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月光環(moon corona)

日時 11月28日 19:55頃
撮影地 神奈川県相模原市
撮影機材 Nikon D700
AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G



光環は、太陽でも月でも見られる大気現象で、薄い雲がかかった時に見られます。
この日、自宅に近づいたとき、月が薄い雲に入って行き、きれいな光環が現れました。
急いで自宅に戻り、撮影準備をして外に出たときには、雲が厚く垂れこめ、ぼんやりと月が見えるだけ。
上空の雲の下に、低層雲が入り込んでしまったためでした。
雲が流れていたので、通過するのをひたすら待って撮影したのが、これらの写真です。
撮影しているうちに、上空の雲も移動していき、20時頃には、光環も見られなくなりました。



ほぼ真丸の光環
2012/11/28 19:54
Nikon D700 [ISO:2000、露出補正:-0.3ステップ、1/5sec.]
AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G [f/8]

上層の雲が薄くなり、光環が大きく見えたときの写真です。
左45度下に木星がうっすらと見えます。

手袋のような光環
2012/11/28 19:58
Nikon D700 [ISO:2000、露出補正:-0.3ステップ、1/2sec.]
AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G [f/8]

上層の雲も端の方になり、隙間が見え始めました。
そこに光環が重なって、4本の指のように見えます。
そのため、手袋のような形をした光環になりました。

光環が半分に
2012/11/28 19:59
Nikon D700 [ISO:2000、露出補正:-0.3ステップ、1/2sec.]
AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G [f/8]

月が上層の雲の端の方になり、光環も半分になりました。
光環が見えるのももう少しの間だけです。

光環消失
2012/11/28 20:01
Nikon D700 [ISO:2000、露出補正:-0.3ステップ、1/10sec.]
AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G [f/8]

月が上層の雲から出てしまい、光環も消失しました。
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光環とは?


光環は、太陽や月に薄い雲がかかった時、その周りに青白い円盤状の光芒ができる大気現象です。
光芒の縁は赤っぽい色が付き、上記の写真のようになります。
この現象は、水滴などの粒子で、光が回折する(回り込む)ことで起きます。
粒子が小さいほど回折角度が大きくなるので、光環の直径は大きくなります。
また、光の波長が長い(赤い)ほど、大きな角度で回折するため、外周が赤で、内側になるほど紫になります。
ただ、粒子の大きさが不ぞろいだと、回折角度がバラバラになり、光が混じりあうことになります。
すると、縁の色がはっきりしない青白い光芒になります。
このような色のはっきりしない光環や、中心付近の青白い光芒をオーレオール(aureole)と言います。

なお、水滴以外で、黄砂や杉花粉などが大量に飛散しているときにも見られます。
火山の噴火で吹き上げられた微粒子で、光環が見られたという報告もあります。

光環と同じような現象に、太陽な月の周りに光の輪ができる暈(かさ)があります。
光環と異なり、太陽や月から離れた位置にリング状に現れます。
また、光環とは逆に、内側が赤で、外側に行くほど紫の順になります。
これは、光環が光の回折による現象なのに対し、暈は氷晶による光の分散による現象だからです。
そのため、暈は高度の高い巻層雲や高層雲が太陽や月にかかったときのみ見られる現象です。

以上の説明を絵にしてみました。


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