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胎内およびその道中で見かけた昆虫U



ここ何年か通っている「胎内 星まつり」。
その道中や会場である「胎内自然天文館」近辺で見かけた昆虫をまとめたものです。

ただ、星まつりが毎年、8月の初旬に開催されるため、その時期に見かけた昆虫のみです。
特に珍しいものではありませんが、こんな昆虫類が暮らしているのだと見ていただければ幸いです。

< トピック >

今回、新たに見かけた、下記の昆虫を追加しました。
ホソヘリカメムシ



ここでは、下記の昆虫を掲載しています。
カメムシ目・カメムシ亜目
カメムシ科(トゲカメムシ、トゲシラホシカメムシ、ツノアオカメムシ)
キンカメムシ科(アカスジキンカメムシ)
ツノカメムシ科(セアカツノカメムシ)
ヘリカメムシ科(オオツマキヘリカメムシ、キバラヘリカメムシ、ハラビロヘリカメムシ)
ホソヘリカメムシ科(ホソヘリカメムシ)
カメムシ目・頸吻亜目
セミ科(アブラゼミ、エゾゼミ、ニイニイゼミ、ヒグラシ、ミンミンゼミ)
ハゴロモ科(ベッコウハゴロモ、シダヨコバイ)
コウチュウ目・カブトムシ亜目
カミキリムシ科(センノカミキリ、ミヤマカミキリ)
クワガタムシ科(スジクワガタ)
コガネムシ科(マメコガネ)
ゴミムシダマシ科(キマワリ)
テントウムシ科(ヒメカメノコテントウ)
ハムシ科(キアシルリツツハムシ、クロウリハムシ)
ホタル科(ゲンジボタル)
胎内への道中で見かけたの昆虫U
和名インデックス


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ツノアオカメムシ(Pentatoma japonica)
<カメムシ目・カメムシ亜目・カメムシ下目・カメムシ上科・カメムシ科・カメムシ亜科>
 
カメムシ科カメムシ亜科のカメムシで、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州に分布する。
海外では朝鮮半島、中国、ロシア南東部に分布している。
体長は17〜24mmで、体表は密に点刻され、点刻部が緑色の金属光沢を帯びる。
また、前胸背側角の角状突起は、幅広でやや前方に向かって突出し、先端が斜めに切れる。
山地の広葉樹の上に生息するカメムシであるが、夜間の灯火に飛来することがある。
ニレ科、カバノキ科、ブナ科、ムクロジ科、ミズキ科などから吸汁する。

2018/8/25
胎内星まつり会場下にある一般駐車場。その脇の林内で談笑しているときに、明かりに飛んできました。
ブーンという羽音がして、上からバサッと落ちてきて、お菓子の袋に止まりました。
大型のカメムシで、肩の角状突起の形状が独特な、ツノアオカメムシでした。
体色も金属光沢のある緑色で、体表面に密に刻まれた点刻がきれいです。

トゲカメムシ(Carbula humerigera)
<カメムシ目・カメムシ亜目・カメムシ下目・カメムシ上科・カメムシ科・カメムシ亜科>

カメムシ科カメムシ亜科のカメムシで、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州に分布する。
体長は10mm前後で、前胸側角の部分が鋭く尖るのが特徴。
小楯板先端部は白くなり、前胸背前側縁にも白色の模様がある。
キク科のヨモギやアザミ、バラ科の植物などに見られる。

2018/8/25
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の方で、サジガンクビソウに付いていました。
背部の小楯板先端部が白く、前胸背前側縁にも白い斑紋が見られます。
下記のトゲシラホシカメムシと胸部側縁の角や前胸背前側縁の白紋など見た目はよく似ています。
ただ、背部の白斑の数と位置が異なります。

※ 本種は100oマクロで撮影しているので、解像度などが下記の写真とは異なります。

トゲシラホシカメムシ(Eysarcoris aeneus)
<カメムシ目・カメムシ亜目・カメムシ下目・カメムシ上科・カメムシ科・カメムシ亜科>

カメムシ科の1種で、在来種。日本では、本州から四国、九州に分布する。
体長は6o前後で、灰褐色の地に暗褐色の点があり、背部に一対の白斑がある。
胸部側縁は尖っており、同じような白紋を持つシラホシカメムシなどと区別できる。
エノコログサ、スズメノテッポウなどのイネ科植物に付き、イネの害虫でもある。

2015/8/22
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の方で、サジガンクビソウを撮っていて見つけました。
背部に1対の白斑があるので、そこから同定を進めましたが、何種類か候補が見つかりました。
シラホシカメムシの仲間です。その中で胸部側縁が尖っているのは、本種だけでした。

アカスジキンカメムシ(Poecilocoris lewisi)
<カメムシ目・カメムシ亜目・カメムシ下目・カメムシ上科・キンカメムシ科・キンカメムシ亜科>

キンカメムシ科の1種で、在来種。日本では本州から四国、九州に分布する。
体長は20oほどで、緑色地に赤い模様がきれいなカメムシ。国内で最も美しいカメムシの1つ。
幼虫は、金属光沢のある暗銅色に白い模様があり、成虫とは全く異なる。
成虫、幼虫ともキブシ、ハンノキ、シキミ、フジ、ミズキなどの広葉樹の葉や果実の汁を吸う。
5齢虫で越冬し、翌春に成虫になる。カメムシの中では、比較的臭さが少ない。

2016/8/26
赤城高原SAの奥にある展望エリアを散策している時、葉の上に止まっている本種に気が付きました。
緑色の金属色に赤い筋模様も鮮やかなカメムシです。キンカメムシ科には、きれいな種類が多いです。

セアカツノカメムシ(Acanthosoma denticaudum)
<カメムシ目・カメムシ亜目・カメムシ下目・カメムシ上科・ツノカメムシ科・ツノカメムシ亜科>

ツノカメムシ科ツノカメムシ亜科のカメムシで、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州に分布し、平地から山間部にかけて生息する。
体長は14〜18mmで、出現時期は4月〜10月である。
体色は青味のある緑色で、小楯板の基部から中央にかけて、広く赤褐色を帯びる。
前胸背側角は側方に突き出し、先端がやや黒い。腹部下面は淡橙色。
オスには生殖節に赤褐色のハサミ状の突起があり、交尾時にメスを挟む。
ミズキ、ヒノキ、スギ、アセビなどの果実を吸汁する。

2018/8/23
胎内星まつり会場下にある一般駐車場。その脇の林内で樹の幹に張り付いていました。
幹には、本種以外にザトウムシやヒメツユムシが張り付いていました。
胸背腹部寄りは青味を帯びた緑色で、胸背頭部寄りや小楯板は赤褐色を帯びています。
フラッシュ撮影をしているので、腹部背面が透けて、腹部の縞模様が良く見えています。


セアカツノカメムシのオスとメス

     .
<メス>             <オス>
セアカツノカメムシのオスとメスの見分け方は、腹端の形状で行います。
オスには生殖節に赤褐色のハサミ状の突起があり、上記のように腹端から生殖節が突き出ます。
このような突起が見られるか否かで、雌雄の判別が可能です。
なお、右のオスは八ヶ岳自然文化園で自然光で撮影したものなので、見た目の色味はこちらに近いです。


オオツマキヘリカメムシ(Hygia lativentris)
<カメムシ目・カメムシ亜目・カメムシ下目・ヘリカメムシ上科・ヘリカメムシ科・ヘリカメムシ亜科>
 
カメムシ目ヘリカメムシ科のカメムシの1種で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州に分布する。
ニシキギ科のニシキギやマユミなどの果実を食べる。
体長は9〜12mmで、光沢のない黒褐色の体色で、腹部後方の幅が広い。
成虫も幼虫もアザミ、イタドリ、バラ科のキイチゴ類やノイバラなどを吸汁する。
本種のオスには、腹端(生殖節末端部)に2個の突起があり、よく似たツマキヘリカメムシとの区別点になる。

2017/7/29
芝生広場の近くでワラビの茎に、交尾中のオオツマキヘリカメムシが止まっていました。
腹端の2個の突起が区別点のため、その部分を拡大した所、突起が認められたので本種としています。

キバラヘリカメムシ(Plinachtus bicoloripes)
<カメムシ目・カメムシ亜目・カメムシ下目・ヘリカメムシ上科・ヘリカメムシ科・ヘリカメムシ亜科>

カメムシ目ヘリカメムシ科のカメムシの1種で、在来種。
日本では、本州、四国、九州、南西諸島に分布する。近年になって北海道にも侵入が確認された。
ニシキギ科のニシキギやマユミなどの果実を食べる。
上から見ると黒い体色で地味ではあるが、腹部が黄色く、脚の途中まで真っ白で基部が赤い。
なお、幼虫は翅が短いので、腹部の黄色が非常に目立つ。
ただし、マユミの実にいるときは、同じ黄色のため保護色となり、逆に目立たない。

2016/8/27
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の方で、通路脇の木で見かけました。
最初、葉の上にいる1匹に気が付いて、近寄って見るとウジャウジャといました。
孵化直後の小さなものから、終齢幼虫で、次の脱皮で成虫になりそうなものまでいました。
小さなものは多数が寄り集まって集団になり、大きくなると分散するようです。
成虫がいないか探したのですが、その木にはいませんでした。


キバラヘリカメムシの成虫

2016/9/4
富士急行大月線の終点になる富士山駅、その駐車場にあったマユミの木で見かけました。
マユミの葉の上に乗っかっていたのですが、その上にはマユミの果実が淡いピンクに色付いていました。
幼虫とは異なり、体上面が黒い翅で覆われるため、黄色い腹部が見えず、地味な印象を受けます。
ただ、横から見ると腹部の黄色や脚の白い部分などが見え、派手さは残っています。


ハラビロヘリカメムシ(Homoeocerus dilatatus)
<カメムシ目・カメムシ亜目・カメムシ下目・ヘリカメムシ上科・ヘリカメムシ科・
ヘリカメムシ亜科・ハラビロヘリカメムシ族・ハラビロヘリカメムシ属・ハラビロヘリカメムシ亜属>
 
ヘリカメムシ科ハラビロヘリカメムシ属のカメムシの1種で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州に分布する。
体長は12〜15mmで、全体に光沢のない淡褐色で褐色の小点刻が密に付き、腹部後方の幅が広い。
触角は赤褐色で、先端の節は暗色となる。前胸背の側縁は黄白色で僅かに内側に向かって曲がる。
前翅端はほぼ腹端まで伸び、基部側の革質部にはその中央に左右1対の黒い小斑紋がある。
膜質部は透明でわずかに褐色を帯び、光沢がある。腹部結合板の前縁はやや淡色になる。
成虫も幼虫もフジ、クズ、ヌスビトハギなどのマメ科の植物、特にクズ好んで吸汁する。
クズの生えている所では、ホシハラビロヘリカメムシとマルカメムシが見られる。
山地では、それにハラビロヘリカメムシが加わることとなる。

本種とホシハラビロヘリカメムシは酷似しており、その識別点は下記の通りである。
・触角第1節の長さは、ホシハラビロヘリカメムシが有意に長く、頭部の幅を超える
 触角第1節の長さは、ハラビロヘリカメムシでは、頭部の幅とほぼ同じ程度である
・触角第2節、3節は、ホシハラビロヘリカメムシでは円筒形である
 触角第2節、3節は、ハラビロヘリカメムシでは扁平な三角柱状である
・前翅革質部の中央にある小黒斑は、ホシハラビロヘリカメムシでは明瞭である
 前翅革質部の中央にある小黒斑は、ハラビロヘリカメムシではいく分不明瞭である
 なお、小黒斑に関しては個体変異があるので、これだけでは明確な判断は難しい

2019/8/25
加茂市の薬師山麓にある駐車場脇の通路で見かけたカメムシです。
地味な茶色一色で、特徴のある斑紋もないので、種類がまったく分かりませんでした。
後で調べ始めたのですが、やはり大苦戦。似たようなものがいろいろ見つかりました。
唯一の特徴が、前胸の縁に見られる黄色い縁取りです。
それを手掛かりに絞り込んだ結果、ハラビロヘリカメムシとホシハラビロヘリカメムシが候補に。
両者を区別する上記の項目を確認し、触角第1節の長さと腹部の幅から本種と判断しました。

ホソヘリカメムシ(Riptortus pedestris)
<カメムシ目・カメムシ亜目・カメムシ下目・ヘリカメムシ上科・ホソヘリカメムシ科・Riptortus属>

ホソヘリカメムシ科に属するカメムシの1種で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州、南西諸島まで広く分布している。
海外では、台湾、朝鮮半島から中国、マレー半島まで広く分布している。
体長は14〜17mmで、全身が褐色の細長くて、触角も褐色で長く、第4節に黄色い斑がある。
成虫の腹部には黄色と黒の縞模様があるが、翅が覆っていて飛ぶとき以外は見えない。
飛翔するとこの縞模様が現れ、アシナガハチが飛んでいるように見える。
雄の成虫の後脚腿節は太く、その内側には棘の列があるが、縄張り争いで相手を挟みつける。
そのため、後脚腿節が太くて長いものが有利となり、発達したもののようである。
なお、本種はカメムシの仲間にしては珍しく、独特の臭いを出さない。
孵化したばかりの1齢幼虫は、何も食べずに脱皮し、2齢幼虫になる。
1齢〜4齢幼虫までは、体色が黒くて、頭と胸、胸と腹が大きくくびれ、アリそっくりである。
その歩き方までアリにそっくりで、アリに擬態することで身を守っているようである。
5齢幼虫になると体色は褐色に変わり、成虫に似てくる。
次に脱皮すると成虫となるが、飛翔能力を得るまでには数日を要する。
幼虫、成虫とも様々なマメ科植物の子実を吸汁し、マメ科の作物栽培における重要害虫である。

2023/8/20
加茂市の外れにある駐車場脇の通路で見かけた、後脚が大きく、細長い体形のカメムシです。
触角の中ほどに黄色い環紋があり、腹部の縁に黄色と黒の模様が見られ、小循板の先が黄色いです。
このような特徴を持つのは、ホソヘリカメムシのみですね。

アブラゼミ(Graptopsaltria nigrofuscata)
<カメムシ目・頸吻亜目・セミ型下目・セミ上科・セミ科・セミ亜科・アブラゼミ族・アブラゼミ属>

2017/7/29(20:19)     2017/7/29(20:20)     2017/7/29(22:38)

2017/7/29(22:18)     2017/7/29(22:28)     2017/7/30(7:17)
セミ科アブラゼミ属の昆虫で、在来種。
日本では、北海道から九州まで広く分布している。
日本以外では、朝鮮半島や中国北部に生息している。
体長は60mmほどで、セミの中では珍しく、不透明な褐色の翅を持つ。
生息域が人里から山地までと範囲が広く、都市部でもよく見かけるセミである。
なお、鳴き声は、「ジッジッ…」と鳴き始めて、「ジジジ…」と鳴き、「ジッジッ…」と鳴き終わる。

2017/7/29〜30
この日は、昼間はニイニイゼミとヒグラシの鳴き声しか聞きませんでした。
そのため、テントに這い登って脱皮を始めたのも、ヒグラシだろうと思っていました。
それが、上段左や中央のように翅が大きく伸びた頃、翅にうっすらと模様が見え始めました。
その模様の特徴からアブラゼミと分かりました。その2時間後の姿が右端の写真です。
上段の個体とは別に、もう1匹が天井で羽化を始めていました。それが下段の写真です。
上段右端の写真では、色が薄くて初々しい感じですが、下段右端の写真ではごく普通のアブラセミです。
この他にも、テントの裏側に入り込んで脱皮したものもいたようで、中に2匹いたそうです。
この日だけで、脱皮を確認したのは5匹です。一斉に脱皮が始まったのでしょうか。

アブラゼミの鳴き声です。前鳴き/後鳴きの方は、途中で本鳴きに入りかけてやめてしまったものです。


エゾゼミ(Lyristes japonicus)
<カメムシ目・頸吻亜目・セミ型下目・セミ上科・セミ科・セミ亜科・クマゼミ族・エゾゼミ属>
カメムシ目セミ科のセミで、日本では、北海道から本州、四国、九州に分布する。
名前に「エゾ」が付いているが、南方系のセミであり、長野県や南東北地方に多い。
良く似た北方系のコエゾゼミとは似てはいても、系統の異なるセミである。

2013/8/24
毎年、エゾゼミの鳴き声は聞こえてくるのですが、その姿は確認できていません。
声はすれども姿は見えずの状態でしたが、原村星まつり会場で、その姿を確認できました。
ただ、その鳴き声を録音できなかったので、ここで録音しました。その鳴き声が下記になります。



原村星まつり会場で見かけたエゾゼミ

       .
  2013/8/3(メス)       2016/8/6(オス)     2016/8/6(オス)
原村星まつり会場(八ヶ岳自然文化園)で確認できたエゾゼミのメスとオスの写真です。
ただ、腹弁(ふくべん)の有無は、この写真からでは分かりませんね。


ニイニイゼミ(Platypleura kaempferi)
<カメムシ目・頸吻亜目・セミ型下目・セミ上科・セミ科・セミ亜科・ニイニイゼミ族・ニイニイゼミ属>

日本では、北海道から本州、四国、九州、沖縄本島以北の南西諸島に分布している。
日本以外では、朝鮮半島から中国、台湾に分布する。
成虫の体長は20mmほどで、明るいうちはほぼ1日中鳴いている。
セミの中では、発生は早い方で、6月下旬くらいから鳴きはじめる。
体色は、灰褐色で、前羽も褐色のまだら模様になっており、木の幹では保護色となっている。
幼虫は、湿気の多い土壌でないと生存できないので、都市部の乾燥地では少ない。
その抜け殻は、小さくてずんぐりとしており、殻に泥が付いているので、区別は容易。
なお、鳴き声は、「チ〜ジ〜〜」と長く尾を引くように繰り返し、最後は「チッチッ…」で終わる。

2017/7/29
星まつり会場から少し離れた芝生広場の側で鳴いていました。
鳴いているセミの声や抜け殻はたくさんあるのですが、見つけられたのはこの個体だけでした。


ヒグラシ(Tanna japonensis)
<カメムシ目・頸吻亜目・セミ型下目・セミ上科・セミ科・セミ亜科・ホソヒグラシ族・ヒグラシ属>

日本では、北海道南部から本州、四国、九州、奄美大島までほぼ全国に分布している。
日本以外では、中国大陸に分布するが、朝鮮半島には分布しない。
成虫の体長はオス30mm、メス25mmほどの中型のセミで、朝夕に甲高い声で鳴く。
オスの腹部はメスよりも明らかに太くて長く、雌雄の区別はつけ易い。
体色は、ほとんど赤褐色で、頭部の複眼付近や前胸の縁、背面中央は緑色をしている。
日の出前、日の入り後の薄明時によく鳴く。しかし、曇って薄暗くなった時、気温が下がった時にも鳴く。
なお、鳴き声は、「カナカナカナ…」と表わされることが多いが、「キキキキキ…」「ケケケケケ…」とも聞こえる。

2017/7/29
星まつり会場から少し離れた芝生広場の側の林の中で鳴いていました。
横から見るとわかりやすいのですが、正面からでは木肌に似ていて見つけるのに苦労します。
芝生広場の側にある池に行ったとき、水面に波紋が広がっていました。
何が居るのかと、よく見るとヒグラシが池に落ちて、翅をばたつけせている波紋でした。
どうして池に落ちたのでしょう。鳥にでも追いかけられたのでしょうか。
必死で翅をばたつかせていましたが、ここまで水に張り付くと、表面張力が大きいので脱出は無理でしょう。

ミンミンゼミ(Hyalessa maculaticollis)
<カメムシ目・頸吻亜目・セミ型下目・セミ上科・セミ科・セミ亜科・ミンミンゼミ族・ミンミンゼミ属>

日本では、北海道南部から本州、四国、九州まで分布している。
日本以外では、朝鮮半島や中国華北に生息している。
体長は35mm程で、翅を含めるとアブラゼミとあまり変わらない。
体色は胸部と腹部の境界付近が白く、他は黒地に青緑色の斑紋がある。
なお、黒色部がほとんどない青緑色主体の個体は、ミカドミンミンと呼ばれる。

2016/8/26
赤城高原SAの奥にある展望エリアを散策している時、葉の裏に張り付いていました。
アブラゼミの抜け殻かと思ったのですが、撮影した画像を拡大して本種と分かりました。
ただ、朝の早い時間であったためか、セミの鳴き声は聞こえませんでした。


ミンミンゼミ

 
2015/8/18         2013/8/1
両方ともミンミンゼミですが、見た目がかなり異なります。
左側が普通の個体の配色ですが、右側のように緑が多い配色の個体はミカドミンミンと呼ばれます。
ミンミンゼミは暑さに弱いため、暑い所では熱を吸収しやすい黒色部分が少ない高温耐性のある個体になります。


ミンミンゼミとアブラゼミの抜け殻

     .
ミンミンゼミ                   アブラゼミ
ミンミンゼミとアブラゼミの抜け殻は同じような大きさで、見た目の違いはあまりありません。
違いの1つは抜け殻の色で、アブラゼミよりミンミンゼミの方が明るい色だということです。
もう1つは、触角の第3節の長さです。上の写真の赤矢印の部分を良く見てください。
ミンミンゼミでは第2節とほぼ同じ長さですが、アブラゼミは第2節の1.5倍ほどの長さになります。


シダヨコバイ(Orosanga japonicus)
<カメムシ目・頸吻亜目・ハゴロモ型下目・ハゴロモ上科・ハゴロモ科>

シダ類に集まるヨコバイ、在来種。
日本では北海道から本州、四国、九州に分布し、山地性のヨコバイである。
出現時期は4月〜6月。体長は5o前後で、雌雄で体色などが異なる。
オスの地色は黒〜青灰色で、メスは地が淡褐色〜黒褐色で支脈は淡褐色。

2017/7/29
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の方で、通路脇の草むらで見かけました。
シダの写真を撮った時に写りこんでいたようで、撮影時には気が付きませんでした。
ピントが甘いので見にくいですが、褐色の地色に淡褐色の支脈が見えていますので、メスとしています。

ベッコウハゴロモ(Orosanga japonicus)
<カメムシ目・頸吻亜目・ハゴロモ型下目・ハゴロモ上科・ハゴロモ科>

ハゴロモ科の1種で、在来種。
日本では本州から四国、九州、南西諸島に分布し、平地から低山地で普通に見られる。
海外では、台湾に分布する。
全長10o前後で、茶褐色の地に白い2本の帯模様があり、翅の後方に一対の黒紋がある。
成虫も幼虫も、カンキツ類、マメ科植物、一般広葉樹に寄生し、吸汁する。
幼虫は腹部先端から糸状の淡黄色のロウ質物を分泌し、クジャクの翅のように大きく開く。

2016/8/27
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の方で、通路脇の草むらで見かけました。
上からでは分かりませんが、下から見るとお腹がポッチャリと膨らんでいました。

 
2017/7/29
芝生広場の近くでワラビの茎に止まっているオオツマキヘリカメムシを撮りました。
その写真を後で見て、裏側にベッコウハゴロモの幼虫がいたのに気が付きました。
カメムシに気を取られて、直ぐ近くにいた幼虫に全く気が付いていなかったようです。
尾端を海老反らせて、ロウ物質を大きく広げているのが分かります。


2019/8/25
加茂市の薬師山麓にある駐車場脇の通路で見かけたベッコウハゴロモです。
ベッコウハゴロモの翅の白い帯模様は半透明なのですが、それが分かる写真が撮れていませんでした。
この時見つけたベッコウハゴロモは、高い所に止まっていたので、下から逆光気味に撮れました。
それが左側の写真ですが、順光で撮った右側の写真と比べると半透明な帯模様が良く分かりますね。

センノカミキリ(Acalolepta luxuriosa luxuriosa)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・ヒラタムシ下目・ハムシ上科・カミキリムシ科・フトカミキリ亜科>
 
カミキリムシ科フトカミキリ亜科の1種で、在来種。
日本では全国に分布し、海外では朝鮮半島から中国に分布する。
体長は20〜36oで、体色は黒色から黒褐色に淡黄褐色の微毛が密生する。
濃淡があり斑紋に見えるが変異が多い。上翅の中央と後寄りに黒褐色の帯模様がある。
オスの触角は長くて、体長の倍ほどもある。メスの触角はやや短い。
ウコギ科の植物(ハリギリ、ヤツデ、タラノキなど)の生木を食害する。
和名は、幼虫がセンノキ(ハリギリ、栓の木)の生木を食べる事に由来している。

2017/7/26
JR只見線の魚沼田中駅と越後須原駅の間に福田新田休息所があり、そのトイレの灯火に来ていました。
初めて見たカミキリで、似たものが多いので、同定に手間取りました。
長い触角と前翅の2本の黒い帯模様を手掛かりに探して、本種にたどり着きました。
なお、触角の長さが体長の1.5倍ほどしかないので、この個体はメスの可能性が高いと思います。

ミヤマカミキリ(Cryptocephalus fortunatus)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・ヒラタムシ下目・ハムシ上科・ハムシ科・ツツハムシ亜科>

カミキリムシ科カミキリ亜科の1種で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。
体長は32〜57oで、日本に分布するカミキリムシ科の中では、最大種の1つ。
体色は褐色で、外皮は褐色の微毛が覆われている。前胸背板には不規則な横皺がある。
出現時期は6月〜8月。夜行性でクヌギやコナラなどの樹液に集まり、また、灯火に飛来することもある。
卵はイチジク、クリ、リンゴ等の生木の樹皮の裂け目に産卵され、3年ほどで成虫になる。

2017/7/26
JR只見線の魚沼田中駅と越後須原駅の間に福田新田休息所があり、そのトイレの灯火に来ていました。
最初見たとき、クワカミキリに見えたのですが、大きさや前胸の形が異なります。
後で調べて、本種と分かりましたが、シロスジカミキリとそん色ない大きさでした。

スジクワガタ(Dorcus striatipennis striatipennis)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・コガネムシ下目・コガネムシ上科・
クワガタムシ科・オオクワガタ属・コクワガタ亜属>

クワガタムシ科オオクワガタ属の1種で、在来種。
日本では北海道から本州、四国、九州と広範囲に分布するが、沖縄には生息しない。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾に分布する。
平地から山地の広葉樹林に生息しており、人家の近くの小さな林にも生息するが、低地での分布は局所的である。
なお、暑さには弱く、比較的涼しい所を好むため、標高の高い所でも見られる。
体長は、オスで14〜39mm、メスで14〜24mmで、コクワガタによく似ているが、ヒラタクワガタに近い系統。
体色は黒褐色〜赤褐色で、メスと小型のオスの上翅には、明瞭な縦の筋が密に並ぶ。これが和名の由来でもある。
オスの大アゴは、2つの内歯がつながったような大きな四角い内歯が1対と、先端近くに小歯が1対ある。
小型のオスは、メスよりも小さくなり、大あごの内歯が消失する。
成虫は5月から10月くらいまで、夜明けから朝にかけて活発に活動する。

2016/8/27
星まつり会場脇の林の中で、木の幹に留まって、樹液の出ている所に頭部を突っ込んでいました。
最初見たときコクワガタではと思ったのですが、翅に縦筋が見られます(凹部に泥が付いて見やすい)。
手を近づけたとき、ポロリと幹から落ちて、草むらの中に入ってしまいました。
落ちる瞬間、大アゴが見えたのですが、メスのそれではなく、小さいながらもオスの大アゴでした。
もっとよく確認したいと落ちた辺りを探したのですが、見つけることができませんでした。

マメコガネ(Popillia japonica)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・コガネムシ下目・コガネムシ上科・
コガネムシ科・スジコガネ亜科・マメコガネ属>

コガネムシ科マメコガネ属に属する甲虫の1つで、北は北海道から南は九州まで、ほぼ全国に分布する。
体長は8〜15mmで、体表には強い金属光沢がある。
体色は、頭・前胸・小楯板と前翅接合部が緑色、前翅が褐色、腹側が黒緑色をしている。
腹節の縁には白い短毛が密生し、白い縞模様のように見える。
幼虫は植物の根、成虫はマメ科植物、ブドウ類、ヤナギ類など、多くの植物の葉や花を食害する。
アメリカで1916年にニュージャージー州で侵入が確認され、以後、爆発的に増えて農業害虫となっている。


2016/8/27
芝生広場の近くの通路脇の草むらで見かけました。
いろいろな植物の葉などを食害する嫌われ者ですが、シダの葉まで食べるとは思ってもいませんでした。

キマワリ(Plesiophthalmus nigrocyaneus)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・ゴミムシダマシ上科・ゴミムシダマシ科・キマワリ亜科・キマワリ属>

ゴミムシダマシ科キマワリ属の昆虫で、北海道から本州、四国、九州とほぼ全国に分布する。
ゴミムシダマシ科の中では、比較的大きな甲虫で、都市郊外でもよく見られる普通種。
体長は16〜25oで、5月〜10月に出現する。
体色は、黒色、藍色がかった黒色、緑黄がかったものなど、地域差が大きい。
脚が長いのが特徴で、特に前脚が体長の割には長め。
幼虫、成虫とも朽木を食べるので、倒木や朽木の周りに多い。

2017/7/29
星まつり会場脇の林の中で、木の幹に留まっている本種を見つけました。
見つけたときはじっとしていたのですが、さらに近づくとそそくさと草むらの中に消えました。

ヒメカメノコテントウ(Cryptocephalus fortunatus)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・ヒラタムシ下目・ ヒラタムシ上科・テントウムシ科・テントウムシ亜科>

テントウムシ科の1種で、日本では北海道から本州、四国、九州に分布する。
人家の庭先にもやってくる普通種で、体長は3〜5o。
淡黄色の地に市松模様のような黒色の斑紋があるが、多様な変異がある。
地色も淡黄色から濃いオレンジ色まで変異があり、模様のない地色一色や黒一色の個体もいる。
成虫、幼虫ともアブラムシを食べる益虫である。

2017/7/27
加茂市、薬師山の麓にある駐車場の脇は、斜面から水がわき出して湿地のようになっています。
その湿地に生えているクサネムの葉に留まっていました。

キアシルリツツハムシ(Cryptocephalus fortunatus)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・ヒラタムシ下目・ハムシ上科・ハムシ科・ツツハムシ亜科>

ハムシ科の1種で、日本では本州から四国、九州に分布する。
体長は4〜6oで、体色は金属光沢が強い瑠璃色。脚は黄色い。
食草は、主にバラやイタドリの葉である。

2016/8/27
芝生広場の近くの通路脇の草むらで見かけました。
ごく小さなハムシですが、強い金属光沢の瑠璃色なので、日の当たる所では目につく。

クロウリハムシ(Aulacophora nigripennis)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・ヒラタムシ下目・ハムシ上科・ハムシ科・ヒゲナガハムシ亜科>
 
ハムシ科の1種で、日本では本州から四国、九州に分布する。
体長は6o強で、オレンジ色の体色に黒い上翅が特徴。脚も黒い。
ウリハムシ同様、ウリ科の植物が好物で、カラスウリ類の葉を特に好む。
それ以外にも、ダイズ、エノキ、シソなども食害する。幼虫は地中にいてウリ類の根を食べる。
摂食を行う際には、トレンチ行動と呼ばれる食べ方をする。最初に、まず、葉を円形に傷つける。
そうして、その傷から植物の出す防御物質を出しておいて、それらが入り込まない内側を食べる。
なんとも巧妙な摂食行動です。なお、越冬は成虫で行う。

2016/8/27
胎内星まつり会場から少し離れた芝生広場の方で、通路脇の草むらで見かけました。
上翅の黒いウリハムシといった所です。

ゲンジボタル(Luciola cruciata)
<コウチュウ目・カブトムシ亜目・ホタル上科・ホタル科・ゲンジボタル属>

ホタル科に分類されるホタルの1種で、日本固有種である。水のきれいな清流に生息する。
日本でホタルと言えば、このゲンジボタルを指すことが多く、最も親しまれているホタルでもある。
体長は15o前後で、日本産ホタル類の中では大型の種類である。なお、オスよりメスの方が若干大きい。
体色は黒色であるが、前胸部の左右が桃色で、中央に十字型の黒い斑紋がある。複眼は丸くて大きい。
尾部に淡黄緑色の発光器官があり、オスは第6腹節と第7腹節、メスは第6腹節のみが発光する。
成虫は夜に活動し、オスは川の上空を飛び回り、メスは川辺の草の上などに止まって発光する。
このように発光によって他の個体と通信し、出会った雌雄が交尾を行う。
交尾後、メスは河岸に生えた苔の中に産卵する。夏に孵化した幼虫は、カワニナを捕食しながら成長する。
幼虫も尾部に発光器官を備えており、孵化間近の卵の状態から発光が始まる。
秋から冬を越し、春には体長数cmに成長した幼虫は、雨の夜に上陸して、土中に繭を作る。
繭の中で蛹になるが、羽化間近になると蛹の状態でも発光が見られるようになる。
成虫は概ね5月〜7月にかけて発生するが、地方によって差があり、秋に発生する場所もある。
成虫は水分は取っても、摂食活動は行わず、そのため2〜3週間の寿命である。

2017/7/28
夜、タープの下で談笑していた時、ゲンジボタルがいたと教えていただきました。
相模原の方では6月初旬が発生時期なので、この時期にゲンジボタルに会えるとは思っていませんでした。
第6腹節と第7腹節に発光器官がありますので、オスのゲンジボタルです。


ホタルの発光について

ホタルは、発光物質の「ルシフェリン」が、
発光酵素「ルシフェラーゼ」と「アデノシン3リン酸」と反応して発光します。
この発光の仕組みは、ゲンジボタルでもヘイケボタルでも同じです。

ゲンジボタルは、東西で発光周期が異なり、
東日本型は4秒で西日本型は2秒の間隔で点滅するといわれています。
しかし、発光周期は気温によって変化し、気温が高いと短くなることが分かっています。
そのため、東日本型であっても気温によって4秒から1秒と大きく変動します。

近年、遺伝子の研究からゲンジボタルが6グループに分類されることが判明したそうです。
東北、関東のグループが4秒の東日本型に該当するそうです。
本州の西日本グループと南北九州の2グループには、遺伝的なギャップがあるそうです。
西日本型になるのは中部と西日本の2グループだそうですが、
フォッサマグナには中間の3秒型が確認されているそうです。
なお、ヘイケボタルは遺伝的には4グループに分かれるそうです。