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胎内およびその道中で見かけた野草T



ここ何年か通っている「胎内 星まつり」。
その道中や会場である「胎内自然天文館」近辺で見かけた野草をまとめたものです。

ただ、星まつりが毎年、8月の初旬に開催されるため、その時期に見かけた野草のみです。
特に珍しいものではありませんが、こんな野草が見られるのだと思っていただければ幸いです。

< トピック >

今回、下記のの野草の写真を追加しました。
イトイヌノヒゲ、ツリガネニンジ、サジガンクビソウ、シラヤマギク、ダンドボロギク、サワヒヨドリ



ここでは、被子植物はAPG III体系で、その他は従来の体系で掲載しています。
イネ目
イネ科(チヂミザサ、ススキ)
ガマ科(ガマ)
カヤツリグサ科(カヤツリグサ、シカクイ、アブラガヤ、ホタルイ)
ホシクサ科(イトイヌノヒゲ)
キク目
キキョウ科(ツリガネニンジン、サワギキョウ、ミゾカクシ)
キク科・アザミ亜科(オヤマボクチ)
キク科・キク亜科(サジガンクビソウ、セイヨウノコギリソウ、カントウヨメナ、シラヤマギク、
         ノコンギク、センボンヤリ、ダンドボロギク、オオハンゴンソウ、ユウガギク、
         サワヒヨドリ、ヒヨドリバナ、カワラハハコ)
キク科・タンポポ亜科(アキノノゲシ、シロバナニガナ、ハナニガナ)
胎内およびその道中で見かけた野草T
和名インデックス


チヂミザサ(Oplismenus undulatifolius)
<イネ目・イネ科・キビ亜科・キビ連・チヂミザサ属>


イネ科チヂミザサ属の1年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。
海外では、温帯から熱帯にかけて広く分布する。
和名は、葉がササに似て、縮れたような皺があることに由来する。
茎は、枝分かれしながら地上を這い、多数の葉を付ける。
秋に、茎の一部が立ち上がり、先に穂状の花序を付ける。
花茎の上部に短い柄が出、その枝に数個の小穂が付く。
花軸、葉、および葉鞘に長い毛の多いタイプをケチヂミザサ。
全体に毛が少なく、花軸に毛がないタイプをコチヂミザサと分けることがある。
しかし、この2つを変種レベルでさえ分けないことが多い。

2016/8/27
胎内の星まつり会場で、芝生広場の方に向かう通路脇で見かけました。
まだ、開花しているものは少なく、ほとんどが上段中央の写真のような状態でした。
イネ科の花なので、小穂からオシベがぶら下がり、ブラシの様な形のメシベが顔を出しています。

ガマ(Typha latifolia)
<イネ目・ガマ科・ガマ属>


ガマ科ガマ属の多年草で抽水植物で、日本では北海道から九州の広範囲に分布している。
世界的には、北半球の温暖な地域やオーストラリアに分布している。
葉は高さ2mに達する事もあり、夏に茎を伸ばして、円柱形の穂を付ける。
穂の下部は雌花の集まりで赤褐色のソーセージ状、上部は雄花の集まりで細い。
雄花が開花すると、黄色い葯が一面に付く。

2018/8/23
国道290号線の五泉市高松付近で、農道脇の湿地にガマがたくさん穂を付けていました。
ガマは背も高く、独特の穂の形をしていますので、遠目でも良く分かります。
既に花期は過ぎ、上部の雄花は枯れていましたが、赤褐色の雌花の部分が崩壊したものはありませんでした。


2023/8/20
福田新田休息所の駐車場近くで、道路の反対側の法面の上で見かけたものです。
道路から2mほど高い、そこそこのエリアを占拠していて、以前は田んぼだったのかも。
撮影したのが日没後になったので、あまり写りは良くないです。

ススキ(Miscanthus sinensis Andersson)
<イネ目・イネ科・キビ亜科・ヒメアブラススキ連・ススキ属>

イネ科ススキ属の多年草で、日本全国に広く分布している。
日本以外では、朝鮮半島から中国、台湾に分布する。
なお、北米にも帰化しており、侵略的外来種として猛威をふるっている。
草丈は2mを超え、茎は叢生する。ケイ酸が多く、硬くて耐久力があるため、冬でも茎が立って残る。
茎(稈)の断面は円形で、内部にスポンジ状の髄があり、中実になったり、中空なったりする。
葉は、長い物は80pほどになり、線形。中央に幅数mmの白い筋があり、裏面に少し毛がある。
葉の縁には堅くて鋭い刺歯があり、葉の基部、葉鞘、節には軟毛がある。
花期は8月〜10月で、穂(花序)は20pほどで、銀白色。
小穂は長さ5oほどで、基部に10o程の白毛が密集する。
小穂は2小花からなるが、第1小花は退化し、第2小花の護穎に長い芒が1本ある。
葯は黄色で、柱頭は褐色から暗紫色(稀に白色)である。
なお、良く似たオギがあるが、ススキはが株立ちするのに対し、オギは根茎で横に広がる点が異なる。


2016/8/26
谷川岳PAで見かけたススキです。ちょうど、開花が始まっていました。
黄色い葯がたくさんぶら下がって、風に揺られていました。
その上部に暗紫色の柱頭が、点々と顔を出しています。


2018/8/26
只見線の越後須原駅近くの駐車場で、線路脇の法面に生えていたススキです。
穂が出て間がないので、明るい淡褐色で、雨が降り出しそうな薄暗いバックから浮き上がっていました。
後で拡大して分かったのですが、このススキの柱頭は暗紫色ではなく、稀に見られる白色でした。

カヤツリグサ(Cyperus microiria)
<イネ目・カヤツリグサ科・カヤツリグサ属>

2015/8/21         2015/8/21         2013/8/25
カヤツリグサ科カヤツリグサ属の一年草で、日本では本州から四国、九州に分布している。
日本以外では、朝鮮半島から中国に分布している。
花を付ける花茎(稈[かん])は数十cmになり、細くてかたい。葉は、稈より短く、幅は数mmしかない。
花序は散形で、花序枝を複数出し、苞葉は5枚前後あり、内数本はかなり長い。
黄褐色で線形の小穂はまばらに付き、長さは10mm程。20個ほどの花を付ける。

2015/8/21
只見線の越後須原駅に立ち寄った際、線路脇の草原で見かけました。
道端や田畑などで見られる、ごくごく普通の雑草です。
しかし、私の住んでいる都市近郊では、めったに見かけなくなりました。
久しぶりに見かけて、つい、写真を撮ってしまいました。ここでは、普通に生えています。
漢字で書くと「蚊帳吊り草」で、子供の頃、茎を両端から互い違いに裂き、四角形に開いたのを覚えています。
その四角形が、蚊帳を吊った時の形に似ているのが、和名の由来です。


2023/8/20
加茂市の外れにある国道290号線沿いの駐車場。駐車場を出るとそこは三条市です。
その脇には水の流れる湿地と乾燥した斜面があり、いろいろな植物が繁茂しています。
その駐車場との境目に、カヤツリグサが根を下ろして花を付けていました。何とも強靭ですね。

シカクイ(Eleocharis wichurae)
<イネ目・カヤツリグサ科・ハリイ属・ハリイ節>

 
カヤツリグサ科ハリイ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州、南西諸島まで全国に自生している。
海外では、南千島、朝鮮半島から中国、ウスリーに分布する。
日当たりの良い湿地や湿原に群生し、極短い根茎を横に這わせ、多数密生する。
葉は退化し、花茎の基部を包む鞘のようになり、葉身はない。
稈は数十p立ち上がり、その先端に小穂を1つ付ける。稈の断面は四角で、和名の由来でもある。
小穂は広披針形で、長さ2cmほどで先が尖る。多数の鱗片が螺旋状に並び、淡茶褐色をしている。
鱗片の内側に小花があり、花被片があるが、針状の花被片の途中から多数枝分かれし、羽毛のようになる。

2015/8/23
加茂市、薬師山の麓にある駐車場の脇は、斜面から水がわき出しており、湿地のようになっています。
そこに何種類かの野草が生えており、その中の1種類です。
中型のハリイ節と判断できましたが、その先の判断で迷いました。
ハリイ、オオハリイ、シカクイ、イヌシカクイなど、似たものが多く、写真からだけでは判断が難しいです。
ただ、花茎はほとんどが直立して、束生の数もそう多くない点から、ハリイとオオハリイは除外しました。
写真を精査していて、下段の写真のように小穂の基部は丸いが、その下の方は四角いことが分かりました。
イヌシカクイは、花茎は円柱形で明瞭な稜は持たないことから、本種としました。


2023/8/20
加茂市の外れにある国道290号線沿いの駐車場。駐車場を出るとそこは三条市です。
その脇には水の流れる湿地と乾燥した斜面があり、いろいろな植物が繁茂しています。
その湿地に生える植物の1つがこのシカクイで、時系列に並べてみました。
左端は未開花の若い小穂で、中央は咲き終わった小穂、右端は痩果が落ちて枯れかけているものです。

アブラガヤ(Scirpus wichurae Boeklr.)
<イネ目・カヤツリグサ科・ホタルイ属>

カヤツリグサ科ホタルイ属の多年草で、山野の湿地に生える。
日本では、北海道から本州、四国、九州とほぼ全国で見られる。
カンガレイと同属だが、花茎のみが発達するこれらと異なり、根出葉が発達する。
株立ちとなり、その中から花茎を伸ばし、先端の花序から柄が数本出て多数の小穂を付ける。
なお、花序は先端だけではなく、上の方の節からも出る。
非常に変異が多く、シデアブラガヤ、アイバソウ、エゾアブラガヤ、チュウゴクアブラガヤと呼ばれる。
各々特徴があり、分けて扱うとか、アブラガヤと一まとめにして扱う説など、定説がない。

2015/8/23
胎内の星まつり会場を後にして山を下りる途中、道路脇の湿地で見かけました。
湿地の中で、1本だけ、花茎を伸ばして花を付けていました。

ホタルイ(Scirpus hotarui)
<イネ目・カヤツリグサ科・ホタルイ属>

カヤツリグサ科ホタルイ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国の湿地に極普通に生えている。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾、インド、インドネシアなどに広く分布する。
湿地表面に短い地下茎を多数出し、多くの花茎を伸ばす。
葉は退化し、花茎の基部を包む鞘のようになり、葉身はない。
花茎は真っ直ぐに立ち、断面は円形で、高さは数十pになる。その先に小穂を数個付ける。
小穂の基部から苞が1本、花茎の延長のように真っ直ぐに伸びる。
そのため、1本の花茎の途中に小穂が付いているように見える。
小穂は先の尖った卵形で、鱗片が螺旋状に付いているので、松かさのように見える。
この鱗片の内側に花があり、オシベとメシベ、針状の花被片がある。メシベの柱頭は、3裂している。

良く似たものにイヌホタルイ(Scirpus juncoides)があるが、柱頭が2裂したものが多い。
また、花茎の断面が円ではなく、5〜6個の稜があり、歪な多角形になる。
イヌホタルイが水田に多いのに対し、ホタルイは水田には少ない。

2015/8/23
加茂市、薬師山の麓にある駐車場の脇は、斜面から水がわき出しており、湿地のようになっています。
そこに何種類かの野草が生えており、その中の1種類です。
ホタルイかイヌホタルイか迷ったのですが、花茎が円形である点、湿地である点から本種としました。
左端の写真で、小穂の基部に節のような白っぽい所がありますが、その下部が花茎で、上部が鞘です。

花柱が何裂しているか確認すればよかったのですが、2種の存在は調べていて気付いたので、後の祭り。
花柱の調査は、来年以降に持ち越します。

※ 2016年、行きに通った時にはあったのですが、帰りに寄った時は除草されてしまっていました。

イトイヌノヒゲ(Eriocaulon decemflorum)
<イネ目・ホシクサ科・ホシクサ属>

2018/8/23                2018/8/26       .

2018/8/23
ホシクサ科ホシクサ属の1年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、ロシアに分布する。
貧栄養性の湿原に生育し、鉱物質土壌の湿原に多いが、泥炭質の湿原にも見られる。
草丈は5〜40cmで、極短い茎を持つ。根生葉は幅2oほどで長さ3〜10cmの線形で、先が尖る。
花期は8月〜9月で、根生葉の間から長さ5〜40cmの花茎を出す。
花茎には5〜6本の筋があり、ねじれて全体的に螺旋状となる。
花序は総苞を含めて直径7mm前後で、総苞の中心部に多数の雄花と雌花がある。葯は黒色。
花は2数性で、萼片、子房、柱頭などは2つに分かれている。
萼や花弁の上端には棍棒状の毛があり、開花時には白色で、後に汚白色となる。
総苞片は、頭花より長く、質は薄くて、先端がやや内曲して鈍頭。
日本にはホシクサ属の植物が約40種あると言われており、固有亜種なども多くある。
よく似たものが多くて外見での同定は難しく、顕微鏡レベルでの観察が必要がある。
多くは湿地帯に自生しているが、環境の変化に非常に脆弱で、絶滅が危惧されている。

2018/8/23,26
加茂市、薬師山の麓にある駐車場脇で、水が流れている湿地に小さな群落を作っていました。
ここには何度も来ていますが、イトイヌノヒゲを見たのは初めてです。
花は小さいのですが、たくさん集まっていると見応えがあります。
下段は花の拡大写真ですが、左ほど開花から時間が経過したもので、右端では黒い葯が顔を出しています。



2023/8/20
加茂市の外れにある国道290号線沿いの駐車場。駐車場を出るとそこは三条市です。
その脇には水の流れる湿地と乾燥した斜面があり、いろいろな植物が繁茂しています。
その湿地に生える植物の1つが、長い花茎の先に白い花を付けるイトイヌノヒゲです。
上記の5年前ほどの群落にはなっていませんが、紅葉したコケオトギリに混ざった生えていました。
上段左は総苞片が開いたばかりの頭花で、右端は中心の雄花と雌花の花苞が立ち上がった所です。


2024/8/25
今年も昨年とあまり変わりなく、黄葉したコケオトギリに混ざって小さな群落になっていました。
駐車場脇の斜面の一部が、湧水があるのか湿地のようになっている所にのみ生えています。
その湿地状の斜面に、湿地を好む植物が群生し、ハッチョウトンボも生息しているようです。

ツリガネニンジン(Adenophora triphylla var. japonica)
<キク目・キキョウ科・キキョウ亜科・ツリガネニンジン属>


キキョウ科ツリガネニンジン属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州とほぼ全国の山野で見られる。
海外では、樺太、千島列島に分布する。
草丈は50〜100cmで、茎はほとんど分枝せず、白毛が生え、切ると乳液が出る。
葉は先が4〜8pの細長く尖った楕円形で、数枚が輪生状に付き、鋸歯がある。葉には短い柄がある。
花期は8月〜10月で、茎頂に円錐花序を付け、花は数個が輪生する。
花冠は変化が多く、長さ20o前後で釣鐘型の淡紫色の花で、先が5裂する。
花柱は花冠から長く突き出し、成熟すると先が3裂する。まれに花柱が短いものもある。

2016/8/27
胎内の星まつり会場から芝生広場の方に向かう通路脇、日当たりの良い空き地で見かけました。
大きく伸ばした茎頂に、多くの淡紫色の花を付けていました。
5裂した花冠の中から同じ淡紫色の花柱を伸ばしています。
開花直後はこん棒状ですが、成熟すると褐色味を帯びて、先が3裂します。


2018/8/25
胎内の星まつり会場から芝生広場の方に向かう通路脇、日当たりの良い空き地で見かけました。
今年は除草されていて、見られたのは際に残っていた、この未開花の1株のみでした。
大きな葉4個が輪生している様子が分かると思います。

 
2024/8/24                2024/8/25
芝生広場からゴルフ場へ続く道路脇の何ヶ所かで、ツリガネニンジンが花を付けていました。
最初に見かけた所がBMXのコースに整備され、大きな群落だったのが見られなくなったのは残念です。

サワギキョウ(Lobelia sessilifolia)
<キク目・キキョウ科・ミゾカクシ亜科・ミゾカクシ属>

キキョウ科ミゾカクシ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州とほぼ全国の湿地で見られる。
海外では、朝鮮半島から中国東北部、台湾、サハリン、シベリアにかけて分布する。
葉は、披針状で互生し、無柄で細かい鋸歯がある。
草丈は1mほどになり、枝分かれしない。茎の上部に総状花序を出し、花をたくさん付ける。
花期は、8月〜9月で、濃紫色の5深裂した唇型で、上下に分かれ、上唇は2裂、下唇は3裂する。
萼は鐘状で先は5裂する。キキョウ同様、雄性先熟で、雄花期とその後の雌花期がある。
オシベは、合着して筒状になり、その中にメシベが入っている。
その後、オシベが枯れて、中ならメシベが現れる雌花期になる。

2015/8/21
只見線と分かれ、290号線に入った山中の側溝近くで見かけました。
キキョウの仲間とは思えない、独特な形状の花ですね。ミゾカクシの仲間特有の形だそうです。
ただ、花の色はキキョウに近い、紫系の色です。
上唇の2裂した翼状の花弁の中央から鎌首を持ちあげたように突き出しているのがオシベです。
オシベの先に白く突き出ているのは、下側のオシベの葯についている毛束です。
その手前で、色が若干淡くなっている部分が、葯で、筒状の内部に花粉があります。
花粉は、内部のメシベによって筒の先に押され、出口を毛束で塞がれて状態で、
マルハナバチが訪花した際、背中に毛束が当たると、花粉が押し出されて、背中に着くとのこと。
実に巧妙な仕組みで、確実な授粉のための進化の結果なのでしょうか。

ミゾカクシ(Lobelia chinensis)
<キク目・キキョウ科・ミゾカクシ亜科・ミゾカクシ属>

キキョウ科ミゾカクシ属の多年草で、在来種。水田の畔など、湿り気のある所に生える。
日本では、北海道から本州、四国、九州、南西諸島と全国の広く分布する。
海外では、中国、インド、マレーシアに分布する。
草丈は15cmほどしかないが、茎を分枝し、地面を張って広がる。
和名は、溝を覆い隠すほどに広がって繁殖する事に由来する。
葉は、長さ2cm、幅5mmほどの披針形で、互生する。
葉腋から長い花柄を伸ばし、淡紅紫色の花を1つ付ける。花後、花柄は下を向く。
花冠は5深裂し、中央の3枚は下向きに、その両端の2枚は横向きになる。
ヘビが鎌首をもたげたように突き出しているのは、オシベは合着して筒状となったものである。
キキョウ同様、雄性先熟で、雄花期とその後の雌花期がある。
オシベは、合着して筒状になり、その中にメシベが入っている。
その後、オシベが枯れて、中ならメシベが現れる雌花期になる。

2015/8/23
胎内の星まつり会場を後にして山を下り、新発田郊外に出たとき、田んぼの中で見かけました。
水田の雑草として普通に見られるそうですが、私は始めてみました。
おそらく、私が普段見ている水田は、良く手入れされて、このような雑草は除草されているのでしょう。
草丈など大きさは全く異なりますが、下記のように同じ属のサワギキョウと花の形はそっくりです。


ミゾカクシとサワギキョウの花


ミゾカクシの花            サワギキョウの花
同じ属の花だけあって、良く似ていますね。
左右に開く2枚の花被片と、下向きの3枚の花被片、サワギキョウほど開きませんが似ています。
ヘビの鎌首のような筒状になったオシベ、その中にあるメシベ、雄花期とその後の雌花期も同じです。


オヤマボクチ(Synurus pungen)
<キク目・キク科・アザミ亜科・アザミ連・ヤマボクチ属>

2016/8/27         2015/8/22         2015/8/22
キク科キク科の多年草で、在来種。
北海道から本州の岐阜県以北、四国に自生する。海外では、朝鮮半島に自生する。
草丈は1m以上になり、茎は直立して分枝する。茎にはくも毛がある。
葉は互生し、下部の葉には長い柄があり、葉身も数十cmになり、卵状長楕円形で先が尖る。
上部の葉は、上に行くほど小型になる。葉裏にはくも毛が密集する。
茎先や上部の葉腋から頭花を出し、頭花は下垂する。
総苞は長さ3cmほどの球形で、総苞片は線状披針形で先が尖る。
若い頭花は、写真のように鮮やかな緑色ですが、時間と共に紫色を帯びてくる。
その後、濃紫色の筒状花が顔をのぞかせ、下向きに開花する。

オヤマボクチは、「雄山火口」と書き、その繊維を火起こしの火口(ほくち)に用いたのが名の由来。
その繊維は無味無臭のため、蕎麦のつなぎや草餅などのつなぎに用いられている。

胎内の星まつり会場で、芝生広場の方に向かう通路脇で見かけました。
まだ、両年とも開花には時期が早く、若い緑色のツボミでした。

オヤマボクチの葉からはつなぎになる繊維が取れます。
その繊維をつなぎにした、笹団子や蕎麦が新潟県や長野県作られているそうです。
蕎麦は、食べたことがありませんが、長野県の飯山市の富倉そばが有名ですね。
笹団子は、新潟からの帰り道、道路脇の売店で売られていたのを食べたことがあります。

※ その後、湯田中温泉の近くにあった古芳屋さんで、食べることができました。
現在は、閉店となってしまい、食べることはできなくなってしまいました。

サジガンクビソウ(Carpesium glossophyllum Maxim. )
<キク目・キク科・キク亜科・オグルマ連・ガンクビソウ属>

キク科ガンクビソウ属の多年草で、在来種。
日本では、本州から四国、九州と琉球列島に分布する。国外では済州島に分布する。
草丈は30〜50cm前後になり、茎は直立して分枝が少なく、上部は曲がり、開出毛が密に付く。
根出葉がロゼット状に残り、長さ15p程の楕円形で鋸歯はほとんどない。
茎葉は小さく、まばらで、上部では線状披針形になる。
花期は8月〜10月で、枝先に緑白色の頭花を下向きに付け、頭花の基部には大きな苞葉が付く。
頭花は、直径15mm前後で、筒状花のみからなり、周囲に雌性、中央に両性花が付く。

2015/8/22
胎内の星まつり会場で、芝生広場の方に向かう通路脇で見かけました。
日当たりが悪く、徒長した感じで、枝数は少なかったのですが、いくつか頭花を付けていました。
どの頭花も緑色なので、開花中なのか、花後なのかはっきり分かりません。
そのため、本種なのかコヤブタバコなのか、判断し切れませんでした。


2016/8/27
胎内の星まつり会場から芝生広場の方に向かう通路脇、日当たりの良い空き地で見かけました。
やはり同じような枝ぶりで、コヤブタバコにしては分枝が少なく、根生葉が残っているので、本種としました。

 
2024/8/24
芝生広場からゴルフ場へ続く道路脇の何ヶ所かで、サジガンクビソウが花を付けていました。
道路脇なので、除草が行われたのでしょうか。小さな株しか見られませんでした。


オオガンクビソウ(Carpesium macrocephalum)
<キク目・キク科・キク亜科・オグルマ連・ガンクビソウ属>
   .
キク科ヤブタバコ属の多年草。
日本では、北海道から本州の中部以北に分布する。
日本に自生するガンクビソウの中では、ずば抜けて大きな数cmの頭花を持つ。
2013/8/3
八ヶ岳自然文化園の林内で見かけたオオガンクビソウです。
直径は数cmとかなり大きく、頭花が黄色い所がサジガンクビソウと異なります。


セイヨウノコギリソウ(Achillea millefolium)
<キク目・キク科・キク亜科・キク連・ノコギリソウ属>

キク科ノコギリソウ属の多年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。
日本では、北海道から本州に分布する。
草丈は50〜100cmほどで、葉は互生し、2〜3回羽状複葉に細裂して柔らかい。
茎頂に散房花序を付け、直径5o程の頭花をたくさん付ける。
普通、周囲に5個の舌状花(雌花)が並び、中心に両性花の筒状花が複数ある。
花色は白や淡紅色が多いが、赤や黄色などの園芸品種も出回っている。床には膜質の鱗片がある。
花後、花床がふくれて円錐形になり、痩果は長さ2mmほどになる。

2017/7/29
星まつり会場から少し離れた芝生広場の奥、ゴルフ場への道を脇で見かけました。
ノコギリ痩果と思ったのですが、葉が羽状複葉で細裂しており、本種と分かりました。

カントウヨメナ(Kalimeris pseudoyomena)
<キク目・キク科・キク亜科・シオン連・シオン属>

キク科シオン属の多年草で、日本固有種。
日本では、本州の関東以北に分布する。
草丈は30〜100cmで、茎は細く、大きくなると直立できず、倒れることが多い。
葉は互生で、長楕円形で先が尖り、下部の葉には鋸歯があるが、上部の葉にはない。
東海地方以西に分布するヨメナより葉が薄く、鋸歯が荒く切れ込みが浅い。
茎の上部で枝別れし、枝先に1つずつ頭花を付ける。
花の直径は3cmほどで、舌状花は青紫色が多いが、白色のものもある。
中央の黄色い筒状花は、比較的数が多くて大きい。
痩果の冠毛は、長さ0.3mm程度とかなり短い。

2016/8/26
只見線の越後須原駅近くの駐車場で、線路脇の法面で見かけたカントウヨメナです。
よく似たユウガギクは上部で長い側枝を横に開き気味に出すが、側枝がまとまっている点、
葉の鋸歯が、下部の葉では葉先側に数個の低い鋸歯が見られる程度である点で本種とした。
残念ながら舌状花が散った頭花が見られなかったので、冠毛は確認できませんでした。


2015/8/23

2017/7/30
胎内の星まつり会場を後にして山を下りる途中、道端の空き地で見かけました。
ちょっとした群落になっていて、薄紫の花がたくさん付いていました。
最初、花色からコンギクかノコンギクでは思ったのですが、筒状花の落ちた頭花に冠毛が見られません。
総苞、葉の形状や鋸歯の形状、側枝の広がり方から、消去法で本種としています。
しかし、草姿がカントウヨメナらしくなく、間違っている可能性があります。

シラヤマギク(Aster scaber)
<キク目・キク科・キク亜科・シオン連・シオン属・シラヤマギク節>

2015/8/22

2016/8/27
キク科シオン属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州とほぼ全国に分布している。
海外では、朝鮮半島から中国に分布している。
草丈は1〜1.5mで、茎は高く伸び上がって上部で分枝し、短毛があってざらつく。
根出葉は、葉身は長さ10〜20cmの卵心形で、縁に粗い鋸歯があり、表裏に短毛がある。
長さ10〜15cmの長い葉柄があり、翼がある事が多い。なお、花時には枯れる。
上部の葉は、先が尖った卵形になり、上部になるほど小さく、葉柄も短くなる。
花期は8月〜11月で、茎の先端に粗い散房状に白花を多数付ける。
頭花は直径20mm前後で、舌状花は4〜9個と少なめ。数が一定せず、まばら。
総苞は直径5〜6mmの鐘形で、総苞片は3列が重なり、瓦を葺くように並ぶ。
痩果は長さ3mm前後で、長さ4mm前後の淡褐色を帯びた冠毛が付く。

2015/8/22 胎内の星まつり会場で、芝生広場の方に向かう通路脇で、オヤマボクチの隣で見かけました。
白い花弁が不揃いで、間隔もまちまちなので、コシロノセンダングサの花に近い感じです。
2016/8/27 芝生広場の方に向かう通路脇の林縁で小さな群落を作っていました。


2018/8/25
芝生広場に向かう通路脇の林縁で、今年もシラヤマギクが花を付けていました。
葉の形状や葉柄がないように見えたので、シロヨメナとしていたのですが、今回、変更しました。
変更した理由は、舌状花の数やその付き方と葉柄が確認できたことによります。
花期なので根生葉はなかったのですが、下部の葉には明瞭は葉柄がありました。
開花直後の筒状花は黄色いようですが、時間の経過とともに緑白色に変わるようです。


2024/8/25
芝生広場からゴルフ場へ向かう道路を経由して1周したとき、最も目に付いたのがシラヤマギクです。
けっこう、あちらこちらで花を咲かせていましたが、あまり大きな株は見られませんでした。

ノコンギク(Aster microcephalus var. ovatus)
<キク目・キク科・キク亜科・シオン連・シオン属>

キク亜科シオン属の多年草で、本州から四国、九州の山野に普通に分布する。
草丈は、50cm以上になり、茎は良く分枝する。茎には短毛が密生する。
葉の両面にも短毛があり、長楕円形で、3本の葉脈が目立つ。葉の縁には大きな鋸歯がある。
花茎の先に散房状に多数の白から淡青色の頭花を付ける。
地下茎を横に這わせて、あちこちから枝を出すので、まとまった群落を作りやすい。

2016/8/27
胎内の星まつり会場で、芝生広場の方に向かう通路脇で見かけました。
花の色や葉の形、舌状花の際に冠毛らしき細い毛が見えている点から本種としています。
しかし、似たものが多く、間違っている可能性もあります。

ユウガギク(Aster iinumae Kitam.)
<キク目・キク科・キク亜科・シオン連・シオン属>

キク亜科シオン属の多年草で、日本固有種。
日本では、本州の近畿地方以北に分布する。
草丈は50〜150cmで、茎は上部で分枝して、長い側枝を横に広げるように出す。
葉は互生し、長さ7〜8pで、上部では長楕円形で鋭く浅く切れ込み、下部では羽状の中裂が入る。
花期は7月〜10月で、茎頂に散房花序を付け、直径25〜30mmの白から淡紫色の花を付ける。
痩果は長さ2.5mm前後で、冠毛は長さ0.3mmとごく短い。
ユウガギクは、「柚香菊」と書き、ユズの香りがするのが由来だが、あまり香りは強くない。

2013/8/25
国道290号を〆切交差点から農道に入って、加治川を渡った先の道路脇で見かけました。
花の色や下部の葉が大きく深裂している点から本種としています。



2015/8/23
胎内の星まつり会場を後にして山を下りる途中、道端の空き地で見かけました。
冠毛が極短く、上部で側枝を大きく横に広げる草姿は、ユウガギクの特徴です。

センボンヤリ(Leibnitzia anandria)
<キク目・キク科・キク亜科・センボンヤリ属>

キク科センボンヤリ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から九州と全国の山地や丘陵の日当たりのよい草地などに自生している。
海外では、朝鮮半島から中国、ロシアに分布する。
本種は、春と秋の2回の花期があり、その形態が大きく異なる。
葉は、基部に集まってロゼット状になる。葉の欠刻は春は少なく、秋の葉は欠刻が多くなる。
その形も春は倒卵形であるが、秋は長楕円形で頂葉が非常に大きい羽状に中裂する。
春、秋とも葉裏には、白いクモ毛が密生する。
頭花も春と秋で異なり、春の頭花は高さ10〜15cmほどで、花茎の先に1個付く。
頭花は、周りに裏が淡紫色を帯びた白い舌状花状の筒状花が1列並び、その内側に筒状花がある。
舌状花状の筒状花は、舌片の反対側にも小さな舌片がある二唇形で、オシベが退化した雌性花である。
筒状花は、メシベとオシベを持つ両性花である。
秋には30〜50cmの花茎が多数伸び出し、その先に槍の穂先状の閉鎖花が1個付く。
その様が和名のセンボンヤリの由来である。花茎には、線形の小葉が多数つく。
閉鎖花は、細い筒状花のみからなり、長さ15oほどの総苞に包まれたまま結実する。
痩果は淡褐色で、春型は長さ5o、冠毛は7mmほどであるが、秋型は長さ7o、冠毛は10o程になる。

2016/8/27
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の方で、通路脇の草むらで見かけました。
花が咲いていませんでしたが、花茎の形状などから本種と分かりました。
秋の花は閉鎖花なので、ツボミが大きくなっても花は開きません。


センボンヤリの春と秋の花


2009/04/12
高尾山のもみじ台近くで見かけたセンボンヤリの春の花です。
舌状花のように見えるのは、特殊な二唇形の筒状花です。

   .
2016/10/7
町田市にある薬師池公園、その萬葉草花苑で見かけた秋のセンボンヤリです。
秋の花は閉鎖花ですので、開花することなく結実し、綿毛を飛ばします。
胎内で見かけたセンボンヤリのツボミは、まだ、十分に育っていませんでした。
さらに育つと、左から2番目のような槍の穂先のように尖ったツボミとなります。
その後、つぼみのままで結実し、徐々に開いて、最後には右端のようになります。


ダンドボロギク(Erechtites hieracifolia)
<キク目・キク科・キク亜科・タケダグサ属>

キク科タケダグサ属の1年草で、北アメリカ原産の帰化植物。
1933年に、愛知県の段戸山で最初に発見されたため、「ダンド」が名に付いている。
現在では、北海道から本州、四国、九州と全国で確認されている。
草丈は1mを超え、茎は直立して無毛。葉は互生し、無柄。長さ15p前後の狭披針形で、粗い鋸歯がある。
花期は9月〜10月で、茎頂のまばらな円錐花序に、多数の頭花を上向きに付ける。
舌状花はなく、中心の両性花、その周りの雌性花は、共に筒状花で、長さは12mm強。
花冠は白色で、雌性花の花冠は狭い。総苞は無毛で、下部がやや膨らんだ円筒形。
総苞内片は1列にきれいに並び、外片は極短い。なお、花後、基部の膨らみが大きくなる。

2013/8/23
国道290号線の守門と栃尾の間で、道路脇で見かけたダンドボロギクです。
綿毛が見え、花らしきものもなかったので、花は咲き終わってしまったものと思っていました。
しかし、後で調べてみると舌状花のない花で、基部が太くなるのは花後とのこと。
そこでよく見てみると、基部の膨らみが目立たない頭花がいくつか見られました(中央の写真)。
おそらく、開花中の頭花もあったものと思いますが、この写真からは開花中かどうかは分かりません。


2024/8/25
ゴルフ場から星まつり会場に向かう道路脇で、ダンドボロギクが1株だけ花を付けていました。
星まつり会場の周辺で、ダンドボロギクを確認したのは初めてになります。

オオハンゴンソウ(Rudbeckia laciniata)
<キク目・キク科・キク亜科・ヒマワリ連・オオハンゴンソウ属>

2013/8/25

2015/8/23
キク科オオハンゴンソウ属の多年草。環境省指定特定外来生物。
北米原産。日本や中国に帰化植物として移入分布している。
今では北海道から沖縄県まで日本全国に定着している。
花期は7月から9月頃で、計10〜14枚の花弁は黄色で細長く、やや垂れ下がっている。
葉には毛が生え触るとざらつく。高さは50〜300cm。
道端、荒地、畑地、河川敷、湿原などさまざまな環境に生育する。
現在では外来生物法により特定外来生物(第二次指定種)に指定されており、
許可なく栽培・保管・運搬・輸入・譲渡を行うことは禁止されている。
特に北日本や中部日本の高地で広く繁殖が確認されており、在来植物の生態系に影響を及ぼす恐れがある。

加茂市、薬師山の麓にある駐車場と道路を挟んだ法面に小さな群落を作っていました。
繁殖力の強い本種ですが、290号線沿いではここ以外では見かけたことがありません。
下段のように2年後に見た時も、いくぶん大きくなっ程度でした。
おそらく、除草作業が、適宜行われているものと思います。


2023/8/20
コロナ過の影響で4年ぶりに胎内へ出かけ、その帰りに立ち寄った加茂市の外れにある駐車場。
その駐車場と道路を挟んだ対面の法面にあったオオハンゴンソウの群落が巨大化していました。
2015年に撮影して以降、あまり気にしていなかったのですが、10倍以上の規模になっていました。
おそらく、除草作業が行われていないのではないでしょうか。

※ オオハンゴンソウは、外来生物法で特定外来生物に指定されている厄介な植物です。
許可なく輸入、販売、栽培、保管、運搬、野外に植えることなどが禁止されています。
これに違反した場合、個人の場合では内容しだいで3年以下の懲役、または300万円以下の罰金です。

サワヒヨドリ(Eupatorium lindleyanum var. lindleyanum)
<キク目・キク科・キク亜科・ヒヨドリバナ連・ヒヨドリバナ属>

キク科ヒヨドリバナ属の多年草で、北海道から本州、四国、九州とほぼ全国に分布する。
草丈は80cm程になり、葉は無柄で対生し、鋸歯がある。
育ちの良い個体では、3深裂、3全裂し、6枚が輪生しているように見えるものもある。
良く似たヒヨドリバナとは、一回り小さく、葉が細く、葉柄がない点で区別できる。
上部に散房状に多数の頭花を付ける。頭花は、5個の両性の筒状花からなるものが多い。
筒状花は、花冠の先が浅く5裂し、メシベの花柱は花冠から飛び出して、先端は2裂する。
花冠の花色は、淡い紅紫色を帯びたものが多いが、色の濃いものから白色のものまで変異が大きい。

よく似た花が幾つかあるが、葉の特徴から識別することができる。
・ヒヨドリバナ  葉は対生し、短い葉柄がある
・サワヒヨドリ  葉は対生し、葉柄がない。葉は3脈が目立つ
         ※ 3深裂〜3全裂して6個が輪生しているように見えることがある
・ヨツバヒヨドリ 葉は4個(3個〜5個)が輪生する
・フジバカマ   葉は対生して、下部では3深裂する

2016/8/28
胎内星まつり会場を後にして国道290号に出る前、田んぼ脇の用水路で見かけました。
まだ、一部の花が咲いたばかりで、大半はツボミの状態でした。

2018/8/23
加茂市、薬師山の麓にある駐車場脇で、水が流れている湿地で所々に生えていました。
他に背の高い草本がないので、否応なしに目に付きます。
残念ながら、大きな花序でしたが、全てツボミで、開花しているものはありませんでした。


2018/8/23        2018/8/26           2018/8/26 .
2018/8/26 帰路にも駐車場に立ち寄りました。同じ個体だと思うのですが、数日の間にずいぶん成長したようです。
その花序の頭頂部で、1つだけ開花し始めていました。右の写真中央付近に糸状の花柱が見えています。


2019/8/22                 2019/8/25
今年も加茂市、薬師山の麓にある駐車場に寄って、サワヒヨドリの様子を見てきました。
行きと帰りに寄ったのですが、左は往路での様子で、6輪の開花が確認できました。
右が復路での様子です。開花数は10輪ほどにしか増えていませんが、花序の成長は進んでいました。


2024/8/25
いつもの駐車場によって、サワヒヨドリなどの花を確認してきました。
今年は、まだツボミは固く閉ざしたままで、開花は全く見られませんでした。

ヒヨドリバナ(Eupatorium makinoi)
<キク目・キク科・キク亜科・ヒヨドリバナ連・ヒヨドリバナ属>

キク科ヒヨドリバナ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州とほぼ全国の日当たりの良い草原などに分布する。
海外では、朝鮮半島から中国にも分布する。
草丈は、2mに達するものもあり、葉は対生し、短い葉柄があり、卵状長楕円形で先がる。
花期は8月〜10月で、頭花は散房状に付き、少数の筒状花からなる。
白や淡紫色の花冠の先は浅く5裂し、花柱の先が分枝して長く伸び出す。

よく似た花が幾つかあるが、葉の特徴から識別することができる。
・ヒヨドリバナ  葉は対生し、短い葉柄がある
・サワヒヨドリ  葉は対生し、葉柄がない。葉は3脈が目立つ
         ※ 3深裂〜3全裂して6個が輪生しているように見えることがある
・ヨツバヒヨドリ 葉は4個(3個〜5個)が輪生する
・フジバカマ   葉は対生して、下部では3深裂する

2015/8/22
胎内の星まつり会場で、芝生広場の方に向かう通路脇で見かけました。
ヒヨドリバナも、道路脇などで比較的良く見かけます。
秋の七草の1つフジバカマと同属で、花色を除き、花の形は良く似ています。
ただ、淡紫色のヒヨドリバナもあるので、花色も似たものがあります。


2018/8/25
芝生広場の方に向かう通路脇の林内で、まばらに集まって花を付けていました。
あまり大きな株はなく、八ヶ岳自然文化園で見かけたような群落にはなっていませんでした。
右端の写真では、大きな葉が対生し、短い葉柄があるのが分かります。


2019/8/22
奥胎内ヒュッテ近くの道路脇で見かけたヒヨドリバナです。
群生はしていませんでしたが、ポツリポツリとそこそこの数が咲いていました。

カワラハハコ(Anaphalis margaritacea subsp. yedoensis)
<キク目・キク科・キク亜科・ヤマハハコ属>

キク科ヤマハハコ属の多年草で、日本固有種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と苑国に分布する。
草丈は50cm程度になり、茎は下部からよく枝分かれするため、丸くまとまった株を作る。
葉は互生し、長さ5p前後、幅数oの線形で、縁は裏に巻く。
葉の裏面には白い綿毛が密生するが、全体に細かい毛が多いため、上から見ても白っぽく見える。
花期は8月〜10月で、枝先に散房状に小さな頭花を多数付ける。
雌雄異株で、雄株の頭花は、筒状の両性花のみからなる。両性花は結実しない。
雌株の頭花は、縁に糸状の雌花が多数あり、中心部には両性花が混じる。

2013/8/25
新発田市を流れる加治川の河川敷で、点々と大きな株立ちなっていました。
下に降りられなかったので、橋の上からの撮影となりました。
後で、拡大してみると、まだ、茎先にツボミができ始めたばかりのようでした。

アキノノゲシ(Lactuca indica)
<キク目・キク科・タンポポ亜科・タンポポ連・アキノノゲシ属>

キク科アキノノゲシ属の一年草で、東南アジア原産の史前帰化植物。
日本では、北海道から本州、四国、九州まで全国に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾、東南アジアに広く分布する。
草丈は60p以上になり、大きなものは2mに達する。茎は分枝せず、直立する。
葉は互生し、下部の葉は長さ数十pで羽状深裂するが、上部では小さな全縁の葉となる。
花期は8〜11月で、茎の上部に円錐花序を付け、直径2cm前後の淡黄色の頭花を多数付ける。
頭花は稀に白色や淡紫色のものもあり、舌状花のみで筒状花はない。昼間開いて夕方にはしぼむ。
総苞は長さ1cm程で、総苞片は覆瓦(ふくが)状に重なり、暗紫色(が多い)の縁取りがある。
痩果は扁平で、長さ4oほどの長楕円形で、短い嘴状の突起があり、白色の冠毛がある。

2013/8/23
国道290号線の二日町付近の道端で見かけたアキノノゲシです。
放棄された田んぼの中で、大きく枝を張り、花を咲かせ始めていました。

シロバナニガナ(Ixeris dentata var. albiflora)
<キク目・キク科・タンポポ亜科・タンポポ連・ニガナ属>

キク科ニガナ属の多年草で、日本固有の亜種。
日本では、北海道から本州、四国、九州にかけて、山地や亜高山の林の縁や草地に自生する。
ニガナの亜種であるイソニガナの変種として分類され、その黄花品がハナニガナとされる。
草丈は30〜70cmで、根際から出る葉は楕円形で、縁には鋸歯がある。
茎に付く葉は披針形で、基部には毛状の鋸歯があり、茎を抱く。
花期5月〜8月で、茎の上部に集散花序を付け、直径が15〜20oの白い頭花を付ける。
頭花は舌状花のみで、舌状花は8〜11個。 総苞は長さ7〜8o。

2017/7/30
星まつり会場から少し離れた芝生広場の奥、ゴルフ場への道を脇で見かけました。
舌状花が8個あり、本種としました。白いニガナを見たのは初めてです。

ハナニガナ(Ixeris dentata var. albiflora f. amplifolia)
<キク目・キク科・タンポポ亜科・タンポポ連・ニガナ属>

キク科ニガナ属の多年草で、低山から高山の草地や道端などに生える。
日本では全国に分布し、海外では朝鮮半島から中国に分布する。
草丈は40〜70cmで、根生葉には長い葉柄があり、披針形や羽状に裂けるなど変異が多く、鋸歯がある。
茎葉は互生し、長さ3〜10cmの長楕円形で鋸歯があり、葉柄はなく、基部は茎を抱く。
花期は5月〜7月で、茎の上部で分枝して多数の頭花を付ける。頭花の直径は15〜20o。
頭花は舌状花からのみなり、7〜11個と、ニガナの5〜7個より多い。
本種は、ニガナの変種であるシロバナニガナの1品種で、その黄花品種とされている。

2017/7/30
星まつり会場から少し離れた芝生広場の奥、ゴルフ場への道を脇で見かけました。
舌状花が8個あり、本種としました。シロバナニガナの直ぐ近くで咲いていました。