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胎内およびその道中で見かけた昆虫V



ここ何年か通っている「胎内 星まつり」。
その道中や会場である「胎内自然天文館」近辺で見かけた昆虫をまとめたものです。

ただ、星まつりが毎年、8月の初旬に開催されるため、その時期に見かけた昆虫のみです。
特に珍しいものではありませんが、こんな昆虫類が暮らしているのだと見ていただければ幸いです。

< トピック >

今回、新たに見かけた下記の昆虫を追加しました。
マエキガガンボ、アシナガバエ科の1種、トゲアシモグリバエ科の1種、
ショウジョウバエ科の1種、モンキアシナガヤセバエ、Schizophoraの1種、
ムネアカオオアリ、クロヤマアリ、キイロスズメバチ、チャイロスズメバチ、
ヒメスズメバチ、ヒメバチ科の1種[2]、ジガバチ、ホシササキリ
また、今回、下記の昆虫の写真を追加しました。
ハヤシノウマオイ、ミカドフキバッタ



ここでは、下記の昆虫を掲載しています。
なお、頭にNewと付いているのは、今回、初めてここで確認した種類です。
ハエ目・カ亜目・ガガンボ下目・ガガンボ上科
ガガンボ科(Newマエキガガンボ)
ハエ目・ハエ亜目・アブ下目・アブ上科
アブ科(アカウシアブ)
ハエ目・ハエ亜目・ムシヒキアブ下目
アシナガバエ科(Newアシナガバエ科の1種)
ムシヒキアブ科(シオヤアブ)
ハエ目・ハエ亜目・ハエ下目・無額嚢群・ハナアブ上科
ハナアブ科(クロヒラタアブ)
ハエ目・ハエ亜目・ハエ下目・額嚢群
トゲアシモグリバエ科(Newトゲアシモグリバエの1種)
ショウジョウバエ科(Newショウジョウバエ科の1種)
ナガズヤセバエ科(Newモンキアシナガヤセバエ)
科不明(NewSchizophoraの1種)
ハチ目・ハチ亜目・スズメバチ上科
アリ科(クロオオアリ、Newムネアカオオアリ、Newクロヤマアリ)
スズメバチ科(Newキイロスズメバチ、コガタスズメバチ、Newチャイロスズメバチ、
       Newヒメスズメバチ、ミカドトックリバチ)
ハチ目・ハチ亜目・ヒメバチ上科
ヒメバチ科(ヒメバチ科の1種[1]、New[2])
ハチ目・ハチ亜目・ミツバチ上科
アナバチ科(Newジガバチ)
ギングチバチ科(ニッポンハヤバチ)
コシブトハナバチ科(ヤマトツヤハナバチ)
コハナバチ科(シロスジカタコハナバチ)
ハキリバチ科(オオハキリバチ)
ミツバチ科(クマバチ、トラマルハナバチ)
バッタ目・キリギリス亜目・キリギリス上科
キリギリス科(ハヤシノウマオイ、ヒガシキリギリス、ヤブキリ、Newホシササキリ、
       アシグロツユムシ、ヘリグロツユムシ、セスジツユムシ)
ササキリモドキ科(ヒメツユムシ)
バッタ目・キリギリス亜目・コオロギ上科
コオロギ科(アオマツムシ、エンマコオロギ、シバスズ)
バッタ目・バッタ亜目・バッタ上科
バッタ科(コバネイナゴ、ハネナガイナゴ、クルマバッタモドキ、ミカドフキバッタ、
      ショウリョウバッタ、ショウリョウバッタモドキ)
オンブバッタ科(オンブバッタ)
バッタ目・バッタ亜目・ヒシバッタ上科
ヒシバッタ科(ハネナガヒシバッタ)
胎内への道中で見かけたの昆虫V
和名インデックス


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マエキガガンボ(Tipula(Indotipula)yamata Alexander)
<ハエ目・カ亜目・ガガンボ下目・ガガンボ上科・
ガガンボ科・ガガンボ亜科・マエキガガンボ属>

ガガンボ科マエキガガンボ属の1種で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州に普通に分布している。
体長は13〜15mmで、翅は弱い褐色を帯びた透明で、前縁はかなり強く黄色を帯びる。
胸部側面は灰褐色で、頭頂も灰褐色。口吻は黄色で下面は暗色。
触角は黄色だが、第2鞭節以降の各節の基部はわずかに膨大して暗色。

2024/8/24
芝生広場の方へ向かう途中、道路脇のシダの葉の上に止まっているのを見つけました。
全体に淡黄褐色で、ほとんど斑紋らしきものがないガガンボです。
後で調べると、翅脈の特徴や前脛節の距棘が見当たらないのでマエキガガンボ科と分かりました。
国内には6種いるとのこと。撮影場所から下記の4種のどれかと思われます(他2種は本州以外に分布)。
・マエキガガンボ 体長:雄12mm、雌19mm前後。北海道、本州、四国、九州に分布。
・Indotipula itoana 体長:雄15〜16mm、雌23mm前後。本州に分布。
・Indotipula tetracantha 体長:雄13mm前後。本州、四国、九州に分布。
・Indotipula quadrispicata 体長:雄16mm前後。本州に分布。
同定にはオスの交尾器の確認が必要とのことで、写真からの同定は不可能です。
ただ、唯一、和名のあるマエキガガンボの特徴と似ている点から、仮に本種としました。

アカウシアブ(Tabanus chrysurus)
<ハエ目・ハエ亜目・直縫群・アブ下目・アブ上科・アブ科・アブ亜科・アブ属>

アブ科アブ属のアブで、日本では北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。
体長23〜25o前後で、日本では最も大きなアブの1種。
全身が黒色とオレンジ色の縞模様になった大型のアブで、複眼は赤紫色で、触角は橙赤色。
出現時期は6月〜8月で、山地の渓流沿いでよく見られる。
メスは牛や馬などの家畜から吸血する。他のウシアブが柔らかい腹側を狙うのに対し、背中側を狙う。
なお、人を襲うこともあり、刺されると大変痛いので、注意が必要。
メスは水辺の草の葉に産卵し、幼虫は湿地や溝などでミミズなどを食べて成長する。

※ よく似たニセアカウシアブは、触角の末端4節が黒色で、腹背の黄色と黒の境界が不明瞭である。

2017/7/30
星まつりが終わり、会場を後にしようと車に戻ると、アカウシアブがいました。
追い払ってもすぐに戻ってきて、車に留まって様子を見ています。
そこを撮ったのですが、刺されないうちに退散しました。

アシナガバエ科の1種(Dolichopodidae)
<ハエ目・ハエ亜目・直縫群・ムシヒキアブ下目・オドリバエ上科・アシナガバエ科>

オドリバエ上科アシナガバエ科の1種と思われる。
眼が緑色で、体表に青銅色〜赤銅色の金属光沢があり、翅の前縁側が暗褐色になっている。

2024/8/25
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の側にある沼、その脇の樹で見かけました。
たまたま、クワガタを撮ったときにその周辺に写り込んでいたものです。
飛翔中のハエですが、緑色の眼を持つハエはアシナガバエ科に多く、体形も似ています。
翅の前縁側1/3ほどが褐色になっていて、残りの部分は無色透明です。

シオヤアブ(Promachus yesonicus)
<ハエ目・ハエ亜目・直縫群・ムシヒキアブ下目・ムシヒキアブ上科・ムシヒキアブ科・シオヤアブ亜科>
 
ムシヒキアブ科シオヤアブ亜科の肉食性のアブで、日本ではほぼ全国に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、極東ロシアにも分布する。
草原や林の周辺の日当たりの良い場所で、よく見られる普通種。
体長は23〜30mmで、体色は黒褐色で、黄色い毛が生えている。
その黄色い毛のため、腹部は黒と黄色の縞模様に見える。なお、オスの腹端には白い毛が密生する。
獰猛な狩人で、見晴らしの良い枝先などに留まり、獲物を待ち伏せする。
獲物が近づくと、一気に襲い掛かり、自分より大きな獲物でも一撃で仕留める。
幼虫は土中や朽木の中にいて、他の昆虫などを食べて成長する。

2017/7/29
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の通路脇や池の畔で見かけました。
この日見かけたのはメスばかりで、1匹は食事中でした。
捕らえられたのは、オオアオイトトンボと思われますが、体色が褐色に変色してしまっています。
かろうじて腹端の2節が元の色を留めているだけなので、食事は終盤のようです。

クロヒラタアブ(Betasyrphus serarius)
<ハエ目・ハエ亜目・環縫群・ハエ下目・無額嚢群・ハナアブ上科・
ハナアブ科・ヒラタアブ亜科・ヒラタアブ族>

ハナアブ科ヒラタアブ亜科のアブで、日本では北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。
ただ、分布域は広いですが、個体数はそれほど多くない。
体長10o前後の黒いアブで、腹部には3本の淡褐色の帯模様がある。複眼は暗褐色。
幼虫はアブラムシを食べ、成虫は花の蜜や花粉を食べる。
幼虫の体は不透明で、体節毎に黒い模様がある。

2016/8/27
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の方で、通路脇の草むらで見かけました。
たまたま、オトギリソウを上から撮影している時に、視野に飛び込んできたものです。

トゲアシモグリバエ科の1種(Odiniidae)
<ハエ目・ハエ亜目・環縫群・ハエ下目・額嚢群・無弁翅群・ヒメコバエ上科・トゲアシモグリバエ科>

ヒメコバエ上科トゲアシモグリバエ科の1種と思われ、国内の既知種は3種いる。
出現時期は5月〜8月、体長2〜3mmで、体と翅に黒褐色の小斑点がある。
夏季にクヌギなどの樹液に集まる。

2024/8/25
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の側にある沼、その脇の樹で見かけました。
たまたま、クワガタを撮ったときにその周辺に写り込んでいたものです。
狙って撮っていないので画像が小さく、ピントも甘いので、細かい点がはっきりしません。
ただ、樹液に集まるハエの中では、トゲアシモグリバエ科に似ているのではないかと思っています。

ショウジョウバエ科の1種(Drosophilidae)
<ハエ目・ハエ亜目・環縫群・ハエ下目・額嚢群・無弁翅群・ミギワバエ上科・
ショウジョウバエ科・ショウジョウバエ亜科・ショウジョウバエ属>

2024/8/24                2024/8/25    .
ミギワバエ上科ショウジョウバエ科の1種と思われる。
アフリカか東南アジアの熱帯起源とされ、現在は南極、北極以外の全世界に分布する。
日本では300種以上が知られていて、台所の嫌われ者コバエも含まれる普通種である。
体長は2〜3mmで黄褐色の種が大半で、活動時期は4月〜11月が多い。
酵母菌を食べるため、発酵臭が好きで、樹液や腐った果実、お酒などに集まってくる。
腐敗した生ゴミなどに集まるが、糞に集まることはなく、病原菌を運ぶことはないとされる。
和名は、お酒に集まってくることと、眼が赤いので、中国の伝説上の動物「猩猩」に由来する。
有名なのがキイロショウジョウバエで、実験動物とし、遺伝の実験によく使われる。

2024/8/25
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の側にある沼、その脇の樹で見かけました。
たまたま、クワガタを撮ったときにその周辺に写り込んでいたものです。
左の写真は手ぶれしてしますが、キイロショウジョウバエの仲間と思われます。
右の写真には、飛翔中の姿が横向きに写っています。
ショウジョウバエ科には似たものが多く、写真からの同定は不可能です。

モンキアシナガヤセバエ(Nerius femoratus)
<ハエ目・ハエ亜目・環縫群・ハエ下目・額嚢群・無弁翅群・ヤセバエ上科・ナガズヤセバエ科>

ヤセバエ上科ナガズヤセバエ科に属するハエで、在来種。
日本では本州から四国、九州に分布する。
出現時期は6月〜8月。体長は10〜13mmで、細長い体と長い脚をもつスマートなハエである。
胸部背面には黒い地色に2本の白条があり、翅は淡褐色の半透明で、斑紋はない。
複眼は赤褐色で、各脚の腿節には黄色黄斑がある。
触角の第3節は、前節よりかなり長く扁平で長楕円形。背面に白い端棘があり、第3節より長い。
よく似たホシアシナガヤセバエは、翅に斑紋があり、前胸背は濃褐色の地に栗色の縦条がある。

2016/8/27
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の側にある沼、その脇の樹で見かけました。
たまたま、クワガタを撮ったときにその周辺に写り込んでいたものです。
左の写真では、コクワガタの周りに3匹写っています。右の写真はさらに下の方に居たものです。
一般に思い浮かぶハエとはかなり体形が異なる細長いハエで、赤褐色の眼が一際目立ちます。
クヌギの樹液などに集まるようですが、見かける頻度はそう多くないようです。

Schizophoraの1種(Schizophora)
<ハエ目・ハエ亜目・環縫群・ハエ下目・額嚢群>

ハエ下目額嚢群の1種と思われるが、詳細は不明。

2024/8/25
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の側にある沼、その脇の樹で見かけました。
たまたま、クワガタを撮ったときにその周辺に写り込んでいたものです。
体色が黄褐色のハエなので、ショウジョウバエ科の1種かもしれません。

クロオオアリ(Camponotus japonicus)
<ハチ目・ハチ亜目・スズメバチ上科・アリ科・ヤマアリ亜科・オオアリ属・オオアリ亜属>

アリ科ヤマアリ亜・オオアリ属に属するアリで、在来種。
国内では、ムネアカオオアリと並ぶ大型種で、南西諸島以外に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、米国にも分布している。
働きアリは体長は7〜12mmだが、体長7〜9mmの小型種と10〜12mmの大型種に分化している。
全身が光沢のない黒灰色をしているが、腹部の節は黒光りする。
なお、オオアリ属は前・中胸背縁を横から見ると緩やかな弧を描いているのに対して、
ヤマアリ属では前・中胸背縁を横から見ると二こぶに見えることで、クロヤマアリと区別可能。

2017/7/29
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の方で、通路脇の草むらで見かけました。
ノブドウの花の蜜を採取するために、訪花したようです。

ムネアカオオアリ(Camponotus obscuripes)
<ハチ目・ハチ亜目・スズメバチ上科・アリ科・ヤマアリ亜科・オオアリ属・オオアリ亜属>

アリ科オオアリ属のアリで、クロオオアリと並んで日本最大のアリである。
日本では、北海道から本州、四国、九州とほぼ全国に分布する。
出現時期は4月〜10月で、女王アリの体長は16〜17mm。
アリを横から見たとき、胸部の上は円弧のようになっており、これがオオアリ属の特徴。
よく似たヤマアリ属は、胸部の中ほどでくぼみ、二山になるので、これが区別点になる。
働きアリの体長は8〜12mmで、初期は小さいが、数が増えると大きくなり、兵隊アリも生まれる。
体色は全体に黒色であるが、胸部に赤い部分があり、それが和名の由来。
他のアリの様に土壌に巣を作らず、朽木や枯れ木に営巣し、単独で狩りをする。
オスアリと新女王アリは秋に羽化するが、その年には結婚飛行せず、翌年の5月〜6月に飛行する。

2024/8/23
胎内星まつり会場下のキャンプサイトの林内で、樹に上っているのを見かけました。
見かけたのはこの兵アリのみで、近くには他のムネアカオオアリはいませんでした。

クロヤマアリ(Formica japonica)
<ハチ目・ハチ亜目・スズメバチ上科・アリ科・ヤマアリ亜科・ヤマアリ属・クロヤマアリ亜属>

ヤマアリ亜科クロヤマアリ属に属するアリで、在来種。
日本では、ほぼ全国に分布し、海外では朝鮮半島から中国、台湾、東シベリア、モンゴルなどに分布する。
草原などで、日当たりの良い土の露出した場所に、深さ1mほどの巣を作る。
主にアリマキの出す甘露や花蜜、昆虫の死骸などを食料としている。
営巣には関東型と関西型があり、関東型は1つの巣に1匹の女王アリ、関西型は複数の女王アリが暮らす。
働きアリは体長4〜6mm、女王アリは10o前後で、体色は光沢の内暗灰色〜黒褐色。
クロオオアリと似ているが、胸部を横から見たとき、2山になるのが本種で、1山になるのがクロオオアリ。

2017/7/29
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の側にある沼、その脇の樹で見かけました。
たまたま、スジクワガタを撮ったときにその周辺に写り込んでいたものです。
樹液の出ている場所の前に陣取るスジクワガタのメスの前で、様子を見ていました。
勝てる相手ではないので、他の場所の方へ移動していきました。


大型のアリ

   .
   <クロヤマアリ>        <クロオオアリ>      <ムネアカオオアリ/兵アリ>
クロヤマアリは「ヤマアリ属」、他の2種は「オオアリ属」のアリです。
この中ではクロヤマアリの働きアリが4〜6mmと最も小型のアリとなります。
クロオオアリとムネアカオオアリの働きアリは、7〜12mmと倍近い大きさがあります。
写真のムネアカオオアリは兵アリなので、さらに大きくて15mmほどあります。
話はそれますが、クロヤマアリの右上に見えるのは、スジクワガタ♀の大顎です。
ヤマアリ属とオオアリ属の外見の違いは、胸部を横から見たときの背縁の形です。
ヤマアリ属は中央がくぼみ、2山に見えるのに対し、オオアリ属はへこみがなく1山に見えます。

※ 比較しやすくするため、画像を回転して方向をそろえてあります。


キイロスズメバチ(Vespa simillima xanthoptera)
<ハチ目・ハチ亜目・スズメバチ上科・スズメバチ科・スズメバチ亜科・スズメバチ属>

スズメバチ科スズメバチ亜科の昆虫で、在来種。
日本では、本州から四国、九州に分布し、屋久島が南限となる。出現時期は4月〜11月。
北海道には、基亜種のケブカスズメバチ(黄色の部分が少ない)が分布している。
体長は、働きバチで17〜24mm、オスで20〜24o前後、女王バチで25〜28mmである。
スズメバチの中では、日本では最小種で、セグロアシナガバチとあまり変わらない。
ただし、気性は荒く、オオスズメバチに次いで攻撃的で、巣の近くを通っただけで攻撃されることがある。
また、巣は球形で、樹や土中、人家の屋根裏などに作り、手狭になると引越しをする。
そのため巣は順次大型化し、スズメバチの中では最も大きな巣を作る。
大型の巣では、当然働きバチも増え、大きいものでは1000匹を超える場合もある。
攻撃的で気性が荒く、1つの巣に居る数も多くなるため、最も刺される被害が多いのが本種である。

2024/8/24
星まつり会場からゴルフ場に続く道路脇の林内で、3種類のスズメバチが樹液に集まっていました。
右上がヒメスズメバチ(腹端が黒い)で、その下がキイロスズメバチなのは直ぐに分かりました。
が、初めて見る茶色いスズメバチが左上にいて、この後飛び立ってしまいました。
キイロスズメバチは、スズメバチの中では小型の部類で、茶色い物とほぼ同じ大きさでした。

コガタスズメバチ(Vespa analis)
<ハチ目・ハチ亜目・スズメバチ上科・スズメバチ科・スズメバチ亜科・スズメバチ属>

スズメバチ科スズメバチ属に属するハチで、在来種。
日本には、本州から四国、九州、屋久島、種子島に生息する亜種、八重山亜種、沖縄亜種の3亜種が生息。
日本本土亜種「Vespa analis insularis」は、日本の固有種。
日本以外では、インド、東南アジア各国から中国、シベリア、台湾などアジア各地に広く分布する。
なお、原名亜種は、インドネシアのスマトラ島、バンカ島、ジャワ島に生息する。
スズメバチ属の中では中型種で、女王蜂で30mm程、働き蜂は25mm程です。
初期段階の巣は、フラスコをさかさまにしたような形で、働きバチが羽化してくるとボール状に変化する。
営巣規模は比較的小さくて、威嚇性・攻撃性はあまり高くない。
しかし、巣に直接刺激を与えると激しく反撃してくるので、巣には刺激を与えない方が良い。
営巣場所と餌の種類に柔軟性があるため、都会部でもよく見かける。

2019/8/25
加治川の河川敷にペチュニアを見に行ったとき、ヤブガラシの近くを飛び回っていました。
見かけは、オオスズメバチよりも少し小さいですが、気性は少し荒々しい部類です。
あまり刺激は与えない方が無難で、近づき過ぎないように気を付けながらの撮影でした。

チャイロスズメバチ(Vespa dybowskii)
<ハチ目・ハチ亜目・スズメバチ上科・スズメバチ科・スズメバチ亜科・スズメバチ属>

スズメバチ科スズメバチ亜科の昆虫で、在来種。
北方系の種で、日本では北海道と本州の中部地方以北に分布している。
近年、生息地域を広げており、2000年代初頭までに山口県を除く本州全域で確認されている。
体長は女王バチで30mm、働きバチで17〜24mm、オスバチ20〜27mmである。
本州に生息するスズメバチ属6種のなかではやや小型の部類となる。
頭胸部が赤褐色の他は、体全体が黒褐色をしており、他の5種とは見た目がかなり異なる。
発達したキチン質の外皮を持ち、オオスズメバチの大顎や毒針をもってしても容易には貫通出来ない。
攻撃性、威嚇性ともに強く、巣に近づくと地上付近を群をなして飛び回る独特の威嚇行動をとる。
本種は「社会寄生性スズメバチ」と呼ばれ、モンスズメバチ、キイロスズメバチ等の巣を乗っ取る。
他のスズメバチより遅めに覚めた女王は、女王しかいない他の初期の巣を襲い、相手女王を殺害する。
自らが産卵した働き蜂が羽化するまで、その世話や営巣は乗っ取った巣の働き蜂が行う。
本種の働きバチの羽化は7月以降で、2ヶ月ほどは2種類の蜂が同じ巣に共存する。
最盛期には巣盤数4〜6層、育房数は600〜3,500房位、働きバチは100〜300匹になる。
オスバチと新女王バチは9月〜10月に羽化してくる。

2024/8/24
星まつり会場からゴルフ場に続く道路脇の林内で、3種類のスズメバチが樹液に集まっていました。
右上がヒメスズメバチ(腹端が黒い)で、その下がキイロスズメバチなのは直ぐに分かりました。
が、初めて見る茶色いスズメバチが左上にいて、この後飛び立ってしまいました。
後で調べて、そのものずばりのチャイロスズメバチと分かりました。稀にしか見られないそうです。
生態も変わっていて、他のスズメバチの巣を乗っ取ってしまう「社会寄生性スズメバチ」とのこと。
チャイロスズメバチは、スズメバチの中では小型の部類で、キイロスズメバチとほぼ同じ大きさでした。

ヒメスズメバチ(Vespa ducalis)
<ハチ目・ハチ亜目・スズメバチ上科・スズメバチ科・スズメバチ亜科・スズメバチ属>

スズメバチ科スズメバチ亜科の昆虫で、在来種。
日本には、本州から四国、九州産、対馬産、八重山産の3亜種が生息。
他のスズメバチと異なり、体長は女王バチ、オスバチ、働きバチとも24〜37mmで大差ない。
オオスズメバチに次ぐ大きさではあるが、攻撃性は弱く、毒性もあまり強くはない。
しかし、威嚇性は非常に強く、巣に近づくとまとわりつくように飛び回る。
日本では、活動期間が短いため、小規模な巣しか作れず、全盛期でも働き蜂は数十匹程である。
※ 餌のアシナガバチが年中活動する東南アジアでは、大きな巣を作り、攻撃性も強くなる。
本種は、他のスズメバチ類(腹端は黄色)と異なり。腹部の末端が黒いため、容易に区別できる。

2024/8/24
星まつり会場からゴルフ場に続く道路脇の林内で、3種類のスズメバチが樹液に集まっていました。
右上がヒメスズメバチ(腹端が黒い)で、その下がキイロスズメバチなのは直ぐに分かりました。
が、初めて見る茶色いスズメバチが左上にいて、この後飛び立ってしまいました。
ヒメスズメバチは、腹端が黒いので、一度見ると見間違えることはないでしょう。
この中では最も大きく、スズメバチの中では大型の部類です。が、巣は最も小さな物を作ります。

ミカドトックリバチ(Eumenes micado)
<ハチ目・ハチ亜目・スズメバチ上科・スズメバチ科・ドロバチ亜科>

スズメバチ科ドロバチ亜科に属するハチで、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。
体長は10〜15mmで、体色は黒色で少し光沢があり、黄色い斑紋がある。
第1腹節は細長く、基部は柄状に細まるが、第2腹節は卵状に一気に膨らむ。
黄色斑は、前胸前縁、小楯板と後楯板にあり、第1、第2腹節後縁には横帯がある。
なお、第2腹節の横に1対の黄色い縁紋があるものとないものがある。
雌雄でも黄斑が異なり、メスの胸部背には1対の黄斑があるが、オスにはない。
そのため、オスはサムライトックリバチに似るが、頭楯に大きな黄斑があり、肢が黄色い。
雌雄差のもう1つは、頭楯の黄斑で、オスは1つで大きいが、メスは3つに分かれる。
本種の特徴の1つが、泥で徳利形の巣を作ることで、それが和名の由来となっている。
中には卵を1個つるし、鱗翅類の幼虫(青虫など)を仮死状態にして詰めて泥で蓋をする。
孵化した幼虫は、仮死状態の青虫を殺さないように食べ進み、蛹を経て羽化する。

2019/8/22
只見線沿いの福田新田休息所で、近くの鉄橋を渡る列車を撮ろうと待っているときに見かけました。
体形からトックリバチであろうと思ったのですが、後で調べると黄斑などが異なります。
改めて調べ直し、ミカドトックリバチのオス(胸部背に1対の黄斑がない)と分かりました。

ヒメバチ科の1種[1](Ichneumonidae)
<ハチ目・ハチ亜目・ヒメバチ上科・ヒメバチ科>

ヒメバチ科は甲虫や他のハチ、チョウ、クモなどを寄主として利用する捕食寄生者である。
陸域生態系において他の昆虫を中心とした節足動物の個体数を制御する重要な役割を担っている。
昆虫の中でも特に巨大なグループであり、世界から約25,000種が知られている。
ヒメバチは細身のハチのような体型をしているが、その体長、体色、体型などは非常に多様である。
他の膜翅目昆虫に比べて触角の節数が多いという特徴があり、触角は普通16節以上ある。
寄主に産卵するため、多くのヒメバチのメスは、腹端から突出した長い産卵管を持っている。
ヒメバチの仲間は全世界に分布し、約1,600属25,000種が含まれている。

2015/8/22
星まつり会場から少し離れた芝生広場、その周りを散歩中に見かけたものです。
オトコエシの花に止まっていた所を撮り、アングルを変えようとしたときに飛ばれてしまいました。
その後は止まることなく飛び去って行ったので、この2ショットのみとなりました。
このヒメバチ科は数が多く、似たものも多いので、同定には至っていません。
ただ、特徴的にはヒメバチ科の1亜科であるコンボウアメバチ亜科の1種ではないかと思っています。

ヒメバチ科の1種[2](Ichneumonidae)
<ハチ目・ハチ亜目・ヒメバチ上科・ヒメバチ科>

ヒメバチ科は甲虫や他のハチ、チョウ、クモなどを寄主として利用する捕食寄生者である。
陸域生態系において他の昆虫を中心とした節足動物の個体数を制御する重要な役割を担っている。
昆虫の中でも特に巨大なグループであり、世界から約25,000種が知られている。
ヒメバチは細身のハチのような体型をしているが、その体長、体色、体型などは非常に多様である。
他の膜翅目昆虫に比べて触角の節数が多いという特徴があり、触角は普通16節以上ある。
寄主に産卵するため、多くのヒメバチのメスは、腹端から突出した長い産卵管を持っている。
ヒメバチの仲間は全世界に分布し、約1,600属25,000種が含まれている。

2024/8/25
星まつり会場から芝生広場へ向かう途中、道路脇の葉の上にいるのを見かけたものです。
以前見かけたシロスジヒメバチに似ていると思ったのですが、触角に白帯があり、違います。
調べるとシロテントガリヒメバチにも似ているのですが、頭部に白紋があり、これも違います。
シロスジクチキヒメバチとも似ていますが、体形が異なり、頭部に白紋があり、これも違います。
等々、トガリヒメバチ亜科の仲間ではと思うのですが、同定できませんでした。
この仲間には、よく似ていて少しずつ異なる種類がたくさんいるので、素人では同定は困難です。

ジガバチ(Ammophila)
<ハチ目・ハチ亜目・ミツバチ上科・アナバチ科・ジガバチ亜科・ジガバチ属>

アナバチ科ジガバチ亜科に属するハチで、在来種。
以前はジガバチとされていたが、サトジガバチ、ヤマジガバチに分けられた。
日本では、北海道から本州、四国、九州に分布している。
サトジガバチは全国の低地に広く分布するとされ、
ヤマジガバチは本州中部では標高300m以上の内陸部のみに分布すとされる。
海外では、サトジガバチはサハリンに、ヤマジガバチは朝鮮半島からロシア沿海州に分布する。
体長は22〜28mmで、出現時期は5月〜9月の年1化である。
単独生活の狩りバチで、昼間活発に活動し、飛翔は敏速である。
成虫は花蜜を食べるが、幼虫は母バチが麻酔して巣穴に貯蔵した鱗翅目の幼虫を食べる。
幼虫は、獲物が腐敗しないよう死なないように食べ進み、食べつくすと蛹になる。
母バチは、狩りに先立って砂地に巣穴を掘り、小石で蓋をしてから狩りに出かける。
戻ってくると、獲物を脇に置いて石をどけ、中を確認してから獲物を運び込む。
獲物に産卵すると、巣穴に蓋をしてから立ち去る。
似たものにミカドジガバチがいるが、
ミカドジガバチの腹部第2節の末端は太くなっているが、本種は柄状である。
そのため、ミカドジガバチの腹部の柄状部分は、本種より短く見える。
また、ミカドジガバチは木の幹の空洞に営巣し、本種は地面に営巣する。
ヤマジガバチとサトジガバチは、生息域が山地性か、低地性といった違いはあるが、
両種が混生している場所もあり、その場合、識別は難しい。
ヤマジガバチはサトジガバチよりやや大きく、中胸背板の点刻が弱いといった違いがある。
サトジガバチのメス中胸背板の点刻の方が密であり、オスでは中胸背板に強い横皺がある。
どちらにしても見たくらいでは分からず、捕らえて拡大しないと分からない。

2024/8/24
星まつり会場から少し離れた芝生広場へ向かう途中、道路脇のノブドウで見かけました。
花蜜を舐めに来たのか、獲物を探しに来たのか、しばらくうろうろして、飛んでいきました。
問題はサトジガバチかヤマジガバチかですが、ここは標高200mほどの山の中です。
少し離れた所には田んぼが広がっているので、両種が混在している可能性があります。
マクロで撮影してはいますが、点刻を見分けられるほどの解像度はありません。
ただ、強拡大すると中胸背板にざらつきはなく、少し光沢があるように見えます。
その点や山中で見かけた点からヤマジガバチの可能性が高いと思いますが、断定はできません。
そのため、ここでは単にジガバチとしておきます。

ニッポンハヤバチ(Tachytes etruscus sibiricus Gussakovskj)
<ハチ目・ハチ亜目・ミツバチ上科・ギングチバチ科・
ギングチバチ亜科・ケラトリバチ族・ハヤバチ亜族>

ギングチバチ科ケラトリバチ族ハヤバチ亜族のハチで、在来種。
日本では本州、九州に、海外では朝鮮半島に分布するが、個体数は少ない。
体長は12mm前後で、動きは俊敏。ヒスイ色の大きな複眼を持つ。
腹部には、4本の銀白毛帯があり、脚は黒色で、各脚の付節は淡褐色。

2016/8/26
JR只見線の越後須原駅近くの駐車場で見かけました。
なかなかじっとしていてくれなくて、直ぐに飛び立ってしまうので、撮影は大変でした。
なんとか、この2枚の写真のみ、まともに写っていました。複眼の色がきれいなハチです。

ヤマトツヤハナバチ(Ceratina Japonica)
<ハチ目・ハチ亜目・ミツバチ上科・コシブトハナバチ科>

コシブトハナバチ科のハチで、光沢が強いツヤハナバチの一種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。
体長8〜9oで、体色は黒色。頭部と腹部に黄色い斑紋があるが、頭部の斑紋には変異が多い。
ススキやササ類などの茎の中に営巣する。

※ よく似たキオビツヤハナバチ(Ceratina flavipes)と区別が難しく、頭楯の紋様などで区別できる。

2017/7/30
星まつり会場からの帰路に立ち寄った畑で、カントウヨメナにいました。
頭部を正面から見た写真しか撮れていませんが、頭盾の黄斑の形状から本種としています。
しかし、自信はありません。この写真のみから判断するのは無謀ですね。

シロスジカタコハナバチ(Lasioglossum (Lasioglossum) occidens)
<ハチ目・ハチ亜目・ミツバチ上科・コハナバチ科・コハナバチ亜科・ラシオグロッサム属>

ミツバチ科ラシオグロッサム属のハチで、日本在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州に分布し、海外では朝鮮半島から中国、台湾に分布する。
体長は、オスで9mm前後、メスで10〜11mmほどある。
前胸背板の側方角が強く張り出していて、この張り出しが本種の特徴となっている。
中胸楯板の点刻は粗大で、腹部の各節には溝があり、その溝に黄白色の毛帯がある。
メスの前伸腹節の水平部には、不規則な隆起線がある。
オスの頭楯下部には横長の黄斑があり、腹部第6腹板に特徴的な毛束がある。
なお、オスの頭楯下部の黄斑は消失している場合がある。
メスは4月下旬頃から活動をはじめ、10月末頃まで活動する。
低山部や山裾で各種の花に訪花し、集団で地面に巣穴を掘って、花粉団子を幼虫の餌にする。

2018/8/25
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場。その周りの林内のオトコエシの花で見かけました。
1匹が花の上をうろうろしていたのですが、そこにもう1匹が飛来しました。
花の周りを飛び回っていたので、飛翔中の姿を何とか捉えることができました。

オオハキリバチ(Megachile sculpturalis)
<ハチ目・ハチ亜目・ミツバチ上科・ハキリバチ科・ハキリバチ亜科・ヤニハナバチ属>

ハキリバチ科ヤニハナバチ属の1種で、在来種。
日本では北海道から本州、四国、九州、奄美大島に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾に分布する。
体長はメスで25oほど、オスで20oほどと、大型のハナバチである。
全身が黒く、胸部と腹部第1節の背板に褐色の毛を密生する。
翅の基部は黄褐色であるが、先に向かって黒くなり、紫の光沢がある。
腹部の2節以降にも黒い短毛があり、特に側面と尾端に多い。
オスの成虫は6〜8月、メスは8〜10月に出現する。
ハキリバチ類は植物の葉を切り取って巣を作るのが和名の由来であるが、本種は松脂で作る。
それが、ヤニハナバチ属の名前の由来である。
主にクズの花から粉と蜜を集め、花粉団子を作って幼虫の餌とする。
巣は、竹などの既存の筒構造利用して作られ、奥から松脂で壁を作り、そこに花団子を詰め込む。
一定量に達すると産卵して松脂で封をし、次の部屋に花団子を詰めることを繰り返す。
最後に筒の入り口を封印するが、この封だけは土が使われる。

2016/8/27
胎内星まつり会場の給水車の下で、飛べなくてモゾモゾと動いているのを見つけました。
雨にぬれ、気温も低かったので、飛べなくなっていたのでしょう。
木の枝に止まらせて、日の当たる場所に移動させて撮影したものです。
この個体は、尾端が尖り、腹部下面にスコバ(集粉毛、花粉刷毛)が見えていますので、メスです。

クマバチ(Xylocopa appendiculata circumvolans)
<ハチ目・ハチ亜目・ミツバチ上科・ミツバチ科・クマバチ族・クマバチ属>

日本を含め、インドシナ半島から中国、台湾、朝鮮半島まで分布している。
日本は、北海道南部から屋久島にかけて生息している。
成虫の寿命は、数年といわれ、同じ巣穴を何年も使い続ける。
オスは、縄張りを持ち、春先に近づく物に接近する習性がある。
縄張りに入った他のオスを追い払ったり、交尾のためメスか確認するためである。
人にも近寄って来ることがあるが、オスは毒針を持たないので、慌てずに無視すれば良い。
なお、オスは、頭部中央に白っぽいおむすび状のものがあるので判断できる。
メスは、オスより目が小さく離れていて、全面真っ黒である。
毒針を持つが、手を出さなければ刺されることはないので、慌てて手で払ったりしないことが重要。
口永良部島から南では、アマミクマバチ、オキナワクマバチ、アカアシセジロクマバチが生息している。

小笠原諸島には、オガサワラクマバチが生息している。
2013/8/25
国道290号線の牛ヶ首近くの駐車場で見かけたクマバチです。
オオハンゴンソウで給蜜していたようです。

トラマルハナバチ(Bombus diversus diversus)
<ハチ目・ハチ亜目・ミツバチ上科・ミツバチ科・ミツバチ亜科・マルハナバチ族・マルハナバチ属>

ミツバチ科マルハナバチ属のハチで、日本では本州から四国、九州に分布する。
世界的には、朝鮮半島、ウスリーに分布する東北アジアの固有種。
体長は12〜20mmで、口には折りたたみ式の長い舌があり、マルハナバチの中では最も長い。
活動期間は4月下旬〜11月上旬と長期で、他のマルハナバチ同様、社会性のハナバチ。
土中に枯れ草を敷き詰めて営巣し、蜜蝋に花粉を混ぜてブドウの房状の巣を作る。
メスは地中で越冬し、翌春に単独で営巣を開始する。オスは秋に出現する。

2018/8/26
加茂市、薬師山の麓にある駐車場脇で、トラマルハナバチがカワラケツメイを訪花していました。
カワラケツメイの周りをしばらく飛び回っていたので、飛翔中の姿も捉えることができました。

ハヤシノウマオイ(Hexacentrus japonicus hareyamai Furukawa 1941)
<バッタ目・キリギリス亜目・キリギリス下目・キリギリス上科・
キリギリス科・ウマオイ亜科・ウマオイ属>

キリギリス科ウマオイ属に分類される昆虫で、日本固有種。
和名は、ウマオイの鳴き声を、馬を追い立てるときの掛け声に見立てたのが由来である。
日本では、本州の青森県以南から、四国、九州、居ず大島に分布する。
成虫の出現時期は8月〜10月で、年1化である。
体長はオスで25mm前後、メスで45mm前後、翅端までは雌雄とも46mm前後ある。
体色は緑色で、頭部から背中にかけて濃褐色の太い条があり、褐色部分は複眼に達している。
肉食性で、夜に活動して鋭いトゲのある前脚を使ってほかの昆虫を捕らえて食べる。
鳴き声は、ゆっくりしたテンポでスイーーッチョン・スイーーッチョンと伸ばすように鳴く。
なお、速いテンポでスイッチョ・スイッチョと短く切って鳴くのは、ハタケノウマオイである。
この両種、見た目はそっくりであるが、オスの発音器の左側の黒条の形で区別できる。
ハヤシノウマオイの黒条の先端は鋭く尖るが、ハタケノウマオイでは先端斑丸みを帯びる。

※ Web上では、ハタケノウマオイ、ハヤシノウマオイ、タイワンウマオイの学名に混乱が見られる。
私も何が正しいのか混乱したが、Webで調べた結果では、下記で合っているのではと思っている。
ただ、Webで調べただけなので、間違っている場合はご指摘いただければ幸いです。
ハタケノウマオイ(Hexacentrus japonicus japonicus Karny 1907)
ハヤシノウマオイ(Hexacentrus japonicus hareyamai Furukawa 1941)
タイワンウマオイ(Hexacentrus unicolor)

2013/8/24
胎内星まつり会場下のテントサイトで、早朝、ボックスの上にいたハヤシノウマオイです。
寝る前に鳴き声は聞こえませんでしたし、車中泊でしたので、夜間に鳴いていたかどうかも不明です。
まだ、ウマオイの泣き声は聞いたことがないので、聞きたかったです。
なお、オスの発音器の左側(右写真では上側)の黒条の形が尖っているので、ハヤシノウマオイですね。



2024/8/24
昨年、キャンプサイトにやってきたのは、オスのハヤシノウマオイでしたが、今年はメスです。
ランプの屋根に止まって、こちらの様子をうかがっていました。
眼に横線が入っていて、斜めになっているので、吊り上がっているように見え、強面の顔に見えますね。

ヒガシキリギリス(Gampsocleis mikado)
<バッタ目・キリギリス亜目・キリギリス下目・キリギリス上科・
キリギリス科・キリギリス亜科・キリギリス属>

キリギリス科キリギリス属のバッタで、日本では、本州の青森県から岡山県、淡路島に分布する。
本州西部の近畿、中国地方、四国、九州にはニシキリギリスが生息している。
元々は、両種はキリギリスの和名で同一種として扱われていたものが、1997年に前述の2種に分けられた。
北海道のハネナガキリギリスと沖縄のオキナワキリギリスを加えた4種が日本に生息する。
しかし、地域毎に特徴のある個体群が生息し、細かく分けられる可能性もある。
体長はオスが25〜36mm、メスが25〜37mmで、メスの方がやや大きい傾向があるが、大差ない。
体色は緑色型と褐色型があり、翅は短めで、側面に黒斑が多くある。

※ ニシキリギリスは、体長がオス29〜37mm、メス30〜40mmとやや大きい。
また、翅が長く、側面の黒斑はあって1列か、全くない。


2013/8/25
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の方で、通路脇の草むらで見かけたメスです。
撮影していると、通路に飛び出してきました。片方の触角が切れているようです。


2017/7/26
JR只見線の越後須原駅近くの駐車場に夜に立ち寄ったときに見かけました。
見つけたとき、産卵管をタイルの目地の部分に突き立てて、産卵しようとしていたようです。
目地の部分はコンクリートではないようでしたが、硬くて突き刺せないと思います。
なぜ、このような開けた場所を選んだのでしょうか。いささか疑問ではあります。

ヤブキリ(Tettigonia orientalis)
<バッタ目・キリギリス亜目・キリギリス下目・キリギリス上科・
キリギリス科・キリギリス亜科・ヤブキリ族・ヤブキリ属>

キリギリス科ヤブキリ属のバッタで、日本では、本州の中西部の平地から四国、九州に分布する。
北海道でも確認されているが、侵入経路は不明。
体長30〜40mmで、体色は緑色が普通であるが、稀に黒褐色になるものがある。
翅は腹端より僅かに長く、頭頂から翅の端まで、背面に褐色の筋がある。
主に樹上で生活しているが、藪や草原でも見られる。しかし、ぬかるんでいる所や乾燥した場所には少ない。
幼虫時は草食性であるが、成長につれ、徐々に肉食性が強くなる。

2013/8/24
胎内星まつり会場下のテントサイトで、私のテントに止まっていました。
前日は、夜半から激しい雨でしたので、雨宿りなのでしょう、テントにいろいろ止まっていました。
テントの一番上に止まっていたのがヤブキリです。写真を撮るため近づくと、逃げて行きました。

ホシササキリ(Conocephalus maculatus)
<バッタ目・キリギリス亜目・キリギリス下目・キリギリス上科・
キリギリス科・ササキリ亜科・ササキリ族・ササキリ属>

日本では、本州の東北南部以南、四国、九州、南西諸島に分布する。
日本以外では、朝鮮半島、台湾、東南アジア、アフリカに分布する。
出現時期は8月〜10月で、体長は15mm前後(翅端まで22〜25mm)である。
日本に生息するササキリの中では最も小型になる。
体色は、緑色か褐色。翅は淡い褐色で、側面に名前の由来でもある黒褐色の点が線上に並ぶ。
また、頭頂から前胸背面にかけて黒線と白線が並行して通る。
鳴き声は、シリリリリ…という鳴き方を続けるが、音が小さいため、よほど注意して聞かないと分からない。

2013/8/24
胎内星まつり会場から芝生広場に向かう途中、道路脇で葉の上を移動中のホシササキリを見つけました。
横からとかからも撮りたかったのですが、回り込むことが出来ず、下手に近づくと逃げられそうです。
諦めて、斜め後ろからのみの撮影となってしまいました。

セスジツユムシ(Ducetia japonica)
<バッタ目・キリギリス亜目・キリギリス下目・キリギリス上科・
キリギリス科・ツユムシ亜科・Ducetia属>

キリギリス科ツユムシ亜科のバッタで、日本では、本州から四国、九州、南西諸島に分布する。
体長は35o前後で、脚は太目で短く、特にメスではこの傾向が顕著。
全身が鮮緑色か淡褐色〜褐色で、オスには茶褐色の、メスでは黄白色の縦筋が背にある。
また、オスの頭部から前胸背は橙色で、褐色の線で縁取られている。
前翅より後翅の方が長く、後端が前翅から飛び出すが、その飛出しツユムシより短い。
普通メスの方が翅は短いが、稀に長翅型が現れ、この場合はオスよりの長くなる。
メスの産卵管は短く、腹部の半分ほどで、鎌の刃のような形をしている。
平野部から低山帯の森林縁、及びその周辺の草むらに生息し、主に蔓性植物を群落に棲む。
食草は多岐にわたり、キク科、ヒユ科、マメ科、ウリ科、シソ科、クワ科、ナス科などである。
ほぼ完全な夜行性で、昼間は葉の上で独特の姿勢でジッとしている。
その姿勢は、体の後半部を少し持ち上げ、触角と前足を前方に出し、中脚と後脚を少し開いて止まる。

2018/8/23
加茂市、薬師山の麓にある駐車場脇。その脇の草原で見かけました。
触角が非常に長く、体長の2倍はあるのではないかと思われます。
下記のアシグロツユムシと比較して、本種では後脚が短いのが分かると思います。
前翅から飛び出す後翅の長さが短いのも分かります。触角は淡褐色で、節も同色です。

ヘリグロツユムシ(Psyrana japonica)
<バッタ目・キリギリス亜目・キリギリス下目・キリギリス上科・
キリギリス科・ツユムシ亜科・Holochlorini族・ヘリグロツユムシ属>

キリギリス科ツユムシ亜科に属するバッタで、日本固有種。
日本では、本州から四国、九州、伊豆諸島、南西諸島に分布する。
体長は、翅端までで、オスは50〜55mm、メスは45〜52mmである。
出現時期は8月〜11月で、山地の広葉樹林の樹上やその林縁に生息する。
前胸背板の後縁が黒く、これが和名の由来である。
なお、前翅の縁も黒くなっているが、他の類似種にも黒くなるものがいて識別点にならない。
オスの前脚は赤褐色を帯びて、発音器は褐色である。メスの前脚はオスほどには赤くならない。
本種は山地性が強く、やや標高の高い冷涼な山の灌木上や広葉樹上などに多く見られる。
ただ、この仲間は南方に種類が多く、オガサワラヘリグロツユムシや、
アマミヘリグロツユムシ・オキナワヘリグロツユムシ・ヤエヤマヘリグロツユムシの3亜種がいる。
成虫は走光性が強く、オスはよく灯火に飛来する。
夜間に活発に活動し、オスはシュルルルルと大きく一声で鳴く。
それに対して、メスはタッタッタッと応答する。

2009/8/30
胎内川の川縁で、グミの葉の上をゆっくり動いているツユムシらしきものを見つけました。
ただ、今まで見たことがあるツユムシより大きく、何かが違っていました。
後で調べてみると、前胸背板の特徴からヘリグロツユムシと分かりました。
標高のやや高い冷涼な山地を好むそうで、ここで初めて見ました。

アシグロツユムシ(Phaneroptera nigroantennata)
<バッタ目・キリギリス亜目・キリギリス下目・キリギリス上科・
キリギリス科・ツユムシ亜科・Phaneroptera属>


キリギリス科ツユムシ亜科のバッタで、日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。
体長は35o前後で、全身が濃緑色。前胸から翅の端まで背面に褐色の縦筋がある。
前脚や頭部は淡褐色で、触角は黒褐色で節に白い部分がある。後脚は膝から脛が黒褐色。
後翅の先端付近は前翅と同じ濃緑色で、基部に近い透明部分は淡褐色。後翅の半分ほどが前翅より飛び出す。
メスよりオスの方が黒い部分が多い傾向がある。産卵管は短く、カマの刃のような形をしている。
平地から亜高山帯まで広範囲に分布し、主に山道沿いの草木の上で生活している。
ほぼ完全な草食性で、自分の抜け殻以外の動物質は食べない。

2015/8/21
JR只見線の越後須原駅近くの駐車場で見かけました。
葉の上でじっとして動きません。なお、葉の上の黒いものは、アシグロツユムシの糞です。
下段の写真は上段の写真の部分拡大です。左の写真で前翅より後翅が大きく飛び出しているのが分かります。
右の写真は頭部の部分拡大です。触角は第2節、第3節より先がありませんが、節が白いのが分かります。

ヒメツユムシ(Leptoteratura albicornis)
<バッタ目・キリギリス亜目・キリギリス下目・キリギリス上科・ササキリモドキ科>


2018/5/23          2018/8/23          2018/8/25
ササキリモドキ科の小型のバッタで、在来種。別名はコガタササキリモドキ。
日本では、本州山形県以西から四国、九州に分布する。
体長は、オスが10〜12mmで、メスが8〜13mm。触角は長い。
出現時期は8月〜11月で、照葉樹林帯の林縁などで、樹上に生息する。
なお、山間部で夜間、灯火によく飛来する。
体色は淡緑色で、触角の基部から翅の基部にかけて2本の黄色い縦筋がある。
縦筋に続く翅の背面は茶褐色で、翅の側面には皺状の黄色い横線がある。
鳴き声は、ピチピチ…とかプップッツ…と極めて小さい声だそうだが、音域が50kHzと可聴域外。
聞こえる人もいるそうであるが、普通の人では聞こえないと思われる。
高音域が聞こえる子供であれば、聞き取れるかもしれない。

2018/8/23 胎内星まつり会場下にある一般駐車場。その脇の林内で見かけました。
毎年のように来ている所ですが、見かけたのは初めてです。
数が多く、歩くとピョンピョンと足元から飛び、樹の幹にも止まっていました。
手で摘まもうとしたのですが、柔らかく、潰れそうでうまく摘まめません。
2018/8/25 テントを設営し、雨模様なので談笑していたのですが、明かりに寄ってきます。
気が付くと、お酒の入ったコップの中に入り込んでいました。飲んべなヒメツユムシです。
お腹が何か黒いのが気になります。後で調べていると、ハリガネムシが寄生する事が分かりました。
オオカマキリに寄生していたハリガネムシを見たことがありますが、
こんな小さなヒメツユムシにも寄生する小さなハリガネムシも居るのですね。

エンマコオロギ(Teleogryllus emma)
<バッタ目・キリギリス亜目・コオロギ上科・コオロギ科・コオロギ亜科・エンマコオロギ属>
 
コオロギ科エンマコオロギ属のコオロギで、日本全土に広く分布する。
コオロギの中では最大種で、一般にコオロギといえば本種のことを指す。
体長は30o前後で、背面は一様に黒褐色で、腹面は淡褐色。
頭部は大きく、光沢のある半球形で、触角は細く、体よりも長い。
名前の由来は、複眼の周りの黒い模様と、その上の淡褐色の帯が眉に見え、閻魔大王の憤怒面に似ることによる。
昼間は草木の茂みや枯れ草などの陰に潜み、夜になると周辺を徘徊する。灯火に飛来する事もある。
食性は雑食で、植物以外に小動物の死がいなども食べる。
オスは、前翅を立ててこすり合わせ、コロコロリーリー...と鳴く。

2013/8/24
胎内星まつり会場下のテントサイトで、私のテントに止まっていました。
前日は、夜半から激しい雨でしたので、雨宿りなのでしょう、テントにいろいろ止まっていました。
そのなかにエンマコオロギも何匹か止まっていました。

アオマツムシ(Calyptotrypus hibinonis)
<バッタ目・キリギリス亜目・コオロギ上科・コオロギ科・マツムシモドキ亜科・マツムシモドキ族>
 
コオロギ科マツムシモドキ族のコオロギで、外来種。原産地は中国南部との説もあるが不明。
日本では、本州から四国、九州に分布している。
美しい緑色をした樹上生活をする。メスは全身が緑色であるが、オスは背部中心部が褐色。
体形は背部が扁平でマツムシに近いが、鳴き声は全く異なる。
体長は20o強で、9月〜11月に出現し、樹上でリーリーと良く響く声で鳴く。

2019/8/22
只見線沿いの福田新田休息所で、近くの鉄橋を渡る列車を撮ろうと待っているときに見かけました。
確認しようとして後で拡大して、初めて変なバッタだと気が付きました。
翅に半透明部分があって、腹部の一部が見えています。
色や体形的にはアオマツムシに似てはいるのですが、翅がまったく異なります。
前翅を取って、薄い膜質の後翅だけになったらこのように見えるかもしれません。

シバスズ(Polionemobius mikado)
<バッタ目・キリギリス亜目・コオロギ上科・コオロギ科・ヤチスズ亜科>
 
コオロギ科ヤチスズ亜科のコオロギで、日本全土に広く分布する。
体長7o前後の小型種で、芝生や畑などの草丈の低い草の生えている所に多い。
6〜7月と9〜11月に見られ、ジージーと不規則に鳴く。
淡褐色で、後脚に褐色の斑紋がある。メスの翅は短い。

2013/8/24
胎内星まつり会場下のテントサイトで、私のテントに止まっていました。
前日は、夜半から激しい雨でしたので、雨宿りなのでしょう、テントにいろいろ止まっていました。
そのなかにシバスズも何匹か止まっていました。
左がメスで、右がオスです。オスは糞をしたようです。

オンブバッタ(Atractomorpha lata)
<バッタ目・バッタ亜目・バッタ下目・バッタ上科・オンブバッタ科・オンブバッタ亜科・オンブバッタ属>
 
2017/7/27        2018/8/23
オンブバッタ科オンブバッタ属のバッタで、草地や畑などで普通に見られる。
メスの上にオスが乗っている姿をよく見かけるが、それが和名の由来になっている。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾、東アジアに広く分布する。
体長はオスが25mm前後、メスが42mm前後で、バッタの仲間では小型の部類に入る。
体色は緑色と褐色の2タイプがある。頭部は先が尖り、先端付近に触角と複眼が付く。
体の断面は3角形に近く、複眼から前胸部、後脚腿節に伸びる線で、背面と腹面が分かれる。
成虫の翅は前後とも先が尖り、後翅は透明で基部が黄色味を帯びる。
動きは鈍く、長い翅を持つが飛ぶことはほとんどなく、後脚で跳躍したり、歩いて移動する。

2017/7/27 加茂市、薬師山の麓にある駐車場の脇は、斜面から水がわき出して湿地のようになっています。
その湿地に生えているクサネムの葉に留まっていた、メスの終齢幼虫です。
2018/8/23 同じ駐車場の奥にある草原で、葛の葉に止まっていたオンブバッタのメスです。
不完全変態なので、翅の有無(正確には大きさや形態)以外は、あまり変化はありません。

コバネイナゴ(Oxya yezoensis)
<バッタ目・バッタ亜目・バッタ下目・バッタ上科・バッタ科・イナゴ亜科・イナゴ属>

バッタ科イナゴ属のバッタで、日本では、北海道から本州、四国、九州、南西諸島と全国に分布する。
体長はオスが30mm前後で、メスが40mm前後ある。
体色は明るい緑色で、頭部から尾部までの側面には暗褐色の筋が走っている。
なお、背面は肌色か緑色のものが多いが、稀に紅色の個体がいる。
翅は、腹端を越えないものが多いが、長翅型のものも見られる。
出現時期は8月〜11月で、卵で越冬する。
イネ科植物の葉を摂食するので、イネの害虫であるが、その他の雑草もよく食べる。
ただ、同時に水田から得られる重要なタンパク源とされ、多くの地域で食用とされた。
危険を感じると草にぴたりと体寄せて、裏側に回り込み身を隠す習性がある。

2018/8/23
加茂市、薬師山の麓にある駐車場脇。その脇の草原で見かけました。
翅が腹端を超えていますが、背面が緑色なので、コバネイナゴとしました。
コバネイナゴの長翅型ということになります。長翅型を見たのは初めてです。
体形や体長、腹端の形状から見て、左端の個体はオス、中央の個体はメスと思われます。

※ 翅の短いコバネイナゴに関しては、こちらに掲載していますので参照ください。

ハネナガイナゴ(Oxya japonica japonica)
<バッタ目・バッタ亜目・バッタ下目・バッタ上科・バッタ科・イナゴ亜科・イナゴ属>

バッタ科イナゴ属のバッタで、日本では、本州から四国、九州に分布する。
海外では、中国、台湾、東南アジアからインドに広く分布する。
体長は40o前後で、体の側面に濃茶色の筋が入った明るい緑色のバッタ。
翅は、腹端や折り曲げた後ろ足よりも長いのが特徴。
イネ科の植物の葉を摂食するので、イネの害虫でもある。
ただ、同時に水田から得られる重要なタンパク源とされ、多くの地域で食用とされた。

2013/8/23
国道290号線の二日町付近の道端で見かけたハネナガイナゴです。
体色が淡い配色になっていますので、成虫に羽化して間もない個体なのかもしれません。


2018/8/26
加茂市、薬師山の麓にある駐車場脇。その脇の草原で見かけました。
ここには、ハネナガイナゴと長翅型のコバネイナゴが混在して生息していました。
翅が腹端を超え、背面は淡褐色なので、どちらの可能性もあるのですが、
腹部が細くてスリムに見える点からハネナガイナゴのオスと思われます。

※ コバネイナゴの後頭部のこぶ状盛上りが、ハネナガイナゴよりコバネイナゴの方が大きい気がします。
これが両者の違いなのか、雌雄での違いなのか、個体差なのかは不明です。

ショウリョウバッタ(Acrida cinerea)
<バッタ目・バッタ亜目・バッタ上科・バッタ科・ショウリョウバッタ亜科・ショウリョウバッタ属>

ユーラシア大陸の熱帯から温帯にかけて広く分布する。
日本では、北は北海道から南は九州まで、ほぼ全国に分布する。
雌雄で大きさが倍以上異なり、オスはメスの半分くらいしかない。
オスは飛ぶときに「キチキチキチッ」と音を立てるので、キチキチバッタの別名で呼ばれることがある。
メスの両方の後ろ足の先を持つと、体をしゃくるように上下させる動きをするので、ハタオリバッタの別名がある。
精霊舟に似ることから「ショウリョウ」の名が付いたといわれる。
しかし、雌雄の大きさの差が甚だしいことから「霄壤」の名(ショウジョウバッタ)を別名として持つ。

2019/8/22
只見線沿いの福田新田休息所で、近くの鉄橋を渡る列車を撮ろうと待っているときに見かけました。
キチキチバッタとも呼ばれる、ショウリョウバッタのオスです。


2023/8/20
加茂市の外れにある駐車場。その脇に広がる草原で見かけたショウリョウバッタです。
脱皮に失敗したのか、何かで前翅を痛めたのか、背面に線状の隙間が出来ています。

ショウリョウバッタモドキ(Gonista bicolor)
<バッタ目・バッタ亜目・バッタ下目・バッタ上科・バッタ科・ヒナバッタ亜科・Gonista属>

バッタ科ヒナバッタ亜科のバッタの1種で、在来種。
日本では、本州から四国、九州、南西諸島に分布する。
体長は、オスで25〜30mm、メスでは45〜50mmで、メスの方が大きい。
出現時期は8月〜11月で、よく似たショウリョウバッタより遅い。
体色は、全体が淡緑色であるが、体側及び背面に赤い部分を持つ個体もいる。
なお、メスのみ全身が赤い個体が稀に見られる。オスの触角は長く発達している。
ショウリョウバッタによく似ているが、脚は体に対して短く、後脚も短く跳躍力は弱い。
頭部もショウリョウバッタほど尖らず、頭部の幅も広く、目も細くない。
食草はイネ科の植物で、細長い体を生かしてイネ科植物に擬態している。
危険を感じると草にぴたりと体寄せて、裏側に回り込み身を隠す習性がある。

2018/8/23
加茂市の外れにある駐車場。その脇の草原で見かけました。
クズの葉の日陰部分に張り付くように隠れていました。私の動きで、裏側に回り込んだようです。
ショウリョウバッタはよく見かけますが、ショウリョウバッタモドキを見たのは初めてです。
たしかにショウリョウバッタのオスとは、見た目は良く似ています(メスは体長が倍以上異なる)。
しかし、触角や足の長さなど細かい所で違いがあり、間違えることはなさそうです。


ショウリョウバッタとショウリョウバッタモドキ

     .
 
  <ショウリョウバッタ> <ショウリョウバッタモドキ>
触角や尖った頭部は同じですが、触角の長さや頭部の尖り具合は異なります。
触角の長さは、ショウリョウバッタモドキの方がショウリョウバッタよりも長く伸びています。
頭部の尖り方は、ショウリョウバッタの方が、より細く長く尖っています。
後脚の長さも異なり、ショウリョウバッタモドキはショウリョウバッタより、かなり短く見えます。


クルマバッタモドキ(Oedaleus infernalis)
<バッタ目・バッタ亜目・バッタ下目・バッタ上科・バッタ科・トノサマバッタ亜科>

日本では、本州の東北地方南部より南の地域に見られる。
背面に一対の白い「く」の字型の模様があり、上から見ると「X」字型に見える。
体長は、オスが30mm、メスが50mmほどで、クルマバッタに似ているがやや小型。
本種は、顎が体色と同じ(クルマバッタは青い)であり、オスの後脛節は赤い。
また、クルマバッタに比べて、後翅のクルマ状の模様は薄い。

2013/8/24
胎内星まつり会場下のテントサイトで、私のテント横の木に止まっていました。
前日は、夜半から激しい雨でしたので、水たまりを避けて木に登っていたものと思われます。
その木には何匹か止まっていましたし、根元にも何匹かいました。
左端の個体がよく見かけるクルマバッタモドキの配色です。背面のくの字の白い模様も明確です。
中央の写真は、茶色味がなく、黒褐色の個体です。背面のくの字の白い模様も確認できます。
右端の写真は、黒味がなく、赤褐色の個体です。背面のくの字の白い模様は確認できません。


2018/8/23
加茂市、薬師山の麓にある駐車場の奥にある草原で、たくさんのクルマバッタモドキに合いました。
今まで撮影していない正面からの写真と、標準的なクルマバッタモドキのアップです。
頭部の模様や胸部背面の「X」字型の模様が良く分かりますね。複眼にも淡色の模様があります。

ミカドフキバッタ(Parapodisma mikado)
<バッタ目・バッタ亜目・バッタ下目・バッタ上科・バッタ科・フキバッタ亜科・ミヤマフキバッタ属>

バッタ科ミヤマフキバッタ属のバッタで、フキバッタの仲間は成虫でも翅が退化し小さい。
日本では、北海道南部、東北から近畿地方に分布するが、東北南部以東では日本海側に限られる。
体長は、メスで35o前後あるが、オスは一回り小さい。
昼行性で日中に活動するが、動作は緩慢。湿潤な環境を好み、森林限界まで生息する。
主にキク科のフキ、ツワブキ、ヤブレガサなどを食べるが、他の多くの草本も食べる。
夏から秋にかけて土中や朽木に産卵し、卵で越冬して、翌春に孵化する。

2015/8/21
JR只見線の越後須原駅近くの駐車場で見かけました。
アシグロツユムシと同じ木の別の葉の上にいたものです。
左端の写真は、中央の写真の部分拡大ですが、成虫の翅の小ささが分かります。


2019/8/22
只見線沿いの福田新田休息所で、近くの鉄橋を渡る列車を撮ろうと待っているときに見かけました。
確認するため後で拡大して、腹端の形状からミカドフキバッタのオスだと分かりました。
なお、悪天候で薄暗かったため、この写真はフラッシュを使用した撮影となり、上記と発色が異なります。


2023/8/19
星まつり会場から少し離れた芝生広場、その外れに小さな沼があります。
そこに行ったとき、入り口近くで最初に出迎えてくれたのが、このミカドフキバッタです。
幼虫のように見えますが、翅が退化して飛べないバッタなので、これで成虫です。
なお、最初の写真の個体も、この個体も、尾端の形や大きさからメスと思われます。


2024/8/24
芝生広場の先にある小さな沼の畔で、葉の上にいるミカドフキバッタを見つけました。
昨年もこの場所でメスのフキバッタに出会ったのですが、今年はオスに会えました。
上のメスの写真と比べると、腹部の長さが後脚の膝節と同じが少し短いのが分かると思います。

ハネナガヒシバッタ(Euparatettix insularis)
<バッタ目・バッタ亜目・ヒシバッタ上科・ヒシバッタ科・ヒシバッタ亜科>

ヒシバッタ科ヒシバッタ亜科のバッタで、在来種。
日本では本州から四国、九州、南西諸島に分布する。
出現時期は3月〜11月で、水田や畑、沼の周囲にある湿った草地などの地表で見られる。
体長10〜20oほどで、長い翅を持ち、背中が暗褐色。複眼が飛び出して見える。
見た目はトゲヒシバッタに似ているが、胸にトゲが無く、トゲヒシバッタのように背中が白っぽくない。
いろいろな植物の葉を食べ、成虫で越冬する。

2017/7/27
加茂市、薬師山の麓にある駐車場の脇は、斜面から水がわき出して湿地のようになっています。
その湿地の枯草の上に留まっていました。