ホーム星見紀行>中秋の名月(2019/9/13)・最遠の満月(2019/9/14)


中秋の名月(2019/9/13)

今回、最初に見たときには月光環をまとっていましたが、5分ほどで雲が切れ、奇麗な月となりました。

中秋の名月とは、天保暦(旧暦)八月十五日の月のことで、一年で最も月が美しいとされています。
次いで月が美しく見えるとされるのが天保暦(旧暦)九月十三日の十三夜の月です。
なお、歴の関係で十五夜、十三夜とも、必ずしも満月になるとは限りません
また、旧暦は約三年に一度、閏月(うるうづき)を挿入して調整する仕組みがあります。
そのため、閏月の入り方によって、十三夜が2回になることがあり、2回目を後の十三夜と言います。
この後の十三夜が、171年ぶりにあったのが2014年です。次は何年後になるのでしょうね。

最遠の満月(2019/9/14)

2019年で最も小さな満月となるのは9月14日の13:33です。
この時の地心距離は406,247kmで、視直径は29.4'です。

日時 2019年9月13日/14日
撮影地 神奈川県相模原市
撮影機材 Nikon D700
TAMRON SP70-300mm F4.5-5.6 Di VC USD
Viper MC90L D=90mm f=1200mm



中秋の名月



中秋の名月ということで、外に出て見ると薄雲の中に入っていて、月光環が出ていました。
コロナを被った名月というのも良いのですが、すっきりとした月も見たいと、しばらく待つことにしました。
下記は、薄雲が徐々に切れて行くところを時系列に撮ったものです。

 
20:51 ISO2500,F8,1/50sec.     20:53 ISO2500,F8,1/30sec.
 
20:55 ISO2500,F8,1/250sec.     20:56 ISO2500,F8,1/400sec.
撮影レンズ:TAMRON SP70-300mm F4.5-5.6 Di VC USD / 300oで使用

雲の流れが意外と早かったので、5分ほど待っていると雲の切れ間が来ました。
徐々に雲が薄くなって、すっきりとした月が顔を出しましたが、
逆に、周りに何もなくなってしまい、いささか寂しくなりました。
皆さんは、どの月がお好きですか。
私は、最初の月光環(コロナ)をまとった月が、華やかさもあって好きです。
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最遠の満月(2019/9/14)


2019/9/15 01:09〜19 ISO1000,1/400sec. 4枚合成
撮影レンズ:Viper MC90L D=90mm f=1200mm / 直焦点で使用

最遠の満月(2019/9/14 13:33)からは、12時間ほどが経ってしまいましたが、
見た目はさほど変わらないため、便宜上、最遠の月としています。
といっても、この写真だけ見せて最遠の月といわれても、どう違うのか分かりませんよね。
今年の最近の満月(2019/2/20 0:54)は、諸般の事情で撮影できていませんので、
以前に撮影していた最近の満月との比較写真を下記に掲載しました。



同じ光学系で撮影した写真の左右半分ずつを合成したものですが、いかがでしょう。
月の見かけの大きさがずいぶん違うことが、お分かりいただけると思います。
月が地球の周りを楕円軌道で回っているため、
楕円軌道の遠地点で満月になると月は小さく見え、
近地点で満月になると月は大きく見えることとなります。
そういった満月の中で、その年の最も遠地点の満月が最遠の月(マイクロムーン)、
最も近地点の満月が最近の月(スーパームーン)です。
今年最も遠い満月から約12時間後の月が、最初に掲載させていただいた写真ということです。
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今後の中秋の名月は?


中秋の名月
満月
十三夜
2019年9月13日
2019年9月14日
2019年10月11日
2020年10月1日
2020年10月2日
2020年10月29日
2021年9月21日
2021年9月21日
2021年10月18日
2022年9月10日
2022年9月10日
2022年10月8日
2023年9月29日
2023年9月29日
2023年10月27日
2024年9月17日
2024年9月18日
2024年10月15日
2025年10月6日
2025年10月7日
2025年11月2日
2026年9月25日
2026年9月27日
2026年10月23日
2027年9月15日
2027年9月16日
2027年10月12日
2028年10月3日
2028年10月4日
2028年10月30日




月光環(moon corona)とは

光環は、太陽や月に薄い雲がかかった時、その周りに青白い円盤状の光芒ができる大気現象です。
光芒の縁は赤っぽい色が付き、最初の写真のようになります。
この現象は、水滴などの粒子で、光が回折する(回り込む)ことで起きます。
粒子が小さいほど回折角度が大きくなるので、光環の直径は大きくなります。
また、光の波長が長い(赤い)ほど、大きな角度で回折するため、外周が赤で、内側になるほど紫になります。
ただ、粒子の大きさが不ぞろいだと、回折角度がバラバラになり、光が混じりあうことになります。
すると、縁の色がはっきりしない青白い光芒になります。
このような色のはっきりしない光環や、中心付近の青白い光芒をオーレオール(aureole)と言います。

 
2012/11/28                 2019/9/13

ほぼ同じ撮影条件の月光環ですが、月光環の大きさがかなり異なることが分かると思います。
左側の2012年の時の方が、右側の2019年の時より水滴の大きさが小さかったため、光環が大きいということです。

なお、水滴以外で、黄砂や杉花粉などが大量に飛散しているときにも見られます。
火山の噴火で吹き上げられた微粒子で、光環が見られたという報告もあります。

光環と同じような現象に、太陽な月の周りに光の輪ができる暈(かさ)があります。
光環と異なり、太陽や月から離れた位置にリング状に現れます。
また、光環とは逆に、内側が赤で、外側に行くほど紫の順になります。
これは、光環が光の回折による現象なのに対し、暈は氷晶による光の分散による現象だからです。
そのため、暈は高度の高い巻層雲や高層雲が太陽や月にかかったときのみ見られる現象です。

以上の説明を絵にしてみました。

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