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胎内およびその道中で見かけた野草U



ここ何年か通っている「胎内 星まつり」。
その道中や会場である「胎内自然天文館」近辺で見かけた野草をまとめたものです。

ただ、星まつりが毎年、8月の初旬に開催されるため、その時期に見かけた野草のみです。
特に珍しいものではありませんが、こんな野草が見られるのだと思っていただければ幸いです。

< トピック >

今回、新たに見かけた、下記の野草を追加しました。
ネジバナ[モジズリ]、エゴノキ
今回、下記の野草の写真を追加しました。
オトギリソウ、コケオトギリ、リョウブ



ここでは、被子植物はAPG III体系で、その他は従来の体系で掲載しています。
オモダカ目
オモダカ科(オモダカ)
サトイモ科(マムシグサ)
トチカガミ科(ミズオオバコ)
ヒルムシロ科(オヒルムシロ)
キジカクシ目
キジカクシ科(コバギボウシ)
ヒガンバナ科(ナツズイセン)
ラン科(Newネジバナ[モジズリ])
キントラノオ目
オトギリソウ科(オトギリソウ、コケオトギリ)
トウダイグサ科(オオニシキソウ、コニシキソウ)
キンポウゲ目
キンポウゲ科(アキカラマツ、ヤマキツネノボタン、ボタンヅル)
ケシ科(タケニグサ)
ツヅラフジ科(アオツヅラフジ)
シソ目
アゼナ科(ウリクサ)
オオバコ科(ホソバウンラン)
シソ科(ヤマクルマバナ、クサギ)
ハエドクソウ科(ハエドクソウ)
セリ目
ウコギ科(ウド、タラノキ、ハリギリ)
セリ科(ウマノミツバ、シシウド、ノダケ、セリ)
ツツジ目
エゴノキ科(Newエゴノキ)
サクラソウ科(オカトラノオ)
ツツジ科(イチヤクソウ)
ツリフネソウ科(キツリフネ)
リョウブ科(リョウブ)
ツユクサ目
ツユクサ科(ツユクサ)
胎内およびその道中で見かけた野草U
和名インデックス


オモダカ(Sagittaria trifolia)
<オモダカ目・オモダカ科・オモダカ属>

オモダカ科オモダカ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州、南西諸島の水田などに生育する抽水、湿生植物。
葉は根生し、幼葉は線形であるが、成長すると矢じり型の葉になる。
葉柄は長く、20cm〜50cmになり、側裂片は頂裂片より長くなる。
なお、葉幅が狭く狭披針形のものをホソバオモダカとすることがある。
花期は7月〜10月で、花茎は、20cm〜1mになるが、葉の上部より高くなることはない。
花は総状花序になり、下部に雌花、上部に雄花を付ける。稀に両性花も見られる。1日花。
白い花弁は3枚で、オシベ、メシベとも多数ある。
秋には、葉の基部から走出枝を多数伸ばし、先端に塊根を作って越冬する。

2013/8/23
胎内の星まつり会場を後にして山を下り、新発田郊外に出たとき、田んぼの中で見かけました。
畔近くで水が少したまった所に、白い花をひっそりと咲かせていました。
3花弁の花もそうですが、矢じり型の細い葉も特徴的です。
ただ、時期が遅かったのか、雄花ばかりで、その白い花弁も全て傷んでしまっていました。


   <雌花>         2015/8/23 (上部の雄花と下部の雌花)    <雄花>
新発田郊外で、田んぼの中に本種がないか探して、やっと見つけました。
稲作においては、水田の雑草として除草されてしまうため、畔に残っていました。
この花茎では、やっと雄花が1つ開花したところで、その下部には雌花が複数見られます。
雄花のオシベは、扁平な花糸に黄色い葯を付けます。
雌花は、球形の子房に多数の淡黄緑色から淡緑色のメシベを多数付け、メシベの先は外曲しています。


2013/8/23         2015/8/23         2013/8/23
手元にあったオモダカの写真を、葉の細い順に並べてみました。
両サイドの葉では、葉幅に倍以上の差があります。
左端のものは、ホソバオモダカの部類に入るのかもしれません。
ただ、変異は連続的なものと思われますので、どこからホソバになるのか明確ではありません。

マムシグサ(Arisaema serratum)
<オモダカ目・サトイモ科・サトイモ亜科・テンナンショウ属>

サトイモ科テンナンショウ属の宿根性落葉多年草で、在来種。
有毒植物で、全草にシュウ酸カルシウムの針状結晶、サポニン、コニインを含み、特に球茎の毒性が強い。
日本では、北海道から本州、四国、九州と広範囲に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国東北部に分布する。
草丈は50〜80pほどになり、春、地下の球茎から偽茎を伸ばし、2枚の葉を展開する。
偽茎は、葉柄下部の2つの葉鞘部分が重なったもので、紫褐色のまだらな模様がある。
葉は鳥足状の複葉で、7〜15枚の楕円形の小葉からなり、その形や鋸歯の有無など変異が大きい。
花期は4月〜5月で、中央から花茎を伸ばし、紫色の仏炎苞のなかに肉穂花序を付ける。
雌雄異株で、肉穂花序の下部に萼も花冠もないオシベ・メシベだけの花を固まって付ける。
仏炎苞は、長さ10pほどの筒状部があり、その先は細くなりながら水平に前方に伸びる。
肉穂花序の先端から伸びた付属体は、棍棒状で直径8mm前後。
花後、仏炎苞の下から緑色のトウモロコシ状の果実が現れ、秋には真っ赤に熟す。
仏炎苞は紫褐色が標準であるが、緑色のものなどもあり、下記のようにいろいろな名前で呼ばれる。
アオマムシグサ、ムラサキマムシグサ、オオマムシグサ、カントウマムシグサ、コウライテンナンショウ…
ただ、各々の中間的な形態のものも多く、学者によって分類も異なる。

2018/8/25
胎内の星まつり会場から芝生広場の方に向かう通路脇、林縁で見かけました。
既に花期は終わり、枯れた仏炎苞と肉穂花序の残骸が見えています。
受粉には失敗したようで、果実は見られません。

ミズオオバコ(Ottelia alismoides)
<オモダカ目・トチカガミ科・ミズオオバコ属>

トチカガミ科ミズオオバコ属の1年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する沈水植物で、沼や溜池、水路、水田などに生える。
草丈は、水深によって大きく異なり、水田など水深の浅い所では小型の下部となる。
一方、水深のある溜池などでは大きく成長し、小型のものと同じとは思えないほど大型の植物体となる。
葉は有柄で、葉身は披針形から広卵形、長さは数p〜数十pになる。葉には鋸歯がある。
なお、流れのある所では、葉柄のはっきりしない長楕円形の葉になることもある。
花期は8月〜10月で、長さ5〜50cmの花茎を水面上に伸ばし、1つの花(稀に複数)を付ける。
3枚の花弁は白から淡紅色で、オシベは10本前後、メシベは5本前後ある。
花後、花茎が縮んで水中に没するが、成熟すると再び水面に出て三裂し、種子を散布する。

2016/8/28
新発田市郊外を避けて田んぼの中を抜ける際、用水路で見かけた。
オヒルムシロが群生するなか、この1ヶ所だけ、ミズオオバコが集まっていました。
水深は、せいぜい20cmほどで、かなり流れがありましたので、葉柄の短い細長い葉になっていました。

オヒルムシロ(Potamogeton natans)
<オモダカ目・ヒルムシロ科・ヒルムシロ属>

<沈水葉>             <浮葉>
ヒルムシロ科ヒルムシロ属の多年草で、在来種。北半球の温帯域に分布する。
日本では、北海道から本州、四国、九州にに分布するが、東日本に多く、関西以西では稀。
地下茎から茎を伸ばし、水中に伸びる茎は数mに達することもある。
同じ植物体に浮葉と沈水葉を持ち、浮葉は長楕円形で、長さ10cm前後、幅数cm、15p前後の葉柄を持つ。
沈水葉は線形で、長さ数十cm、幅は1cm前後、托葉は10cm前後になる。
花期は5月〜8月で、花茎は10cm前後、長さ5p程度の穂状花序を水面に出す。
果実は倒卵形で、長さ5o程度。冬には殖芽を形成して、無性的に繁殖する。

2016/8/28
新発田市郊外を避けて田んぼの中を抜ける際、用水路で見かけた。
ほとんどが細長い沈水葉のみだしている状態でしたが、岸近くで浮葉が見られました。
浮葉の下には沈水葉も見られ、同じ植物とは思えない2種類の葉を同時に付けていました。

コバギボウシ(Hosta albo-marginata)
<キジカクシ目・キジカクシ科・リュウゼツラン亜科・ギボウシ属>

キジカクシ科ギボウシ属の多年草で、在来種。
日本では、本州から四国、九州の日当たりの良い湿地に生える。
草丈は30cmほどになり、葉は根生葉で、葉身は長さ15cmほどになる。
葉幅は8cmほどになり、狭卵形で先が尖り、基部は翼状になって葉柄につながる。
葉の表面は灰緑色で光沢はなく、葉脈部が凹む。
花茎は40cmほどに伸び、花は淡紫色の筒状花で、基部は細く、上部は広がる。
花被片は6枚で、花被片の内側には濃紫色の筋が入る。
オシベは6本、メシベは1本で、外に突き出している。

2015/8/23
胎内の星まつり会場を後にして山を下りる途中、道路脇の湿地で見かけました。
湿地の数か所で、コバギボウシが花茎を伸ばして花を付けていました。

ギボウシ属には、斑入りや白花などの園芸品種があり、公園などで見かけることがあります。


2018/8/25         2018/8/25         2018/8/26
2018/8/25 芝生広場を取り囲む林の林縁で、一株だけ、ポツリと咲いていました。
2018/8/26 国道290号加茂市下土倉付近の側道脇で見かけたコバギボウシです。
ここでは数株が、ミゾソバなどの雑草に半ば埋もれながら、咲いていました。

ナツズイセン(Lycoris squamigera)
<キジカクシ目・ヒガンバナ科・ヒガンバナ亜科・ヒガンバナ連・ヒガンバナ属>

ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草で、有毒植物。
古い時代に中国から渡来した「史前帰化植物」と考えられている。
和名の由来は、葉がスイセンに似ていて、花が夏に咲くことから付けられたもの。
花期に葉がないことから、別名「裸百合」とも呼ばれる。
日本では、本州から四国、九州に分布し、海外では朝鮮半島から中国に分布している。
秋から翌年の春にかけてスイセンに似た葉を出し、8月の地中旬から下旬に花を咲かせる。
地下に鱗茎を持ち、花期に鱗茎から60cmほどの花茎を1本伸ばす。
花茎の先に数輪のピンクの花を付け、6枚の花被片は反り返る。

2015/8/21
只見線と分かれ、290号線に入った山中の道路脇の草原で見かけました。
周りには他に花はなく、クズなどが生い茂る草原の中にピンクの花を咲かせていましたので、とても目立ちます。
思わず、車を止めて撮影してしまいました。

ネジバナ(Spiranthes sinensis var. amoena)
<キジカクシ目・ラン科・ネジバナ亜科・クラニチス連・ネジバナ属>
 
ラン科ネジバナ属の多年草で、日本の全土に分布する。別名としてモジズリの名がある。
分布域はヨーロッパ東部からシベリア、温帯・熱帯のアジア全域、オセアニアと極めて広い。
ラン科の植物としては、珍しく身近に見られる。
湿っていて日当たりの良い、背の低い草地に良く生育する。
花茎は10〜40cmになり、根際に数枚の葉を付ける。
葉は柔らかくて厚みがあり、冬季は楕円形をしているが、生育期間中には細長く伸びる。
花色は通常淡紅紫色(稀に白花)で、小さな花を多数細長い花茎に密着させるように付ける。
その花が花茎の周りに螺旋状に並んで咲く「ねじれた花序」が和名の由来である。
右巻きと左巻きの両方があり、中には花序がねじれない個体や、途中でねじれ方が変わる個体もある。
なお、右巻きと左巻きの比率は、ほど同率である。

2024/8/24
芝生広場からゴルフ場に向かう道路、その脇でひっそりと花を付けていました。
花が小さいのでラン科の花と気付いていない人もいるかもしてません。
しかし、花をルーペなどで拡大すれば、ランの花だと分かるはずです。

オトギリソウ(Hypericum erectum)
<キントラノオ目・オトギリソウ科・オトギリソウ連・オトギリソウ属>

オトギリソウ科オトギリソウ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国にかけて分布する。
草丈は数十cm程になり、夏に茎の先に5花弁の黄色い花(1日花)を付ける。
メシベの花柱は3本あり、それを囲むように多数のオシベが付く。
葉の表面に褐色の油点が見られ、花弁や萼片に黒点や黒線が見られる。

2015/8/21
谷川岳PAで朝食を取った時、近くで見かけた野草です。
黄色いオトギリソウは1日花で、ビヨウヤナギの花を小さくしたような形をしています。
拡大した花やツボミを見ると、花弁や萼片に汚れのような黒い線が見られます。


2016/8/27
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場へ向かう道路脇で、オトギリソウが咲いていました。
この星まつり会場近くで、本種を確認したのは初めてです。

 
2024/8/25
芝生広場からゴルフ場に向かう道路脇で、良く目立つ黄色い花を咲かせていました。
星まつり会場の近くでは、久しぶりの出会いでした。

コケオトギリ(Hypericum laxum)
<キントラノオ目・オトギリソウ科・オトギリソウ連・オトギリソウ属>

オトギリソウ科オトギリソウ属の多年草で、在来種。湿地や休耕田などに生える。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国に分布する。
茎には稜が4つあり、上部で分枝する。草丈は、3〜30cmと幅広い。
葉は、1cm程の広卵形で、葉柄はなく、十字対生。秋には紅葉する。
なお、葉には明点(日に透かすと見える)はあるが、黒点はない。
花期は、7月〜9月で、直径8mm程の黄色い花を付ける。苞は、葉と同形で、幅が葉より狭い。
黄色い花弁は5枚で、萼片も5枚ある。オシベは10個以下で束にならない。花柱は3裂する。
茎の先端が肉芽となり、脱落して越冬する。翌春、発根して成長する。

ヒメオトギリと良く似ており、葉や萼片が細長い点や、オシベの数が多い点で区別する。
しかし、葉の形やオシベの数(10本前後では区別不可)では明確に区別するのは難しい。
苞葉の形状は、コケオトギリが葉と同形なのに対し、ヒメオトギリは線形、披針形で区別が容易。

2013/8/25
加茂市、薬師山の麓にある駐車場の脇は、斜面から水がわき出しており、湿地のようになっています。
そこに何種類かの野草が生えており、その中の1種類です。
真っ赤に紅葉しているため、遠くからでも目立っていました。
ただ、花期は過ぎているため、花の形や色などが分からず、名前が分からないままでした。


2015/8/23
今年、別の調べ物をしていて、コケオトギリが紅葉するのを知り、特徴を比較しました。
その結果、コケオトギリかヒメオトギリであろう判断しましたが、花の季節は終わっています。
ということで、この苞葉の形から本種と判断しました。


2017/7/27
今年は例年より1ヶ月早い星まつりでしたので、ここのコケオトギリも花を付けていました。
8月末には花が終わって紅葉しているため、最初、何の花かさっぱり分からなかったのを思い出しました。


2018/8/23       2018/8/23            2018/8/26    .
加茂市、薬師山の麓にある駐車場の脇の湿地で、今年もコケオトギリが紅葉していました。
昨年は、1ヶ月早かったので、たくさん花が咲いていましたが、紅葉は見られませんでした。
今年は中央の写真のように、紅葉したコケオトギリの根元近くに、そう多くはないですが、花が見られました。
昨年は、花の写真がうまく撮影できなかったので、撮り直しました。

 
2023/8/20
加茂市の外れにある駐車場脇にある湿地、そこで5年ぶりに見た紅葉したコケオトギリです。
今年は咲いている花は見られず、群落も小さくなっているように思います。
その代わりではないですが、イトイヌノヒゲ(長い花茎の先に白い小さな頭花)と混生していました。


2024/8/25
今年も駐車場に立ち寄った際に、赤くなったコケオトギリを見る事が出来ました。
左の写真のようにイトイヌノヒゲと混生していますが、コケオトギリの数は減っている気がします。
今年も花は見られず、若干、紅葉が遅れている気がします。

オオニシキソウ(Chamaesyce nutans)
<キントラノオ目・トウダイグサ科・トウダイグサ属・ニシキソウ亜属>

トウダイグサ科トウダイグサ属ニシキソウ亜属の一年草で、南北アメリカが原産の帰化植物。
畑や道端などでよく見かける普通種。
日本では北海道から四国、九州まで全国で見られる。
世界的には、アジア全域、北米の東北部など、各地に分布する。
草丈は20〜40pほどで、茎は表側が赤みを帯びて湾曲した白毛が生え、裏側は緑色で無毛。
オオニシキソウは茎が立ち上がるのに対して、ニシキソウとコニシキソウの茎は地を這うので、区別できる。
葉は対生し、長さが30o前後の長楕円形で、縁には不揃いで浅い鋸歯がある。
葉は、左右非対称で、葉表は普通緑色一色であるが、赤紫色の斑紋が葉の中央に出ることがある。
花期は6月〜10月で、杯状花序が枝先にまばらに付く。
苞葉が変化した杯に黄緑色の4個の腺体が付き、その周囲に4個の白い付属体が花弁のように付く。
杯状花序の雄花、雌花は退化して、それぞれオシベ、メシベになっている。
雄花(オシベ)は8個前後付き、葯は黄褐色。雌花(メシベ)は1個で、花柱は3裂し、先はさらに2裂する。
雌性先熟で、受粉すると直ぐに成長を初め、白い付属体の真ん中から丸い果実が伸びたしたようになる。

2013/8/25
加茂市、薬師山の麓にある駐車場の脇は、斜面から水がわき出た湿地で、その外れで見かけました。
トウダイグサ科独特の杯状花序ですが、地味な色の付属体が多い中で、本種は鮮やかな方です。


2017/7/27
例年より1ヶ月早い星まつりでしたので、オオニシキソウにはツボミも付いていませんでした。
ただ、葉の特徴である左右非対称が良く分かります。また、中央に赤紫色の斑紋が出ていました。

コニシキソウ(Chamaesyce maculata)
<キントラノオ目・トウダイグサ科・トウダイグサ属・ニシキソウ亜属>

トウダイグサ科トウダイグサ属ニシキソウ亜属の一年草で、北アメリカが原産の帰化植物。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国で見られる。
海外では、東アジアやニュージーランドにも帰化している。
茎は10〜20pほどの長さになり、地を這って横に広がり、茎は立ち上がらない。
葉は対生し、長さが10o前後の長楕円形で、縁には不揃いで浅い鋸歯がある。
葉は、左右非対称で、葉表には赤紫色の斑紋が中央に出る。
花期は6月〜9月で、枝の上部の葉腋に直径2mmほどの杯状花序を付ける。
苞葉が変化した杯に黄褐色の4個の腺体が付き、その周囲に4個の淡紅色の付属体が花弁のように付く。
杯状花序の雄花、雌花は退化して、それぞれオシベ、メシベになっている。
雄花(オシベ)は4〜5個付き、雌花(メシベ)は1個で、花柱は3裂し、先はさらに2裂する。
雌性先熟で、受粉すると直ぐに成長を初め、白い付属体の真ん中から丸い果実が伸びたしたようになる。

2017/7/27
加茂市、薬師山の麓にある駐車場の脇は、斜面から水がわき出た湿地で、その外れで見かけました。
オオニシキソウの直ぐ側でしたが、オオニシキソウより成長が早いようで、既に花を咲かせ始めていました。

アキカラマツ(Thalictrum minus var. hypoleucum)
<キンポウゲ目・キンポウゲ科・カラマツソウ属>

キンポウゲ科カラマツソウ属の多年草。別名タカトウグサ(高遠草)。
日本では、北海道から本州、四国、九州、南西諸島に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国に分布する。
草丈は1m以上になり、茎頂に円錐花序を付ける。花期は7月〜9月。
花弁はなく、花弁に見えるのは萼片です。その萼片も、開花後、直ぐに落下する。
オシベが長く淡黄色の葯が目立ちます。メシベは数個あり、子房に柱頭が直接付いている。
葉は、複数回3出複葉で、小葉は基部が丸く、先が浅く数個に割れる。

2013/8/23
国道290号線の守門と栃尾の間で、道路脇で見かけたアキカラマツです。
目立つのはオシベばかりで、そのオシベがカラマツの葉の付き方に似ているのが和名の由来です。

2018/8/26
国道290号線 加茂市下土倉付近の側道脇で見かけたアキカラマツです。
まだ、花穂が伸び始めたばかりの小さな株や、花穂を大きく展開して咲き始めた株などが混じっていました。

ヤマキツネノボタン(Ranunculus silerifolius var. silerifolius)
<キンポウゲ目・キンポウゲ科・キンポウゲ属>

キンポウゲ科キンポウゲ属の多年草で、在来種。
キツネノボタンを無毛の変種(Ranunculus silerifolius var. glaber)とせず、
本種を母種とする広義のキツネノボタンとする分類が一般的。
日本では、北海道から本州、四国、九州の山地の薄暗い湿地に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、インド、ブータン、インドネシアに分布する。
草丈は20〜40cmで、茎は細めで、全体に斜上毛が多いが、特に基部には密生する。
葉は1〜2回3出複葉で、小葉は長卵形で数裂し、葉裏にも毛がある。
キツネノボタンと比較して、葉幅が狭く、葉先や鋸歯が尖っている。
花期は7月〜9月で、茎の上部に直径10mmほどの黄色い花をいくつか付ける。
花弁は5個で光沢があり、萼片も5個で、オシベ、メシベは多数ある。
集合果は球形で、個々の痩果は扁平な広倒卵形。長さは3mm強ある。
この痩果の先の曲がり具合をキツネノボタンとの識別点としていたが、変異が多く、近年は使われない。
痩果の断面形状で、片側のみ3稜で、反対側は1稜のものが本種やキツネノボタンである。
ケキツネノボタンは両端とも3稜があるので、見た目が扁平になる。

2019/8/22
奥胎内ヒュッテの近くを散策中、道路脇の除草されたところで見かけました。
除草されてから時間が経っているのでしょう。いくつかの草本が、新しい茎を出していました。
その新しい茎が伸び出している中で、ポツンと1個だけ花を付けていました。

ボタンヅル(Clematis apiifolia)
<キンポウゲ目・キンポウゲ科・キンポウゲ亜科・センニンソウ属>

キンポウゲ科センニンソウ属の落葉つる性半低木で、在来種。
日本では、本州から四国、九州に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国の暖帯から温帯にかけて分布する。
葉は1回3出複葉で、小葉は広卵形で先が尖り、不揃いな鋸歯がある。
花は、葉腋に多数付き、花弁はなく、4個の白い萼片が花弁状に平開する。
オシベ、メシベとも多数あり、その花糸は萼片と同じか少し長くなる。
良く似たセンニンソウは、花糸の長さが萼片の半分ほどと短く、葉に鋸歯がない。

2015/8/21
見かけたのは、高速を小出で降りて、只見線沿いを進んでいるとき、越後須原駅近くでです。
道路脇の畑の縁に沿って横に広がり、白い花をたくさん咲かせていました。
地を這うように広がっているので、見かけは草のようですが、実は低木です。



2018/8/26
3年前に見かけたのと同じ場所で、ボタンヅルがたくさん花を咲かせていました。
3年前の写真は露出オーバー気味で、鮮明さにも欠けるので、100oマクロで撮り直したものです。


ボタンヅルとセンニンソウの花

     .
ボタンヅルの花          センニンソウの花
同じ属の花だけあって、良く似ていますね。
白い萼片とオシベ、メシベの長さの差が良く分かると思います。


タケニグサ(Macleaya cordata)
<キンポウゲ目・ケシ科・タケニグサ属>

ケシ科タケニグサ属の多年草で、在来種。
日本では本州から四国、九州に分布し、日本以外では、東アジアに分布する。
荒れ地や空き地などに最初に見られるパイオニア植物の代表種で、草丈は1mを超える。
葉には大きな切れ込みがあり、裏面は細毛があり白っぽく見える。
花期は7月〜8月で、茎の先に円錐花序を付け、小花をたくさん付ける。
花には花弁はなく、ツボミの時に白く見えているのは、2枚の萼。
開花と共に萼も落ち、多数の細いオシベが目立つ。
刮ハは長さが25mm前後のへら形で、中に種子が4〜6個入っている。

2023/8/20
加茂市の外れにある駐車場。その脇の乾燥した斜面で見かけたタケニグサです。
乾燥した斜面の多くはカワラケツメイが独占していますが、そこに一株だけポツンと生えていました。

アオツヅラフジ(Cocculus orbiculatus/Cocculus trilobus)
<キンポウゲ目・ツヅラフジ科・アオツヅラフジ属>

ツヅラフジ科アオツヅラフジ属のつる性落葉木本で、北海道から九州の山野に分布している。
海外では、朝鮮半島から中国南部、フィリピンなどに分布する。
葉は互生し、長さ10p前後の広卵形であるが、変異が多く、3裂する事もある。
花期は7月〜9月で、雌雄異株。枝先と葉腋に小さな花序をだし、黄白色の花をつける。
花弁と萼片は6個で、雄花のオシベは6個、雌花にはメシベが1個と仮オシベが6個ある。
果実は球形の核果で、熟すに従い薄紫から白粉を帯びた黒色になる。

2012/8/24
国道290号線の守門と栃尾の間で、道路脇で見かけたアオツヅラフジです。
近くのササなどに絡み付いているようで、両者が混在している所では見落とすところでした。


アオツヅラフジの果実

参考までにアオツヅラフジの果実の写真を掲載します。
下記のアオツヅラフジの花は、6月には開花していました。上記とは2ヶ月近いズレがあります。
上記のアオツヅラフジの果実が熟すのは、単純に考えると10月くらいになると思われます。
この地と関東平野の沿岸部との気象条件の差異による影響が大きいと思いますが、大きな差です。

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2012/7/5           2013/7/25           2013/8/19
多摩川の近くで見かけたアオツヅラフジの果実です。
7月初めには緑色であった果実も、7月末には薄紫から濃紺に色付き始めています。
8月になると完熟状態で、全て白粉を帯びた黒に近い濃紺になっていました。


ウリクサ(Lindernia crustacea)
<シソ目・アゼナ科・アゼナ属>

アゼナ科アゼナ属の一年草で、日本全国に分布している。
日本以外では、朝鮮半島から中国、東南アジアに分布する。
草丈は5〜10cm程で、茎はよく分枝し、地を這って広がる。茎は4稜形で、わずかに毛がある。
葉は対生し、長さ1〜2cmの卵形で、粗い鋸歯がある。日当たりがよいと茎や葉が紫色を帯びる。
花期は8月〜10月で、上部の葉腋に淡紫色の花を1つずつ付ける。
花冠は長さ8o前後の唇形で、上唇は2残裂し、下唇は3裂して、中央の裂片に濃青紫色の斑紋がある。
萼には5個の稜があり、5残裂する。オシベは4個で、下側2個の基部に棒状突起がある。
刮ハは楕円形で、萼にすっぽりと包まれており、マクワウリに似ている。それが和名の由来。

2017/7/27
加茂市、薬師山の麓にある駐車場の脇は、斜面から水がわき出しており、湿地のようになっています。
その一角に数株のウリクサが花を付けていました。

ホソバウンラン(Linaria vulgaris)
<シソ目・オオバコ科・キンギョソウ連・ウンラン属>

オオバコ科ウンラン属の多年草で、ユーラシア原産の帰化植物。
北海道から本州に帰化していたものが、四国、九州にも帰化したとの報告がある。
海外でも、北アメリカ、南アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどにも帰化している。
草丈は、数十cmから1mにもなり、葉は互生する。葉身は5pほどあり、線形で細い。
花期は6月〜10月で、茎の上部に総状花序を付け、黄色い唇型の仮面状花を付ける。
上唇は2裂し、下唇には橙色の隆起が見られる。筒部は先が細長い距となる。

2015/8/23
胎内の星まつり会場を後にして山を下り、新発田郊外に出たとき、田んぼの畦で見かけました。
なぜか、道路際の畦の一角にホソバウンランが小さな群落を作り、花をたくさん咲かせていました。
淡い黄色に濃いオレンジの紅を引いたような花で、下に伸びる細い距に特徴があります。

ヤマクルマバナ(Clinopodium chinense var. shibetchense)
<シソ目・シソ科・イヌハッカ亜科・ハッカ連・トウバナ属>

シソ科トウバナ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州まで分布している。
日本以外では、朝鮮半島に分布している。
草丈は20〜80cmと幅があり、生育場所に依存する。軟弱気味で、倒れるように斜上する。
葉は対生で、短い葉柄があり、長さ5p前後の長卵形で、鋸歯がある。
花期は6月〜8月で、数段に輪生して、多数の白から淡紅紫色の花を付ける。
上唇は小さくて浅く切れ込み、下唇は大きく前に突き出して3裂する。萼は緑色。
よく似たクルマバナは、萼が紫色を帯びており、花はやや大きい。

2016/8/27
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場へ向かう道路脇の草むらで見つけました。
他の野草に紛れるように淡いピンクの花を数個咲かせていました。花期も終わりに近いようです。


ヤマクルマバナとクルマバナ
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ヤマクルマバナ         クルマバナ            クルマバナ  .
クルマバナの萼片は、中央の写真のように紫色を帯びることが多い。
しかし、右端のように緑色の個体もあるので、それだけでは断定できない。


クサギ(Clerodendrum trichotomum)
<シソ目・シソ科・キランソウ亜科・クサギ属>

シソ科クサギ属の落葉小高木で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州のに分布し、日当たりのよい原野などに生える。
樹高は4〜8mで、樹皮は灰色〜暗灰色。多数の皮目がある。
葉は対生し、長さ8〜15cmの三角状広卵形で、葉柄も含めると30cmほどにもなる。
葉は柔らかくて薄く、毛が密集する。裏面には腺点がある。
花期は7月〜9月で、集散花序に多数の白い花を付ける。萼は5残裂する。
筒部は紅紫色で、長さ20〜25oで細く、花冠は5裂して白い裂片は平開する。
その平開した花冠から、オシベとメシベはさらに突き出す。
10月〜11月に萼が濃紅色になり、直径6〜8mmの果実が藍色に熟す。
さらに熟すと果実は黒くなり、萼片は反り返って、果実が落果する。

2019/8/22
奥胎内ヒュッテに向かう途中、道路脇で見かけたクサギです。
シソ科に多い唇型花ではなく、花冠は5烈して平開し、オシベとメシベが長く突き出します。

ハエドクソウ(Phryma leptostachya subsp asiatica)
<シソ目・ハエドクソウ科・ハエドクソウ属>

ハエドクソウ科ハエドクソウ属の多年草で、在来種。有毒植物。
日本では、北海道から本州、四国、九州と広く分布している。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾、ロシア、ベトナム、パキスタン、ネパール、インドなどに分布する。
基本種は、北米北東部に分布するアメリカハエドクソウで、本種は亜種とされる。
日本には、本種とナガバハエドクソウの2品種が自生する。
草丈は、大きいもので1mに達する。
葉は対生し、長さ10p程の楕円形で、基部は心形、縁に粗い鋸歯がある。
茎頂や葉腋から細長い穂状花序を出し、小さな白色の花を付ける。
花期は7〜8月で、花冠は長さ10o弱の唇型。短い上唇は先が2裂し、長い下唇は3裂する。
萼は筒状で5歯があり、背側の3歯は紅色で、鉤状に曲がる。
果実は下向きに軸に密着して付き、萼は果実を包んで残り、動物の毛や衣服に付着して運ばれる。
和名は、この植物から出る液が蛆殺しや殺虫剤に使われていることに由来する。
毒の主成分は、フリマロリン(Phrymarolin)で、食べると嘔吐などを引き起こす。

2017/7/29
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場へ向かう道路脇の草むらで見つけました。
チジミザサの中に1株だけハエドクソウが混ざっていました。
花のアップは撮らなかったので、花はこちらを参照ください。

ウド(Aralia cordata)
<セリ目・ウコギ科・タラノキ属>

ウコギ科タラノキ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に広く分布する。
海外では、朝鮮半島から中国に分布する。
草丈は2m以上になり、茎は太い円柱型で、中空です。
葉は互生し、葉柄は長く2回羽状複葉で、小葉は長楕円形で先が尖り、細かい鋸歯がある。
夏、上部に大きな散形花序を付け、淡緑色の小花をたくさん付ける。
小花は、雌雄異花で両性花からなる花序と雄花序がある。

2013/8/23
国道290号線の守門と栃尾の間で、道路脇で見かけたウドです。
道路脇の1段高くなっている所に大きな群落になって、花を咲かせていました。



2015/8/21
国道290号線の守門と栃尾の間で、道路脇で見かけました。この辺りでは、時折見かけます。
独活の大木の名の通り、草本とは思えない大きさになりますので、直ぐにそれと分かります。
たくさんの花を付けていましたので、アブやハチなどがたくさん集まっていました。
花が咲き始めたものから、まだ若い緑の果実、成熟して黒くなった果実までみられました。

タラノキ(Aralia elata)
<セリ目・ウコギ科・タラノキ属>

ウコギ科タラノキ属の落葉低木、在来種。
日本では北海道から本州、四国、九州に分布し、山林やその林縁、荒れ地などで見られる。
海外では、朝鮮半島から中国、ロシアに分布する。
樹高は5m以上になり、幹は枝、葉柄や小葉の軸に鋭い棘を持つ。
葉は互生し、長さは50〜100cmに2回羽状複葉。小葉は長さ10cm前後の楕円形で、鋸歯がある。
雌雄同株で、茎頂部に大きな複散形花序をだし、淡緑色の花を多数付ける。
果実は、直径4o程の液果で、秋に黒く熟す。新芽は山菜の「タラの芽」として利用される。

2013/8/25 加治川のほとりで見かけた大きく葉を展開したタラノキです。
最初見た時、巨大な葉に小さな花が付いている変わった木だと思ってしまいました。
タラの芽はよく知っていても、葉が大きく展開した姿を見たことがなかったからです。
ウドも葉は大きいですが、タラノキはそれ以上に大きいです。
花やその咲き方、果実の大きさなどは、ウドとほとんど同じです。
2016/8/27 星まつり会場から芝生広場への道路脇で見かけました。
2013年の写真は、露出が合っておらず、発色が悪かったので撮り直したものです。
それにしても、タラノメからは想像できない容姿ですね。


2019/8/22
奥胎内ヒュッテ近くの道路脇で見かけたタラノキの花です。
多少近づけましたので、花のアップを狙ってみました。
かなりきつい姿勢での撮影になったので、いささかピンボケ気味です。

ハリギリ(Kalopanax septemlobus)
<セリ目・ウコギ科・ハリギリ属>



ウコギ科ハリギリ属の落葉高木で、在来種。
別名には、センノキ(栓の木)、ミヤコダラ、テングウチワ、ヤマギリなどがある。
日本では、北海道から本州、四国、九州に分布するが、特に北海道と東北地方に多い。
海外では、朝鮮半島から中国、サハリン、シベリアなどに分布する。
樹高は25mに、幹の直径は1mになる。本年枝は灰褐色で、老木では樹皮は黒褐色になる。
若木は枝や樹幹に刺があるが、年と共に鋭さを失い、やがて瘤状になる。
老木の樹皮には、不規則に縦に深い裂け目ができる。
葉は互生して枝先に集まり、葉身は直径10〜30cmの円形で、掌状に5〜9裂する。
基部は浅い心形で、裂片の先は尾状に尖り、縁には細かい鋸歯がある。
葉柄は長さ10〜30cmで、葉質は厚く、表面は無毛で光沢がある。
葉裏には、葉脈腋や葉脈に沿って毛がある。秋には黄褐色に黄葉する。
花期は7月〜8月で、枝先に球形の散形花序を多数出し、淡黄色の小花を多数付ける。
長さ2mm前後の楕円形の花弁は5個、オシベも5個で、葯は赤紫色。花柱は2裂する。
直径4〜5mmの球形の果実は液果で、緑色→赤褐色→黒色と10月頃に熟す。

2019/8/22
奥胎内ヒュッテに向かう途中、道路脇で変わった花のようなものを付けた樹を見かけました。
白くて細いものが放射状に広がっているように見えるのですが、それが何なのか分かりません。
車から降りて近づくと白くて細いものは、花柄か果柄だと分かりました。
近くにいた人に尋ねても、何の樹なのか知らないとのこと。
後で調べると、ウコギ科のハリギリと分かりました。
属は異なりますが、タラノキなどに近い種類で、花の付き方も近いようです。
異なるのは花柄の出方で、タラノキなどは数本の主幹が出て、主幹から側枝が出て花序が付きます。
ハリギリは、主幹は小さいのですが、主幹がたくさん放射状に出て、右端のように半球状になるのです。
それが結実すると、重みで垂れて扁平になり、中央のように白い果柄が目立つようになります。

ウマノミツバ(Sanicula chinensis)
<セリ目・セリ科・ウマノミツバ亜科・ウマノミツバ属>

セリ科ウマノミツバ属の多年草で、在来種。
日本では北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。
海外では朝鮮半島から中国、ロシアに分布する。
草丈は30〜100cm、茎は直立し、上部でよく枝分かれする。
根生葉、枝葉とも3全裂し、側小葉はさらに2深裂する事がある。
縁には不規則な重鋸歯があり、表面にはしわ、裏面は葉脈の隆起が目立つ。
葉柄は、根生葉では長く、上部の茎葉ほど短くなる。
花期は7月〜9月で、茎頂に小さな散形花序を出し、周囲に雄花、中央に両性花を付ける。
白い花弁は5個で、内側に曲がる。両性花の子房には鉤状毛が密生する。
雄花には1mm強の花柄があり、子房がないため、小さくて目立たない。
果実は卵形で、長さ5o、幅4o程度。粗い鉤状の刺毛する。

2016/8/27
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の方で、通路脇の草むらで群生していました。
既に花期は過ぎていたため、花はなく、全てが果実になっていました。


2017/7/29
星まつりが例年より1ヶ月早かったので、今年はウマノミツバの花を確認できました。
といっても、雄花はとても小さく、花弁が白いので、咲いているとわかる程度です。
一方、両性花には大きな子房があるので、それと分かりますが、花には見えないですよね。

シシウド(Angelica pubescens)
<セリ目・セリ科・セリ亜科・シシウド属>

セリ科シシウド属の一稔性多年草(結実すると枯死する)で、日本固有種。
日本では本州から四国、九州に分布する。
山地の日当たりの良い草地などに生え、花茎を付けるまでに4〜5年を要する。
草丈は1〜2mになり、茎は太くて有毛で、上部で分枝する。
葉は互生し、大型の2〜3回羽状複葉。小葉は5〜10pの長楕円形で、鋸歯がある。
葉柄の基部は鞘状に膨らみ、葉の両面の脈上には縮れた細毛がある。
花期は8月〜11月で、枝先に大型の複散形花序に白い小花をたくさん付ける。
花弁は3〜5個で、先が2裂し、内側に湾曲する。総苞も小総苞片もない。
果実は、長さ10o程の広楕円形で、両側は薄くて広い翼になる。

2016/8/26
谷川岳PAの外れで見かけたシシウドです。
シシウドにしては、いささか貧弱ですが、除草されるためかもしれません。

ノダケ(Angelica decursiva)
<セリ目・セリ科・セリ亜科・シシウド属>
 
セリ科シシウド属の一稔性多年草で、在来種。
日本では、本州の関東以西から、四国、九州に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、ロシア、台湾、ベトナムに分布する。
草丈は80〜150cmで、根は太く束状になる。
茎は暗紫色を帯び、直立して上部はわずかに分枝する。
葉は互生し、3出羽状複葉で葉柄がある。
小葉は長楕円形〜長卵形で、葉縁には粗い鋸歯がある。葉の裏側は白色を帯びる。
頂小葉の基部は翼状になって細くなりながら葉柄に流れる。小葉の柄はない。
葉柄の下部は袋状に膨らむのが特徴。
花期は9月〜11月で、枝先に複散形花序を出し、暗紫色の小花を多数付ける。
花弁は5個で、萼歯片はない。オシベは5個で花弁より長く、葯は白。メシベは暗紫色。
花弁の色は、普通、暗紫色であるが、稀に白色や緑色のものもある。
果実は長さ4〜6mmの広楕円形で平たく、分果の背面隆起線は脈状で、両側は広い翼状となる。

2018/8/26
国道290号線 加茂市下土倉付近の側道脇で見かけたノダケです。
雑草の中からすっくと立ち上がり、花序を膨らませていましたが、開花にはまだ時間がかかりそうです。
花は未確認なのですが、葉の特徴(頂小葉の基部が翼状になる)から本種としました。

セリ(Oenanthe javanica)
<セリ目・セリ科・セリ亜科・セリ属>


セリ科セリ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、ロシア、東南アジア、インドなどに分布する。
草丈は20〜50cmで、地下茎を伸ばし、秋に節から新芽を出して増える。
黄緑色の葉は1〜2回3出羽状複葉でやわらかく、小葉は卵形で縁には粗い鋸歯がある。
花期は7月〜8月で、茎先から複散形花序を出し、白色の小さな花を多数付ける。
托葉や総苞片はなく、小総苞片は細い。花弁は5個で、オシベ、メシベともに長い。
花柱は2個で、萼歯は5個。長い花柱と萼歯は、果時にも残存する。
果実は2分果で、長さ3mm前後の楕円形。隆起線はコルク質で、太くて低く、不明瞭。

2018/8/23
国道290号線の五泉市高松付近で、農道脇の湿地にガマがたくさん穂を付けていました。
その根元付近で、セリが白い小花をたくさん付けていました。
実は、クレソンはよく見かけるのですが、セリの花の実物を見たのは初めてです。
山菜として写真で見る春のセリと違って、かなり武骨な印象を受ける草姿でした。

エゴノキ(Styrax japonica)
<ツツジ目・エゴノキ科・エゴノキ属>

エゴノキ科エゴノキ属の落葉小高木で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州、沖縄まで全国の雑木林で見られる。
和名は、果実を口にするとえぐい(えごい)ことに由来する。
樹高は7〜15mになり、樹皮は暗紫褐色〜暗灰褐色で、ほぼ滑らかできめが細かい。
花期は5月で、新枝の先端に白い花を房状に多数付け、花は下向きに咲き、芳香がある。
花には数cmの花柄があり、花冠は5深裂してあまり開かない。
オシベは10本あり、その中央からメシベが1本飛び出している。
果実は、長さが2cmほどまでになり、熟すと果皮が破けて褐色の種子が露出する。
2024/8/24
胎内星まつり会場から芝生広場へ向かう道路脇で、エゴノキがたくさん果実を付けていました。
この星まつり会場近くで、本種を確認したのは初めてです。


エゴノキの花

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<ツボミ>            <花>             <花後>
神奈川県の多摩川近くで見かけたエゴノキの花です。


オカトラノオ(Lysimachia clethroides )
<ツツジ目・サクラソウ科・オカトラノオ属>

サクラソウ科オカトラノオ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全土に広く分布する。
海外では、朝鮮半島から中国に分布する。
草丈は50〜100cmで、地下茎を長くのばして増える。
葉は互生し、葉身は長さ6〜15p程の長楕円形で全縁、葉柄がある。
花期は6月〜7月で、茎先に10〜30cmの白色の小さな花を総状に付け、下方から開花していく。
花冠は直径10o程で、5深裂し、オシベは5個で、花糸には開出毛がある。
花穂の先端が虎の尾のように垂れ下がる。

2017/7/29
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場へ向かう道路脇で、オカトラノオが咲いていました。
この星まつり会場近くで、本種を確認したのは初めてです。

イチヤクソウ(Pyrola japonica)
<ツツジ目・ツツジ科・イチヤクソウ亜科・イチヤクソウ属>



ツツジ科イチヤクソウ属の常緑の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州に分布、海外では朝鮮半島から中国東北部に分布する。
草丈は15〜30cmで、根茎はやや太くて、下向きか横向きに走り、時に分枝する。
葉はロゼット状に類輪生し、葉身の長さは3〜6cmの楕円形〜卵形。葉柄は3〜6cmで狭い翼がある。
葉の先端は円形〜鈍形で、基部は円形、縁には不明瞭な低鋸歯がある。
葉裏は淡緑色〜帯紫色で、葉表は濃緑色。葉脈が白色を帯びるが、ジンヨウイチヤクソウほど明瞭ではない。
花期は6月〜7月で、高さ15〜30cmの花茎を直立し、基部には5個前後の鱗片がある。
花茎には総状花序を付け、まばらに5〜12個の花を付ける。小花柄は長さ5mm前後。
小花柄の基部には苞が付き、苞は長さ5〜8mmの広線形〜披針形で、先が長い尖鋭形。
花は直径12mm前後の広鐘形の白花で、花弁5個は離生し、下向きに咲く。
萼は5裂して離生し、萼片は三角状披針形で、先は尖鋭形。
オシベ10個は上側に固まって付き、花糸は上向きに湾曲する。
メシベはオシベより長く、花柱は長さ12mm前後で、斜め下向きに付き、先は上向きに湾曲する。
柱頭は小さく5裂し、その基部をひだが取り巻く。
果実は刮ハで、直径7〜8mm、微細な種子が多数入り、褐色に熟しても花柱が残る。

2018/8/25
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場へ向かう道路脇の明るい草原で見かけました。
ちょっとした群落になっていますので、以前から自生していたのでしょうが、確認したのは初めてです。
春先に利尻島でエゾイチヤクソウに、8月初めに八ヶ岳でマルバノイチヤクソウに出会ったので、3種目です。
一度目に止まると、以前は目に止まることがなかったもので、目に止まるようになるのでしょうか。不思議です。
残念ながら、いずれも時期が早いか遅いかで、開花した花は見られていません。
なお、葉の葉脈に沿った模様は、フラッシュを使うと不明瞭になり、自然光(左端と右端)の方が分かりやすいですね。


イチヤクソウ属の葉

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エゾイチヤクソウ       マルバノイチヤクソウ         イチヤクソウ .
<2018/5/11>         <2018/8/4>          <2018/8/25>
利尻島の姫沼で見かけたエゾイチヤクソウです。 まだ、葉が伸び始めたばかりで、花茎は出ていません。
八ヶ岳自然文化園の林内で見かけたマルバノイチヤクソウです。 花の終わった花茎が残っていました。
胎内で見かけたイチヤクソウです。既に花茎も枯れて残っていませんでした。
エゾイチヤクソウは、イチヤクソウかどうかで迷って、結果としてエゾイチヤクソウにしたものです。
右端のイチヤクソウと比べると多少葉の形が異なり、葉脈に沿った白斑も明瞭なので、この判断は正しかったかも。
中央のマルバノイチヤクソウは、葉の形が名前のように丸く、葉脈に沿った白斑は最も不明瞭です。


キツリフネ(Impatiens noli-tangere)
<ツツジ目・ツリフネソウ科・ツリフネソウ属>


ツリフネソウ科ツリフネソウ属の一年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州まで、海外ではユーラシア・北米大陸に広く分布する。
草丈は60cm程になり、茎は水気が多く、下部の節がこぶ状に膨れる。
葉は互生し、長さ4〜8cmの長楕円形で。長さ3cm程の葉柄があり、縁には鋸歯がある。
花期は6月〜9月で、葉の上に花序を伸ばし、ツボミの成長と共に垂れ下って、葉の下で開花する。
花弁は3個(5個の内、両側の2個ずつが合着しているため)、萼片も3個ある。
下側の萼片は大きな袋状で、その先端は細長い距となり、後に伸びて少し垂れ下る(巻かない)。
果実は緑色のうちに熟し、熟した果実にさわるとパチンとはじけて種子が飛び散る。

2018/8/25
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場。その周りの林内にキツリフネの大きな群落がありました。
通路脇から林の奥まで、びっしりとキツリフネが生え、黄色い花を点々と付けていました。
今まで、開きかけの花は見たことがなかったのですが、内部に折りたたまれているようです。
それが、徐々に外に向かって伸びながら開いていくように開花するようですね。

リョウブ(Clethra barbinervis)
<ツツジ目・リョウブ科・リョウブ属>

リョウブ科リョウブ属に属する落葉小高木で、在来種。
日本では、北海道南部から本州、四国、九州に分布し、海外では朝鮮半島から中国に分布する。
樹高は3〜10mで、樹皮は表面が縦長な形に剥げ落ちて、その後茶褐色で滑らかになる。
若枝は灰褐色で細く、細かい星状毛が生え、皮目は不明瞭である。
葉は互生し、枝先に集まって付く。葉柄は長さ1〜4cmで、軟毛が密生する。
葉身は長さ5〜11cmの倒卵形で、先が尖り、鋸歯がある。
表面にはつやがなく無毛。裏面は淡緑色で、主脈には粗い毛が、側脈の基部には軟毛がある。
花期は6月〜9月で、枝先に長さが10〜20cmの総状花序を数個付け、白い小花を多数付ける。
花序の軸には白色の星状毛が密生する。花は甘い香りを放つため、多くの昆虫が集まり、蜜源ともなる。
花冠は直径6〜7mmで5深裂し、裂片は長さ3〜4mmの長楕円形で先が丸い。
オシベは10個あり、花弁より長い。メシベは1個で、柱頭は3裂する。子房には粗い毛が密生する。
この花柱は、花時には長さ2〜3mmであるが、果時には3〜5mmになる。
萼は鐘形で長さ2mm前後で、萼片は5個。萼片の外面には軟毛が密生する。
果実は刮ハで、直径は4〜5mmの扁球形。熟すと3裂して、多数の種子を出す。

2019/8/22
奥胎内ヒュッテの近くを散策中、道路脇で白い花を付けた樹を見かけました。
といっても、ほぼ咲き終わっていて、花序の先端に数輪咲いているだけでした。
後で調べて、花や葉の特徴からリョウブと分かりました。


2024/8/24
芝生広場からゴルフ場に向かう道路脇で、リョウブを見かけました。
残念ながら花はほぼ終わっていて、唯一、1つの花序だけ咲き残っている状態でした。
奥胎内ヒュッテの近くで見たときもそうでしたが、この辺りでは8月末で花期は終わるようです。

ツユクサ(Commelina communis)
<ツユクサ目・ツユクサ科・ツユクサ属>

2012/8/24         2012/8/24         2016/8/27
ツユクサ科ツユクサ属の一年草。畑や道端などでよく見かける普通種。
日本では北海道から四国、九州まで全国で見られる。
世界的には、アジア全域、北米の東北部など、各地に分布する。
ツユクサ科ツユクサ属の1年草で、在来種。畑や道端などでよく見かける普通種。
日本では北海道から本州、四国、九州と全国に分布している。
海外では、アジア全域、北米の東北部など、各地に分布する。
草丈は20〜50cm程度で、茎は地面を這って良く分枝し、上部は斜上する。
葉は互生し、卵状披針形で長さ6cm前後。基部は膜質の鞘となって茎を抱く。
花期は6〜9月で、葉と対生して二つ折りの苞に包まれた花序を出す。
花は1個ずつ苞の外に伸び出して、早朝に開花し、午後にはしぼんでしまう。
3個の花弁の内、2つは大きく、左右に平開して目立つが、1個は白色で小さい。
3個ある萼片は小さく、白くて膜質。オシベは6本、メシベは1本ある。
オシベの内、完全なのは長く伸びた2本だけで、短い3本は仮オシベ、中間の1本は不完全。
普通、花色は青色であるが、色の薄いものをウスイロツユクサ、白いものをシロバナツユクサという。

国道250号線沿線や星まつり会場近くの芝生広場への通路脇などで見かけたツユクサです。
色の薄いものなど、色変りのものがないか見てみるのですが、なかなか巡り合えません。