花弁と十字形になる。
オシベは2個で、萼片の上に付く。メシベの柱頭は2裂する。
果実は長さ3o前後の少し扁平な球形の堅果で、4本の縦溝があり、かぎ状毛が密生する。

2018/8/25
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場。それを取り囲む林の中で見かけました。
最初、ウマノミツバだと思い込んでいたのですが、後でよく見ると花や果実の形が全く違います。
その時、以前見かけたミズタマソウをお思いだし、調べてみるとその通りでした。
思い込みというのは困ったものですね。
4弁花に見えますが、花弁、萼、オシベとも2個、柱頭も2裂です。

オトコエシ(Patrinia villosa)
<マツムシソウ目・スイカズラ科・オミナエシ属>

2015/8/21           2013/8/23           2013/8/23
スイカズラ科オミナエシ属の多年草で、在来種。漢字で書くと男郎花となる。
和名は、オミナエシ(女郎花)との対比で、茎葉が大きく、男性的ということに由来する。
日本では、北海道から本州、四国、九州とほぼ全国に分布する。
草丈は1m程までになる。根元から匍匐茎を出し、その先端で根を下ろして増える。
葉は対生し、多くは羽状に分裂する。裂片は卵状長楕円形で、頂裂片が最も大きい。
花期は、8月〜10月で、茎の頂部に散房花序を付け、白い小花をたくさん付ける。
1つの花は合弁花で、先が5裂し、オシベは4本、メシベは1本ある。

国道290号線沿線、星まつり会場やその周辺でも良く見かけます。
黄色いオミナエシに対して、本種は白花なのであまり目立ちません。

オミナエシ(Patrinia scabiosifolia)
<マツムシソウ目・スイカズラ科・オミナエシ属>

スイカズラ科オミナエシ属の多年草で、在来種。漢字で書くと女郎花となる。
日本では、北海道から本州、四国、九州と南西諸島以外のほぼ全国に分布する。
海外では、中国から東シベリアにかけて分布する。
草丈は1m程までになる。オトコエシの匍匐茎と異なり、地下茎を伸ばして増える。
葉は対生し、羽状に分裂する。裂片は卵状長楕円形で、オトコエシより幅が狭い。
花期は、8月〜10月で、茎の頂部に散房花序を付け、黄色い小花をたくさん付ける。
1つの花は合弁花で、先が5裂し、オシベは4本、メシベは1本ある。

2015/8/21
JR只見線と分かれ、290号線に入った山中の空き地で見かけました。
オトコエシと比較すると、その名の通り、やはり艶やかですね。
両者が並んで生えていると比較しやすいのですが、そのような場面に出会ったことがありません。
こうやって、写真で見比べるしかなさそうです。

タニウツギ(Weigela hortensis)
<マツムシソウ目・スイカズラ科(タニウツギ科)・タニウツギ属>

スイカズラ科(タニウツギ科)タニウツギ属の落葉小高木で、日本固有種。
APGVでは狭義スイカズラ科にマツムシソウ科やオミナエシ科を加えてスイカズラ科としているが、
狭義スイカズラ科だけをスイカズラ科と見なし、リンネソウ科とタニウツギ科を独立させても良い。
日本では、北海道西部、本州の東北地方、北陸地方、山陰地方に分布する。
日本海型気候の山地の谷沿いや斜面などで、日当たりの良い所に多い。
樹高は2〜5mで、下部からよく分枝して株立ちになる。樹皮は灰褐色で縦に裂ける。
新しい枝は茶褐色〜紫褐色で、ほぼ無毛。新枝は長く伸びるが、やがて上部は枯れる。
葉は対生し、長さ4〜10cmの卵状楕円形で、基部は円形で先は尾状に尖る。縁には鋸歯がある。
葉柄は長さ3〜10mmで、葉裏には全体に白毛があるが、特に葉脈の両側に多く、脈状は少ない。
花期は5月〜6月で、枝先や上部の葉腋に淡紅色〜紅色の花を数個付ける。
花冠は漏斗状で、長さ25〜35mm、直径20oで、先は5裂する。
花冠の内側より外側の色が濃く、開花しているものよりツボミの方が色が濃い。
萼は5深裂し、裂片は長さ4〜7mmで、その下部に長さ8〜10mmの筒状の子房がある。
オシベは5個で、花筒とほぼ同じ長さがあり、メシベの花柱はそれより長く、花筒から飛び出る。
果実は刮ハで、長さ12〜18oの細い筒状で硬く、10月頃に熟す。
熟すと上部が2裂して、長さ1mmほどの楕円形の種子を多数出す。種子の周囲には翼がある。

2024/8/25
芝生広場からゴルフ場に向かう道路脇で、リョウブの隣で咲くタニウツギを見かけました。
花期は5月〜6月で、とっくに過ぎていますので、かなりの遅咲きです。
他の枝には花はありませんので、この枝のみの狂い咲きと言って良いかもしれません。
竜王マウンテンパークで見かけて以来なので、ずいぶんと久しぶりの再会です。


2024/8/25
星まつり会場から芝生広場に向かう途中、右下に写っているイカリモンガを狙って撮ったものです。
後になって、イカリモンガが止まっている葉はタニウツギで、果実がたくさん付いているのに気付きました。
上記で狂い咲きと書きましたが、これがこの時期のタニウツギの本来の姿です。


スイカズラ科のよく似た花

 
  <タニウツギ>        <シロバナウツギ>
   .
<ハコネウツギ>
以上がスイカズラ科(タニウツギ科)タニウツギ属に属するもので、
タニウツギは、今回以外では竜王マウンテンパークや神奈川県の相模原北公園で見かけたことがあります。
また、シロバナウツギは、入笠山の沢入駐車場から大阿原湿原へ向かう車道脇で見かけたものです。
下段のハコネウツギは、花色が白色から紅色に変化する品種で、神奈川県の城山湖で見かけたものです。


 <ツクバネウツギ>      <コツクバネウツギ>
  これらはスイカズラ科(リンネソウ科)ツクバネウツギ属に属するもので、似てはいますが別属です。
どちらも兵庫県の網引湿原で見かけたもので、混生していました。


ヤブデマリ(Viburnum plicatum var. tomentosum)
<マツムシソウ目・レンプクソウ科・ガマズミ属>

レンプクソウ科ガマズミ属の落葉低木で、在来種。山地の川沿いなど湿り気の多い所に多く生える。
日本では、本州、四国、九州に分布する。海外では、朝鮮半島や台湾、中国南部にも分布する。
樹高は3〜4m前後で、樹皮は灰黒色あるいは灰褐色で、まばらに皮目がある。
葉は対生し、葉身は長さ10cm程の長楕円形で、先端は尖る。
両面に毛があるが、表面の毛はほとんどが脱落する。縁には鈍い鋸歯がある。
花期は5月〜6月で、伸ばした枝の葉腋に、揃って直径5〜10cmの散房花序を出す。
花序の中心部に黄色味を帯びた小さな両性花が多数付き、そのまわりを直径2〜4cmの白い装飾花がとり囲む。
装飾花は無性花で、5深裂して平開し、その裂片のうち1個だけが特に小さく、中心方向に付く。
果実は核果で、夏に赤くなり、秋には黒紫色に熟す。

2017/7/29
星まつり会場から少し離れた芝生広場、その脇の道路際で、赤い実を付けていました。
この時期、このような赤いものはないので、非常に目立ちます。

カワラケツメイ(Chamaecrista nomame)
<マメ目・マメ科・ジャケツイバラ亜科・カワラケツメイ連・カワラケツメイ属>

マメ科カワラケツメイ属の多年草で、在来種。
日本では、本州から四国、九州に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、東アジア、東南アジアの一部、オーストラリア、アフリカに分布する。
草丈は30〜60cmほどで、茎には曲がった毛が生え、よく分枝する。
葉は互生し、偶数羽状複葉。小葉は数十対あり、長楕円形で先が尖る。
葉柄の基部には腺体が1個ある。また、暗くなったら閉じる睡眠運動を行う。
花期は8月〜9月で、葉腋に黄色の花を数個付けるが、マメ科の蝶形花ではない。
ほぼ同形の5花弁の花で、披針形の萼片も5個。オシベは4個、メシベは1個で花柱は上に曲がる。
豆果は長さは4p前後で、扁平で有毛。中に四角い種子が4〜12個入っている。

2013/8/25
加茂市、薬師山の麓にある駐車場の脇は、斜面から水がわき出しており、湿地のようになっています。
その湿地や周囲には、何種類かの野草が生えており、その中の1種類です。
ここでは良く似たクサネムとカワラケツメイが混生していました。
最初似ていたので、同じものと思っていたのですが、後でよく見ると微妙に異なる点に気付きました。


2013/8/25
まだ、豆果にはなっていませんし、花も未開花でしたが、下記の特徴から本種としました。
半開きの花ですが、蝶形花の旗弁のような上に反り返った花弁はありません。
また、萼片は先の尖った披針形をしています。
そして、小葉の先が尖っており、葉の基部に1個の腺体(赤褐色の点の様なもの)があります。



2017/7/27

2018/8/23
加茂市、薬師山の麓にある駐車場脇。湿地側にクサネム、乾燥地にカワラケツメイが大群落を作っていました。
同じマメ科で、見た目も似ているのですが、上記のようにしっかりと棲み分けています。
大きな違いは花色と花の形で、クサネムはマメ科らしい淡黄色の蝶形花、カワラケツメイは黄色い5弁花です。
クサネムの花色は淡いので目立ちませんが、カワラケツメイの黄花は遠目でも目立つので、それと分かります。
果実は、どちらも豆果なので、花が終わってしまうと遠目では見分けられないかもしれません。


2023/8/20
加茂市の外れにある国道290号線沿いの駐車場。駐車場を出るとそこは三条市です。
その脇には水の流れる湿地と乾燥した斜面があり、いろいろな植物が繁茂しています。
その乾燥した斜面を多くを占拠して、大きな群落を作っているのがカワラケツメイです。
今年も大半を占拠して、黄色い花をたくさん付けていました。


2024/8/25
加茂市の外れにある駐車場脇の斜面、水が流れている湿地状の所に群生していました。
一時期、斜面を覆い尽くすほどに群生していましたが、今は小さな群落が点在する程度です。
昨年は、隣りの乾燥した斜面はクサネムが覆い尽くしていたのですが、今年は見当たりません。
探そうかと思ったのですが、雷雲に追いかけられていたので、追われるように駐車場を後にしました。

ネムノキ(Albizia julibrissin Durazz.)
<マメ目・マメ科・ネムノキ亜科・ネムノキ連・ネムノキ属>

マメ科ネムノキ属の落葉高木で、在来種。
日本では、本州から四国、九州に、海外では、朝鮮半島から中国に分布する。
樹高は6〜10mで、幹は灰褐色で皮目が目立つ。
葉は互生し、長さ20〜30cmの2回偶数羽状複葉で、葉裏は粉白色で軟毛が生える。
小葉は左右不対称で包丁のような形をしており、夜になると小葉は閉じる。
花期は6月〜7月で、小枝の先端に淡紅色の花を数十個からなる花序を付け、夕方に開花する。
花は、花弁が7〜8mmと小さく、基部が合着している。
花糸が長さ3〜4cmと長いオシベを多数付け、花糸の中程から先が紅色になって、房のようになる。
果実は豆果で、長さ10〜15cmの広線形で、細長くて扁平である。
褐色に熟して、下側の線に沿って裂開し、長さ5〜9mmで扁平な楕円形の褐色の種子が出てくる。

2017/7/27
ネムノキは、栃尾の道の駅で撮影したものですが、ちょうど満開の時期だったようで、たくさん花が付いていました。
新潟県内ではあちらこちらでよく見かけましたが、河川敷でも時折見かけました。
相模川などでニセアカシア(ハリエンジュ)が見られるのと同様、種子が川に流されて増えているのかもしれません。

イタチハギ(Amorpha fruticosa)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・イタチハギ連・イタチハギ属>

マメ科イタチハギ属の落葉低木で、北アメリカ、メキシコが原産地の帰化植物。
日本には韓国から1912年に砂防用などに導入され、日本各地に野生化している。
高温や乾燥に強く、根の土壌固定力も高く、窒素固定力もあるため、法面緑化に利用された。
日本生態学会は、侵略的外来種ワースト100に選定しているが、
外来生物法では、要注意外来生物の指定に止まっている。
樹高は1〜5mで、樹皮は灰褐色。
葉は互生し、長さ10〜30cmの奇数羽状複葉で、小葉は5〜10対ある。
小葉は長さ1〜4cmの長楕円形〜卵形で全縁。裏面に腺点がある。
花期は4月〜7月で、茎先に長さ6〜20cmの穂状花序を多数付ける。
無柄の花は両性花で、長さは8o前後あり、暗紫色〜暗紫褐色で変異がある。
花弁は旗弁のみで、翼弁と竜骨弁は退化してない。
メシベ、オシベとも花弁から突き出し、花糸は紫色で葯は橙色。
果実は豆果で、長さは1cm前後。表面にイボ状の突起があり、種子が1つ入っていて、裂開しない。

2018/8/23
加茂市、薬師山の麓にある駐車場、その奥の道路脇でたくさんの果実を付けた木を見かけました。
葉の形からアカシアの仲間ではないかと思ったのですが、果実の形が異なります。
後で、いろいろと調べていて、イタチハギの果実と分かりました。
紫褐色の花が、ノボリフジ(ルピナス)のように咲くようですが、見たことがありません。
※ 下記の花の写真の通り、後日、その花を見る事が出来ました。


2023/8/20
加茂市の外れにある国道290号線沿いの駐車場。駐車場を出るとそこは三条市です。
その脇には水の流れる湿地と乾燥した斜面があり、いろいろな植物が繁茂しています。
その乾燥した斜面の上にある農道?の縁で、今年もイタチハギがたくさん豆果を付けていました。


イタチハギの花

   .
2020/6/14               2023/5/23
イタチハギの花を最初に見たのは、神奈川県の城山湖(ダム湖)の近くでした。
このイタチハギの花は、紫色に近いもので、Webで見かける写真のものより明るい色でした。
右の写真のイタチハギの花は、兵庫県にある加古川の高砂市側河川敷で見たものです。
Webでよく見る暗紫褐色(見た目焦茶色です)の花で、枯れたような色合いです。


クズ(Pueraria lobata)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・インゲン連・ダイズ亜連・クズ属>

2016/8/26           2015/8/21           2012/8/24
マメ科クズ属のつる性の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に広く分布する。
海外では、中国からフィリピン、インドネシア、ニューギニアと温帯から暖帯に分布している。
つるは他のものに巻付いて、10m以上に伸び、根元は木質化して、地下に巨大な塊根を持つ。
塊根は、大きいものでは長さ1.5m、直径20cmほどになる。
葉は3出複葉で、小葉は幅広で大きく、裏面に白い毛を密生する。
花期は8月〜9月にかけてで、穂状花序を立ち上げて、下から順次咲き上る。
花色は、濃赤紫色のものが多いが、淡赤紫色から白いものまで変異がある。
クズは万葉の昔から、秋の七草の1つに数えられ、塊根からは葛粉が作られる。

最近は、都心部でも見かけるようになったクズが、濃赤紫色の花を咲き上らせていました。
咲き上って行く様は、ノボリフジ(ルピナス)に近い印象を受けます。

 
2018/8/26
国道290号線 加茂市下土倉付近の側道脇で、縦横無尽に枝を伸ばしたクズ。
その咲き終わりに近い花序の下部に果実がぶら下がっていました。
そういえば、クズの果実を見るのは初めてでした。かなり毛深いです。

クサネム(Aeschynomene indica)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・クサネム連・クサネム亜連・クサネム属>

マメ科クサネム属の1年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、アジア、オーストラリア、南アメリカ、熱帯アフリカに分布する。
草丈は50〜100cmほどになり、上部の茎は中空になる。
葉は互生し、偶数羽状複葉。小葉は数十対あり、長楕円形で葉先の縁が赤褐色。
葉は、触れると閉じ、暗くなっても閉じる睡眠運動を行う。
花期は7月〜10月で、葉腋に数個の淡黄色の蝶形花を付け、旗弁の基部には赤褐色の斑点がある。
豆果は節果で、長さは5p前後になる。扁平で6〜8個の小節果かからなり、熟すと節から切れる。

2013/8/25
加茂市、薬師山の麓にある駐車場の脇は、斜面から水がわき出しており、湿地のようになっています。
その湿地や周囲には、何種類かの野草が生えており、その中の1種類です。
ここでは良く似たクサネムとカワラケツメイが混生していました。
最初似ていたので、同じものと思っていたのですが、後でよく見ると微妙に異なる点に気付きました。
クサネムは既に花が終わり、豆果のみとなっていましたが、特徴的な節果から本種としました。
他にも、小葉の先が丸く、縁が赤褐色を帯びている点が、本種の特徴です。


2017/7/27
今年は例年より星まつりが1ヶ月早かったので、湿地の植生もいつもと異なります。
クサネムも、まだ、芽を出してそう日が経っていないようで、成長中といったところでした。
草丈も10cm強といったところで、若葉がきれいでした。もちろん、花芽はありませんでした。

   
2018/8/26

2018/8/23



2018/8/23
加茂市、薬師山の麓にある駐車場脇にある水の流れる湿地。そこにたくさんのクサネムが見られました。
まだ、成長途中のクサネム(根元にあるのは枯れたクサネムかもしれません)、盛んに開花しているクサネム。
そして、ほぼ咲き終わり、たくさんの果実を付けたクサネム。半分ほどは完熟して黒褐色になっていました。
そして、初めてクサネムの花を確認できました。淡黄色の花で、旗弁はレンガ色を帯び、基部は赤褐色です。
豆果も緑の未熟なものから、黒褐色に熟したものまでいろいろ見られました。
豆果の鞘にあるイボ状の突起は、熟すにつれて大きくなるようです。


2023/8/20
加茂市の外れにある国道290号線沿いの駐車場。駐車場を出るとそこは三条市です。
その脇には水の流れる湿地と乾燥した斜面があり、いろいろな植物が繁茂しています。
その湿地を半分ほど占拠しているのがクサネムで、今年は花と果実が見られました。

ヤブツルアズキ(Vigna angularis var. nipponensis)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・ササゲ属>

マメ科ササゲ属のつる性1年草で、在来種。
日本では、本州から四国、九州に分布子し、海外では朝鮮半島から中国に分布する。
葉は互生で3小葉からなり、小葉は卵形で先は尖り、長さ、幅とも8cm前後、3残裂することもある。
花期は、8月〜10月で、葉腋から総状花序を出し、左右非対称の黄色い蝶形花を付ける。
竜骨弁は2枚が合着して筒状になってねじれ、左翼弁がそれにかぶさっている。
右翼弁は竜骨弁抱くように前に付き出る。
豆果は、4〜9cmほどの線形で無毛。熟すと鞘がねじれて裂開し、黒い種子飛び出す。
ヤブツルアズキは、アズキの原種と考えられており、豆果の形はアズキに近い形をしている。
良く似た花を付けるのは、他にノアズキやヤエナリ(緑豆)がある。

2012/8/24
国道290号線の二日町付近の放棄された田んぼの中で、見かけたヤブツルアズキです。
ツルマメやヨモギに巻き付いていました。花の形は、ノアズキとそっくりで、どちらなのか最後まで迷いました。
豆果があれば迷うこともないのですが、結果は翼弁の形からヤブツルアズキと判断しました。


2015/8/21
JR只見線の越後須原駅に立ち寄った際、線路脇の草原で見かけました。
草原が除草された後のようで、つる性植物なのに、草丈20cmほどしかなく、蔓らしい形もしていません。
やはり、筒状になった竜骨弁を、左翼弁が被さるように抱いている点から本種と判断しました。

ツルマメ(Glycine soja)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・ダイズ亜連・ダイズ属>

マメ科ダイズ属のつる性1年草で、在来種。別名はノマメで、ダイズの原種とされる。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、ロシア、アフガニスタンに分布する。
つるは数mの長さになり、他の木や草に良く絡む。つるはやや太めで、茶褐色の逆毛が密生する。
葉は互生で、長い葉柄がある3小葉からなる複葉で、小葉は長さ5p前後の長楕円形。
小葉の表裏ともに毛があり、縁は滑らか。基部には小托葉がある。
花期は8月〜9月で、葉腋から房状花序を出し、赤紫色の蝶形花を数個付ける。
萼は5裂し、黄褐色の毛が密生する。旗弁の基部には濃赤紫色の筋があり、中央部が凹む。
2枚の翼弁は淡紫色で、竜骨弁を包むように付く。
豆果は長さ数cmで、黄褐色の粗い毛が密生する。数個の平たい種子が入っている。

2012/8/24
国道290号線の二日町付近の放棄された田んぼの中で見かけたツルマメです。
アキノノゲシやタケニグサなどに巻き付いていました。


2024/8/25
加茂市の外れにある駐車場脇の斜面の一角に、ツルマメが花を付けていました。
ちょうど、水が流れている斜面と乾燥した斜面の境界辺りで繁茂しています。
この場所では初めて見ました。右の写真では絡み付くものがなくて横に広がっています。
少し離れた所では、サワヒヨドリに巻き付いていました。

ヌスビトハギ(Desmodium podocarpum subsp. Oxyphyllum)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・ヌスビトハギ連・ヌスビトハギ亜連・ヌスビトハギ属>

マメ科ヌスビトハギ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州に広く分布している。
海外では、朝鮮半島から中国、ロシア、東南アジアの一部に分布する。
草丈は1m前後になり、根元はやや木質化する。葉は、互生し、3出複葉になる。
花期は7〜9月で、淡紅色の花は、細長い花序にまばらに付く。
節果は、2個の小節果よりなり、半円形。
その形が盗人の抜き足差し足の足跡に似るのが、和名の由来。

2015/8/21
クズが大きくはびこっている中で、ヌスビトハギが小さな花を咲かせていました。
同じマメ科の植物ですが、クズと比較すると草丈、葉の大きさ、花の大きさは一ケタ小さいです。

ヤブハギ(Desmodium podocarpum ssp. oxyphyllum var. mandshuricum)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・ヌスビトハギ連・ヌスビトハギ亜連・ヌスビトハギ属>

マメ科ヌスビトハギ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州に広く分布している。
海外では、朝鮮半島から中国、ロシア、東南アジアの一部に分布する。
草丈は1m前後になり、葉は互生し、3出複葉で、基部近くに集中して付く。
花期は7〜9月で、淡紅色の花は、細長い花序にまばらに付く。
節果は、2個の小節果よりなり、半円形。
良く似たヌスビトハギは、茎が良く分枝し、葉が茎全体に分散して付くことで区別できる。

2016/8/27
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の方へ向かう途中、日陰になった道端で咲いていました。
花の色や形はヌスビトハギとそっくりですが、葉が基部に集まって付く所が異なります。
また、花序には葉が付いていません。

ヤマハギ(Lespedeza bicolor)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・ヌスビトハギ連・ハギ亜連・ハギ属・ヤマハギ亜属>

マメ科ハギ属の落葉低木で、在来種。秋の七草の1つ。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、ウスリー川辺りまで分布ている。
樹高は1〜3mで、根元から多数の細い枝を出し、先で多数に分枝する。
葉は互生し、3出羽状複葉で、小葉は長さ数cmの楕円形。
小葉の先は丸くなるが、主脈の先が髭のように尖り、飛び出るものもある。
花期は、7〜10月で、花序は基部の葉より長い花柄を出して、多数の花を付ける。
花冠は淡紅紫色で、長さ10oほど。旗弁は翼弁や竜骨弁より長く、竜骨弁は翼弁より長い。
萼は4裂し、上側の萼歯は浅く2裂する。萼歯は萼筒よりも短い。
豆果は、長さ6o前後で、扁平で丸い。種子は1個だけ入っている。

2016/8/27
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の方へ向かう途中の道端に咲いていました。
3出複葉の葉が特徴で、豆果があればもっと分かり易いのですが、見当たりませんでした。


ヤマハギの豆果

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町田市の薬師池公園にあるハス田の近くで見かけたヤマハギの豆果です。
このときは、この豆果のみでしたので、何の豆果なのか分かりませんでした。
翌年に花を確認して、ヤマハギの豆果であったと分かりました。


ヤハズソウ(Kummerowia striata)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・ハギ亜連・ヤハズソウ属>

マメ科ヤハズソウ属の1年草で、在来種。道端などで極普通に見られる。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布している。
海外では、朝鮮半島から中国、ロシア、ベトナムに分布している。
草丈は20〜40p程で、茎は良く分枝して、下向きに毛が生える。
葉は互生し、3出複葉で、小葉は長さ15o前後の長楕円形。
葉先は尖り、斜めの平行脈が特徴で、葉を引っ張ると、この平行脈に沿って切れる。
その形が矢筈(矢の尾部で弓弦を受ける凹み)に似ることが和名の由来。
花期は8月〜10月で、葉腋に1個か2個の淡紅紫色の蝶形花を付ける。
旗弁は淡紅紫色で、紅紫色の筋模様がある。長い翼弁と竜骨弁は白色。
萼は3oほどで伏毛があり、果実は長さ3.5o程で先が急に尖る。

2012/8/24
国道290号線の二日町付近の放棄された田んぼの畔道で、見かけたヤハズソウです。
子供の頃、田舎ではどこにでも生えていたように思います。
しかし、都心に近い今の所に引っ越してからは、全く見かけません。
何十年ぶりかの再会となりました。葉っぱを引っ張ると、開いたV字型に切れるのは覚えています。


2023/8/20
加茂市の外れにある国道290号線沿いの駐車場。駐車場を出るとそこは三条市です。
その脇には水の流れる湿地と乾燥した斜面があり、いろいろな植物が繁茂しています。
その乾燥した斜面の外れで、数十cmほど立ち上がったヤハズソウを見つけました。
大概は、横に寝ていることが多いという記憶があるのですが、ほぼ垂直に立っていました。
残念ながら花はしていませんでしたが、葉の特徴から本種と判断しました。