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水星の日面経過 2006/11/09(木)

時間帯 [水星の出](東京)2006年11月09日 06:11:00
[第3接触](東京)2006年11月09日 09:08:37
[第4接触](東京)2006年11月09日 09:10:30

[撮影日時]2006年11月09日 09:04 〜 09:09
撮影地 神奈川県相模原市
撮影機材 高橋 TS式50mm屈折赤道儀[D50mm/F700mm]
FUJIFILM FinePix F601 直焦点 サンプリズム・フィルタ使用
[ISO200 F8 1/400sec.〜1/640sec. f25mm]



地球との位置関係で、内惑星である水星や金星が太陽面を横切って行くのが見えることがあります。
このような現象を日面経過とか太陽面通過といいますが、太陽に近い水星より金星の通過は稀です。
太陽面の通過という点では、月が通過する日食も似たような現象ですね。
地球から見える各々の大きさが異なり、月は太陽をほぼ隠してしまいます。
その点、水星も金星も遠く離れていて隠すのは極一部でしかなく、明るさの変化は無いに等しいです。
金星の日面経過は、2012年6月6日に観測され、次回は2117年12月11日です。
水星の日面経過は、3年、4年、6年、7年、10年、13年といった間隔で見られます。
日本で水星の日面経過が見られたのは、2003年5月7日で、次は2032年11月13日です。
2016年や2019年にも起きるのですが、日本では深夜になるので見ることができません。

今回の水星の日面経過は、始まるのが4:12と日の出前で、日の出時には半分ほど経過しています。
水星が太陽の縁に接触する第3接触が9:8、完全に見えなくなる第4接触が9:10です。

明るすぎる太陽の減光には、自作のサンプリズムと減光フィルタを使用しました。
サンプリズムは、表面反射を使用することで5%前後に減光できるのですが、それでも明る過ぎます。
市販品が手に入らなかったので、天頂プリズムのプリズムを逆さまにして代用しました。
市販品では、直角プリズムではなく、くさび形のプリズムを使用して反射光を処理しています。
直角プリズムでは、反射光がによってコントラストの低下などが起きるのですが、そこは無視。
減光用のフィルタと組み合わせ、コンデジを直焦点で取り付けて、撮影に挑戦しました。
なお、サンプリズムを使用しているので、画像は鏡像になっています。

現在は、撮影用、眼視用の太陽フィルタが、比較的安価に入手可能ですので、その利用がお勧めです。
なお、直接目で見る場合には、必ず眼視用のフィルタを使用ください。撮影用では眼を痛めます。



水星の日面経過の様子

 
09:05:20 〜 09:07:21 〜 09:09:02
上記は、各々の時刻の画像、3枚を合成したもので、左の画像は、右の画像の左下を拡大したものです。
なお、右上に見えている黒い点は黒点です。水星よりかなり大きく、明瞭に写っています。
3枚目の9:9:20の画像は、第3接触と第4接触の間なので、水星の半分ほどが見えています。

 
09:05:20 [ISO200 F8 1/400sec.]
水星は、太陽の縁からまだかなり離れていて、明瞭に見えています。

 
09:07:21 [ISO200 F8 1/500sec.]
水星は、太陽の縁にかなり近づきましたが、少し隙間があります。第3接触までは後1分強。

 
09:09:02 [ISO200 F8 1/500sec.]
第3接触と第4接触の中間なので、水星の半分ほどが半球状に見えていています。

 
09:09:14 [ISO200 F8 1/500sec.]
上記の12秒後なのですが、半球状の水星がかろうじて見えている状態です。
この後の写真では、水星が写っているのかどうか判別できなくなりました。

この当時持っていた機材では、これが限界でした。
コンデジの取り付けも不安定で、光軸を完全には合わせられなかったので、色ずれがありました。
最近のソフトを使って、色ずれは消去したのですが、光球の縁はいく分不明瞭になっています。