ホーム星見紀行>皆既月食・天王星食 2022/11/08


皆既月食・天王星食
2022/11/08(火)

時間帯 [半影食の始まり]8日17:00.6 〜 22:57.8[半影食の終わり]
[部分食の始まり]8日18:08.9 〜 21:49.4[部分食の終わり]
[皆既食の始まり]8日19:16.3 〜 20:42.0[皆既食の終わり]
[   食の最大]8日19:59.2

[天王星潜入開始]8日20:29:58 〜 21:20:48[天王星出現終了]
[天王星潜入終了]8日20:30:09 〜 21:20:35[天王星出現開始]
            [潜入時間]11秒 [出現時間]13秒
撮影地 兵庫県瀬戸内沿岸
撮影機材 Vixen Viper MC90L (D90mm f1200mm/F13.3) 直焦点
SX赤道儀/STAR BOOK
Nikon D700



前回の皆既月食は、雨天のため見ることができませんでした。
今回は皆既月食中に、天王星の掩蔽が起きるという442年ぶり天体ショーとなりました。
毎度のことながら、なかなか時間が取れなくて準備不足のまま、撮影開始となりました。
今回も遠出が出来ないため、実家近くの空き地から撮影することにしたました。
そのため、周りの家々や電柱などがあり、低高度での撮影はあきらめざるを得ませんでした。

今回の皆既月食の継続時間は1時間26分と非常に長いのが特徴です。
そして、その皆既月食中に天王星の潜入が始まります。
月食の起きる時刻などは、全国のどの場所で見ても同じ時刻になります。
しかし、天王星の潜入や出現の位置や時刻は、見る場所で異なります。
その時刻を十分に確認できないまま本番に入ってしまったので、潜入の写真は撮れました。
しかし、出現時刻が曖昧なままだったので、気が付いたら出現は終了していました。
撮影時刻は事前に決めていたものの、途中でいろいろあって等間隔で撮れませんでした。
また、後で気が付いたのですが、カメラの時刻設定を合わせ忘れていました。
そのため画像に記録されら時刻が、実際の時刻より2分弱早くなってしまいました。
以下の写真などに記載した時刻は、このズレを補正した時刻になっています。



皆既月食中の月



今回の月食では、本影のかなり内側を通ったため、月面はなかり暗かったです。
写真では食の最大時は全面が橙赤色で、肉眼ではぼんやりとした薄い灰褐色に見えました。
中央が食分が最大の頃の月になります。大変暗いので、露出はISO1600/10sec.としています。
ここまで露出して、やっと月食の時に見える月のイメージに近い写真になりました。
皆既月食の最初の画像はISO1600/4sec.で、最後の画像はISO1600/8sec.です。
途中から露出時間を変更するのを忘れていた結果ですが、明るさが異なってしまいました。
撮影場所の関係で、部分食の最初の方は撮影できていません。
下段右端が部分食がほぼ終了した頃の写真です。
肉眼では普通の満月のように見えますが、まだ、写真では一部が薄暗く写っています。
これは本影と半影の境界が曖昧なためで、この後、しばらくは写真では薄暗くなっていました。
上記は、極一部を抜粋したものですが、もう少し詳細なものはこちらを参照ください。



今回の皆既月食は暗かったこともあり、思っていた以上に恒星や天王星が写ってくれました。
そこで、今回は月を固定して、皆既月食中の恒星や天王星の動きをコンポジットしてみました。
右下の最も明るい青白い星が天王星です。出現は皆既が終わった後なので写っていません。
なお、皆既月食中の月は、食分最大の頃の20:00の月の写真を使っています。



天王星の掩蔽

先にも述べた通り、今回は442年ぶり天王星の掩蔽(星食)が、皆既月食の最中に始まります。
次に起きるのは2106年の部分月食のときで、皆既月食となると2235年だそうです。
どちらにしても、生きている間に見られることはないでしょう。
今回、皆既月食をメインにするか、天王星の掩蔽をメインとするかで悩んだのですが、
掩蔽をメインにするとかなり高倍率にして、大型の望遠鏡が必要となります。
当然ですが、赤道儀のセッティングも正確に合わせる必要があり、現状では無理と判断しました。
ということで、皆既月食を取りながら、潜入、出現を捉えられればと考えました。
潜入は見えているので捉えるのはそう難しくありませんが、出現が問題です。
なかなか時間が取れず、明確な出現時刻を確認できないまま、本番に突入してしまいました。
案の定、出現は捉え損ねてしまいました。やはり、準備が大事ですね。

 
<天王星の掩蔽(潜入)>          <天王星の掩蔽(出現)>
天王星の掩蔽で、天王星が潜入するところと出現するところをコンポジットしたものです。
露出間隔を途中で変更するのは予定していたのですが、抜けたり、間隔が不揃いになってしまいました。
前述の通り、準備不足で天王星が出現するところは捉えられませんでした。
気が付いたら、かなり離れた所に天王星がポツリと写っていました。
なお、右のような露光時間(1/250〜1/500)では、天王星は写ってくれません。
そのため。続いて露光時間2〜1秒の撮影を行い、天王星が写った画像も撮影しています。
それでも潜入時のような明瞭な画像ではなく、かなり淡い画像になってしまいます。
それらを合成したのですが、かなり淡い画像のため、よほど注意して見ないと分かりません。
そこで、天王星の位置に潜入時の画像を合成して、見やすくしたのが右の画像です。



ついでに潜入時の画像に、出現時の天王星のみを合成してみました。
天王星を月のどの辺りが掩蔽していったのか、良く分かると思います。



天王星が潜入した辺りを拡大したものです。
最後の画像が、他の画像より淡くなっているので、この露出時間内に潜入したようです。
撮影時刻は、20:29:54〜20:30:02の8秒間です。
後で調べた撮影地点の潜入開始予定時刻は「20:29:58」で、終了は「20:30:09」でした。
撮影開始時には潜入は始まっておらず、途中から潜入が始まったようです。
撮影終了時には、天王星が半分ほど掩蔽された状態だったと思われます。
なお、この画像を見ればお分かりと思いますが、ピントが合っておらず少しボケています。
可能な限りピント調整は行ったのですが、合わせ切れていなかったようです。

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