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双葉SAで見かけた草花



「原村 星まつり」に参加する際、途中で立ち寄ることが多いサービスエリアです。
その裏手には、ちょっとした公園があり、いろいろな草花や昆虫類が見られます。
ただ、星まつりが毎年、8月の初旬に開催されるため、その時期の草花のみです。
特に珍しいものはありませんが、こんなのも咲いているんだと楽しんでいただければ幸いです。



ここでは、被子植物はAPG III体系で、その他は従来の体系で掲載しています。
キク目
キク科(セイヨウノコギリソウ、ヨモギギク、トゲチシャ)
シソ目
シソ科(タイム、ラムズイヤー)
リンドウ目
アカネ科(ヘクソカズラ)
双葉SAで見かけた草花
和名インデックス


セイヨウノコギリソウ(Achillea millefolium)
<キク目・キク科・キク亜科・キク連・ノコギリソウ属>
 
キク科ノコギリソウ属の多年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。
日本では、北海道から本州に分布する。
草丈は50〜100cmほどで、葉は互生し、2〜3回羽状複葉に細裂して柔らかい。
茎頂に散房花序を付け、直径5o程の頭花をたくさん付ける。
普通、周囲に5個の舌状花(雌花)が並び、中心に両性花の筒状花が複数ある。
花色は白や淡紅色が多いが、赤や黄色などの園芸品種も出回っている。床には膜質の鱗片がある。
花後、花床がふくれて円錐形になり、痩果は長さ2mmほどになる。

2019/8/1
双葉SA奥の公園というか、展望台と遊歩道のある場所で見かけたセイヨウノコギリソウです。
赤い花の方は、筒状花が小さく、舌状花が大きいので、艶やかに見えます。
一方、淡いピンクの花の方は、花色が淡いこともありますが、筒状花が目立って地味です。
ただ、原種に近いノコギリソウの花の特徴は、後者の花に近い特徴を持っています。

ヨモギギク(Tanacetum vulgare)
<キク目・キク科・キク亜科・キク連・ヨモギギク属>
 
キク科ヨモギギク属に属する宿根多年草で、ヨーロッパからアジアが原産地の帰化植物。
日本には明治時代に渡来し、英名のタンジー(tansy)が流通名として使用されている。
なお、北海道北部海岸地域には、変種とされるエゾヨモギギク(在来種)が自生している。
草丈は50〜150cmになり、茎は丈夫で固く、根元は赤みがかり、表面は滑らかで直立する。
葉は互生し、葉身は長さ10〜15cmの2回羽状複葉で、裂片は7〜8対ある。
各裂片は更に幅は数mmの小さな裂片に分かれ、葉の縁や葉柄には鋸歯がある。
花期は7月〜10月で、上部で分枝した茎頂に、散房花序を付ける。
頭花は黄色で、直径10mm前後の半球状である。頭花は筒状花のみからなり、舌状花はない。
葉や頭花には特有の芳香があり、古来よりハーブや薬草、虫よけに使用していた。
しかし、現在では毒性が強いことが判明して、ハーブや薬草としてはほとんど使用されない。

2019/8/1
双葉SA奥の公園というか、展望台と遊歩道のある場所で見かけました。
黄色く丸い形をした花が印象的でしたが初めて見る花で、名前は分かりませんでした。
後で調べて、キク科のヨモギギク(タンジーの方が分かり易いかも)と分かりました。

トゲチシャ(Lactuca serriola)
<キク目・キク科・タンポポ亜科・タンポポ連・アキノノゲシ属>
 

 
キク科アキノノゲシ属の一年草で、ヨーロッパ〜西アジア原産の帰化植物。
海外では、ほぼ全世界に侵入し、帰化している。
草丈は50〜200cmで、茎は直立して赤みを帯び、長い棘を散生する。
根出葉は長さ14cmの倒長卵形で、ロゼット状に付き、羽状に切れ込む。
茎葉は互生し、下部の茎葉は長さ3〜8pの倒披針形で、羽状に中〜深裂する。
無柄で茎を抱き、葉の基部は耳状に張り出し、その先は尖る。
縁には刺状の鋸歯があり、葉脈が白く目立つ。葉裏の中央脈に1列に刺が並ぶ。
なお、茎葉は基部で捻じれて葉面が横を向き、葉身が垂直になる。
花期は7月〜9月で、茎の上部で多数の枝を出し、円錐花序を形成して多数の頭花を付ける。
頭花には長い花柄があり、直径10〜12mm。淡黄色の舌状花15〜25個からなる。
総苞は円柱形で長さ5〜6mmであるが、果時には12〜13mmに伸びる。
痩果は長さ3.5mm前後の淡褐色の挟倒卵形で、4o前後の細長い嘴がある。
冠毛は白色で、長さは4〜5mm。早落性である。

2019/8/1
双葉SA奥の公園というか、展望台と遊歩道のある場所で見かけました。
写真を撮った時はアキノノゲシだと思っていたのですが、後で確認すると特徴が合いません。
花などはアキノノゲシに近く、葉の特徴はノゲシに近いのです。
考えあぐねて、相模原市立博物館の生物担当学芸員の方にお聞きしたところ、トゲチシャと判明。
さすがですね。葉裏(刺があります)を確認していれば、もっと早く分かったのではと思います。


ノゲシ属とアキノノゲシ属

ノゲシ
トゲチシャ
アキノノゲシ









アキノノゲシだと思って撮ったトゲチシャですが、上記のようにノゲシとアキノノゲシの特徴を併せ持っています。
花の形はアキノノゲシとよく似ていますが、花色が黄色で、アキノノゲシよりも濃く、ノゲシよりも淡い色です。
葉の形に関しては、ノゲシ同様に葉の基部が茎を抱くのに対して、アキノノゲシは茎を抱くことはありません。
トゲチシャの葉はノゲシほどには羽状に切れ込むことはなく、アキノノゲシに近い形状です。
ただし、葉の縁には刺状の細かい鋸歯があり、葉裏の中央脈上には大きな刺が1列に並んでいます。


タイム(Thymus)
<シソ目・シソ科・イヌハッカ亜科・ハッカ連・イブキジャコウソウ属>
 
 
シソ科イブキジャコウソウ属の小低木で、イブキジャコウソウ属(Thymus)の植物の総称。
草丈が低くて草本にみえるが、茎が木化する立派な木本である。
「タイム」と呼ばれるハーブは多く、北半球におよそ300〜400種が自生する。
樹高は15〜40cmほどで、日本に自生するタイムの仲間は、イブキジャコウソウのみである。
他は移入種で、原産地はヨーロッパ、北アフリカ、アジアである。
日本ではタチジャコウソウ(コモンタイム)を単にタイムと呼ぶことが多い。
多くの品種の中では、下記の3種が代表種である。
コモンタイム(Comon thyme):地中海沿岸に分布し、料理用のハーブとして良く用いられる。
   タチジャコウソウを日本ではコモンタイム、あるいは単にタイムと呼ぶことが多い。
   直立性で、高さは20〜40cm、5月〜7月に淡いピンクの花を咲かせる。
シトラスタイム(Thymus×citriodorus):交配種で様々な栽培品種があり、料理用ハーブとして一般的。
   レモンタイムとも呼ばれ、カンキツ系の香りを持つ様々な品種が作られている。
   直立性で、高さは20〜30cm、夏の終わりに濃いピンクの花を咲かせる。
ワイルドタイム(Thymus serpyllum):ミツバチや養蜂家にとって重要な蜜源植物となっている。
   ヨウシュイブキジャコウソウ、クリーピングタイムとも呼ばれ、その蜂蜜は地中海地方の名産品。
   匍匐性があるタイムで、あまり立ち上がらない。5月頃にピンク系の花を咲かせる。

2019/8/1
双葉SA奥の公園というか、展望台と遊歩道のある場所で見かけたタイムです。
這っていないので、コモンタイムかシトラスタイムではないかと思われますが、品種名は不明です。
市販されているタイムの仲間は多いので、花だけから品種名を特定するのは難しいです。

ラムズイヤー(Stachys byzantina)
<シソ目・シソ科・オドリコソウ亜科・イヌゴマ属>
 
シソ科イヌゴマ属の多年草で、トルコ・アルメニア・イラン原産の園芸品種。
日本には大正時代初期に渡来し、和名はワタチョロギである。
ただ、和名で呼ばれることはほとんどなく、英名のラムズイヤー(ramb's ear)が通名。
葉はロゼット状で、地際を這うように茎を伸ばして広がる。
葉は、長さ5〜15cmの楕円形で、先は鈍頭。茎葉は対生し、垂れ気味になる。
葉や茎は細かい繊毛で覆われて白っぽく見えるが、葉の繊毛は長めで柔らかい。。
花期は5月〜7月で、高さ30〜80cmの花茎を何本も真っすぐに立ち上げ、穂状花序を付ける。
花は、直径5mm前後の紅紫色の唇形花で、各節の葉の付け根部分に付き、花柄はない。
穂状花序が白い繊毛で覆われていて、花色の割にあまり目立たない。
葉には香りがあり、ポプリやクラフトの材料などに利用される。

2019/8/1
双葉SA奥の公園というか、展望台と遊歩道のある場所で見かけました。
白い毛に覆われた葉が特徴で、花の形からシソ科の植物と思われました。
後で調べてみると、ラムズイヤー(英名)と呼ばれているハーブの仲間でした。

ヘクソカズラ(Paederia scandens)
<リンドウ目・アカネ科・アカネ亜科・ヘクソカズラ連・ヘクソカズラ属>

アカネ科ヘクソカズラ属のつる性多年草で、全国で見られる。
日本以外では、東アジア一帯に分布し、北アメリカやハワイなどに帰化している。
特有のいやな臭いがあり、これが和名の由来。
葉は対生し、楕円から狭卵形で、長さ4〜10p、幅1〜7p。
花期は7月〜9月で、葉腋から短い集散花序を出し、花をまばらにつける。
花冠は鐘状で長さは1p前後。灰白色で先は5残裂し、中央は紅紫色で毛が生える。
花糸の短い5個の雄しべは、花冠の内部に付く。花柱は2個で、基部で合着する。
果実は、直径5oほどの球形の核果で、黄褐色に熟す。

2017/8/4
双葉SA奥の公園というか、展望台と遊歩道のある場所で見かけたヘクソカズラの花です。
よく見かけるつる植物ですが、よく絡みついて、嫌なにおいがあるので、嫌われ者です。
ヤイトバナの別名は、白い花弁の基部が赤紫色で、それがお灸を据えた跡のように見えることから。
といっても、若い方にはお灸の跡はもちろん、お灸そのものもピンとこないでしょうね。
悪いことをしたとき、「お灸を据える」というのも、死語になりつつあるのでしょうか。