胎内への道中で見かけたの昆虫T
和名インデックス |
キアゲハ(Papilio bianor)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・アゲハチョウ上科・ アゲハチョウ科・アゲハチョウ亜科・アゲハチョウ属> 本種は、ヨーロッパからアジア、北米北西部にかけて広く分布し、いくつかの亜種に分かれている。 日本は、北海道から本州、四国、九州まで、全国に分布している。 日本に分布している亜種は、「Papilio machaon hippocrates」とされている。 幼虫は、セリ科植物(セリ、ハマウド、シシウド)を食草とするため、生息地は広い。 また、野菜のニンジン、パセリ、ミツバ、アシタバも大好物なため、農家の方にとっては害虫である。 なお、幼虫は、三齢幼虫まではナミアゲハと同じ黒い体色をしている。 しかし、四齢幼虫では白地に黒と黄色の斑点模様となる。 さらに、終齢幼虫の五齢幼虫になると黄緑と赤い斑点のある黒の縞模様に変わる。 なお、幼虫に触ると頭部と胸部の間から強烈な悪臭を放つ黄色い臭角を出す。 本種は、蛹で越冬するが、-196℃の低温にも耐えられる。
2015/8/23
新発田市郊外を避けて田んぼの中を抜ける際、道路脇の草原で見かけたキアゲハです。 左は、シロツメクサの葉に産卵しているように見えるのですが、食草はセリ科の植物です。 なぜ、シロツメクサに産卵しているのかは、疑問です。あるいは、産卵ではないのかもしれません。 ナミアゲハには黄色みの強い個体もいますが、下記のように前翅の付け根部分の模様の有無で区別できます。
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キタキチョウ(Eurema mandarina)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・アゲハチョウ上科・ シロチョウ科・モンキチョウ亜科・キチョウ属> シロチョウ科キチョウ属に分類されるチョウで、在来種。 日本では、本州の東北南部から四国、九州、南西諸島に分布する。 海外では、アフリカ中部以南からインド、東南アジア、オーストラリアと広く分布している。 翅は黄色で、前翅、後翅とも外縁は黒色に縁どられ、裏面に黒褐色の斑点がある。 夏型の外縁の黒帯は幅広で、秋型では黒帯は先端に少し残るか、消失する。 幼虫の食草は、ネムノキ、ハギ類のマメ科の植物で、年に数回発生し、成虫で越冬する。 以前は1種とされたが、現在では下記の2種に分類された。しかし、外見からは識別困難。
2019/8/25
加治川の河川敷にペチュニアを見に行ったときに見かけたものです。 橋の下で、ヒラヒラとあちこち飛び回った後、葉の上に止まってくれました。 | ||||||||||||||
ウラギンシジミ(Curetis acuta paracuta)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・アゲハチョウ上科・ シジミチョウ科・ウラギンシジミ亜科・ウラギンシジミ属> 典型的な暖地性のチョウで、日本では本州以南に分布する。 日本以外ではヒマラヤ地域から中国にかけて分布する。 前翅長は19〜27mm、翼開長は35〜40mmで、翅の裏は銀色一色で、これが和名の由来。 翅の表側は、オスはオレンジ色、メスは白から淡い水色をしていて、識別は容易。 幼虫の食草は、マメ科のクズやフジなどで、花や蕾を食べる。 成虫は、5月〜10月に見られ、花・樹液・腐果などに集まる。そして、成虫で越冬する。
224/8/24
芝生広場の方へ歩いているとき、目の前から白っぽいチョウが飛び立ちました。 直ぐ近くに止まったので、それを見てウラギンシジミと分かりました。 写真を撮った途端にまた飛び立ち、別の葉の上に移動して、翅を開いてくれました。 動きが早くて翅表を撮るのが難しいのですが、ラッキーでした。この個体はオスですね。 | ||||||||||||||
ルリシジミ(Celastrina argiolus)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・アゲハチョウ上科・ シジミチョウ科・ヒメシジミ亜科・ルリシジミ属> シジミチョウ科ルリシジミ属に分類されるチョウで、在来種。 日本では、北海道から本州、四国、九州、奄美諸島以北に分布する。 海外では、ユーラシア大陸、北米大陸に広く分布している。 前翅長は12〜19oで、開張は24〜35mmになる。 翅表は、オスでは全面青藍色になり、メスでは外縁部が幅広く黒褐色になる。 翅裏は、全面青灰色で小黒斑が散在し、その配置や大きさなどで種別を判断できる。 成虫の出現時期は3月〜11月で、年3〜4回発生する。成虫は地面で吸水したり、花で吸蜜する。 幼虫の食草は、マメ科、ミズキ科、タデ科、バラ科、シソ科など、様々な植物の花やつぼみである。
2016/8/26
越後須原駅近くの道路脇の畑の縁で、壁に沿ってボタンヅルが咲いている所で見かけました。 翅をしっかり閉じ、なかなか開いてくれません。タイムアウトとなり、諦めました。 しかし、後翅裏の斑紋の特徴から、ルリシジミと分かりましたが、雌雄は不明です。 | ||||||||||||||
イチモンジチョウ(Limenitis camilla)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・アゲハチョウ上科・ タテハチョウ科・イチモンジチョウ亜科・イチモンジチョウ族・オオイチモンジ属> タテハチョウ科オオイチモンジ属に属するチョウで、在来種。 日本では、北海道から本州、四国、九州に、海外では、ユーラシア大陸東部に分布する。 発生時期は5月〜10月で、年2〜3化。開帳は45〜55mmである。 雌雄とも、翅表は黒地に太い白帯が前後翅の中央を貫いており、これ和名の由来。 翅裏は赤褐色地に黒点が散りばめられ、中央に翅表と同様の白帯が走る。 アサマイチモンジ(Limenitis glorifica)と酷似しているが、以下の点で区別できる。 なお、アサマイチモンジは日本固有種で、本州全土に分布している。
204/8/24
芝生広場の方へ歩いているとき、間の前をヒラヒラとイチモンジチョウが横切りました。 少し先の方で葉の上に止まったので、そっと近づいて撮ったのが上記の写真です。 よく似たアサマイチモンジとの区別が難しく、斑紋の違いからは明確に判断できませんでした。
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コミスジ(Neptis sappho)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・アゲハチョウ上科・ タテハチョウ科・イチモンジチョウ亜科・ミスジチョウ属> チョウ目タテハチョウ科に分類されるチョウの一種で、在来種。 日本では、北海道から本州、四国、九州、屋久島、種子島まで分布するが、それ以南には分布しない。 海外では、朝鮮半島から中国、台湾、欧州南東部に分布する。 幼虫の食草は、クズ、ハギ、フジ、ニセアカシアなどのマメ科植物である。3齢幼虫で越冬する。 翅の表面は黒褐色で裏面は明るい褐色。前翅に1本、後翅に2本の白い帯模様がある。裏の模様も同じ。 なお、翅を開いて止まることが多いが、その際、3本の帯模様に見える。これが和名「ミスジ」の由来。 成虫は、4月〜11月と長期間見られ、低地や丘陵地の森林周辺に多く見らる。 飛び方に特徴があり、数回羽ばたいてはスーっと滑空するのを繰り返す。
2016/8/26
JR只見線の越後須原駅近くの福田新田給食所の駐車場で見かけました。 見かけてもひらひらと飛び続け、なかなか止まってくれないので撮影できるチャンスは少ないです。 このときは、近くのススキの葉に止まり、翅をパタパタさせていましたので、撮影できました。 | ||||||||||||||
ヤマキマダラヒカゲ(Neope niphonica)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・アゲハチョウ上科・ タテハチョウ科・ジャノメチョウ亜科・ジャノメチョウ族・ヒカゲチョウ亜族・キマダラヒカゲ属> タテハチョウ科キマダラヒカゲ属に分類されるチョウの一種で、在来種。 日本では、北海道から本州、四国、九州に分布しており、本州以南では山地性の傾向がある。 海外では、サハリン南部、シベリア、中国東北部に分布している。 低地帯から亜高山帯で普通に見られるが、平地でも見られることがあり、サトキマダラヒカゲとの混生もある。 なお、北海道では、山地帯から亜高山帯に生息するヤマキマダラヒカゲの方が多く分布する。 成虫は、5月〜6月(春型)と8月〜9月(夏型)の年2回発生するが、寒冷地では6月〜7月の年1回発生となる。 蛹で越冬し、暖地では4月頃から見られるようになり、サトキマダラヒカゲより発生がやや早い。 前翅長は30〜38mm、開張は55〜65oで、黄褐色の地色に黒い斑紋が入る。 幼虫の食草は、アズマネザサやスズタケ、クマザサなどのササ属、マダケなどのマダケ属、ススキなどのイネ科。 成虫は暗いところを好み、樹液や腐果、昆虫の死骸や獣糞に集まる。訪花することはほとんどない。 ジャノメチョウ類としては飛翔は素早く、不規則に飛ぶので捕捉するのは難しい。 ヤマキマダラヒカゲとサトキマダラヒカゲは、下記の点で区別することができる。
2016/8/26
JR只見線の越後須原駅近くの福田新田給食所の駐車場で見かけました。 見かけてもひらひらと飛び続け、なかなか止まってくれないので撮影できるチャンスは少ないです。 このときは、近くのススキの葉に止まり、翅をパタパタさせていましたので、撮影できました。
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クロヒカゲ(Lethe diana)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・アゲハチョウ上科・タテハチョウ科・ ジャノメチョウ亜科・ジャノメチョウ族・ヒカゲチョウ亜族・ヒカゲチョウ属> タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科に分類されるチョウの一種。 日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。 海外では、朝鮮半島から中国、台湾、サハリンに分布する。 出現時期は5月〜9月で、平地から亜高山帯まで広く見られる。 雑木林の内部や山道沿いの暗い所を好み、樹液にもよく来る。 開張は50〜60mmで、翅表は黒褐色の地色に小さな蛇の目模様がある。 翅裏は、黒褐色の地色に白線と大小の蛇の目模様がある。 なお、後翅中央に毛が生えているものはオスである。 幼虫の食草はササ類各種(チシマザサ、ネザサ、クマザサなど)。2〜4齢幼虫で越冬する。 本種には、よく似たヒカゲチョウとクロヒカゲモドキがおり、その識別点は下記の通り。
2018/8/25
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場。その周りの林内で見かけました。 ひらひらと飛んできて、近くの笹の葉に止まってくれました。 ヒメジャノメではと思ったのですが、蛇の目紋などが違うようなので、後で調べ直しました。 前翅裏の上から3番目の眼状紋の位置が欠損していますが、後翅の眼状紋などからクロヒカゲモドキを除外。 右の写真の緑の円内に見える2本の暗条、ピンクの山形の暗条からクロヒカゲとしました。 | ||||||||||||||
キタテハ(Polygonia c-aureum)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・アゲハチョウ上科・ タテハチョウ科・タテハチョウ亜科・タテハチョウ族・キタテハ属> タテハチョウ科キタテハ属に属する蝶で、翅の表が黄色いことが和名の由来。 日本を含め、インドシナ半島から中国、台湾、朝鮮半島まで分布している。 日本でもほぼ全国で普通にみられる。 後翅の裏面に白い模様があり、これが「C」の字に似ていることが学名の「c-」の由来。 冬は成虫で越冬し、ものかげでじっとしている。 成虫の前翅長は25〜30mmで、翅の縁には大小の突起があり、先がとがっている。 翅表は、前後とも黄色の地に褐色の縁取りと黒い斑点があり、一部の黒斑の中には水色の小さな点がある。 翅裏は、前後とも赤褐色で、枯葉にまぎれる保護色となる。 夏型と秋型があり、夏型では羽表の地色がくすんだ黄色になり、縁取りが黒く、黒斑が大きい。 一方、秋型では羽表の地色は鮮やかな黄赤色になり、縁取りは褐色で薄れ、黒斑が小さい。 なお、翅裏も夏型では黒褐色になり、秋型では赤味が強くなって茶褐色になる。 また、翅の外縁の凹凸も、夏型では丸みがあるのに対して、秋型は鋭角に尖る。
2019/8/25
加治川の河川敷にペチュニアを見に行ったときに見かけたものです。 夏型のキアゲハですので、羽化して間がないのでしょう。きれいな翅をしています。 | ||||||||||||||
ヒメアカタテハ(Vanessa cardui)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・アゲハチョウ上科・ タテハチョウ科・タテハチョウ亜科・アカタテハ属・ヒメアカタテハ亜属> タテハチョウ科ヒメアカタテハ亜属に属する蝶で、在来種。 日本を含め、南極大陸以外の大陸に分布している。 日本でもほぼ全国でみられるが、数はあまり多くない。 冬は、暖地では成虫でも幼虫でも越冬する。 成虫の前翅長は25〜33mmで、開張は40〜55oになる。 前翅の先端は黒地に白斑、前翅の中央部には橙色地に黒斑があり、アカタテハによく似ている。 しかし、後翅は前翅同様に橙色地に黒斑があるのに対し、アカタテハは外縁以外が黒褐色と異なる。 移動性が高く、夏から秋にかけて、温暖地から寒冷地に向かってどんどん分布を広げる。 そのため、秋には個体数が増え、寒冷地でも見られるようになるが、寒さに弱いので越冬はできない。 幼虫の食草は、キク科のハハコグサ、ヨモギ、ゴボウなどで、成虫は各種の花を訪花して吸蜜する。 なお、アカタテハは花以外に樹液や腐果にも集まるが、本種は花以外には集まらない。 本種は、ヨーロッパでは大移動することが確認されている。 その距離、北は北極地方にほど近い所から南は熱帯の西アフリカまで実に15,000kmである。 北アメリカのオオカバマダラは渡りで有名であるが、その移動距離の倍近い距離になる。 夏の終わり頃、何百万匹という大集団になって渡りをするが、飛翔高度は500m以上と高空である。 また、渡りに都合の良い風を待ち、それに乗って平均時速45kmという高速で長旅をする。 そのため、大群であるにもかかわらず、渡りが人目に触れることはほとんどなかった。 また、この長旅は一往復を6世代に渡って行なわれるとされている。
2019/8/25
加治川の河川敷にペチュニアを見に行ったときに見かけたものです。 キタテハとは異なり、翅の色があせ、右側の後翅が一部欠けていています。 羽化後、長く自然の中を生き抜いてきた、歴戦の勇士といったところですね。 | ||||||||||||||
イチモンジセセリ(Polytremis pellucida)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・セセリチョウ上科・ セセリチョウ科・セセリチョウ亜科・イチモンジセセリ属> セセリチョウ科イチモンジセセリ属の蝶で、在来種。 日本では、ほぼ全国で見られるが、北海道ではあまり多くは生息していない。 海外では、朝鮮半島から中国、ヒマラヤ、ボルネオと広く分布する。 成虫で越冬するが、寒い地方では越冬できない。 全身が茶色一色で、前翅長は20o前後、後翅裏に横長の白紋が4つ、1文字状に並ぶ。 人家周辺から里山にかけて見られ、羽音を立てて敏速に飛ぶ。 幼虫の食草はイネやススキ等のイネ科やカヤツリグサ科の植物で、そのため、イネの害虫とされる。 成虫は年3〜5回、6月〜8月頃に発生し、南下して10月頃までいる。 雌雄差は少ないが、以下の点で識別可能である。
2017/7/30
星まつり会場からの帰路に立ち寄った畑で、カントウヨメナにいたイチモンジセセリです。 この当たりでは越冬できないので、移動してきたのでしょうか。翅が傷んでいます。 2018/8/25 2018/8/26 2018/8/26 2018/8/25 胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場で、ブタナの花にいたイチモンジセセリです。 2018/8/26 国道290号線 加茂市下土倉付近の側道脇で見かけたイチモンジセセリです。 雌雄の違いは前翅の形状で、メスの前翅先端は丸みを帯び、オスでは尖っています。 また、翅自体もメスの方が大きめで、腹端はそれほど出ていませんが、オスでは大きく飛び出しています。 上記の点から、今年撮影した個体は、どちらもメスと思われます。 ちなみに、2017年に撮影した個体は、前翅の尖り具合からみて、オスと思われます。 イチモンジセセリの雌雄差に関しては、下記を参照ください。
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コチャバネセセリ(Thoressa varia)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・セセリチョウ上科・ セセリチョウ科・セセリチョウ亜科・コチャバネセセリ属> セセリチョウ科コチャバネセセリ属に分類されるチョウの一種で、在来種。 日本では北海道から本州、四国、九州に分布するが、屋久島以南の南西諸島には見られない。 海外では、朝鮮半島に分布し、台湾には近縁種のキスジチャバネセセリが分布する。 前翅長は14〜19mmで、開張は30〜36mm。年2〜3回発生し、活動期間は5月〜9月。 体色は黒褐色。翅も黒褐色の地色で、基部に近い部分は黄褐色になるが、地域や季節で変異がある。 前翅表には小白斑が7個あり、後翅表には白紋が入らないか、または小さく不規則に入る。 翅裏面は黒褐色の地色に翅脈以外に黄褐色に鱗粉が乗り、翅脈が黒く浮かび上がる。 後翅裏には、楕円形の白紋が3個ある。地色や斑紋に雌雄差見られない。 ただし、オスは前翅表面2脈の基部から斜下方に向かって黒褐色の性票がある。 低地から高地まで広く分布し、林縁の笹薮などを敏速に飛び、いろいろな花で吸蜜する。 また、地上の湿地で吸水したり、鳥獣の糞や汚物などにも集まる。 幼虫はササやタケなどのタケ科植物の葉を食べ、葉の表面を内側にして巻き、筒状の巣をつくる。 その中で摂食するが、葉の基部から中央の主脈を残して規則正しく食べていく習性がある。 越冬期には、残した主脈を切って地上に落とし、その中で越冬し、早春に蛹化、羽化する。
2023/8/20
加茂市の外れにある駐車場、その対面で繁茂したオオハンゴンソウで、コチャバネセセリが吸蜜していました。 場所の関係でこのアングルでしか撮れず、この後飛んで行ってしまったので、他の写真はありません。 半分ほど見えている前翅表側の斑紋の並びから、コチャバネセセリと判断しました。 | ||||||||||||||
イカリモンガ(Pterodecta felderi)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・イカリモンガ上科・ イカリモンガ科・イカリモンガ亜科> イカリモンガ科イカリモンガ亜科に属する蛾の1種で、在来種。 日本では、北海道から本州、四国、九州とほぼ全国に分布する。 海外では、朝鮮半島から中国、台湾に分布する。 前翅長は18〜20oで、開張は35mm前後。出現時期は3月〜10月で、年2回発生する。 翅は黒褐色で、前翅に黄橙色の大きな斑紋があり、その形が錨に似ているのが和名の由来。 前翅裏の黄橙色の斑紋の凹み部分は暗褐色で、前縁に近い方はその中に白斑がある。 その白斑から基部側にも白斑が2個ほぼ等間隔で並ぶ。後翅裏の中央付近にも白斑がある。 前翅先端は尖り、その後方も出っ張っており、その2つの出っ張りの間が三日月形に白っぽくなる。 日中に活動し、翅を畳んで止まり、雌雄とも触角が細いなど、蛾というより蝶に近い特性を持つ。 オスの腹端にはヘアペンシルがあって、それを出してフェロモンを放出し、メスを吸引する。 幼虫は、イノデなどのオシダ科を食草とし、成虫で越冬する。
2024/8/25
胎内星まつり会場から芝生広場へ向かっているとき、オトコエシにイカリモンガが止まっていました。 シジミチョウの仲間のような大きさと色合いの蛾ですが、他の所でもたまに見かけます。 写真を撮って、さらに近づこうとしたときに飛ばれてしまいました。 少し奥の葉に止まったのですが近づけなくて、あまりアップで撮れませんでした。 | ||||||||||||||
オビガ(Apha aequalis)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・カイコガ上科・オビガ科> オビガ科に属する蛾で、国内では1属1種である。 日本では、北海道から本州、四国、九州、屋久島に、海外では中国に分布する。 開帳は45〜59oで、出現時期は6月中旬〜7月、8月下旬〜9月の年2化。 体色は茶褐色で、翅に筋模様があり、外横線は直線状で、その外側は暗褐色を帯びる。 外横線の内側にギザギザした横線が複数見られる。 触角は雌雄とも櫛歯状で、髭はオスの方が少し長い。色彩に変異があり、メスは淡色で大きい。 成虫は口が退化していて不食。幼虫はスイカズラ、ハコネウツギ、ニシキウツギなどを食べる。 終齢幼虫の体長は50mm前後で、全身に暗褐色〜淡褐色の長毛束を密生する。 危険を感じると胸部と腹部を持ち上げて、上半身を激しく振動させて威嚇する。
2024/8/25
胎内星まつり会場の帰路に立ち寄った松岡駐車場。そのトイレの壁に止まっていました。 見た事が無かったので、後で調べてオビガと分かりました。国内では1属1種だそうです。 この個体の開帳は50mm前後で、比較的大きいので目を引きます。 | ||||||||||||||
キンモンガ(Psychostrophia melanargia)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・シャクガ上科・ アゲハモドキガ科・Psychostrophia属> アゲハモドキガ科に分類される蛾の一種で、日本固有種。 日本では、本州から四国、九州に分布する。 出現期は、5月〜6月と8月〜9月の年2回。 開張は35mm前後で、翅は黒地に淡黄色の大きな紋があり、後翅の中央部は広く淡黄色。 紋の色は通常は淡黄色だが、白色のものも見られ、紋の大きさにも個体差がある。 幼虫は、リョウブの葉を食べ、体は白蝋状の物質で覆われている。 蛹化時、繭にこの物質を混ぜて白い繭を作り、蛹も白粉に覆われている。蛹で越冬する。
2018/8/25
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場。その周りを林が取り囲んでいます。 その林内で、オトコエシの花の上を動き回る黄色い模様がやたらと目立つ蛾を見かけました。 後で調べて、キンモンガと分かったのですが、黄色い紋が白色の個体も見られるそうです。 | ||||||||||||||
ナミスジコアオシャク(Idiochlora ussuriaria)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・シャクガ上科・ シャクガ科・アオシャク亜科> シャクガ科アオシャク亜科のガで、在来種。 日本では、北海道から本州、四国、九州、対馬、屋久島に分布する。 海外では、朝鮮半島からシベリア、中国に分布している。 出現時期は6月〜9月。開張は14〜20mm。 腹が紅くなくて、横線の縁取りも赤褐色味が全くない。 前翅内横線は大きく屈曲し、外横線はゆるく屈曲する。 横線は濃緑色で縁取られ、横脈上も濃緑色。 オスの触角は微毛状で、メスの触角は糸状である。 幼虫は、クリ、ノイバラ、ネムノキ、チャノキ、ウコギなどが食草である。
2024/8/25
胎内星まつり会場の帰路に立ち寄った松岡駐車場。そのトイレの壁に止まっていました。 似た色合いのものが多いので、後で調べて内外横線の特徴からナミスジコアオシャクとしました。 開帳が20mmもない小型の蛾ですが、色合いが綺麗なので目に留まりました。 | ||||||||||||||
リンゴツノエダシャク(Phthonosema tendinosarium (Bremer, 1864)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・シャクガ上科・ シャクガ科・エダシャク亜科・Phthonosema属> シャクガ科エダシャク亜科に属する蛾で、在来種。 日本では、北海道から本州、四国、九州、対馬、屋久島、奄美大島に分布する。 海外では、朝鮮半島から中国東北部、ロシア南東部に分布する。 開帳は、オスで40〜52o、メスで55〜62o、出現時期は5月〜9月である。 体色は淡褐色で、前翅に波打った外横線と内横線があり、外横線の外側は赤褐色を帯びる。 内横線の内側も赤褐色を帯び、左右の内横線と褐色部は胸部につながってる。 後翅は外横線のみで、その外側も赤褐色を帯びる。外横線の内側は灰褐色である。 なお、地域ごとに色調に変異があり、一般的に寒地から暖地になるにつれ濃くなる傾向がある。 触角はオスは櫛歯状で、メスは糸状である。 成虫は樹液などを吸汁し、幼虫はヤナギ科、ブナ科、ニレ科、バラ科、カエデ科などを食べる。 終齢幼虫の体長は55mm前後の褐色のシャクトリムシで、頭部に1対の角のような突起がある。
2024/8/25
胎内星まつり会場の帰路に立ち寄った松岡駐車場。そのトイレの壁に止まっていました。 見た事が無かったので、後で調べてリンゴツノエダシャクと分かりました。 開帳は50mmほどで、触角が櫛歯状なのでオスと分かりました。 | ||||||||||||||
シラホシヒメスカシバ(Paranthrenopsis editha)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・スカシバガ上科・ スカシバガ科・ヒメスカシバ亜科> スカシバガ科・ヒメスカシバ亜科に属する蛾で、在来種。 日本では、本州から四国、九州、対馬に分布する。 開張は、オスで22〜26o、メスで23〜27oになる。 前翅には中室に細短い透明紋が1個、中室外方に2〜3個の透明紋があり、雌雄で斑紋の違いはない。 後翅は、前翅と異なり外縁や翅脈を除いて、ほぼ透明である。 後胸前縁両側には黄色の毛束があり、腹部の真ん中辺りに黄色の斑紋がある。 オスの腹端には、黒褐色で先端は橙黄色の尾端総毛が扇状に広がる。 本種には、静止時に前肢ほぼ真上に持ち上げたポーズをとる習性がある。 発生時期は7月〜8月で、成虫は山間部の林道や登山道で見られることが多い。 幼虫の食草の詳細は不明だが、シソ科のアキチョウジやクロバナヒキオコシに産卵が確認されている。
2018/8/25
奥胎内ヒュッテの近くを散策中、葉の上に止まっているハチのようなものに気が付きました。 近寄って、よく見ると、ハチではなくスカシバガのようでした。が、前脚を上げた奇妙な格好です。 後で調べると、シラホシヒメスカシバで、腹端の扇状の毛束からオスと分かりました。 スズメバチに擬態しているという話がありますが、配色などは似ていますね。 | ||||||||||||||
サザナミスズメ(Dolbina tancrei Staudinger, 1887)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・スズメガ上科・ スズメガ科・スズメガ亜科・スズメガ族・Dolbina属> スズメガ科・スズメガ亜科に属するスズメガの1種で、在来種。 日本では、北海道から本州、四国、九州に、島嶼部では対馬、石垣島、西表島に分布する。 海外では、朝鮮半島から中国北東部、シベリア南東部に分布する。 開張は50〜80oになり、暗灰色〜黒褐色で波型の模様があり、翅の中央付近に白斑がある。 雌雄差はあまりないが、触角がオスでは太く繊毛状で、メスは細くて各小節に微毛がある。 発生時期は5月〜6月と7月〜9月の年2回で、成虫は樹液に集まる。 幼虫の食草は、モクセイ科のモクセイ、イボタノキ、トネリコ、ネズミモチなどである。 終齢幼虫は体長70oほどになり、土中に潜って蛹で越冬する。 見た目が似たヒメサザナミスズメいるが、開張が40〜60oと明らかに大きさが異なる。 また、腹部腹面がヒメサザナミスズメは灰色であるが、本種は白くて中央には黒紋が並ぶ。
2024/8/25
胎内星まつり会場の帰路に立ち寄った松岡駐車場。そのトイレの壁に止まっていました。 見た事が無かったので、後で調べるとサザナミスズメかヒメサザナミスズメと分かりました。 ただ、この2種に関しては、腹部腹面の黒斑の有無が識別する方法との事。 今となっては腹面の確認は不可能なので、大きさで判断するしかないようです。 前翅長が30mm前後あるので、開帳は60〜70oほどと推測されます。 また、撮影場所が田園地帯のど真ん中なので、山地性のヒメサザナミスズメではないと判断しました。 ただ、確証がないので間違っている可能性はあります。 | ||||||||||||||
ヒメシャチホコ(Stauropus basalis)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・ヤガ上科・ シャチホコガ科・ウチキシャチホコ亜科> シャチホコガ科ウチキシャチホコ亜科に属するガで、在来種。 日本では、北海道から本州、四国、九州、対馬に分布する。 海外では、ロシア南東部、朝鮮半島から中国中部、台湾、ベトナムに分布する。 成虫が見られるのは5月〜6月と8月で、年2化である。 開帳はオスで36〜40mm、メスで46mm前後である。 前翅の内・外横線は赤茶色で、外横線は二重になっている。 外横線の内側は淡褐色で、外側は黒褐色。触角は、オスは羽毛状で、メスは糸状である。 幼虫は、一般的なイモムシとは異なり、中・後脚が細長い独特な形態をしている。 4対の腹脚で支えて頭部と尾部を大きく反り変えさせる体勢が、シャチホコに似ているのが和名の由来。 シャチホコガなど似たものとは、体色が暗褐色である点、第1腹脚側面の黒色斑がある点で区別できる。 成虫は餌を食べず、幼虫はハギの仲間、ハリエンジュ、ナワシロイチゴ、ハシバミを食草とする。
2024/8/24
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の外れにある小さな沼。その畔で見かけました。 写真では見たことがあるのですが、実物を見たのは初めてになります。 中・後脚が細長く、とてもイモムシには見えません。調べるとヒメシャチホコの方でした。 和名のシャチホコは、幼虫のこのポーズを城郭の鯱に見立てたものです。 | ||||||||||||||
シロヒトリ(Chionarctia nivea)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・ヤガ上科・ ヒトリガ科・ヒトリガ亜科> ヒトリガ科ヒトリガ亜科に属するガの一種で、在来種。 日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。 海外では、朝鮮半島から中国、シベリア、樺太に分布する。 開張は60o前後になり、全体に白い翅を持つ。脚の根元は赤い。 幼虫の食草は、クワ、スイバ、タンポポ、イタドリなどで、体色は黒褐色。毒針毛は持たない。 成虫は、敵が近づくと羽を広げて威嚇する。オスはフェロモン放出器官であるヘアペンシルを持つ。
2015/8/21
国道290号線の新発田の少し手前にある松岡駐車場。そのトイレの外で見かけました。 トイレの外壁や通路にたくさん止まっていたので、どこかで大発生したのでしょう。 最初に見た時、アメリカシロヒトリかと思ったのですが、調べてみると本種でした。 翅も体も真っ白で、脚の1面だけが真っ赤なのが新鮮でした。 | ||||||||||||||
シロヒトリ(Chionarctia nivea)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・ヤガ上科・ ヒトリガ科・ヒトリガ亜科> ヒトリガ科ヒトリガ亜科に属するガの一種で、在来種。 日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。 海外では、朝鮮半島から中国、シベリア、樺太に分布する。 開張は60o前後になり、全体に白い翅を持つ。脚の根元は赤い。 幼虫の食草は、クワ、スイバ、タンポポ、イタドリなどで、体色は黒褐色。毒針毛は持たない。 成虫は、敵が近づくと羽を広げて威嚇する。オスはフェロモン放出器官であるヘアペンシルを持つ。
2015/8/21
国道290号線の新発田の少し手前にある松岡駐車場。そのトイレの外で見かけました。 トイレの外壁や通路にたくさん止まっていたので、どこかで大発生したのでしょう。 最初に見た時、アメリカシロヒトリかと思ったのですが、調べてみると本種でした。 翅も体も真っ白で、脚の1面だけが真っ赤なのが新鮮でした。 | ||||||||||||||
オニベニシタバ(Catocala dula)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・ヤガ上科・ ヤガ科・シタバガ亜科> ヤガ科シタバガ亜科に属するガの一種で、在来種。 日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。 海外では、朝鮮半島から中国、樺太に分布する。 開張は65〜70oほどで、前翅は濃褐色地に、白色・淡褐色の帯や紋が複雑に入っている。 上翅の変異は大きく様々な模様の個体が存在する。後翅は朱色で2本の黒帯がある。 日本にいる後翅が朱色の3種の中では、最も濃くて色鮮やかである。 3種とはエゾベニシタバ、ベニシタバ、オニベニシタバで、エゾベニシタバは赤、ベニシタバはピンク。 3種の中では最も体形が小さく、木に止まっている時は少し太めの三角形をしている。 しかし、驚くと後翅の派手な色を見せることにで威嚇する。
2017/7/29
星まつり会場脇の林の中で、松の木に止まっている本種を見つけました。 近づいたときに翅を広げて威嚇してきたので、気が付いたものです。 さらに近づくと、逃げられました。 2023/8/19 星まつり会場のディ−プスカイエリアの外れにある小さな沼。 その畔を歩いていたとき、目の前を何か赤い物が横切っていき、近くの樹に止まりました。 近づいてみると赤い後翅が見えたので、以前見かけたオニベニシタバであろうと思いました。 さらによく見ると、すぐ右手の方にも1匹止まっており、どうやらそれをめがけて飛んできたようです。 おそらく、元から居たのがメスで、その性フェロモンに引かれて、オスが飛んできたのではないでしょうか。 ただ、後から飛んできた個体の翅の斑紋は、オニベニシタバの特徴的な斑紋とよく合っていますが、 元からいた方の翅の斑紋は、飛んできたものより白っぽくて、斑紋も若干異なります。個体差なのでしょうか。 | ||||||||||||||
ツメクサガ(Heliothis maritima)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・ヤガ上科・ ヤガ科・タバコガ亜科・Heliothis属> ヤガ科タバコガ亜科に分類される蛾の一種で、在来種。 日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。 海外では、朝鮮半島から中国、ロシア、モンゴル、中央アジア、インド北部からヨーロッパに分布する。 開張は35mm前後で、前翅は灰黄色で、環状紋、腎状紋は黒褐色で大きい。 後翅は淡黄色で、基部から中央部にかけて大きな黒色の斑紋がある。 昼行性の夜蛾で、日中に活動し、よく花で吸蜜する。 幼虫の食草は、ムラサキツメクサ、ヤグルマギク、テンサイ、ダイズなど。 若齢時は葉に小さな穴を開ける程度だが、中齢以上になると葉脈を残して葉を広く食害する。 老熟幼虫になると、葉ばかりではなく、若莢や肥大した子実までも食害する。 老熟幼虫は体長30〜40mmで、体色は緑色と淡黄褐色の2型がある。 頭部は淡褐色で、数10個の小黒点があり、胴部背面には7本のうすい線がある。
2018/8/23
加茂市、薬師山の麓にある駐車場の脇の草原で、動き回っているのを見かけました。 ただ、地味な翅の模様のため似たものが多く、同定にはかなり苦労しました。 結果的に、後翅の淡黄色の模様から本種と確認できました。 | ||||||||||||||
アオイトトンボ(Lestes sponsa)
<トンボ目・イトトンボ亜目・アオイトトンボ上科・アオイトトンボ科・アオイトトンボ属>
アオイトトンボ科アオイトトンボ属のトンボで、在来種。 日本では、北海道から本州、四国、九州に分布するが、小笠原諸島、南西諸島にはいない。 海外では、ヨーロッパ、朝鮮半島から中国、ロシアに分布する。 体全体が金緑色をした美しいイトトンボで、体長はオスで34〜48o、メスで35〜48mm。 腹長はオスで25〜37mm、メスで26〜35mm、後翅長はオスで18〜25mm、メスで20〜27mm。 成虫の出現時期は5月下旬〜10月下旬で、産卵は8月以降に行われ、卵で越冬する。 平地から山地の抽水植物が生育する明るい池沼、湿地に生息し、水辺のガマやイグサなどに産卵する。 なお、交尾は朝から午後までの間に行われ、連結した状態で産卵する。潜水産卵も行われる。 オオアオイトトンボに似るが、以下の点で区別することができる。
2017/7/29
星まつり会場のディープスカイエリアの外れにある小さな沼。その畔で見かけました。 最初、以前見かけたオオアオイトトンボと似ていて、てっきりそうだと思っていました。 後で写真を拡大した時、胸部の金属光沢部の形状が異なることに気づき、アオイトトンボと分かったものです。 2024/8/24 <メス> 2024/8/25 <オス> . 胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の外れにある小さな沼。その畔で見かけました。 どちらも胸部周辺にも白粉が吹いているので、アオイトトンボです。 右側は明らかにオスと分かるのですが、左側は腹端がピンボケで形状がはっきりしません。 ただ、胸部周辺に白粉が吹いているのに、腹端背面に白粉が見えない点からメスと判断しました。
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オオアオイトトンボ(Lestes temporalis)
<トンボ目・イトトンボ亜目・アオイトトンボ上科・アオイトトンボ科・アオイトトンボ属>
アオイトトンボ科アオイトトンボ属のトンボで、日本のアオイトトンボ属では最大種。 日本では、北海道南部から本州、四国、九州と広範囲に分布する。海外では、ロシアに分布する。 体全体が金緑色をした美しいイトトンボで、体長はオスで40〜55o、メスで40〜50mm。 腹長はオスで30〜43mm、メスで31〜39mm、後翅長はオスで21〜27mm、メスで23〜30mm。 成虫は5月中旬くらいから羽化が始まり、11月くらいまで見られる。 水面に覆いかぶさった木の樹皮に産卵するため、水際に木立のある池沼や湿地に生息している。 アオイトトンボに似るが、以下の点で区別することができる。
2017/7/29
星まつり会場のディープスカイエリアの外れにある小さな沼。その側で見かけました。 木陰から出てくれなかったので、発色がちょっと悪いです。 右の写真では、中央がオスで、その両サイドにメスが止まっています。 | ||||||||||||||
オオイトトンボ(Paracercion sieboldii)
<トンボ目・イトトンボ亜目・イトトンボ上科・イトトンボ科・イトトンボ亜科・クロイトトンボ属>
イトトンボ科クロイトトンボ属のトンボで、日本固有種。 日本では、北海道から本州、四国、九州、また、いくつかの離島でも確認されている。 日本海側に多く分布し、同属他種よりも自然度が高く、水深の浅い池沼や湿地・水田で見られる。 名前にオオと付くが、それほど大きくはなく、体長はオスで27〜38mm(腹長21〜30mm)、 メスで28〜42mm(腹長19〜33mm)である。 体色は、淡青色(オスとメス)か淡緑色(メスのみ)で、黒色の斑紋がある。 眼後紋は大きく、その間にある後頭条も明瞭で、胸部側面に見られる肩縫線の黒条内に淡色部がない。 見た目が、ムスジイトトンボやセスジイトトンボに酷似しており、同定には注意を要する。
2024/8/24
星まつり会場のディープスカイエリアの外れにある小さな沼で見かけました。 撮ったときにはアオモンイトトンボだと思っていたのですが、後で拡大して違うことが分かりました。 斑紋などの特徴からクロイトトンボ属のどれかだと分かりましたが、斑紋等の確認が必要です。 まず、大きな眼後紋が見えているので、クロイトトンボやムスジイトトンボではなさそうです。 後頭条はあるようなのですが、不鮮明ではっきりしません。 肩縫線上の黒条に淡色部があるかどうかですが、淡色部が見えないのでオオイトトンボと判断します。 | ||||||||||||||
ハグロトンボ(Somatochlora uchidai)
<トンボ目・イトトンボ亜目・カワトンボ上科・カワトンボ科・カワトンボ亜科・アオハダトンボ属>
日本を含め、東アジア、北米に生息している。 日本では、本州・四国・九州に生息している。 体長60mm前後、後翅長は40o前後ある。雌雄差は大差ないが、若干、メスの方が大きめ。 体色は、オスは全体的に黒くて緑色の金属光沢があるのに対し、メスには金属光沢がない。 飛び方にも特徴があり、パタパタとゆっくりと羽ばたくように飛ぶ。 止まる時には、翅を立てて、4枚の翅を重ねて閉じる。 エビモ、バイカモなどの沈水植物などが茂る緩やかな流れに生息する。 羽化直後は、薄暗い所を好み、水域を離れた林内などに移動するが、成熟すると水域に戻ってくる。
2009/8/30
新発田市郊外を避けて田んぼの中を抜ける際、用水路で見かけたハグロトンボです。 数匹のハグロトンボがフワフワと飛んでは、草に止まるのを繰り返していました。 左側の腹部が黒っぽい方がメスで、右側の腹部が緑色の金属色の方がオスになります。 2016/8/28 以前、ハグロトンボを見かけた用水路に、久しぶりに立ち寄ってみました。 やはり、何尾かのハグロトンボが飛び交っていました。 以前見た時と異なり、尾端を上に持ち上げて、かなり激しく飛び交っています。 よく見ると全てがオスでした。どうやら、オス同士が縄張り争いをしているようです。 | ||||||||||||||
アキアカネ(Sympetrum frequens)
<トンボ目・トンボ亜目・トンボ上科・トンボ科・アカネ亜科・アカネ属> トンボ科アカネ属のトンボで、日本では全国でふつうに見られる。 日本の固有種で、極東アジアからヨーロッパにかけては、近縁種のタイリクアキアカネが分布する。 ナツアカネと異なり、夏には平地から高地に移動し、秋に成熟して平地に戻ってくる。 夏場の未成熟期は橙色の体色であるが、秋の深まりとともに成熟して赤い体色になる。 特にオスは赤くなるが、ナツアカネと異なり、胸や頭部までは赤くならない。
2016/8/26
谷川岳PAでたくさんのアキアカネが飛んだり、翅を休めたりしていました。 最初、近づくと逃げられ、ナツアカネかアキアカネか判断できませんでした。 何度かトライして、やっと1匹、手で捕えることが出来たので本種と分かりました。 近くの草の茎に翅を挟んで撮影したのが、右端の写真です。撮影後は、もちろん、放しました。 見ての通り、腹部第2節に副性器がないので、この個体はメスです。 この撮影をして、初めてメスの腹部下面はかなり毛深いと気が付きました。 2019/8/22 奥胎内ヒュッテの近くを散策している際、非常にたくさんのアキアカネに出会いました。 細かい雨が降っていたこともあり、葉やワイヤーなどに止まっているものがほとんどでした。 そのため、右の写真のようにあちらこちらにびっしりと集まって止まっていました。 | ||||||||||||||
ナツアカネ(Sympetrum darwinianum)
<トンボ目・トンボ亜目・トンボ上科・トンボ科・アカネ亜科・アカネ属> 日本では、北海道から四国・九州にかけて広く生息している。 日本以外では、朝鮮半島から中国中部、台湾に生息している。 アキアカネと異なり、夏も平地で見られる。 夏場の未成熟期は橙色の体色であるが、秋の深まりとともに成熟して赤い体色になる。 特にオスは全体が赤くなり、まさに赤トンボの名にふさわしい色になるが、メスは腹部の上面のみ赤くなる。
2017/7/29
星まつり会場から少し離れた芝生広場の脇にある池の側で見かけました。 翅の後ろになっていて見にくいですが、胸部の黒い縦筋の形状からナツアカネとしました。 2018/8/25 胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場、その縁で見かけたナツアカネのメスです。 2017年に撮った写真は、翅を通しての画像だったので不明瞭な所がありました。 今年は、胸の3本線をはっきりと確認できるように撮影できました。 ちなみに、この個体は腹部第2、3節に副性器がないメスで、昨年撮った個体は副性器があるオスです。 昨年撮ったオスは未成熟なため橙色の体色ですが、今年撮ったメスは成熟して赤くなっています。 とはいっても、オスのように複眼から胸部、腹部が真っ赤になるようなことはありません。 2023/8/19 2023/8/20 8/19は、星まつり会場から少し離れたディープスカイエリア、その外れの小さな沼で見かけました。 周囲を林に囲まれていて、薄暗い所に止まっていたので露光アンダー気味です。 3本の黒条の内、中央のものが途中で止まっており、副性器が見えるので、ナツアカネのオスです。 8/20は、加茂市の外れにある駐車場脇の湿地で見かけました。 光線の加減でかなり毛むくじゃらに見えますが、副性器がないナツアカネのメスです。 今年は、まだ、ナツアカネにしか出会っていません。例年ならアキアカネもいるはずなのですが。 今年は暑い日が続いているので、まだ、高山から降りてきていないのかもしれませんね。
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ノシメトンボ(Sympetrum infuscatum)
<トンボ目・トンボ亜目・トンボ上科・トンボ科・アカネ亜科・アカネ属> トンボ科アカネ属のトンボで、在来種。 日本では、北海道から本州、四国、九州や周辺の離島に広く分布する。 海外では、朝鮮半島から中国北部、ロシア沿海州に分布する。 体長は37〜52mm、腹長は22〜35mm、後翅長は25〜39mmで、雌雄差はほとんどない。 アキアカネと並んでよく見られるアカネ属の普通種で、赤トンボの仲間ではもっとも大型種。 ただ、成熟してもオスの腹部背面が暗赤色に変化する程度で、メスはほとんど変わらない。 特徴は、腹部の黒い熨斗目模様に似た模様と翅先端の褐色斑だが、褐色斑は変異が大きい。 成虫は6月下旬頃から11月下旬頃まで、平地から低山地で、林地近くの開けた沼地や水田に多い。 リスアカネやコノシメトンボ、マユタテアカネは似ているが下記の点で識別できる。
2009/8/28
新発田の田んぼ脇で田園風景を撮っていたとき、近くで翅を休めている赤トンボを見かけました。 道路側にお尻を向けていたので、側面を撮ろうと横に回ると、見事な逆光。 露光をオーバー気味にして撮ったのですが、それでも模様は黒つぶれして撮れていませんでした。 そこで、強烈な覆い焼きを行ったのが下段で、右下はそれを拡大したものです。 腹部第2節に副性器があるので、この個体はオスです。 翅先端に褐色斑がある種は限られ、マユタテアカネはメスのみ褐色斑があるので除外となります。 腹端の上付属器は上に反っていないので、上に反り上がるコノシメトンボも除外となります。 腹部を見ると上面は赤くなっていますが、側面は黒いことからノシメトンボと思われます。 さらに、胸部第1黒条(3本の内の中央)は上面に達していて、この2点でノシメトンボと判断しました。 2023/8/19 星まつり会場から少し離れたディープスカイエリア、その外れの小さな沼で見かけました。 胸部第1黒条は上縁に達し、第2黒条とは繋がっていませんので、ノシメトンボのオスです。 腹部は背面だけが赤くなって側面は黒く、腹端の上付属器が上に反っていないのも合っています。 2024/8/25 今年も昨年と同じ沼の畔でノシメトンボに出会えました。 今年見かけたのは、副性器がなく、腹面が白く粉を吹いたようになっているのでメスです。 | ||||||||||||||
ミヤマアカネ(Sympetrum pedemontanum elatum)
<トンボ目・トンボ亜目・トンボ上科・トンボ科・アカネ亜科・アカネ属> トンボ科アカネ属のトンボで、俗に言うアカトンボの仲間です。 日本では、北海道から本州、四国、九州と全国で見られる。 海外では、ヨーロッパから中国東北部にかけて、原名亜種のヨーロッパミヤマアカネが分布する。 翅の縁紋内側にある褐色の太い帯と、翅脈まで色づくのが特徴で、他には少ないので識別はしやすい。 胸部側面はほぼ無斑で、翅の褐色帯の太さには個体差があり、寒冷地のものは褐色帯が狭くなる傾向がある。 成虫は7月上旬頃〜11月頃まで、低山地から高地まで見られる。 未熟なうちは雌雄とも体色は黄褐色をしているが、成熟した雄は、翅脈や縁紋まで全身が赤化する。 雌は橙色が濃くなる程度であるが、なかには縁紋が赤化する個体もある。
2017/7/30
星まつり会場から少し離れた芝生広場の脇にある池の側で見かけました。 翅に褐色帯があり、翅脈まで色づくのは、コフキトンボの一部のオスくらいなので、見分けやすい。 2018/8/25 胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場、その縁で見かけたミヤマアカネのメスです。 2017年に撮った個体は、尾端に上付属器が見られるので、未成熟なオスです。体色が橙色で、初々しいです。 一方、今年撮った個体は尾端に尾毛が見られるメスで、色が濃い成熟個体です。オスのように赤くはなりません。 | ||||||||||||||
ハッチョウトンボ(Nannophya pygmaea)
<トンボ目・トンボ亜目・トンボ上科・トンボ科・ハッチョウトンボ属> トンボ科ハッチョウトンボ属に属するトンボの1種で、日本で最も小さなトンボである。 日本では、本州から四国、九州に分布するが、離島では生息が確認されていない。 海外では、商船半島から中国、台湾から東南アジアの熱帯地域に広く分布している。 近年のDNA分析により、地域によって大きな差異が確認されており、再分類される可能性もある。 体長はオスが17〜21mm、後翼長12〜16mm、メスが17〜21mm、後翼長13〜16mm。 雌雄とも羽化直後は橙褐色であるが、成熟に伴い雌雄で体色が変わる。 オスは、成熟に伴って赤味をおび、20日ほどで複眼から腹端まで鮮やかな赤色となる。 また、翅の基部も橙赤色を帯びて、きれいなグラデーションが現れる。 一方、メスは成熟に伴って淡黄色になり、腹部には淡黄色、橙色、黒色の縞模様が現れる。 翅の基部も淡い橙色を帯びるが、オスと比べるとかなり淡い。 平地から丘陵地・低山地にかけての湿地などに生息しているが、極浅い水域を好む。 成虫の出現時期は5月〜9月で、オスは小さな縄張りを持ち、静止してメスを待つ。
2019/8/22
ハッチョウトンボは、加茂市の薬師山麓にある駐車場脇で見かけたものです。 草むらの中に赤い物がちらほら見えたので、何かと近づくとトンボでした。 写真でしか見たことがないハッチョウトンボでした。真っ赤な体色なので、オスですね。 たしかに、日本最小といわれるだけあって、体長は2cmにも満たない大きさです。 幼虫が生息するのは極浅い水域で、この駐車場の斜面には常に水が流れる湿地があり、条件は合います。
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シオカラトンボ(Orthetrum albistylum speciosum)
<トンボ目・トンボ亜目・トンボ上科・トンボ科・ヨツボシトンボ亜科・シオカラトンボ属>
2013/8/25 2018/8/23
日本では、北海道から四国・九州にかけて広く生息している。
日本以外では、朝鮮半島から中国、台湾、極東ロシアに分布している。 成熟すると雄は体色が黒くなり、胸から腹部の頭部側に白い粉を噴いたようになるのでこの名がある。 未成熟なオスやメスは、黄色に黒の模様が入るので、ムギワラトンボと呼ばれる。 コフキトンボよりスリムで、腹部第4節にヒダがないことで区別できる。
2013/8/25 国道290号線の加茂市、薬師山の麓にある駐車場で見かけたシオカラトンボのオスです。
同じような色合いの岩の上に止まっていたので、近づくまで気が付きませんでした。 2018/8/23 同じ駐車場で見かけたシオカラトンボのメスです。 ムギワラトンボの別名で呼ばれるように、オスとは異なる黄色い体色に黒の模様があります。 なお、オスとメスでは体色以外に、尾端の形状(上、下付属器か尾毛)が異なります。 | ||||||||||||||
オニヤンマ(Anotogaster sieboldii)
<トンボ目・トンボ亜目・トンボ下目・オニヤンマ上科・ オニヤンマ科・オニヤンマ属・オニヤンマ種> オニヤンマ科オニヤンマ属に分類されるトンボで、日本最大のトンボである。 日本では、北海道から本州、四国、九州、八重山諸島まで、広く分布している。 海外では、朝鮮半島から中国、シベリア、タイワンに分布している。 出現時期は6月〜9月で、3〜4年1化と幼虫期間が3かr4年と長く、幼虫で越冬する。 体長はオスで82〜103mm、メスで91〜114mmで腹端に長い産卵弁がある。 体色は黒の地色に黄色い環紋があり、眼は緑色である。 なお、和名は、この黒と黄色の縞模様をオニのパンツに見立てたのが由来だそう。
2023/8/19
オニヤンマは、メイン会場横の道路で、2匹が絡み合っていた所に車が来てぶつかったそう。 友達がそれを拾ってきたのですが、ぶつかった衝撃で、複眼の片方がつぶれていました。 腹端に長く突き出た産卵弁がありますので、この個体はメスですね。 それにしても、オニヤンマも交通事故に遭うとは。もう1匹の方に気を取られていたのでしょうか。 | ||||||||||||||
オオルリボシヤンマ(Aeshna nigroflava)
<トンボ目・トンボ亜目・ヤンマ上科・ヤンマ科・ルリボシヤンマ亜科・ルリボシヤンマ族・ルリボシヤンマ属>
ヤンマ科ルリボシヤンマ属では最大種で、北海道から本州、九州に分布する在来種である。 日本では、北海道から本州、九州に分布し、南西に行くほど生息域の標高が高くなる。 主に寒冷な湿原や池、沼などで、挺水植物(ガマ、ヨシなど)が繁茂する所に生息する。 オスは全長76〜94mm、腹長53〜63mm、後翅長49〜60mmで、 メスは全長76〜93mm、腹長54〜69mm、後翅長50〜63mmである。 オスは成長すると斑紋が青色となり、メスの斑紋には青色型と緑色型の2種類がある。 ルリボシヤンマに似ているが、本種が開けた場所にいるのに対し、ルリボシヤンマはうす暗い池などにいる。 また、オオルリボシヤンマでは胸部斑紋上部が大きく飛び出しており、その形状の違いからも判別できる。
2015/8/22
星まつり会場から少し離れたディープスカイエリア、その手前の通路で見かけました。 縄張りの哨戒飛行なのでしょうか、同じ場所をウロウロしていてなかなか止まりません。 流し撮りで撮ろうとしたのですが、早すぎて追いきれず、ピントも合いません。 なんとか見られる程度に撮れたのはこの1枚のみで、ピンボケのため半ば同定は煌めていました。
2023年に実家近くの網引湿原で見かけたサナエトンボを調べていて、似ている事に気が付きました。
どうやらルリボシヤンマかオオルリボシヤンマのどちらからしいと思われ、 胸部の黒条が細いのですが、腹部の青い斑紋の特徴からオオルリボシヤンマとしていました。 しかし、下記の撮影をしたとき、友達がこの辺りにはクロスジギンヤンマがいると一言。 気になって調べた結果、気になっていた胸部の黒条の細さは、クロスジギンヤンマの方が似ています。 オオルリボシヤンマは樹林に囲まれた抽水植物や浮葉植物の繁る大きめの池沼を好むのに対して、 クロスジギンヤンマは樹林に囲まれた小規模な浮葉植物の繁茂する池沼を好み、この点でも合います。 上記の点から、オオルリボシヤンマではなく、クロスジギンヤンマに変更することにしました。 しかし、2024年に、同じ沼でより明瞭な写真を撮ることができました。 その写真では胸部の斑紋もなんとか見えましたので、再び、オオルリボシヤンマに変更しました。 2023/8/19 星まつり会場から少し離れたディープスカイエリア、その外れにある小さな沼で見かけました。 前回より写りが悪いのですが、かろうじて胸部の黒条と腹部の水色の斑紋が識別可能です。 中段は、同じ沼の畔で見かけた同じ種類とみられるヤゴの抜け殻で、なぜかペアになっていました。 頭部や腹部の幅が、胸部とさほど変わらない細身の体系ですが、腹部が伸びきっているためでしょうか。 太めのオオルリボシヤンマよりは、細めのクロスジギンヤンマの方が似ているかもしれません。 下段は、各々上記の写真の腹部と頭胸部辺りを拡大したものです。 右の写真で、下唇の基部が中脚を越えている点で、ルリボシヤンマではないことが分かります。 腹部第6節のオオルリボシヤンマの側棘が明瞭で、クロスジギンヤンマは短くて明瞭ではありません。 左の写真の赤矢印は腹部第6節で、見づらいですが第7節ほどではないが側棘が尖って見えます。 これらの点や、成虫を同じ場所で見ていることから、オオルリボシヤンマのヤゴの抜け殻と判断しました。 2024/8/24 左側はディープスカイエリアへの途中、通路脇の林縁を飛んでいたものです。 相変わらず動きが俊敏でなかなか撮れず、最もましだったのがこの写真です。 右側は沼の畔で撮ったものですが、こちらもピントが追いきれず、これがベストショットでした。 写真が明瞭ではないのですが、縄張りの哨戒飛行をしているので、どちらの個体もオスだと思われます。 <オス> 2024/8/25 <メス> 上段左は沼の畔で産卵しようとしているメスと、他のオスが来ないように警戒しているオスです。 上段右は産卵中のメスと、同じく他のオスが来ないように警戒しているオスです。 上記の写真の胸部を拡大したものですが、オスのピントは甘いのですが、胸部の斑紋が確認できます。 見づらいですが、右のメスの写真同様、胸側の前の方の淡色条の上端が後ろに幅広く飛び出しています。 これがオオルリボシヤンマであることの確証で、この点でオオルリボシヤンマと同定しました。 |