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STAR FESTIVAL'12 原村 星まつり

開催日 2012/8/3(金)〜8/5(日)
開催地 長野県諏訪郡原村17217番地1613 八ヶ岳自然文化園



今年も原村星まつりに参加してきました。
今年は、3日間とも原村名物の滝のような豪雨はなく、暑い3日間でした。
そのため、夜、雲が流れてきてすっきりとした星空とはなりませんでした。
おまけに、月齢15.3〜17.3の月が19時過ぎには昇ってきたため、淡い天体はほぼ全滅。
昼間の太陽と夕方の土星、月が主な観望対象となりました。
今年も大小様々な太陽望遠鏡が勢ぞろいし、それに呼応するかのように大きなプロミネンスも出現しました。
150mmの太陽望遠鏡で見るプロミネンスは、大迫力で見ていて飽きません。
ダブルスタックの太陽望遠鏡で見る太陽面には、ダークフィラメントなどが見られ、これも見飽きることがありません。
昼間は、いろいろな太陽望遠鏡をはしごして、写真も撮らせていただきました。
私は、VC200Lにバーダープラネタリウム製アストロソーラー太陽観測フィルターを付けて、黒点を見てもらいました。
夜は、土星や火星、月の出後は月面などが主な観望対象となりました。
私は、カメラをセットしたVC200Lで、メモリーカードをお持ちの方に月面撮影を楽しんでいただきました。



星まつり会場で撮影した太陽と月
観望エリアの様子
八ヶ岳自然文化園と周辺の様子

星まつり会場で撮影した太陽と月

太陽黒点


VC200L(d:200mm/f:1800mm) 直焦点
バーダープラネタリウム製アストロソーラー太陽観測フィルター
SX赤道儀/STAR BOOK
Nikon D700 [ISO:1000、1/3200sec.]
太陽の合成写真



Lunt LS152T/PT Hα太陽望遠鏡(d:152mm/f:900mm)※
[エタロンフィルター+ブロッキングフィルター 半値幅0.65オングストローム]
ズームアイピース(7.2〜21.5mm)
Nikon D700 [ISO:1000、1/3200sec.]
AF-S NIKKOR 50mm F1.4G
手持ちによるコリメート撮影

太陽面とプロミネンスでは露出条件が異なりますので、両者を合成しました。
太陽面    ISO:3200 F:2 1/100秒
プロミネンス ISO:3200 F:3.2 1/320秒

※ LUNT Hα太陽望遠鏡は、小沼光良氏所有のものをお借りしました。
  詳細は、小沼光良氏のウェブサイトを参照ください。
プロミネンス

上記のプロミネンス部を拡大したものです。




月(月齢 16.3)


VC200L(d:200mm/f:1800mm) 直焦点
SX赤道儀/STAR BOOK
Nikon D700 [ISO:200、1/125sec.]
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観望エリアの様子


星まつり会場の一部に作られる観望エリアの様子です。
毎年、自慢の愛機を持ち込んで、見に来てくださる方に開放しています。
多くは、自作機か、市販品に手を加えたものです。
かなりの個性派が多く、びっくりするような機材も見られます。
機材の詳細に関しては、ちゃっきりさんのウェブサイトを参照ください。




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八ヶ岳自然文化園と周辺の様子


毎年、原村星まつり(八ヶ岳自然文化園)へ行く途中の道の周りは、高原野菜の広大な畑です。
多くは、セルリかキャベツですが、近くのたてしな自由農園の売店には、地場産の野菜がたくさん置かれています。
帰りには、こちらに寄って新鮮な高原野菜や、珍しい野菜、果物を買い込んでいます。
また、少し先にあるブルベリー農園で、いろいろな種類のブルーベリーを手摘みしてお土産にしています。
話は戻りますが、八ヶ岳自然文化園は、文字通り、自然の中にありますので、昼間の散策にはもってこいです。
多くの植物や昆虫、野鳥などがたくさん生息しています。その一部をご覧ください。


高速を降りて、しばらく進むと道の両側には見渡す限りの広大なキャベツ畑やセルリ畑が広がります。

以下の写真は、八ヶ岳自然文化園内で見られる草花や昆虫たちです。

ハクサンフウロ(Geranium yesoemse var. nipponicum)
アサマフウロ(Geranium soboliferum)です。
花色だけではなく、雄しべや雌しべの形にも違いがあります。


ヒメフウロ(Geranium robertianum)ゲンノショウコ(Geranium thunbergii)です。
どちらも小型のフウロソウ属の花ですが、ゴンノショウコは、日本の民間薬の1つとして知られています。
ゲンノショウコの花色は、東日本では白紫色が、西日本では紅紫色が多いといわれています。
一方、ヒメフウロは、伊吹山や霊仙山など、一部の地域のみに分布するといわれています。
しかし、ここ八ヶ岳自然文化園で見かけましたが、都市部でもときどき見かけます。
写真を見る限り、違いはないように見えますが、違う種類なのかもしれません。


ツリフネソウ(Impatiens textori)キツリフネ(Impatiens noli-tangere)です。
花の形が花器の釣舟に似ていることが、名前の由来といわれています。


エンビセンノウ(Lychnis wilfordii (Regel) Maxim.)
フシグロセンノウ(Lychnis miqueliana Rohrb.)です。
エンビセンノウは、絶滅危惧TB類に指定されている野生種として貴重な植物です。
私も、八ヶ岳自然文化園で初めて現物を見ました。花弁が燕に似ているのが名前の由来です。
フシグロセンノウは、朱色の大きな花弁が見事です。名前の通り、茎の節が黒褐色になります。


ヤマオダマキ(Aquilegia buergeriana)
ヤマホタルブクロ(Campanula punctata Lam. var. hondoensis (Kitam.) Ohwi)です。
ヤマオダマキは、日本の自生種の1つで、花色からキバナヤマオダマキと呼ばれます。
名前の由来は、花の形が苧環(紡いだ糸を巻いておく枠)を思わせることから。
ヤマホタルブクロは、山地に自生するホタルブクロの変種で、萼の形が異なります。
名前の由来は、この花の中にホタルを入れて遊んだことによります。


ノコンギク(Aster microcephalus var. ovatus)コオニユリ(Lilium leichtlinii)です。
ノコンギクは、野菊の代表種の1つで、極普通に見られるキク科の植物。きれいな薄紫の花を咲かせていました。
コオニユリは、オニユリより花が一回り小さいですが、草丈は決して小さくはありません。
よく似ていますが、オニユリがムカゴを付けるのに対し、コオニユリにはムカゴはありません。

さて、ここからは八ヶ岳自然文化園で見かけたチョウとトンボです。


ミドリヒョウモン(Argynnis paphia)のオスとメスで、同じチョウとは思えないほど、色や模様が異なります。
オスには、前翅先端に白斑がなく、中央部に黒い横しまがあり、メスには、逆に白斑があり、横しまがありません。
なお、メスには、黄色地に黒い模様ではなく、この写真のように黒っぽい黄緑地の暗色型と呼ばれる個体がいます。


ミドリヒョウモンスジグロシロチョウ(Pieris melete)です。
ミドリヒョウモンの表面の模様は前述の通りですが、裏面の模様は、この写真のようにかなり地味です。
なお、後翅裏面は黄緑色で、それが名前の由来になっています。
スジグロシロチョウは、モンシロチョウの翅脈(しみゃく)を黒く強調したようなチョウです。
この個体はメスで、小さな沢を飛び回り、卵を産みつけていました。


秋に多くなるアカタテハ(Vanessa indica)ですが、八ヶ岳自然文化園では夏でもよく見かけます。
給蜜している花は、左がサワギキョウ( Lobelia sessilifolia )で右がフサフジウツギ(Buddleja davidii)です。
アカタテハは、樹液にも集まるので、カブトムシやクワガタと一緒に見られることがあります。
ただ、八ヶ岳自然文化園では、よく紫色の花の所で見かけました。
サワギキョウは、湿地に自生するキキョウ科の多年草で、きれいな色の花ですが、有毒植物です。
フサフジウツギは、蜜が多いのでチョウが給蜜に訪れることが多いようです。


ノシメトンボ(Sympetrum infuscatum)アキアカネ(Sympetrum frequens)です。
どちらもアカネ属のよく見かける普通種で、八ヶ岳自然文化園でもよく見かけます。
ノシメトンボの翅の先端には褐色斑があり、アキアカネにはありません。また、胸部の模様も異なります。
アキアカネは、初夏に平地で羽化し、高地に移動して夏を過ごし、成熟した秋に平地に戻って産卵します。
アキアカネが大きく移動するのに対して、ノシメトンボはほとんど移動しません。

※ アキアカネと良く似たナツアカネがいますが、こちらも平地からあまり移動しません。
見分け方は下記のとおりです。


ナツアカネとアキアカネの見分け方

   .

成熟した個体のどこまでが赤いかなど、いろいろ異なる所はあります。
ただ、最も分かりやすい違いは、胸の3本線の中央の形(白い丸印の中)です。
ナツアカネは、先が切り落とされたように、角張っています。
一方、アキアカネは、そのまま伸びてとんがっています。
そっと近づいて横から観察するか、捕えて観察してみてください。



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