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胎内およびその道中で見かけた昆虫U



ここ何年か通っている「胎内 星まつり」。
その道中や会場である「胎内自然天文館」近辺で見かけた昆虫をまとめたものです。

ただ、星まつりが毎年、8月の初旬に開催されるため、その時期に見かけた昆虫のみです。
特に珍しいものではありませんが、こんな昆虫類が暮らしているのだと見ていただければ幸いです。

< トピック >

今回、新たに見かけた、下記の昆虫を追加しました。
クサギカメムシ、オオメナガカメムシ、コアオマイマイカブリ
今回、下記の昆虫の写真を追加しました。
アブラゼミ、ヒグラシ、ベッコウハゴロモ



ここでは、下記の昆虫を掲載しています。
なお、頭にNewと付いているのは、今回、初めてここで確認した種類です。
カメムシ目・カメムシ亜目
アメンボ科(アメンボ)
カメムシ科(ツノアオカメムシ、Newクサギカメムシ、トゲシラホシカメムシ、トゲカメムシ)
キンカメムシ科(アカスジキンカメムシ)
ツノカメムシ科(セアカツノカメムシ)
オオメナガカメムシ科(Newオオメナガカメムシ)
ヘリカメムシ科(オオツマキヘリカメムシ、キバラヘリカメムシ、ハラビロヘリカメムシ)
ホソヘリカメムシ科(ホソヘリカメムシ)
カメムシ目・頸吻亜目
セミ科(アブラゼミ、エゾゼミ、ニイニイゼミ、ヒグラシ、ミンミンゼミ)
ハゴロモ科(シダヨコバイ、ベッコウハゴロモ)
コウチュウ目・オサムシ亜目
オサムシ科(アトボシアオゴミムシ、Newコアオマイマイカブリ)
コウチュウ目・カブトムシ亜目
クワガタムシ科(スジクワガタ、コクワガタ、ミヤマクワガタ)
コガネムシ科(マメコガネ)
ゴミムシダマシ科(キマワリ)
カミキリムシ科(ミヤマカミキリ、センノカミキリ、ホソカミキリ)
ハムシ科(キアシルリツツハムシ、クビアカトビハムシ、クロウリハムシ)
テントウムシ科(ヒメカメノコテントウ)
ホタル科(ゲンジボタル)
胎内への道中で見かけたの昆虫U
和名インデックス


アメンボ(Aquarius paludum paludum)
<カメムシ目・カメムシ亜目・アメンボ下目・アメンボ上科・アメンボ科・
アメンボ亜科・アメンボ属>

アメンボ科アメンボ属の水生昆虫で、日本では、北海道から本州、四国、九州に広く分布する。
日本以外では、朝鮮半島から中国東北部、東部シベリア、台湾に分布する。
アメンボ科は熱帯から亜熱帯にかけて広く分布し、日本には淡水系20種、海水系6種が分布する。
アメンボもカメムシの仲間のため、カメムシ同様、体から匂いを出す。
その匂いが飴に似ているので、飴のような匂いを出す棒状の虫「飴ん棒」が名前の由来とか。
体長はオスで11〜14o、メスは一回り大きくて13〜16o程になる。
脚の尖端が水をはじくようになっていて、それで水面上に浮く。
水面の移動は、前脚と後脚で体を支え、中脚を前後に動かすことで行う。
飛翔する事も出来るが、飛翔するのは稀で、一生のほとんどを水面上ですごす。
特に池のように安定した環境では、翅が退化した幼生のような成虫が出現する事もある。
アメンボは自ら獲物を襲うことはせず、水面に落ちた虫を素早く捕獲して体液を吸う。
そのため、落ちてくるものを見つける良い眼と、脚に水面の波動を感じ取る特殊な毛を持っている。
出現時期は、4月〜10月と長い。

2024/8/24
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の先にある小さな沼。そこで見たアメンボです。
といっても、撮ろうとして撮ったものではなく、たまたま写り込んでいたものです。
ターゲットは上の方に写っているオオイトトンボ。撮る時には、気付いていませんでした。
後で、確認していて気付いたもので、どうしても目立つオオイトトンボに目が行ってしまいます。

ツノアオカメムシ(Pentatoma japonica)
<カメムシ目・カメムシ亜目・カメムシ下目・カメムシ上科・カメムシ科・
カメムシ亜科・アシアカカメムシ属>
 
カメムシ科カメムシ亜科のカメムシで、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州に分布する。
海外では朝鮮半島、中国、ロシア南東部に分布している。
体長は17〜24mmで、体表は密に点刻され、点刻部が緑色の金属光沢を帯びる。
また、前胸背側角の角状突起は、幅広でやや前方に向かって突出し、先端が斜めに切れる。
山地の広葉樹の上に生息するカメムシであるが、夜間の灯火に飛来することがある。
ニレ科、カバノキ科、ブナ科、ムクロジ科、ミズキ科などから吸汁する。

2018/8/25
胎内星まつり会場下にある一般駐車場。その脇の林内で談笑しているときに、明かりに飛んできました。
ブーンという羽音がして、上からバサッと落ちてきて、お菓子の袋に止まりました。
大型のカメムシで、肩の角状突起の形状が独特な、ツノアオカメムシでした。
体色も金属光沢のある緑色で、体表面に密に刻まれた点刻がきれいです。

クサギカメムシ(Halyomorpha halys)
<カメムシ目・カメムシ亜目・カメムシ下目・カメムシ上科・カメムシ科・
カメムシ亜科・クサギカメムシ属>

カメムシ科クサギカメムシ属のカメムシで、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州、南西諸島と全国に分布している。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾など、東アジアに広く分布している。
体長は13〜18mmで、前翅の膜質部を除いてまだら模様のある褐色で、腹部は橙色である。
頭部は突き出して幅はほぼ同じで、複眼がこぶのように左右に突き出す。
触角は体色と同色で、関節の部分が白くなっている。
前胸の両肩はあまり強く突き出さず、前縁に四つの小さな淡褐色の斑紋が並ぶ。
腹部は中程がやや幅広で、前翅の両側から少しはみ出す。前翅の膜質部は腹部の後端を超える。
植食性のカメムシで、非常に多くの種類の植物の茎や葉から吸汁する。
幼虫は果実には付かないが、成虫は果樹や豆類の吸汁もするため、農業害虫として古くから知られる。
成虫で越冬し、人家に入り込んで冬を越すことがあり、悪臭を出すので衛生害虫としても知られる。
越冬個体は、秋の訪れとともに死に、新世代に代変わりする。
なお、本種が刺激を受けたときに出す悪臭は強烈で、最も臭気の強い種の1つとされる。

2025/8/25
谷川岳PAで仮眠した翌早朝、少し散歩していた際、ムクゲの樹に幼虫がたくさんいました。
幼虫ばかりで、成虫はいないのかと探すと、隣のムクゲの樹にいました。
臭気が強く、触って手にでも着くとしばらく匂いが取れないので、触れないよう注意して撮影。

トゲシラホシカメムシ(Eysarcoris aeneus)
<カメムシ目・カメムシ亜目・カメムシ下目・カメムシ上科・カメムシ科・
カメムシ亜科・シラホシカメムシ属>

カメムシ科の1種で、在来種。日本では、本州から四国、九州に分布する。
体長は6o前後で、灰褐色の地に暗褐色の点があり、背部に一対の白斑がある。
胸部側縁は尖っており、同じような白紋を持つシラホシカメムシなどと区別できる。
エノコログサ、スズメノテッポウなどのイネ科植物に付き、イネの害虫でもある。

2015/8/22
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の方で、サジガンクビソウを撮っていて見つけました。
背部に1対の白斑があるので、そこから同定を進めましたが、何種類か候補が見つかりました。
シラホシカメムシの仲間です。その中で胸部側縁が尖っているのは、本種だけでした。

トゲカメムシ(Carbula humerigera)
<カメムシ目・カメムシ亜目・カメムシ下目・カメムシ上科・カメムシ科・
カメムシ亜科・トゲカメムシ属>

カメムシ科カメムシ亜科のカメムシで、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州に分布する。
体長は10mm前後で、前胸側角の部分が鋭く尖るのが特徴。
小楯板先端部は白くなり、前胸背前側縁にも白色の模様がある。
キク科のヨモギやアザミ、バラ科の植物などに見られる。

2018/8/25
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の方で、サジガンクビソウに付いていました。
背部の小楯板先端部が白く、前胸背前側縁にも白い斑紋が見られます。
下記のトゲシラホシカメムシと胸部側縁の角や前胸背前側縁の白紋など見た目はよく似ています。
ただ、背部の白斑の数と位置が異なります。

※ 本種は100oマクロで撮影しているので、解像度などが下記の写真とは異なります。

アカスジキンカメムシ(Poecilocoris lewisi)
<カメムシ目・カメムシ亜目・カメムシ下目・カメムシ上科・キンカメムシ科・
キンカメムシ亜科・アカスジキンカメムシ属>

キンカメムシ科の1種で、在来種。日本では本州から四国、九州に分布する。
体長は20oほどで、緑色地に赤い模様がきれいなカメムシ。国内で最も美しいカメムシの1つ。
幼虫は、金属光沢のある暗銅色に白い模様があり、成虫とは全く異なる。
成虫、幼虫ともキブシ、ハンノキ、シキミ、フジ、ミズキなどの広葉樹の葉や果実の汁を吸う。
5齢虫で越冬し、翌春に成虫になる。カメムシの中では、比較的臭さが少ない。

2016/8/26
赤城高原SAの奥にある展望エリアを散策している時、葉の上に止まっている本種に気が付きました。
緑色の金属色に赤い筋模様も鮮やかなカメムシです。キンカメムシ科には、きれいな種類が多いです。

セアカツノカメムシ(Acanthosoma denticaudum)
<カメムシ目・カメムシ亜目・カメムシ下目・カメムシ上科・ツノカメムシ科・
ツノカメムシ亜科・ツノカメムシ属>

ツノカメムシ科ツノカメムシ亜科のカメムシで、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州に分布し、平地から山間部にかけて生息する。
体長は14〜18mmで、出現時期は4月〜10月である。
体色は青味のある緑色で、小楯板の基部から中央にかけて、広く赤褐色を帯びる。
前胸背側角は側方に突き出し、先端がやや黒い。腹部下面は淡橙色。
オスには生殖節に赤褐色のハサミ状の突起があり、交尾時にメスを挟む。
ミズキ、ヒノキ、スギ、アセビなどの果実を吸汁する。

2018/8/23
胎内星まつり会場下にある一般駐車場。その脇の林内で樹の幹に張り付いていました。
幹には、本種以外にザトウムシやヒメツユムシが張り付いていました。
胸背腹部寄りは青味を帯びた緑色で、胸背頭部寄りや小楯板は赤褐色を帯びています。
フラッシュ撮影をしているので、腹部背面が透けて、腹部の縞模様が良く見えています。


セアカツノカメムシのオスとメス

     .
<メス>             <オス>
セアカツノカメムシのオスとメスの見分け方は、腹端の形状で行います。
オスには生殖節に赤褐色のハサミ状の突起があり、上記のように腹端から生殖節が突き出ます。
このような突起が見られるか否かで、雌雄の判別が可能です。
なお、右のオスは八ヶ岳自然文化園で自然光で撮影したものなので、見た目の色味はこちらに近いです。


オオメナガカメムシ(Geocoris varius)
<カメムシ目・カメムシ亜目・カメムシ下目・カメムシ上科・オオメナガカメムシ科・
オオメナガカメムシ亜科・オオメナガカメムシ属>

オオメナガカメムシ科オオメナガカメムシ属に属するカメムシで、在来種。
以前は、ナガカメムシ科オオメカメムシ亜科に分類されていたが、海外では本分類が主流。
分類の変更に伴い、学名が"Piocoris varius"から"Geocoris varius"に変更された。
それに伴い、和名もオオメカメムシからオオメナガカメムシに変更されている。
日本では、本州から四国、九州、酸性諸島に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾に分布している。
発生時期は3月〜11月で、体長は5〜6mm。メスはおすより僅かに大きいが、外見での区別は困難。
地中や植物の根際に潜りこんで成虫で越冬し、新成虫は6月頃から見れれるようになる。
体は艶のある黒色で、頭部や複眼は黄赤色。前翅および後翅は半透明である。
脚や口吻は黄色で、各腿節の先端近くには淡い黒色斑がある。
低山地に多く、秋にハギやクズでよく見られる。
雑食性で、アリやハムシなどの小昆虫を盛んに捕食するが、ハギ、クズ(マメ科)などからも吸汁する。
小昆虫を捕食するとき、長い口吻を突き出して獲物に突き刺し、体液を吸うようだ。

2025/8/24
奥胎内ヒュッテの先に続く道路際で、サワヒヨドリの花を撮影しました。
後で、その写真を確認していて、見慣れない昆虫が一緒に写っていることに気が付きました。
頭部の形からアワフキの仲間ではと調べてみましたが見当たりません。ヨコバイの仲間にも居ません。
まさかとは思いつつ、カメムシの仲間を調べていて見つけました。カムムシらしくない頭部の形状ですね。
最初見たとき、チョウチンアンコウのように頭部から棒が伸びて、その先に飾りのような物が付いていました。
何だろうと思っていたのですが、説明によると口吻を伸ばして獲物に刺しこみ、吸汁するそうです。
まさに、獲物に口吻を刺した状態だったようで、その獲物が飾りのように見えていたみたいです。
他にも写っているのではと、探すとサワヒヨドリの花の中に埋もれるように写っていました(右側)。
こちらは、口吻を花に刺し込んでいるようで、花から吸汁しているようです。

オオツマキヘリカメムシ(Hygia lativentris)
<カメムシ目・カメムシ亜目・カメムシ下目・ヘリカメムシ上科・ヘリカメムシ科・
ヘリカメムシ亜科・Hygia属>
 
カメムシ目ヘリカメムシ科のカメムシの1種で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州に分布する。
ニシキギ科のニシキギやマユミなどの果実を食べる。
体長は9〜12mmで、光沢のない黒褐色の体色で、腹部後方の幅が広い。
成虫も幼虫もアザミ、イタドリ、バラ科のキイチゴ類やノイバラなどを吸汁する。
本種のオスには、腹端(生殖節末端部)に2個の突起があり、よく似たツマキヘリカメムシとの区別点になる。

2017/7/29
芝生広場の近くでワラビの茎に、交尾中のオオツマキヘリカメムシが止まっていました。
腹端の2個の突起が区別点のため、その部分を拡大した所、突起が認められたので本種としています。

キバラヘリカメムシ(Plinachtus bicoloripes)
<カメムシ目・カメムシ亜目・カメムシ下目・ヘリカメムシ上科・ヘリカメムシ科・
ヘリカメムシ亜科・キバラヘリカメムシ属>

カメムシ目ヘリカメムシ科のカメムシの1種で、在来種。
日本では、本州、四国、九州、南西諸島に分布する。近年になって北海道にも侵入が確認された。
ニシキギ科のニシキギやマユミなどの果実を食べる。
上から見ると黒い体色で地味ではあるが、腹部が黄色く、脚の途中まで真っ白で基部が赤い。
なお、幼虫は翅が短いので、腹部の黄色が非常に目立つ。
ただし、マユミの実にいるときは、同じ黄色のため保護色となり、逆に目立たない。

2016/8/27
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の方で、通路脇の木で見かけました。
最初、葉の上にいる1匹に気が付いて、近寄って見るとウジャウジャといました。
孵化直後の小さなものから、終齢幼虫で、次の脱皮で成虫になりそうなものまでいました。
小さなものは多数が寄り集まって集団になり、大きくなると分散するようです。
成虫がいないか探したのですが、その木にはいませんでした。


2024/8/24
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場へ向かう途中、以前と同じ所で見かけました。
最初に目についたのは左側の幼虫(おそらく終齢)で、その側で成虫も見つかりました。
黄黒の体色に、脚が赤、白、黒と否応なく目立つ配色のカメムシです。

ハラビロヘリカメムシ(Homoeocerus dilatatus)
<カメムシ目・カメムシ亜目・カメムシ下目・ヘリカメムシ上科・ヘリカメムシ科・
ヘリカメムシ亜科・ハラビロヘリカメムシ族・ハラビロヘリカメムシ属・ハラビロヘリカメムシ亜属>
 
ヘリカメムシ科ハラビロヘリカメムシ属のカメムシの1種で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州に分布する。
体長は12〜15mmで、全体に光沢のない淡褐色で褐色の小点刻が密に付き、腹部後方の幅が広い。
触角は赤褐色で、先端の節は暗色となる。前胸背の側縁は黄白色で僅かに内側に向かって曲がる。
前翅端はほぼ腹端まで伸び、基部側の革質部にはその中央に左右1対の黒い小斑紋がある。
膜質部は透明でわずかに褐色を帯び、光沢がある。腹部結合板の前縁はやや淡色になる。
成虫も幼虫もフジ、クズ、ヌスビトハギなどのマメ科の植物、特にクズ好んで吸汁する。
クズの生えている所では、ホシハラビロヘリカメムシとマルカメムシが見られる。
山地では、それにハラビロヘリカメムシが加わることとなる。

本種とホシハラビロヘリカメムシは酷似しており、その識別点は下記の通りである。
・触角第1節の長さは、ホシハラビロヘリカメムシが有意に長く、頭部の幅を超える
 触角第1節の長さは、ハラビロヘリカメムシでは、頭部の幅とほぼ同じ程度である
・触角第2節、3節は、ホシハラビロヘリカメムシでは円筒形である
 触角第2節、3節は、ハラビロヘリカメムシでは扁平な三角柱状である
・前翅革質部の中央にある小黒斑は、ホシハラビロヘリカメムシでは明瞭である
 前翅革質部の中央にある小黒斑は、ハラビロヘリカメムシではいく分不明瞭である
 なお、小黒斑に関しては個体変異があるので、これだけでは明確な判断は難しい

2019/8/25
加茂市の薬師山麓にある駐車場脇の通路で見かけたカメムシです。
地味な茶色一色で、特徴のある斑紋もないので、種類がまったく分かりませんでした。
後で調べ始めたのですが、やはり大苦戦。似たようなものがいろいろ見つかりました。
唯一の特徴が、前胸の縁に見られる黄色い縁取りです。
それを手掛かりに絞り込んだ結果、ハラビロヘリカメムシとホシハラビロヘリカメムシが候補に。
両者を区別する上記の項目を確認し、触角第1節の長さと腹部の幅から本種と判断しました。

ホソヘリカメムシ(Riptortus pedestris)
<カメムシ目・カメムシ亜目・カメムシ下目・ヘリカメムシ上科・ホソヘリカメムシ科・
ホソヘリカメムシ亜科・ホソヘリカメムシ亜科・ホソヘリカメムシ属>

ホソヘリカメムシ科に属するカメムシの1種で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州、南西諸島まで広く分布している。
海外では、台湾、朝鮮半島から中国、マレー半島まで広く分布している。
体長は14〜17mmで、全身が褐色の細長くて、触角も褐色で長く、第4節に黄色い斑がある。
成虫の腹部には黄色と黒の縞模様があるが、翅が覆っていて飛ぶとき以外は見えない。
飛翔するとこの縞模様が現れ、アシナガハチが飛んでいるように見える。
雄の成虫の後脚腿節は太く、その内側には棘の列があるが、縄張り争いで相手を挟みつける。
そのため、後脚腿節が太くて長いものが有利となり、発達したもののようである。
なお、本種はカメムシの仲間にしては珍しく、独特の臭いを出さない。
孵化したばかりの1齢幼虫は、何も食べずに脱皮し、2齢幼虫になる。
1齢〜4齢幼虫までは、体色が黒くて、頭と胸、胸と腹が大きくくびれ、アリそっくりである。
その歩き方までアリにそっくりで、アリに擬態することで身を守っているようである。
5齢幼虫になると体色は褐色に変わり、成虫に似てくる。
次に脱皮すると成虫となるが、飛翔能力を得るまでには数日を要する。
幼虫、成虫とも様々なマメ科植物の子実を吸汁し、マメ科の作物栽培における重要害虫である。

2023/8/20
加茂市の外れにある駐車場脇の通路で見かけた、後脚が大きく、細長い体形のカメムシです。
触角の中ほどに黄色い環紋があり、腹部の縁に黄色と黒の模様が見られ、小循板の先が黄色いです。
このような特徴を持つのは、ホソヘリカメムシのみですね。

アブラゼミ(Graptopsaltria nigrofuscata)
<カメムシ目・頸吻亜目・セミ型下目・セミ上科・セミ科・セミ亜科・アブラゼミ族・アブラゼミ属>

2017/7/29(20:19)     2017/7/29(20:20)     2017/7/29(22:38)

2017/7/29(22:18)     2017/7/29(22:28)     2017/7/30(7:17)
セミ科アブラゼミ属の昆虫で、在来種。
日本では、北海道から九州まで広く分布している。
海外では、朝鮮半島から中国東北部に分布している。
体長は60mmほどで、セミの中では珍しく、不透明な褐色の翅を持つ。
生息域が人里から山地までと範囲が広く、都市部でもよく見かけるセミである。
なお、鳴き声は、「ジッジッ…」と鳴き始めて、「ジジジ…」と鳴き、「ジッジッ…」と鳴き終わる。

アブラゼミの鳴き声です。前鳴き/後鳴きの方は、途中で本鳴きに入りかけてやめてしまったものです。

2017/7/29〜30
この日は、昼間はニイニイゼミとヒグラシの鳴き声しか聞きませんでした。
そのため、テントに這い登って脱皮を始めたのも、ヒグラシだろうと思っていました。
それが、上段左や中央のように翅が大きく伸びた頃、翅にうっすらと模様が見え始めました。
その模様の特徴からアブラゼミと分かりました。その2時間後の姿が右端の写真です。
上段の個体とは別に、もう1匹が天井で羽化を始めていました。それが下段の写真です。
上段右端の写真では、色が薄くて初々しい感じですが、下段右端の写真ではごく普通のアブラセミです。
この他にも、テントの裏側に入り込んで脱皮したものもいたようで、中に2匹いたそうです。
この日だけで、脱皮を確認したのは5匹です。一斉に脱皮が始まったのでしょうか。


2024/8/23 <メス>    2024/8/25 <メス>       2024/8/24  .
今年もそこここで聞こえてくるのはアブラゼミとエゾゼミの鳴き声でした。
エゾゼミは、樹のかなり高い所で鳴いていて、探したのですが見つけられませんでした。
そして、目に付いたのはアブラゼミばかりで、抜け殻も見つかったのはアブラゼミばかりでした。


2025/8/21 8:41          2025/8/21 8:45
胎内平に着いた翌早朝、林内を散歩しているときにアブラゼミの幼虫が這っているのを見つけました。
普通、この時刻では羽化して翅も固まっているのですが、かなり晩生のようですね。
近くの樹に持って行って止まらせましたが、落ちてしまいます。何度かトライして無事に取り付きました。
その後、放置しておいたのですが、気が付いたら見当たらなくなっていました。無事、羽化できていたら良いのですが。


2025/8/22 21:47               2025/8/22 21:48
林内で仲間と歓談中、一人がそれアブラゼミじゃないと指さした先に、裏返ってもがくアブラゼミがいました。
なんと、地面に置いていたガスコンロの容器の上で羽化し、その上で裏返ってもがいていたのでした。
急いて近くの支柱に止まらせたのが左の写真で、何とか態勢を整えたのが右の写真です。
右の翅はきれいに伸びていましたが、容器に張り付いていた左の翅は歪な状態でした。
大丈夫かなと思ったのですが、伸びることなく固まってしまったようで、翌朝、バタバタともがいていました。

エゾゼミ(Lyristes japonicus)
<カメムシ目・頸吻亜目・セミ型下目・セミ上科・セミ科・セミ亜科・クマゼミ族・エゾゼミ属>
セミ科エゾゼミ属の昆虫で、在来種。
名前に「エゾ」が付いているが、南方系のセミであり、長野県や南東北地方に多い。
日本では、北海道から本州、四国、九州に分布する。
基本的に森林性のセミであるため、街中で見かけたり、鳴き声を聞くことは稀である。
北海道や東北地方では平地でも見られるが、本州中部以西では標高500〜1000mの山地に生息する。
良く似た北方系のコエゾゼミとは似てはいても、系統の異なるセミである。
全長は59〜66o、体長は40〜46mm、前翅開帳115〜130mmである。
前胸背側方が白粉で覆われるのが特徴で、この点で同属のセミ類と区別できる。
前胸背外片には黄褐色の帯があり、基本的に途切れることはない。
ただ、個体変異があり、稀に黒色部で黄褐色帯が途切れる個体が見受けられる。


2013/8/24
毎年、エゾゼミの鳴き声は聞こえてくるのですが、その姿は確認できていません。
声はすれども姿は見えずの状態でしたが、原村星まつり会場で、その姿を確認できました。
ただ、その鳴き声を録音できなかったので、ここで録音しました。その鳴き声が上記になります。


原村星まつり会場で見かけたエゾゼミ

       .
  2013/8/3(メス)       2016/8/6(オス)     2016/8/6(オス)
原村星まつり会場(八ヶ岳自然文化園)で確認できたエゾゼミのメスとオスの写真です。
ただ、腹弁(ふくべん)の有無は、この写真からでは分かりませんね。


ニイニイゼミ(Platypleura kaempferi)
<カメムシ目・頸吻亜目・セミ型下目・セミ上科・セミ科・セミ亜科・ニイニイゼミ族・ニイニイゼミ属>

セミ科ニイニイゼミ属の昆虫で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州、沖縄本島以北の南西諸島に分布している。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾に分布する。
成虫の体長は20mmほどで、明るいうちはほぼ1日中鳴いている。
セミの中では、発生は早い方で、6月下旬くらいから鳴きはじめる。
体色は、灰褐色で、前羽も褐色のまだら模様になっており、木の幹では保護色となっている。
幼虫は、湿気の多い土壌でないと生存できないので、都市部の乾燥地では少ない。
その抜け殻は、小さくてずんぐりとしており、殻に泥が付いているので、区別は容易。
なお、鳴き声は、「チ〜ジ〜〜」と長く尾を引くように繰り返し、最後は「チッチッ…」で終わる。


2017/7/29
星まつり会場から少し離れた芝生広場の側で鳴いていました。
鳴いているセミの声や抜け殻はたくさんあるのですが、見つけられたのはこの個体だけでした。

ヒグラシ(Tanna japonensis)
<カメムシ目・頸吻亜目・セミ型下目・セミ上科・セミ科・セミ亜科・ヒグラシ族・ヒグラシ属>

セミ科ヒグラシ属の昆虫で、在来種。
日本では、北海道南部から本州、四国、九州、奄美大島までほぼ全国に分布している。
海外では、中国大陸に分布するが、朝鮮半島には分布しない。
成虫の体長はオス30mm、メス25mmほどの中型のセミで、朝夕に甲高い声で鳴く。
オスの腹部はメスよりも明らかに太くて長く、雌雄の区別はつけ易い。
体色は、ほとんど赤褐色で、頭部の複眼付近や前胸の縁、背面中央は緑色をしている。
日の出前、日の入り後の薄明時によく鳴く。しかし、曇って薄暗くなった時、気温が下がった時にも鳴く。
鳴き声は、「カナカナカナ…」と表わされることが多いが、「キキキキキ…」「ケケケケケ…」とも聞こえる。

2017/7/29
星まつり会場から少し離れた芝生広場の側の林の中で鳴いていました。
横から見るとわかりやすいのですが、正面からでは木肌に似ていて見つけるのに苦労します。
芝生広場の側にある池に行ったとき、水面に波紋が広がっていました。
何が居るのかと、よく見るとヒグラシが池に落ちて、翅をばたつけせている波紋でした。
どうして池に落ちたのでしょう。鳥にでも追いかけられたのでしょうか。
必死で翅をばたつかせていましたが、ここまで水に張り付くと、表面張力が大きいので脱出は無理でしょう。


2025/8/23
林内で明りを付けているといろいろな昆虫がやってきます。
その中の1匹がこのヒグラシのメスです。何度追い払っても戻ってきてしまうので、諦めました。
翌朝にはいなくなっていましたので、明け方に林内に戻ったようです。

ミンミンゼミ(Hyalessa maculaticollis)
<カメムシ目・頸吻亜目・セミ型下目・セミ上科・セミ科・セミ亜科・ミンミンゼミ族・ミンミンゼミ属>

セミ科ミンミンゼミ属の昆虫で、在来種。
日本では、北海道南部から本州、四国、九州まで分布している。
海外では、朝鮮半島や中国華北に生息している。
体長は35mm程で、翅を含めるとアブラゼミとあまり変わらない。
体色は胸部と腹部の境界付近が白く、他は黒地に青緑色の斑紋がある。
なお、黒色部がほとんどない青緑色主体の個体は、ミカドミンミンと呼ばれる。
その抜け殻は、アブラゼミによく似ているが、触角の違いから判別できる。
なお、鳴き声は、「ミ〜ンミンミンミンミ〜」と長く尾を引くように繰り返す。


2016/8/26
赤城高原SAの奥にある展望エリアを散策している時、葉の裏に張り付いていました。
アブラゼミの抜け殻かと思ったのですが、撮影した画像を拡大して本種と分かりました。
ただ、朝の早い時間であったためか、セミの鳴き声は聞こえませんでした。


ミンミンゼミ

 
2015/8/18         2013/8/1
両方ともミンミンゼミですが、見た目がかなり異なります。
左側が普通の個体の配色ですが、右側のように緑が多い配色の個体はミカドミンミンと呼ばれます。
ミンミンゼミは暑さに弱いため、暑い所では熱を吸収しやすい黒色部分が少ない高温耐性のある個体になります。

ミンミンゼミとアブラゼミの抜け殻

     .
ミンミンゼミ                   アブラゼミ
ミンミンゼミとアブラゼミの抜け殻は同じような大きさで、見た目の違いはあまりありません。
違いの1つは抜け殻の色で、アブラゼミよりミンミンゼミの方が明るい色だということです。
もう1つは、触角の第3節の長さです。上の写真の赤矢印の部分を良く見てください。
ミンミンゼミでは第2節とほぼ同じ長さですが、アブラゼミは第2節の1.5倍ほどの長さになります。


シダヨコバイ(Orosanga japonicus)
<カメムシ目・頸吻亜目・ハゴロモ型下目・ハゴロモ上科・ハゴロモ科>

シダ類に集まるヨコバイ、在来種。
日本では北海道から本州、四国、九州に分布し、山地性のヨコバイである。
出現時期は4月〜6月。体長は5o前後で、雌雄で体色などが異なる。
オスの地色は黒〜青灰色で、メスは地が淡褐色〜黒褐色で支脈は淡褐色。

2017/7/29
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の方で、通路脇の草むらで見かけました。
シダの写真を撮った時に写りこんでいたようで、撮影時には気が付きませんでした。
ピントが甘いので見にくいですが、褐色の地色に淡褐色の支脈が見えていますので、メスとしています。

ベッコウハゴロモ(Orosanga japonicus)
<カメムシ目・頸吻亜目・ハゴロモ型下目・ハゴロモ上科・ハゴロモ科>

ハゴロモ科の1種で、在来種。
日本では本州から四国、九州、南西諸島に分布し、平地から低山地で普通に見られる。
海外では、台湾に分布する。
全長10o前後で、茶褐色の地に白い2本の帯模様があり、翅の後方に一対の黒紋がある。
成虫も幼虫も、カンキツ類、マメ科植物、一般広葉樹に寄生し、吸汁する。
幼虫は腹部先端から糸状の淡黄色のロウ質物を分泌し、クジャクの翅のように大きく開く。

2016/8/27
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の方で、通路脇の草むらで見かけました。
上からでは分かりませんが、下から見るとお腹がポッチャリと膨らんでいました。

 
2017/7/29
芝生広場の近くでワラビの茎に止まっているオオツマキヘリカメムシを撮りました。
その写真を後で見て、裏側にベッコウハゴロモの幼虫がいたのに気が付きました。
カメムシに気を取られて、直ぐ近くにいた幼虫に全く気が付いていなかったようです。
尾端を海老反らせて、ロウ物質を大きく広げているのが分かります。


2019/8/25
加茂市の薬師山麓にある駐車場脇の通路で見かけたベッコウハゴロモです。
ベッコウハゴロモの翅の白い帯模様は半透明なのですが、それが分かる写真が撮れていませんでした。
この時見つけたベッコウハゴロモは、高い所に止まっていたので、下から逆光気味に撮れました。
それが左側の写真ですが、順光で撮った右側の写真と比べると半透明な帯模様が良く分かりますね。


2025/8/25
谷川岳PAで仮眠した翌朝、PA近くの道路際を散歩しているときにヌルデの葉で見かけました。
最近、地元では似たチュウゴクアミガサハゴロモはよく見かけますが、ベッコウハゴロモは見ませんね。

アトボシアオゴミムシ(Chlaenius naeviger)
<コウチュウ目・オサムシ亜目・オサムシ上科・オサムシ科・アオゴミムシ亜科・アオゴミムシ属>

オサムシ科アオゴミムシ属に属する甲虫で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州に分布する。
出現時期は4月〜11月で、雑木林やその周辺に生息し、昼間は石などの影に隠れ夜間歩きまわる。
体長は14〜15.5oで、頭部と胸部が緑銅色の金属光沢をもつ。
上翅の後よりの外縁に接して黄色い斑紋があり、斑紋は後方には伸びない。
捕まえるとクレゾールのような匂いのガスを放ち、洗ってもすぐには落ちない。

2016/8/27
星まつり会場から芝生広場へ向かう途中、道路脇で一緒にいた友達が見つけました。
見たときにヘコキムシ(ミイデラゴミムシが有名)を連想したのですが、違ったようです。
写真を撮ろうとしても葉の影などに入ったり、とても動きが早くて、うまく撮れませんでした。
前翅先端側の黄色い1対の斑紋や頭胸部の金属光沢の色から、本種と判断しました。
ミイデラゴミムシを含むホソクビゴミムシ科に高温ガスを噴射する種が多いそうですが、
アオゴミムシ亜科もクレゾール臭のような不快なガスを放つそうです。
どちらにしても、このデザインのゴミムシは、素手で触らないに越したことはないようです。

コアオマイマイカブリ(Carabus (Damaster) blaptoides babaianus)
<コウチュウ目・オサムシ亜目・オサムシ上科・オサムシ科・オサムシ亜科・オサムシ属・マイマイカブリ亜属>

オサムシ科オサムシ亜科に分類される昆虫の1種で、日本固有種。
マイマイカブリの仲間は全国に広く分布するが、翅が退化して飛べないために地域に特化した7亜種がいる。
@エゾマイマイカブリ 北海道,国後島
Aキタマイマイカブリ 本州(青森県,岩手県,秋田県)
Bコアオマイマイカブリ 本州(山形県,宮城県,新潟県,長野県)
Cサドマイマイカブリ 佐渡
Dアオマイマイカブリ 本州(山形県西部),粟島
Eヒメマイマイカブリ 本州(関東・中部地方)
Fマイマイカブリ 本州(南部),四国,九州,屋久島
新潟県で撮影した本亜種は、コアオマイマイカブリである。
本亜種の体長は27〜44mmで、キタマイマイカブリと似ている。
頭部と前胸背板に紅赤色〜青紫色、緑色の光沢があり、上翅は黒色で光沢がない点である。
一般に分布域の北部では赤味が強くなり、南部では青みが強くなる傾向がある。
幼虫、成虫ともカタツムリを主食とし、消化液を注入して消化、溶けた軟体部を食べる。
カタツムリ(マイマイ)の殻に頭を突っ込んで食べる様が、殻を被っているように見えるのが和名の由来。
成虫は4月〜10月頃に見られ、越冬は終齢幼虫か成虫で行う。
なお、危険を感じると、メタクリル酸とエタクリル酸を主成分とした強い酸臭のある液体を噴射する。
噴射は、後方だけでなく上方にも噴射できるので注意が必要。これが眼に入ると炎症を起こす。

2025/8/22
星まつりの初日、林内で歓談中にそれマイマイカブリだねの一言。見ると足元で何かを運んでいました。
後で、写真を拡大したときに、運んでいたのが頂いた料理に入っていたピーマンの細切りと分かりました。
肉食だと思っていましたが、野菜の類も食べるんですね。
後で調べて、胸部背面の赤紫色の金属光沢や見た場所から、コアオマイマイカブリと判断しました。

スジクワガタ(Dorcus striatipennis striatipennis)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・コガネムシ下目・コガネムシ上科・
クワガタムシ科・オオクワガタ属・コクワガタ亜属>

クワガタムシ科オオクワガタ属の1種で、在来種。
日本では北海道から本州、四国、九州と広範囲に分布するが、沖縄には生息しない。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾に分布する。
平地から山地の広葉樹林に生息しており、人家の近くの小さな林にも生息するが、低地での分布は局所的である。
なお、暑さには弱く、比較的涼しい所を好むため、標高の高い所でも見られる。
体長は、オスで14〜39mm、メスで14〜24mmで、コクワガタによく似ているが、ヒラタクワガタに近い系統。
体色は黒褐色〜赤褐色で、メスと小型のオスの上翅には、明瞭な縦の筋が密に並ぶ。これが和名の由来でもある。
オスの大アゴは、2つの内歯がつながったような大きな四角い内歯が1対と、先端近くに小歯が1対ある。
小型のオスは、メスよりも小さくなり、大あごの内歯が消失する。
成虫は5月から10月くらいまで、夜明けから朝にかけて活発に活動する。

2016/8/27
星まつり会場脇の林の中で、木の幹に留まって、樹液の出ている所に頭部を突っ込んでいました。
最初見たときコクワガタではと思ったのですが、翅に縦筋が見られます(凹部に泥が付いて見やすい)。
手を近づけたとき、ポロリと幹から落ちて、草むらの中に入ってしまいました。
落ちる瞬間、大アゴが見えたのですが、メスのそれではなく、小さいながらもオスの大アゴでした。
もっとよく確認したいと落ちた辺りを探したのですが、見つけることができませんでした。


2024/8/24           2024/8/25          2024/8/25
左端の個体は、会場脇の林内で樹液にきていたもので、体長22mmのオスです。
他の2枚は、芝生広場の先にある小さな沼の畔で、一緒にいた友人が見つけたものです。
この樹には数匹のクワガタが付いていたのですが、その内の1つがこのスジクワガタです。
中央の写真では、メスの上に赤味の強いオスが乗りかかっていました。
右の写真は、メスが単独でいたもので、前翅に淡いですが多くの筋が見えています。

コクワガタ(Dorcus rectus rectus)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・コガネムシ下目・コガネムシ上科・
クワガタムシ科・クワガタムシ亜科・オオクワガタ属・コクワガタ亜属>

クワガタムシ科オオクワガタ属の1種で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に広く分布している、最も普通に見られる。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾、東アジアに広く分布している。
名前に「コ」(=小型)が付くが、国内のクワガタムシの中では小さくはなく、中型種である。
体長は、オスで18〜55o、メスで21〜33mmで、オスの体長には大きなばらつきがある。
他のオオクワガタ属同様に、体は平たく、光沢の鈍い黒色で、体幅が細く、スリムな体型をしている。
オスの大顎は、細長く前に伸び、その中央より少し前寄りに大きな内歯が1対ある。
あまり目立たないが、大顎の先端近くに、極小さな内歯がもう1対ある。
なお、小さなオスでは、この先端の内歯は消失していることが多い。

2024/8/25
芝生広場の先にある小さな沼の畔で、一緒にいた友人が見つけたものです。
この樹には数匹のクワガタが付いていたのですが、その内の1つがこのコクワガタです。
左側の拡大した写真では、大顎の中央より前よりに大きな内歯があるのが分かります。
右側の写真で、本種の周りに見える3匹のハエは、モンキアシナガヤセバエのようです。

ミヤマクワガタ(Lucanus maculifemoratus Motschulsky, 1861)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・コガネムシ下目・コガネムシ上科・クワガタムシ科・
クワガタムシ亜科・ミヤマクワガタ族・ミヤマクワガタ亜族・ミヤマクワガタ属・ミヤマクワガタ亜属>

クワガタムシ科ミヤマクワガタ属の1種で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州に分布している。
伊豆諸島には亜種 L. m. adachii Tsukawaki, 1995 が分布する。
体長は、オスで40〜79o、メスで25〜43mmである。
体色は赤褐色〜黒褐色で、腿節に黄褐色の紋がある。羽化直後には金灰色の微毛があるが、徐々になくなる。
頭部前縁中央に上向きの突起があり、頭部後縁には大きく張り出した耳状突起があり、独特な形状である。
雌雄とも各脚の腿節に黄褐色の部分があり、この点で他のクワガタムシ区別できる。
オスの大顎はゆるく湾曲し、先が2分枝し、内側に3〜5本の内歯が並び、形態で下記3型が見られる。
ただし、小型になるにつれて大アゴの湾曲は弱く、内歯も発達が悪くなり、耳状突起は不明瞭になる。
・ヤマ型 基本型で、第1内歯が比較的発達し、先端を合わせた時に接するかわずかに離れる
     大アゴ先端の分枝はやや強く、先端内歯は先端外歯とほぼ同じ長さ
     各地で見られるが、東北〜北海道を除き低地にはあまり出現しない
・エゾ型 第1内歯は発達が悪く、先端を合わせた時に大きく離れる
     大アゴ先端の分枝は最も強く、先端内歯は横向きに突出する
     名前の通り東北〜北海道に多く、本州以南では標高の高い所に出現する
・フジ型 第1内歯は非常に良く発達し、その先端を合わせると大アゴの先端は大きく離れる
     大アゴ先端の分枝は最も弱く、先端内歯が先端外歯よりも明らかに短い
     本州、四国、九州などの低地に多いが、富士山や伊豆半島などでは高地でもこの型である
メスの体色は赤褐色から黒褐色で、体表には光沢がある。
体の腹面には毛が生えているが、オスと異なり背面には毛は生えていない。
頭楯は屋根型で先端は丸く、大顎は太くて厚みがあり、外縁が湾曲する。

2024/8/24
会場下のキャンプサイトで、友達が見つけたミヤマクワガタのメスです。
太短い大顎と各脚の腿節に見られるオレンジ色が、ミヤマクワガタの特徴です。


2024/8/25
上段は、芝生広場の外れ、沼の手前にある林内で友達が見つけたものです。
昨日見たものが真っ黒な体色だったのに対して、この個体は赤味を帯びています。
胸部の形状も昨日のものが六角形なのに対して、丸い形状なので、別種と思っていました。
それで、ノコギリクワガタではないかと思ったのですが、体形などが異なります。
改めて見直してみて、太短い大顎の形状からミヤマクワガタのメスと判断しました。
メスの体色は赤褐色の場合もあるそうなので、前胸の形状は個体差と思われます。


2024/8/25
芝生広場の先にある小さな沼の畔で、クワガタがいるのを一緒にいた友人が見つけたものです。
この樹には数匹がいたのですが、友人は樹の下にミヤマクワガタがいるのにも気付きました。
それを撮ろうと回り込んだのですが、全く動かず、死んでいることが分かりました。
それをそっと持ち上げて、近くのササの葉の上に置いて撮ったのが上記の写真です。
泥は付いていますが、触角を始め、ふ節などが全て残っており、全く傷みがない状態でした。
死んだ理由は分かりませんが、死んで間がないのでしょうね。


ノコギリクワガタ(rosopocoilus inclinatus)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・コガネムシ下目・コガネムシ上科・
クワガタムシ科・クワガタムシ亜科・ノコギリクワガタ属>
   .
<大型のオス/体長60o>    <小型のオス/体長35o>     <メス/体長30o> .
クワガタムシ科ノコギリクワガタ属の1種で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州、屋久島に広く分布していて、最も普通に見られる。
海外では、朝鮮半島に分布している。
オスの大顎の内側に鋸のように歯が数多く並んでいるのが、和名の由来である。
体長は、オスで24〜77o、メスで20〜41mmで、体長には大きなばらつきがある。
オスは体格による個体変異が顕著で、
55mm以上の大型個体では大きく湾曲した大顎(先歯型)を持つが、
中型個体では大顎の湾曲が緩やか(両歯型)となり、
小型個体では大顎は直線的(原歯型)になって、内歯が均一なのこぎり状となる。
体色は、オスでは赤褐色〜黒褐色であるが、メスでは赤褐色(まれに黒色)で、脚も全体的に赤い。
平地〜山地の広葉樹の森林、都市部の小規模な林にまで生息し、6月上旬〜10月まで活動する。
闘争本能が強く、近づくものには上体を持ち上げて、自身を大きく見せて威嚇する。
しかし、大顎の力や脚力はあまり強くないので、他の大型クワガタやカブトムシには勝てない。

小学生の頃に作成した標本の中にノコギリクワガタがいたことを思い出しました。
そこでその写真を撮ったのが上記のものですが、思った以上に保存状態は良好でした。
左端の写真の下に写っているのが、中央の写真の小型のオスの大顎です。
その写真の下に写っているのは、右端の写真のメスの大アゴです。
ちなみに、右端の写真の下に写っている大顎は、ミヤマクワガタの大顎になります。


<ミヤマクワガタ♀>      <ノコギリクワガタ♀>
話が反れましたが、比較のためにミヤマクワガタの2番目のメスと並べてみました。
色は似ています、体形はもとより、頭部や大顎の形状が明らかに異なるのが分かると思います。


マメコガネ(Popillia japonica)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・コガネムシ下目・コガネムシ上科・
コガネムシ科・スジコガネ亜科・マメコガネ属>

コガネムシ科マメコガネ属に属する甲虫の1つで、北は北海道から南は九州まで、ほぼ全国に分布する。
体長は8〜15mmで、体表には強い金属光沢がある。
体色は、頭・前胸・小楯板と前翅接合部が緑色、前翅が褐色、腹側が黒緑色をしている。
腹節の縁には白い短毛が密生し、白い縞模様のように見える。
幼虫は植物の根、成虫はマメ科植物、ブドウ類、ヤナギ類など、多くの植物の葉や花を食害する。
アメリカで1916年にニュージャージー州で侵入が確認され、以後、爆発的に増えて農業害虫となっている。


2016/8/27
芝生広場の近くの通路脇の草むらで見かけました。
いろいろな植物の葉などを食害する嫌われ者ですが、シダの葉まで食べるとは思ってもいませんでした。

キマワリ(Plesiophthalmus nigrocyaneus)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・ヒラタムシ下目・ゴミムシダマシ上科・
ゴミムシダマシ科・キマワリ亜科・キマワリ属>

ゴミムシダマシ科キマワリ属に属する昆虫の1種で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州とほぼ全国に分布する。
ゴミムシダマシ科の中では、比較的大きな甲虫で、都市郊外でもよく見られる普通種。
発生時期は5月〜10月で、体長は16〜25oである。
体色は、黒色、藍色がかった黒色、緑黄がかったものなど、地域差が大きい。
脚が長いのが特徴で、特に前脚が体長の割には長めである。
幼虫、成虫とも朽木を食べるので、倒木や朽木の周りに多い。

2017/7/29
星まつり会場脇の林の中で、木の幹に留まっている本種を見つけました。
見つけたときはじっとしていたのですが、さらに近づくとそそくさと草むらの中に消えました。


    2024/8/23               2024/8/24
キャンプサイトや芝生広場の近くの林内、会場脇の道路脇の林内などで見かけました。
今年は、なぜかあちらこちらの林内でよく見かけましたが、なぜでしょうね。

ミヤマカミキリ(Massicus raddei)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・ヒラタムシ下目・ハムシ上科・
カミキリムシ科・カミキリムシ亜科・Massicus属>

カミキリムシ科カミキリ亜科の1種で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。
体長は32〜57oで、日本に分布するカミキリムシ科の中では、最大種の1つ。
体色は褐色で、外皮は褐色の微毛が覆われている。前胸背板には不規則な横皺がある。
出現時期は6月〜8月。夜行性でクヌギやコナラなどの樹液に集まり、また、灯火に飛来することもある。
卵はイチジク、クリ、リンゴ等の生木の樹皮の裂け目に産卵され、3年ほどで成虫になる。

2017/7/26
JR只見線の魚沼田中駅と越後須原駅の間に福田新田休息所があり、そのトイレの灯火に来ていました。
最初見たとき、クワカミキリに見えたのですが、大きさや前胸の形が異なります。
後で調べて、本種と分かりましたが、シロスジカミキリとそん色ない大きさでした。

センノカミキリ(Acalolepta luxuriosa luxuriosa)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・ヒラタムシ下目・ハムシ上科・
カミキリムシ科・フトカミキリ亜科・ヒゲナガカミキリ族・ビロードカミキリ属>
 
カミキリムシ科フトカミキリ亜科の1種で、在来種。
日本では全国に分布し、海外では朝鮮半島から中国に分布する。
体長は20〜36oで、体色は黒色から黒褐色に淡黄褐色の微毛が密生する。
濃淡があり斑紋に見えるが変異が多い。上翅の中央と後寄りに黒褐色の帯模様がある。
オスの触角は長くて、体長の倍ほどもある。メスの触角はやや短い。
ウコギ科の植物(ハリギリ、ヤツデ、タラノキなど)の生木を食害する。
和名は、幼虫がセンノキ(ハリギリ、栓の木)の生木を食べる事に由来している。

2017/7/26
JR只見線の魚沼田中駅と越後須原駅の間に福田新田休息所があり、そのトイレの灯火に来ていました。
初めて見たカミキリで、似たものが多いので、同定に手間取りました。
長い触角と前翅の2本の黒い帯模様を手掛かりに探して、本種にたどり着きました。
なお、触角の長さが体長の1.5倍ほどしかないので、この個体はメスの可能性が高いと思います。

ホソカミキリ(Distenia gracilis gracilis (Blessig, 1872))
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・ヒラタムシ下目・ハムシ上科・
カミキリムシ科・ホソカミキリ亜科・ホソカミキリ族・ホソカミキリ属>


カミキリムシ科ホソカミキリ亜科ホソカミキリ属に属する甲虫で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州とほぼ全国に、海外では極東アジアに分布する。
なお、国内に分布するホソカミキリ属は本種のみで、1属1種である。
夜行性で、昼間に見かけることは稀で、暗くなると材木の上などで見られる。
体長は19〜30mmで、出現時期は6月〜9月。
体色は黒褐色〜赤褐色で、頭部、胸部を中心に赤褐色を帯びるものもいる。
全体に灰白色の微毛が密生していて、脚は黒い。上翅は翅端に向かって細くなる。
触角はかなり長く、触角の内側には細く長い毛が生えている。
幼虫は、枯れた各種広葉樹やマツなどに穿孔し、これを食べる。

2024/8/24
キャンプサイトの中を歩いているとき、足元の落ち葉の上にいるカミキリムシに気が付きました。
薄暗い林内で、落葉の上にいる同系色のカミキリムシによく気付いたと、自分でも驚きます。
おそらく、足を前に出したとき、無意識に足元を見たとき、気付いたのだと思います。
カメラを持っていなかったので、後で撮影と思って確保したまま忘れていました。
気付いたときには死んでいて、そのまま標本にしたのですが、移動中にふ節などが取れしまいました。
特徴のない地味な色合いだったので、特定できないかもと思っていたら、意外とあっさり同定。
日本では、1属1種のホソカミキリ属のカミキリムシで、全国に分布しているそう。
ただし、夜行性で、暗くなると地面や枯木などの上を歩き回るそうで、見つけにくそう。
昼間は枯葉や枯れ枝の隙間などに潜んでいるので、見ることはめったにないそうです。
全国に分布しているのに、今まで見た事がないのはそのためなのでしょうか。
黒い体色の上を灰白色の微毛が被い、前翅には微毛のない黒斑状の模様が点々と並んでいます。
最も特徴的なのは触角で、上端右の写真のように、その内側に長い毛が生えていることです。

キアシルリツツハムシ(Cryptocephalus fortunatus)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・ヒラタムシ下目・ハムシ上科・ハムシ科・ツツハムシ亜科>

ハムシ科の1種で、日本では本州から四国、九州に分布する。
体長は4〜6oで、体色は金属光沢が強い瑠璃色。脚は黄色い。
食草は、主にバラやイタドリの葉である。

2016/8/27
芝生広場の近くの通路脇の草むらで見かけました。
ごく小さなハムシですが、強い金属光沢の瑠璃色なので、日の当たる所では目につく。

クビアカトビハムシ(Luperomorpha pryeri (Baly, 1874))
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・ヒラタムシ下目・ハムシ上科・ハムシ科・ヒゲナガハムシ亜科>

ハムシ科ヒゲナガハムシ亜科(旧ノミハムシ亜科)に属する甲虫で、在来種。
日本では、本州から四国、九州、伊豆諸島、対馬、種子島、屋久島などに分布する。
海外では、韓国に分布する。
体長は2.5〜3mmと小さく、出現時期は7月〜8月と見られる。
体には光沢があり、頭部と前胸背は暗黄赤色で、上翅は暗褐色で濃淡には個体差がある。
触角の先半分ほどと複眼が黒い。脚は暗黄赤色で、後脚は太くて一部が暗色になる。

2024/8/24
芝生広場へ向かう通路脇の草むらでコヒルガオを見かけました。
この場所で見たのは初めてでしたので写真を撮ったのですが、そこに写り込んでいました。
見ての通り、極小さな甲虫で、おそらく体長3mmに満たないハムシの仲間と思われました。
色合い的には、下記の黒ウリハムシとそっくりなのですが、体長は半分ほどしかありません。
このようなオレンジと黒のツートンカラーのハムシを探してみると数種類見つかりました。
その中にクビボソハムシ亜科に属するものが多くいたのですが、体形が異なります。
ヒメクロウリハムシは分布域が、ムナキルリハムシは頭部が黒く合いません。
クロバヒゲナガハムシは体長が5mm前後と大きく、これも合いません。
フタイロセマルトビハムシは体長は合いますが、半球状の体形で合いません。
タマツツハムシは体長は合いますが、体形が太短いので合いません。
消去法で、クビアカトビハムシになりましたが、体長、体形ともよく似ています。
ここでは本種としましたが確証がなく、間違っている可能性は否定できません。

クロウリハムシ(Aulacophora nigripennis)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・ヒラタムシ下目・ハムシ上科・ハムシ科・ヒゲナガハムシ亜科>
 
ハムシ科の1種で、日本では本州から四国、九州に分布する。
体長は6o強で、オレンジ色の体色に黒い上翅が特徴。脚も黒い。
ウリハムシ同様、ウリ科の植物が好物で、カラスウリ類の葉を特に好む。
それ以外にも、ダイズ、エノキ、シソなども食害する。幼虫は地中にいてウリ類の根を食べる。
摂食を行う際には、トレンチ行動と呼ばれる食べ方をする。最初に、まず、葉を円形に傷つける。
そうして、その傷から植物の出す防御物質を出しておいて、それらが入り込まない内側を食べる。
なんとも巧妙な摂食行動です。なお、越冬は成虫で行う。

2016/8/27
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の方で、通路脇の草むらで見かけました。
上翅の黒いウリハムシといった所です。

ヒメカメノコテントウ(Cryptocephalus fortunatus)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・ヒラタムシ下目・ヒラタムシ上科・テントウムシ科・テントウムシ亜科>

テントウムシ科の1種で、日本では北海道から本州、四国、九州に分布する。
人家の庭先にもやってくる普通種で、体長は3〜5o。
淡黄色の地に市松模様のような黒色の斑紋があるが、多様な変異がある。
地色も淡黄色から濃いオレンジ色まで変異があり、模様のない地色一色や黒一色の個体もいる。
成虫、幼虫ともアブラムシを食べる益虫である。

2017/7/27
加茂市、薬師山の麓にある駐車場の脇は、斜面から水がわき出して湿地のようになっています。
その湿地に生えているクサネムの葉に留まっていました。

ゲンジボタル(Luciola cruciata)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・ホタル上科・ホタル科・ゲンジボタル属>

ホタル科に分類されるホタルの1種で、日本固有種である。水のきれいな清流に生息する。
日本でホタルと言えば、このゲンジボタルを指すことが多く、最も親しまれているホタルでもある。
体長は15o前後で、日本産ホタル類の中では大型の種類である。なお、オスよりメスの方が若干大きい。
体色は黒色であるが、前胸部の左右が桃色で、中央に十字型の黒い斑紋がある。複眼は丸くて大きい。
尾部に淡黄緑色の発光器官があり、オスは第6腹節と第7腹節、メスは第6腹節のみが発光する。
成虫は夜に活動し、オスは川の上空を飛び回り、メスは川辺の草の上などに止まって発光する。
このように発光によって他の個体と通信し、出会った雌雄が交尾を行う。
交尾後、メスは河岸に生えた苔の中に産卵する。夏に孵化した幼虫は、カワニナを捕食しながら成長する。
幼虫も尾部に発光器官を備えており、孵化間近の卵の状態から発光が始まる。
秋から冬を越し、春には体長数cmに成長した幼虫は、雨の夜に上陸して、土中に繭を作る。
繭の中で蛹になるが、羽化間近になると蛹の状態でも発光が見られるようになる。
成虫は概ね5月〜7月にかけて発生するが、地方によって差があり、秋に発生する場所もある。
成虫は水分は取っても、摂食活動は行わず、そのため2〜3週間の寿命である。

2017/7/28
夜、タープの下で談笑していた時、ゲンジボタルがいたと教えていただきました。
相模原の方では6月初旬が発生時期なので、この時期にゲンジボタルに会えるとは思っていませんでした。
第6腹節と第7腹節に発光器官がありますので、オスのゲンジボタルです。


ホタルの発光について

ホタルは、発光物質の「ルシフェリン」が、
発光酵素「ルシフェラーゼ」と「アデノシン3リン酸」と反応して発光します。
この発光の仕組みは、ゲンジボタルでもヘイケボタルでも同じです。

ゲンジボタルは、東西で発光周期が異なり、
東日本型は4秒で西日本型は2秒の間隔で点滅するといわれています。
しかし、発光周期は気温によって変化し、気温が高いと短くなることが分かっています。
そのため、東日本型であっても気温によって4秒から1秒と大きく変動します。

近年、遺伝子の研究からゲンジボタルが6グループに分類されることが判明したそうです。
東北、関東のグループが4秒の東日本型に該当するそうです。
本州の西日本グループと南北九州の2グループには、遺伝的なギャップがあるそうです。
西日本型になるのは中部と西日本の2グループだそうですが、
フォッサマグナには中間の3秒型が確認されているそうです。
なお、ヘイケボタルは遺伝的には4グループに分かれるそうです。