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胎内およびその道中で見かけた昆虫V



ここ何年か通っている「胎内 星まつり」。
その道中や会場である「胎内自然天文館」近辺で見かけた昆虫をまとめたものです。

ただ、星まつりが毎年、8月の初旬に開催されるため、その時期に見かけた昆虫のみです。
特に珍しいものではありませんが、こんな昆虫類が暮らしているのだと見ていただければ幸いです。

< トピック >

今回、新たに見かけた下記の昆虫を追加しました。
ハヤシノウマオイ
また、今回、下記の昆虫の写真を追加しました。
ミカドフキバッタ、ショウリョウバッタ



ここでは、下記の昆虫を掲載しています。
ハエ目・ハエ亜目・アブ上科
アブ科(アカウシアブ)
ハエ目・ハエ亜目・ハナアブ上科
ハナアブ科(クロヒラタアブ)
ハエ目・ハエ亜目・ムシヒキアブ上科
ムシヒキアブ科(シオヤアブ)
ハチ目・ハチ亜目・スズメバチ上科
スズメバチ科(コガタスズメバチ、ミカドトックリバチ)
ハチ目・ハチ亜目・ヒメバチ上科
ヒメバチ科(ヒメバチ科の1種)
ハチ目・ハチ亜目・ミツバチ上科
ギングチバチ科(ニッポンハヤバチ)
コシブトハナバチ科(ヤマトツヤハナバチ)
コハナバチ科(シロスジカタコハナバチ)
ハキリバチ科(オオハキリバチ)
ミツバチ科(クマバチ、トラマルハナバチ)
バッタ目・バッタ亜目・バッタ上科
バッタ科(コバネイナゴ、ハネナガイナゴ、クルマバッタモドキ、ミカドフキバッタ、
      ショウリョウバッタ、ショウリョウバッタモドキ)
オンブバッタ科(オンブバッタ)
バッタ目・バッタ亜目・ヒシバッタ上科
ヒシバッタ科(ハネナガヒシバッタ)
バッタ目・キリギリス亜目・キリギリス上科
キリギリス科(ハヤシノウマオイ、ヒガシキリギリス、ヤブキリ、アシグロツユムシ、
       ヘリグロツユムシ、セスジツユムシ)
ササキリモドキ科(ヒメツユムシ)
バッタ目・キリギリス亜目・コオロギ上科
コオロギ科(アオマツムシ、エンマコオロギ、シバスズ)
胎内への道中で見かけたの昆虫V
和名インデックス


アカウシアブ(Tabanus chrysurus)
<ハエ目・ハエ亜目・アブ下目・アブ上科・アブ科・アブ亜科・アブ属>

アブ科アブ属のアブで、日本では北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。
体長23〜25o前後で、日本では最も大きなアブの1種。
全身が黒色とオレンジ色の縞模様になった大型のアブで、複眼は赤紫色で、触角は橙赤色。
出現時期は6月〜8月で、山地の渓流沿いでよく見られる。
メスは牛や馬などの家畜から吸血する。他のウシアブが柔らかい腹側を狙うのに対し、背中側を狙う。
なお、人を襲うこともあり、刺されると大変痛いので、注意が必要。
メスは水辺の草の葉に産卵し、幼虫は湿地や溝などでミミズなどを食べて成長する。

※ よく似たニセアカウシアブは、触角の末端4節が黒色で、腹背の黄色と黒の境界が不明瞭である。

2017/7/30
星まつりが終わり、会場を後にしようと車に戻ると、アカウシアブがいました。
追い払ってもすぐに戻ってきて、車に留まって様子を見ています。
そこを撮ったのですが、刺されないうちに退散しました。

クロヒラタアブ(Betasyrphus serarius)
<ハエ目・ハエ亜目・ハエ下目・ハナアブ上科・ハナアブ科・ヒラタアブ亜科・ヒラタアブ族>

ハナアブ科ヒラタアブ亜科のアブで、日本では北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。
ただ、分布域は広いですが、個体数はそれほど多くない。
体長10o前後の黒いアブで、腹部には3本の淡褐色の帯模様がある。複眼は暗褐色。
幼虫はアブラムシを食べ、成虫は花の蜜や花粉を食べる。
幼虫の体は不透明で、体節毎に黒い模様がある。

2016/8/27
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の方で、通路脇の草むらで見かけました。
たまたま、オトギリソウを上から撮影している時に、視野に飛び込んできたものです。

シオヤアブ(Promachus yesonicus)
<ハエ目・ハエ亜目・ムシヒキアブ下目・ムシヒキアブ上科・ムシヒキアブ科・シオヤアブ亜科>
 
ムシヒキアブ科シオヤアブ亜科の肉食性のアブで、日本ではほぼ全国に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、極東ロシアにも分布する。
草原や林の周辺の日当たりの良い場所で、よく見られる普通種。
体長は23〜30mmで、体色は黒褐色で、黄色い毛が生えている。
その黄色い毛のため、腹部は黒と黄色の縞模様に見える。なお、オスの腹端には白い毛が密生する。
獰猛な狩人で、見晴らしの良い枝先などに留まり、獲物を待ち伏せする。
獲物が近づくと、一気に襲い掛かり、自分より大きな獲物でも一撃で仕留める。
幼虫は土中や朽木の中にいて、他の昆虫などを食べて成長する。

2017/7/29
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の通路脇や池の畔で見かけました。
この日見かけたのはメスばかりで、1匹は食事中でした。
捕らえられたのは、オオアオイトトンボと思われますが、体色が褐色に変色してしまっています。
かろうじて腹端の2節が元の色を留めているだけなので、食事は終盤のようです。

コガタスズメバチ(Vespa analis)
<ハチ目・ハチ亜目・スズメバチ上科・スズメバチ科・スズメバチ亜科・スズメバチ属>

スズメバチ科スズメバチ属に属するハチで、在来種。
日本には、本州から四国、九州、屋久島、種子島に生息する亜種、八重山亜種、沖縄亜種の3亜種が生息。
日本本土亜種「Vespa analis insularis」は、日本の固有種。
日本以外では、インド、東南アジア各国から中国、シベリア、台湾などアジア各地に広く分布する。
なお、原名亜種は、インドネシアのスマトラ島、バンカ島、ジャワ島に生息する。
スズメバチ属の中では中型種で、女王蜂で30mm程、働き蜂は25mm程です。
初期段階の巣は、フラスコをさかさまにしたような形で、働きバチが羽化してくるとボール状に変化する。
営巣規模は比較的小さくて、威嚇性・攻撃性はあまり高くない。
しかし、巣に直接刺激を与えると激しく反撃してくるので、巣には刺激を与えない方が良い。
営巣場所と餌の種類に柔軟性があるため、都会部でもよく見かける。

2019/8/25
加治川の河川敷にペチュニアを見に行ったとき、ヤブガラシの近くを飛び回っていました。
見かけは、オオスズメバチよりも少し小さいですが、気性は少し荒々しい部類です。
あまり刺激は与えない方が無難で、近づき過ぎないように気を付けながらの撮影でした。

ミカドトックリバチ(Eumenes micado)
<ハチ目・ハチ亜目・スズメバチ上科・スズメバチ科・ドロバチ亜科>
 
スズメバチ科ドロバチ亜科に属するハチで、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。
体長は10〜15mmで、体色は黒色で少し光沢があり、黄色い斑紋がある。
第1腹節は細長く、基部は柄状に細まるが、第2腹節は卵状に一気に膨らむ。
黄色斑は、前胸前縁、小楯板と後楯板にあり、第1、第2腹節後縁には横帯がある。
なお、第2腹節の横に1対の黄色い縁紋があるものとないものがある。
雌雄でも黄斑が異なり、メスの胸部背には1対の黄斑があるが、オスにはない。
そのため、オスはサムライトックリバチに似るが、頭楯に大きな黄斑があり、肢が黄色い。
雌雄差のもう1つは、頭楯の黄斑で、オスは1つで大きいが、メスは3つに分かれる。
本種の特徴の1つが、泥で徳利形の巣を作ることで、それが和名の由来となっている。
中には卵を1個つるし、鱗翅類の幼虫(青虫など)を仮死状態にして詰めて泥で蓋をする。
孵化した幼虫は、仮死状態の青虫を殺さないように食べ進み、蛹を経て羽化する。

2019/8/22
只見線沿いの福田新田休息所で、近くの鉄橋を渡る列車を撮ろうと待っているときに見かけました。
体形からトックリバチであろうと思ったのですが、後で調べると黄斑などが異なります。
改めて調べ直し、ミカドトックリバチのオス(胸部背に1対の黄斑がない)と分かりました。

ヒメバチ科の1種(Ichneumonidae)
<ハチ目・ハチ亜目・ヒメバチ上科・ヒメバチ科>

ヒメバチ科に属する寄生蜂の1種。
ヒメバチ科は甲虫や他のハチ、チョウ、クモなどを寄主として利用する捕食寄生者である。
昆虫の中でも特に巨大なグループであり、非常に同定が困難な種である。
ヒメバチの成虫は細身のハチのような体型であるが、その体長、体色、体型などは非常に多彩。
他の膜翅目昆虫に比べて触角の節数が多いという特徴があり、触角は普通16節以上ある。

2015/8/22
星まつり会場から少し離れた芝生広場、その周りを散歩中に見かけたものです。
オトコエシの花に止まっていた所を撮り、アングルを変えようとしたときに飛ばれてしまいました。
その後は止まることなく飛び去って行ったので、この2ショットのみとなりました。
このヒメバチ科は数が多く、似たものも多いので、同定には至っていません。
ただ、特徴的にはヒメバチ科の1亜科であるコンボウアメバチ亜科の1種ではないかと思っています。

ニッポンハヤバチ(Tachytes etruscus sibiricus Gussakovskj)
<ハチ目・ハチ亜目・ミツバチ上科・ギングチバチ科・
ギングチバチ亜科・ケラトリバチ族・ハヤバチ亜族>
 
ギングチバチ科ケラトリバチ族ハヤバチ亜族のハチで、在来種。
日本では本州、九州に、海外では朝鮮半島に分布するが、個体数は少ない。
体長は12mm前後で、動きは俊敏。ヒスイ色の大きな複眼を持つ。
腹部には、4本の銀白毛帯があり、脚は黒色で、各脚の付節は淡褐色。

2016/8/26
JR只見線の越後須原駅近くの駐車場で見かけました。
なかなかじっとしていてくれなくて、直ぐに飛び立ってしまうので、撮影は大変でした。
なんとか、この2枚の写真のみ、まともに写っていました。複眼の色がきれいなハチです。

ヤマトツヤハナバチ(Ceratina Japonica)
<ハチ目・ハチ亜目・ミツバチ上科・コシブトハナバチ科>

コシブトハナバチ科のハチで、光沢が強いツヤハナバチの一種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。
体長8〜9oで、体色は黒色。頭部と腹部に黄色い斑紋があるが、頭部の斑紋には変異が多い。
ススキやササ類などの茎の中に営巣する。

※ よく似たキオビツヤハナバチ(Ceratina flavipes)と区別が難しく、頭楯の紋様などで区別できる。

2017/7/30
星まつり会場からの帰路に立ち寄った畑で、カントウヨメナにいました。
頭部を正面から見た写真しか撮れていませんが、頭盾の黄斑の形状から本種としています。
しかし、自信はありません。この写真のみから判断するのは無謀ですね。

シロスジカタコハナバチ(Lasioglossum (Lasioglossum) occidens)
<ハチ目・ハチ亜目・ミツバチ上科・コハナバチ科・コハナバチ亜科・ラシオグロッサム属>

ミツバチ科ラシオグロッサム属のハチで、日本在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州に分布し、海外では朝鮮半島から中国、台湾に分布する。
体長は、オスで9mm前後、メスで10〜11mmほどある。
前胸背板の側方角が強く張り出していて、この張り出しが本種の特徴となっている。
中胸楯板の点刻は粗大で、腹部の各節には溝があり、その溝に黄白色の毛帯がある。
メスの前伸腹節の水平部には、不規則な隆起線がある。
オスの頭楯下部には横長の黄斑があり、腹部第6腹板に特徴的な毛束がある。
なお、オスの頭楯下部の黄斑は消失している場合がある。
メスは4月下旬頃から活動をはじめ、10月末頃まで活動する。
低山部や山裾で各種の花に訪花し、集団で地面に巣穴を掘って、花粉団子を幼虫の餌にする。

2018/8/25
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場。その周りの林内のオトコエシの花で見かけました。
1匹が花の上をうろうろしていたのですが、そこにもう1匹が飛来しました。
花の周りを飛び回っていたので、飛翔中の姿を何とか捉えることができました。

オオハキリバチ(Megachile sculpturalis)
<ハチ目・ハチ亜目・ミツバチ上科・ハキリバチ科・ハキリバチ亜科・ヤニハナバチ属>

ハキリバチ科ヤニハナバチ属の1種で、在来種。
日本では北海道から本州、四国、九州、奄美大島に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾に分布する。
体長はメスで25oほど、オスで20oほどと、大型のハナバチである。
全身が黒く、胸部と腹部第1節の背板に褐色の毛を密生する。
翅の基部は黄褐色であるが、先に向かって黒くなり、紫の光沢がある。
腹部の2節以降にも黒い短毛があり、特に側面と尾端に多い。
オスの成虫は6〜8月、メスは8〜10月に出現する。
ハキリバチ類は植物の葉を切り取って巣を作るのが和名の由来であるが、本種は松脂で作る。
それが、ヤニハナバチ属の名前の由来である。
主にクズの花から粉と蜜を集め、花粉団子を作って幼虫の餌とする。
巣は、竹などの既存の筒構造利用して作られ、奥から松脂で壁を作り、そこに花団子を詰め込む。
一定量に達すると産卵して松脂で封をし、次の部屋に花団子を詰めることを繰り返す。
最後に筒の入り口を封印するが、この封だけは土が使われる。

2016/8/27
胎内星まつり会場の給水車の下で、飛べなくてモゾモゾと動いているのを見つけました。
雨にぬれ、気温も低かったので、飛べなくなっていたのでしょう。
木の枝に止まらせて、日の当たる場所に移動させて撮影したものです。
この個体は、尾端が尖り、腹部下面にスコバ(集粉毛、花粉刷毛)が見えていますので、メスです。

クマバチ(Xylocopa appendiculata circumvolans)
<ハチ目・ハチ亜目・ミツバチ上科・ミツバチ科・クマバチ族・クマバチ属>

日本を含め、インドシナ半島から中国、台湾、朝鮮半島まで分布している。
日本は、北海道南部から屋久島にかけて生息している。
成虫の寿命は、数年といわれ、同じ巣穴を何年も使い続ける。
オスは、縄張りを持ち、春先に近づく物に接近する習性がある。
縄張りに入った他のオスを追い払ったり、交尾のためメスか確認するためである。
人にも近寄って来ることがあるが、オスは毒針を持たないので、慌てずに無視すれば良い。
なお、オスは、頭部中央に白っぽいおむすび状のものがあるので判断できる。
メスは、オスより目が小さく離れていて、全面真っ黒である。
毒針を持つが、手を出さなければ刺されることはないので、慌てて手で払ったりしないことが重要。
口永良部島から南では、アマミクマバチ、オキナワクマバチ、アカアシセジロクマバチが生息している。

小笠原諸島には、オガサワラクマバチが生息している。
2013/8/25
国道290号線の牛ヶ首近くの駐車場で見かけたクマバチです。
オオハンゴンソウで給蜜していたようです。

トラマルハナバチ(Bombus diversus diversus)
<ハチ目・ハチ亜目・ミツバチ上科・ミツバチ科・ミツバチ亜科・マルハナバチ族・マルハナバチ属>

ミツバチ科マルハナバチ属のハチで、日本では本州から四国、九州に分布する。
世界的には、朝鮮半島、ウスリーに分布する東北アジアの固有種。
体長は12〜20mmで、口には折りたたみ式の長い舌があり、マルハナバチの中では最も長い。
活動期間は4月下旬〜11月上旬と長期で、他のマルハナバチ同様、社会性のハナバチ。
土中に枯れ草を敷き詰めて営巣し、蜜蝋に花粉を混ぜてブドウの房状の巣を作る。
メスは地中で越冬し、翌春に単独で営巣を開始する。オスは秋に出現する。

2018/8/26
加茂市、薬師山の麓にある駐車場脇で、トラマルハナバチがカワラケツメイを訪花していました。
カワラケツメイの周りをしばらく飛び回っていたので、飛翔中の姿も捉えることができました。

クロオオアリ(Camponotus japonicus)
<ハチ目・ハチ亜目・スズメバチ上科・アリ科・ヤマアリ亜科・オオアリ属・オオアリ亜属>

アリ科ヤマアリ亜・オオアリ属に属するアリで、在来種。
国内では、ムネアカオオアリと並ぶ大型種で、南西諸島以外に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、米国にも分布している。
働きアリは体長は7〜12mmだが、体長7〜9mmの小型種と10〜12mmの大型種に分化している。
全身が光沢のない黒灰色をしているが、腹部の節は黒光りする。
なお、オオアリ属は前・中胸背縁を横から見ると緩やかな弧を描いているのに対して、
ヤマアリ属では前・中胸背縁を横から見ると二こぶに見えることで、クロヤマアリと区別可能。

2017/7/29
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の方で、通路脇の草むらで見かけました。
ノブドウの花の蜜を採取するために、訪花したようです。

ハヤシノウマオイ(Hexacentrus japonicus hareyamai Furukawa 1941)
<バッタ目・キリギリス亜目・キリギリス下目・キリギリス上科・
キリギリス科・ウマオイ亜科・ウマオイ属>

キリギリス科ウマオイ属に分類される昆虫で、日本固有種。
和名は、ウマオイの鳴き声を、馬を追い立てるときの掛け声に見立てたのが由来である。
日本では、本州の青森県以南から、四国、九州、居ず大島に分布する。
成虫の出現時期は8月〜10月で、年1化である。
体長はオスで25mm前後、メスで45mm前後、翅端までは雌雄とも46mm前後ある。
体色は緑色で、頭部から背中にかけて濃褐色の太い条があり、褐色部分は複眼に達している。
肉食性で、夜に活動して鋭いトゲのある前脚を使ってほかの昆虫を捕らえて食べる。
鳴き声は、ゆっくりしたテンポでスイーーッチョン・スイーーッチョンと伸ばすように鳴く。
なお、速いテンポでスイッチョ・スイッチョと短く切って鳴くのは、ハタケノウマオイである。
この両種、見た目はそっくりであるが、オスの発音器の左側の黒条の形で区別できる。
ハヤシノウマオイの黒条の先端は鋭く尖るが、ハタケノウマオイでは先端斑丸みを帯びる。

※ Web上では、ハタケノウマオイ、ハヤシノウマオイ、タイワンウマオイの学名に混乱が見られる。
私も何が正しいのか混乱したが、Webで調べた結果では、下記で合っているのではと思っている。
ただ、Webで調べただけなので、間違っている場合はご指摘いただければ幸いです。
ハタケノウマオイ(Hexacentrus japonicus japonicus Karny 1907)
ハヤシノウマオイ(Hexacentrus japonicus hareyamai Furukawa 1941)
タイワンウマオイ(Hexacentrus unicolor)

2013/8/24
胎内星まつり会場下のテントサイトで、早朝、ボックスの上にいたハヤシノウマオイです。
寝る前に鳴き声は聞こえませんでしたし、車中泊でしたので、夜間に鳴いていたかどうかも不明です。
まだ、ウマオイの泣き声は聞いたことがないので、聞きたかったです。
なお、オスの発音器の左側(右写真では上側)の黒条の形が尖っているので、ハヤシノウマオイですね。

ヒガシキリギリス(Gampsocleis mikado)
<バッタ目・キリギリス亜目・キリギリス下目・キリギリス上科・
キリギリス科・キリギリス亜科・キリギリス属>

キリギリス科キリギリス属のバッタで、日本では、本州の青森県から岡山県、淡路島に分布する。
本州西部の近畿、中国地方、四国、九州にはニシキリギリスが生息している。
元々は、両種はキリギリスの和名で同一種として扱われていたものが、1997年に前述の2種に分けられた。
北海道のハネナガキリギリスと沖縄のオキナワキリギリスを加えた4種が日本に生息する。
しかし、地域毎に特徴のある個体群が生息し、細かく分けられる可能性もある。
体長はオスが25〜36mm、メスが25〜37mmで、メスの方がやや大きい傾向があるが、大差ない。
体色は緑色型と褐色型があり、翅は短めで、側面に黒斑が多くある。

※ ニシキリギリスは、体長がオス29〜37mm、メス30〜40mmとやや大きい。
また、翅が長く、側面の黒斑はあって1列か、全くない。


2013/8/25
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の方で、通路脇の草むらで見かけたメスです。
撮影していると、通路に飛び出してきました。片方の触角が切れているようです。


2017/7/26
JR只見線の越後須原駅近くの駐車場に夜に立ち寄ったときに見かけました。
見つけたとき、産卵管をタイルの目地の部分に突き立てて、産卵しようとしていたようです。
目地の部分はコンクリートではないようでしたが、硬くて突き刺せないと思います。
なぜ、このような開けた場所を選んだのでしょうか。いささか疑問ではあります。

ヤブキリ(Tettigonia orientalis)
<バッタ目・キリギリス亜目・キリギリス下目・キリギリス上科・
キリギリス科・キリギリス亜科・ヤブキリ族・ヤブキリ属>

キリギリス科ヤブキリ属のバッタで、日本では、本州の中西部の平地から四国、九州に分布する。
北海道でも確認されているが、侵入経路は不明。
体長30〜40mmで、体色は緑色が普通であるが、稀に黒褐色になるものがある。
翅は腹端より僅かに長く、頭頂から翅の端まで、背面に褐色の筋がある。
主に樹上で生活しているが、藪や草原でも見られる。しかし、ぬかるんでいる所や乾燥した場所には少ない。
幼虫時は草食性であるが、成長につれ、徐々に肉食性が強くなる。

2013/8/24
胎内星まつり会場下のテントサイトで、私のテントに止まっていました。
前日は、夜半から激しい雨でしたので、雨宿りなのでしょう、テントにいろいろ止まっていました。
テントの一番上に止まっていたのがヤブキリです。写真を撮るため近づくと、逃げて行きました。

セスジツユムシ(Ducetia japonica)
<バッタ目・キリギリス亜目・キリギリス下目・キリギリス上科・
キリギリス科・ツユムシ亜科・Ducetia属>

キリギリス科ツユムシ亜科のバッタで、日本では、本州から四国、九州、南西諸島に分布する。
体長は35o前後で、脚は太目で短く、特にメスではこの傾向が顕著。
全身が鮮緑色か淡褐色〜褐色で、オスには茶褐色の、メスでは黄白色の縦筋が背にある。
また、オスの頭部から前胸背は橙色で、褐色の線で縁取られている。
前翅より後翅の方が長く、後端が前翅から飛び出すが、その飛出しツユムシより短い。
普通メスの方が翅は短いが、稀に長翅型が現れ、この場合はオスよりの長くなる。
メスの産卵管は短く、腹部の半分ほどで、鎌の刃のような形をしている。
平野部から低山帯の森林縁、及びその周辺の草むらに生息し、主に蔓性植物を群落に棲む。
食草は多岐にわたり、キク科、ヒユ科、マメ科、ウリ科、シソ科、クワ科、ナス科などである。
ほぼ完全な夜行性で、昼間は葉の上で独特の姿勢でジッとしている。
その姿勢は、体の後半部を少し持ち上げ、触角と前足を前方に出し、中脚と後脚を少し開いて止まる。

2018/8/23
加茂市、薬師山の麓にある駐車場脇。その脇の草原で見かけました。
触角が非常に長く、体長の2倍はあるのではないかと思われます。
下記のアシグロツユムシと比較して、本種では後脚が短いのが分かると思います。
前翅から飛び出す後翅の長さが短いのも分かります。触角は淡褐色で、節も同色です。

ヘリグロツユムシ(Psyrana japonica)
<バッタ目・キリギリス亜目・キリギリス下目・キリギリス上科・
キリギリス科・ツユムシ亜科・Holochlorini族・ヘリグロツユムシ属>

キリギリス科ツユムシ亜科に属するバッタで、日本固有種。
日本では、本州から四国、九州、伊豆諸島、南西諸島に分布する。
体長は、翅端までで、オスは50〜55mm、メスは45〜52mmである。
出現時期は8月〜11月で、山地の広葉樹林の樹上やその林縁に生息する。
前胸背板の後縁が黒く、これが和名の由来である。
なお、前翅の縁も黒くなっているが、他の類似種にも黒くなるものがいて識別点にならない。
オスの前脚は赤褐色を帯びて、発音器は褐色である。メスの前脚はオスほどには赤くならない。
本種は山地性が強く、やや標高の高い冷涼な山の灌木上や広葉樹上などに多く見られる。
ただ、この仲間は南方に種類が多く、オガサワラヘリグロツユムシや、
アマミヘリグロツユムシ・オキナワヘリグロツユムシ・ヤエヤマヘリグロツユムシの3亜種がいる。
成虫は走光性が強く、オスはよく灯火に飛来する。
夜間に活発に活動し、オスはシュルルルルと大きく一声で鳴く。
それに対して、メスはタッタッタッと応答する。

2009/8/30
胎内川の川縁で、グミの葉の上をゆっくり動いているツユムシらしきものを見つけました。
ただ、今まで見たことがあるツユムシより大きく、何かが違っていました。
後で調べてみると、前胸背板の特徴からヘリグロツユムシと分かりました。
標高のやや高い冷涼な山地を好むそうで、ここで初めて見ました。

アシグロツユムシ(Phaneroptera nigroantennata)
<バッタ目・キリギリス亜目・キリギリス下目・キリギリス上科・
キリギリス科・ツユムシ亜科・Phaneroptera属>


キリギリス科ツユムシ亜科のバッタで、日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。
体長は35o前後で、全身が濃緑色。前胸から翅の端まで背面に褐色の縦筋がある。
前脚や頭部は淡褐色で、触角は黒褐色で節に白い部分がある。後脚は膝から脛が黒褐色。
後翅の先端付近は前翅と同じ濃緑色で、基部に近い透明部分は淡褐色。後翅の半分ほどが前翅より飛び出す。
メスよりオスの方が黒い部分が多い傾向がある。産卵管は短く、カマの刃のような形をしている。
平地から亜高山帯まで広範囲に分布し、主に山道沿いの草木の上で生活している。
ほぼ完全な草食性で、自分の抜け殻以外の動物質は食べない。

2015/8/21
JR只見線の越後須原駅近くの駐車場で見かけました。
葉の上でじっとして動きません。なお、葉の上の黒いものは、アシグロツユムシの糞です。
下段の写真は上段の写真の部分拡大です。左の写真で前翅より後翅が大きく飛び出しているのが分かります。
右の写真は頭部の部分拡大です。触角は第2節、第3節より先がありませんが、節が白いのが分かります。

ヒメツユムシ(Leptoteratura albicornis)
<バッタ目・キリギリス亜目・キリギリス下目・キリギリス上科・ササキリモドキ科>
   
   
2018/5/23          2018/8/23          2018/8/25
ササキリモドキ科の小型のバッタで、在来種。別名はコガタササキリモドキ。
日本では、本州山形県以西から四国、九州に分布する。
体長は、オスが10〜12mmで、メスが8〜13mm。触角は長い。
出現時期は8月〜11月で、照葉樹林帯の林縁などで、樹上に生息する。
なお、山間部で夜間、灯火によく飛来する。
体色は淡緑色で、触角の基部から翅の基部にかけて2本の黄色い縦筋がある。
縦筋に続く翅の背面は茶褐色で、翅の側面には皺状の黄色い横線がある。
鳴き声は、ピチピチ…とかプップッツ…と極めて小さい声だそうだが、音域が50kHzと可聴域外。
聞こえる人もいるそうであるが、普通の人では聞こえないと思われる。
高音域が聞こえる子供であれば、聞き取れるかもしれない。

2018/8/23 胎内星まつり会場下にある一般駐車場。その脇の林内で見かけました。
毎年のように来ている所ですが、見かけたのは初めてです。
数が多く、歩くとピョンピョンと足元から飛び、樹の幹にも止まっていました。
手で摘まもうとしたのですが、柔らかく、潰れそうでうまく摘まめません。
2018/8/25 テントを設営し、雨模様なので談笑していたのですが、明かりに寄ってきます。
気が付くと、お酒の入ったコップの中に入り込んでいました。飲んべなヒメツユムシです。
お腹が何か黒いのが気になります。後で調べていると、ハリガネムシが寄生する事が分かりました。
オオカマキリに寄生していたハリガネムシを見たことがありますが、
こんな小さなヒメツユムシにも寄生する小さなハリガネムシも居るのですね。

エンマコオロギ(Teleogryllus emma)
<バッタ目・キリギリス亜目・コオロギ上科・コオロギ科・コオロギ亜科・エンマコオロギ属>
 
コオロギ科エンマコオロギ属のコオロギで、日本全土に広く分布する。
コオロギの中では最大種で、一般にコオロギといえば本種のことを指す。
体長は30o前後で、背面は一様に黒褐色で、腹面は淡褐色。
頭部は大きく、光沢のある半球形で、触角は細く、体よりも長い。
名前の由来は、複眼の周りの黒い模様と、その上の淡褐色の帯が眉に見え、閻魔大王の憤怒面に似ることによる。
昼間は草木の茂みや枯れ草などの陰に潜み、夜になると周辺を徘徊する。灯火に飛来する事もある。
食性は雑食で、植物以外に小動物の死がいなども食べる。
オスは、前翅を立ててこすり合わせ、コロコロリーリー...と鳴く。

2013/8/24
胎内星まつり会場下のテントサイトで、私のテントに止まっていました。
前日は、夜半から激しい雨でしたので、雨宿りなのでしょう、テントにいろいろ止まっていました。
そのなかにエンマコオロギも何匹か止まっていました。

アオマツムシ(Calyptotrypus hibinonis)
<バッタ目・キリギリス亜目・コオロギ上科・コオロギ科・マツムシモドキ亜科・マツムシモドキ族>
 
コオロギ科マツムシモドキ族のコオロギで、外来種。原産地は中国南部との説もあるが不明。
日本では、本州から四国、九州に分布している。
美しい緑色をした樹上生活をする。メスは全身が緑色であるが、オスは背部中心部が褐色。
体形は背部が扁平でマツムシに近いが、鳴き声は全く異なる。
体長は20o強で、9月〜11月に出現し、樹上でリーリーと良く響く声で鳴く。


2019/8/22
只見線沿いの福田新田休息所で、近くの鉄橋を渡る列車を撮ろうと待っているときに見かけました。
確認しようとして後で拡大して、初めて変なバッタだと気が付きました。
翅に半透明部分があって、腹部の一部が見えています。
色や体形的にはアオマツムシに似てはいるのですが、翅がまったく異なります。
前翅を取って、薄い膜質の後翅だけになったらこのように見えるかもしれません。

シバスズ(Polionemobius mikado)
<バッタ目・キリギリス亜目・コオロギ上科・コオロギ科・ヤチスズ亜科>
 
コオロギ科ヤチスズ亜科のコオロギで、日本全土に広く分布する。
体長7o前後の小型種で、芝生や畑などの草丈の低い草の生えている所に多い。
6〜7月と9〜11月に見られ、ジージーと不規則に鳴く。
淡褐色で、後脚に褐色の斑紋がある。メスの翅は短い。

2013/8/24
胎内星まつり会場下のテントサイトで、私のテントに止まっていました。
前日は、夜半から激しい雨でしたので、雨宿りなのでしょう、テントにいろいろ止まっていました。
そのなかにシバスズも何匹か止まっていました。
左がメスで、右がオスです。オスは糞をしたようです。

オンブバッタ(Atractomorpha lata)
<バッタ目・バッタ亜目・バッタ下目・バッタ上科・オンブバッタ科・オンブバッタ亜科・オンブバッタ属>
 
2017/7/27        2018/8/23
オンブバッタ科オンブバッタ属のバッタで、草地や畑などで普通に見られる。
メスの上にオスが乗っている姿をよく見かけるが、それが和名の由来になっている。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾、東アジアに広く分布する。
体長はオスが25mm前後、メスが42mm前後で、バッタの仲間では小型の部類に入る。
体色は緑色と褐色の2タイプがある。頭部は先が尖り、先端付近に触角と複眼が付く。
体の断面は3角形に近く、複眼から前胸部、後脚腿節に伸びる線で、背面と腹面が分かれる。
成虫の翅は前後とも先が尖り、後翅は透明で基部が黄色味を帯びる。
動きは鈍く、長い翅を持つが飛ぶことはほとんどなく、後脚で跳躍したり、歩いて移動する。

2017/7/27 加茂市、薬師山の麓にある駐車場の脇は、斜面から水がわき出して湿地のようになっています。
その湿地に生えているクサネムの葉に留まっていた、メスの終齢幼虫です。
2018/8/23 同じ駐車場の奥にある草原で、葛の葉に止まっていたオンブバッタのメスです。
不完全変態なので、翅の有無(正確には大きさや形態)以外は、あまり変化はありません。

コバネイナゴ(Oxya yezoensis)
<バッタ目・バッタ亜目・バッタ下目・バッタ上科・バッタ科・イナゴ亜科・イナゴ属>

バッタ科イナゴ属のバッタで、日本では、北海道から本州、四国、九州、南西諸島と全国に分布する。
体長はオスが30mm前後で、メスが40mm前後ある。
体色は明るい緑色で、頭部から尾部までの側面には暗褐色の筋が走っている。
なお、背面は肌色か緑色のものが多いが、稀に紅色の個体がいる。
翅は、腹端を越えないものが多いが、長翅型のものも見られる。
出現時期は8月〜11月で、卵で越冬する。
イネ科植物の葉を摂食するので、イネの害虫であるが、その他の雑草もよく食べる。
ただ、同時に水田から得られる重要なタンパク源とされ、多くの地域で食用とされた。
危険を感じると草にぴたりと体寄せて、裏側に回り込み身を隠す習性がある。

2018/8/23
加茂市、薬師山の麓にある駐車場脇。その脇の草原で見かけました。
翅が腹端を超えていますが、背面が緑色なので、コバネイナゴとしました。
コバネイナゴの長翅型ということになります。長翅型を見たのは初めてです。
体形や体長、腹端の形状から見て、左端の個体はオス、中央の個体はメスと思われます。

※ 翅の短いコバネイナゴに関しては、こちらに掲載していますので参照ください。

ハネナガイナゴ(Oxya japonica japonica)
<バッタ目・バッタ亜目・バッタ下目・バッタ上科・バッタ科・イナゴ亜科・イナゴ属>

バッタ科イナゴ属のバッタで、日本では、本州から四国、九州に分布する。
海外では、中国、台湾、東南アジアからインドに広く分布する。
体長は40o前後で、体の側面に濃茶色の筋が入った明るい緑色のバッタ。
翅は、腹端や折り曲げた後ろ足よりも長いのが特徴。
イネ科の植物の葉を摂食するので、イネの害虫でもある。
ただ、同時に水田から得られる重要なタンパク源とされ、多くの地域で食用とされた。

2013/8/23
国道290号線の二日町付近の道端で見かけたハネナガイナゴです。
体色が淡い配色になっていますので、成虫に羽化して間もない個体なのかもしれません。


2018/8/26
加茂市、薬師山の麓にある駐車場脇。その脇の草原で見かけました。
ここには、ハネナガイナゴと長翅型のコバネイナゴが混在して生息していました。
翅が腹端を超え、背面は淡褐色なので、どちらの可能性もあるのですが、
腹部が細くてスリムに見える点からハネナガイナゴのオスと思われます。

※ コバネイナゴの後頭部のこぶ状盛上りが、ハネナガイナゴよりコバネイナゴの方が大きい気がします。
これが両者の違いなのか、雌雄での違いなのか、個体差なのかは不明です。

ショウリョウバッタ(Acrida cinerea)
<バッタ目・バッタ亜目・バッタ上科・バッタ科・ショウリョウバッタ亜科・ショウリョウバッタ属>

ユーラシア大陸の熱帯から温帯にかけて広く分布する。
日本では、北は北海道から南は九州まで、ほぼ全国に分布する。
雌雄で大きさが倍以上異なり、オスはメスの半分くらいしかない。
オスは飛ぶときに「キチキチキチッ」と音を立てるので、キチキチバッタの別名で呼ばれることがある。
メスの両方の後ろ足の先を持つと、体をしゃくるように上下させる動きをするので、ハタオリバッタの別名がある。
精霊舟に似ることから「ショウリョウ」の名が付いたといわれる。
しかし、雌雄の大きさの差が甚だしいことから「霄壤」の名(ショウジョウバッタ)を別名として持つ。

2019/8/22
只見線沿いの福田新田休息所で、近くの鉄橋を渡る列車を撮ろうと待っているときに見かけました。
キチキチバッタとも呼ばれる、ショウリョウバッタのオスです。


2023/8/20
加茂市の外れにある駐車場。その脇に広がる草原で見かけたショウリョウバッタです。
脱皮に失敗したのか、何かで前翅を痛めたのか、背面に線状の隙間が出来ています。

ショウリョウバッタモドキ(Gonista bicolor)
<バッタ目・バッタ亜目・バッタ下目・バッタ上科・バッタ科・ヒナバッタ亜科・Gonista属>

バッタ科ヒナバッタ亜科のバッタの1種で、在来種。
日本では、本州から四国、九州、南西諸島に分布する。
体長は、オスで25〜30mm、メスでは45〜50mmで、メスの方が大きい。
出現時期は8月〜11月で、よく似たショウリョウバッタより遅い。
体色は、全体が淡緑色であるが、体側及び背面に赤い部分を持つ個体もいる。
なお、メスのみ全身が赤い個体が稀に見られる。オスの触角は長く発達している。
ショウリョウバッタによく似ているが、脚は体に対して短く、後脚も短く跳躍力は弱い。
頭部もショウリョウバッタほど尖らず、頭部の幅も広く、目も細くない。
食草はイネ科の植物で、細長い体を生かしてイネ科植物に擬態している。
危険を感じると草にぴたりと体寄せて、裏側に回り込み身を隠す習性がある。

2018/8/23
加茂市の外れにある駐車場。その脇の草原で見かけました。
クズの葉の日陰部分に張り付くように隠れていました。私の動きで、裏側に回り込んだようです。
ショウリョウバッタはよく見かけますが、ショウリョウバッタモドキを見たのは初めてです。
たしかにショウリョウバッタのオスとは、見た目は良く似ています(メスは体長が倍以上異なる)。
しかし、触角や足の長さなど細かい所で違いがあり、間違えることはなさそうです。


ショウリョウバッタとショウリョウバッタモドキ

     .
 
  <ショウリョウバッタ> <ショウリョウバッタモドキ>
触角や尖った頭部は同じですが、触角の長さや頭部の尖り具合は異なります。
触角の長さは、ショウリョウバッタモドキの方がショウリョウバッタよりも長く伸びています。
頭部の尖り方は、ショウリョウバッタの方が、より細く長く尖っています。
後脚の長さも異なり、ショウリョウバッタモドキはショウリョウバッタより、かなり短く見えます。


クルマバッタモドキ(Oedaleus infernalis)
<バッタ目・バッタ亜目・バッタ下目・バッタ上科・バッタ科・トノサマバッタ亜科>

日本では、本州の東北地方南部より南の地域に見られる。
背面に一対の白い「く」の字型の模様があり、上から見ると「X」字型に見える。
体長は、オスが30mm、メスが50mmほどで、クルマバッタに似ているがやや小型。
本種は、顎が体色と同じ(クルマバッタは青い)であり、オスの後脛節は赤い。
また、クルマバッタに比べて、後翅のクルマ状の模様は薄い。

2013/8/24
胎内星まつり会場下のテントサイトで、私のテント横の木に止まっていました。
前日は、夜半から激しい雨でしたので、水たまりを避けて木に登っていたものと思われます。
その木には何匹か止まっていましたし、根元にも何匹かいました。
左端の個体がよく見かけるクルマバッタモドキの配色です。背面のくの字の白い模様も明確です。
中央の写真は、茶色味がなく、黒褐色の個体です。背面のくの字の白い模様も確認できます。
右端の写真は、黒味がなく、赤褐色の個体です。背面のくの字の白い模様は確認できません。


2018/8/23
加茂市、薬師山の麓にある駐車場の奥にある草原で、たくさんのクルマバッタモドキに合いました。
今まで撮影していない正面からの写真と、標準的なクルマバッタモドキのアップです。
頭部の模様や胸部背面の「X」字型の模様が良く分かりますね。複眼にも淡色の模様があります。

ミカドフキバッタ(Parapodisma mikado)
<バッタ目・バッタ亜目・バッタ下目・バッタ上科・バッタ科・フキバッタ亜科・ミヤマフキバッタ属>

バッタ科ミヤマフキバッタ属のバッタで、フキバッタの仲間は成虫でも翅が退化し小さい。
日本では、北海道南部、東北から近畿地方に分布するが、東北南部以東では日本海側に限られる。
体長は、メスで35o前後あるが、オスは一回り小さい。
昼行性で日中に活動するが、動作は緩慢。湿潤な環境を好み、森林限界まで生息する。
主にキク科のフキ、ツワブキ、ヤブレガサなどを食べるが、他の多くの草本も食べる。
夏から秋にかけて土中や朽木に産卵し、卵で越冬して、翌春に孵化する。

2015/8/21
JR只見線の越後須原駅近くの駐車場で見かけました。
アシグロツユムシと同じ木の別の葉の上にいたものです。
左端の写真は、中央の写真の部分拡大ですが、成虫の翅の小ささが分かります。

 
2019/8/22
只見線沿いの福田新田休息所で、近くの鉄橋を渡る列車を撮ろうと待っているときに見かけました。
確認するため後で拡大して、腹端の形状からミカドフキバッタのオスだと分かりました。
なお、悪天候で薄暗かったため、この写真はフラッシュを使用した撮影となり、上記と発色が異なります。


2023/8/19
星まつり会場から少し離れたディープスカイエリア、その外れに小さな沼があります。
そこに行ったとき、入り口近くで最初に出迎えてくれたのが、このミカドフキバッタです。
幼虫のように見えますが、翅が退化して飛べないバッタなので、これで成虫です。
なお、最初の写真の個体も、この個体も、尾端の形や大きさからメスと思われます。

ハネナガヒシバッタ(Euparatettix insularis)
<バッタ目・バッタ亜目・ヒシバッタ上科・ヒシバッタ科・ヒシバッタ亜科>

ヒシバッタ科ヒシバッタ亜科のバッタで、在来種。
日本では本州から四国、九州、南西諸島に分布する。
出現時期は3月〜11月で、水田や畑、沼の周囲にある湿った草地などの地表で見られる。
体長10〜20oほどで、長い翅を持ち、背中が暗褐色。複眼が飛び出して見える。
見た目はトゲヒシバッタに似ているが、胸にトゲが無く、トゲヒシバッタのように背中が白っぽくない。
いろいろな植物の葉を食べ、成虫で越冬する。

2017/7/27
加茂市、薬師山の麓にある駐車場の脇は、斜面から水がわき出して湿地のようになっています。
その湿地の枯草の上に留まっていました。