ホーム星見紀行>STAR FESTIVAL'13 原村 星まつり


STAR FESTIVAL'13 原村 星まつり

開催日 2013/8/2(金)〜8/4(日)
開催地 長野県諏訪郡原村17217番地1613 八ヶ岳自然文化園



今年も原村星まつりに参加してきました。
今年も、3日間とも原村名物の滝のような豪雨はなく、暑い3日間でした。
そのため、昨年同様、雲が流れてきてすっきりとした星空とはなりませんでした。
しかし、今回の原村星まつりでは、2つのトピックがありました。
詳細は、後述しますが、概要は以下の通りです。

<2013/8/2> 大火球の出現

8月2日の観望時間帯は上空の雲が切れ、多くの方々に星空を楽しんでもらえました。
そんな多くの人が楽しんでいる最中、20時31分頃、南東方向から南西方向に向け、ほぼ水平に大火球が飛びました。
たまたま、南東方向を見ていた私は、青白い光が動いているのに気が付き、最初、飛行機かと思いました。
しかし、徐々に明るさを増してくるのを見て、直ぐに火球と分かり、思わず、ゥオ〜〜と大声を出してしまいました。
ほぼ、時を同じくして会場のあちこちから声が上がりましたので、多くの人が気付いたようです。
最後の方で、4つに分裂し、ス〜〜っと消えて行きましたが、非常にゆっくりと流れて行きました。

<2013/8/3> 山崎直子 宇宙飛行士が特別公演

直前まで公表されていませんでしたが、宇宙飛行士の山崎直子さんが来場され、公演されました。
宇宙への夢と題した熱い思いを語られ、多くの子供たちが熱心に聞いていました。
もちろん、大人たちも熱心に聞いていましたが、子供たちには負けます。
公演後、山崎直子さんとの握手会となりました。



今年も、観望エリアには、自慢の愛機が数多く終結し、多くのお客様でにぎわいました。
8月2日の観望会は、大盛況で終わったのですが、その後、雲が出てきてしまいました。
その後、しばらく待ったのですが、雲が切れず、諦めて寝てしまいました。
8月3日は、雲が多くて、ときおり少し晴れ間が見える程度で、なかなか落ち着いてくれません。
結局、この日も写真を撮るのはあきらめて、観望のみで寝てしまいました。
というわけで、結局、今年は天体写真は1枚も撮れずじまいでした。

なお、八ヶ岳自然文化園はその名の通り、自然が豊かな所です。
今年も、昼間は園内を散策して、いろいろな山野草を楽しんできました。
そのとき、林内で、満開に近い大きなノリウツギの木を見つけました。
満開の白い花が林内ではよく目立ちますが、その花に多くの昆虫がその花に集まって来ていました。
始めて見かける昆虫もいて、写真を撮りまくってきました。



大火球の出現
山崎直子元宇宙飛行士が特別公演
観望エリアの様子
八ヶ岳自然文化園内と周辺の様子
八ヶ岳自然文化園内で見られる昆虫

大火球の出現


8月2日の観望時間帯の最中、20時31分頃、南東方向から南西方向に向け、ほぼ水平に大火球が飛びました。
たまたま、南東方向を見ていた私は、青白い光が動いているのに気が付き、最初、飛行機かと思いました。
しかし、徐々に明るさを増してくるのを見て、直ぐに火球と分かり、思わず、ゥオ〜〜と大声を出してしまいました。
ほぼ、時を同じくして会場のあちこちから声が上がりましたので、多くの人が気付いたようです。
最後の方で、4つに分裂し、ス〜〜っと消えて行きましたが、非常にゆっくりと流れて行きました。

流星は、その衝突方向が地球の自転方向と同じか逆方向かで、自転速度のベクトル分が加減算されます。
そのため、流星の突入速度は、衝突方向によって10〜70km/秒と大きく異なります。
その結果、低速では発光色も赤っぽい色になり、高速になるほど青白い色に変わって行きます。
また、青白く明るい流星には、最後に光度が急激に明るくなるものがあります。

今回の火球は、移動スピードがゆっくりな割に、その発光色は青白く、低速な流星とは異なります。
また、最後もそれほど明るくはなりませんでした。

今回の火球は、
● 移動スピードがゆっくりなのに、青白く発光していること、
● 進入角度が低く、水平に近い飛行経路であること、
● 分裂前の増光がそれほどないこと
などから、有名なはやぶさの地球帰還時の地球突入時の写真を連想させるものでした。

以上のことから、その場では、流星ではなく、人工衛星の落下であろうとの結論となりました。
幸運にも、発光の最初から分裂して消滅するまで見ることができました。
しかし、観望時間帯であったため、カメラの準備をしておらず、写真撮影ができなかったのが残念です。

後で調べてみましたが、あちらこちらで目撃され、自動カメラで撮影されていました。
その撮影時刻や、掲載されていた発光点から消滅点までの飛行経路、分裂して消滅する様子は、同じでした。

掲載されていた飛行経路の発光点は神津島辺りで、消滅点は愛知県犬山市あたりになっていました。
これらは、私の見た発光点、消滅点とほぼ方角は一致しています。

<参考URL> 飛行経路に関しては、”SonotaCo.JP”に掲載されていた下記を参照させていただきました。
<火球情報URL


山崎直子元宇宙飛行士が特別公演


直前まで公表されていませんでしたが、宇宙飛行士の山崎直子さんが来場され、特別公演されました。
翌日には、アメリカに移動されるとのことで、貴重な時間を割いていただけたようです。
宇宙への夢と題した熱い思いを語られ、多くの子供たちが熱心に聞いていました。
もちろん、大人たちも熱心に聞いていましたが、子供たちには負けます。

公演会の後、地域の子供たちの合唱団が歌を歌ってくれました。
その歌のCDを国際宇宙ステーションに持っていかれていたようです。



公演後、山崎直子さんと子供たちの握手会となりました。
が、大人も交じっての握手会となってしまいました。
かく言う私もその一人で、しっかりと握手をしてきました。


観望エリアの様子


星まつり会場の一部に作られる観望エリアの様子です。
毎年、自慢の愛機を持ち込んで、見に来てくださる方に開放しています。
多くは、自作機か、市販品に手を加えたものです。
かなりの個性派が多く、びっくりするような機材も見られます。
機材の詳細に関しては、ちゃっきりさんのウェブサイトを参照ください。



今年も出現したかつさんの痛スコ! Ninja400に等身大の初音ミクです。
奥様のすずさんがデザインされているそうですが、レースの模様まで手抜きなし。流石です。
デザインも大変だと思いますが、微妙にテーパの付いたNinjaに張り付けるのも大変だったようです。
皺にならないようにドライヤーで温め、伸ばしながら張られたそうです。
今年も、すずさんデザインの原村星まつりステッカー いただいてきました。



右側のダークグリーンのVixen製 VC200L。これが私の愛機です。
収納箱を自作したこと以外は、ほとんど、手を入れていません。
鏡筒に張られているのは、星空川柳でいただいた千社札とすずさんの原村星まつりのステッカーです。
40cm、50cmの大型ドブソニアンが並ぶ中では、かわいい存在です。

 



Ninja500のお見合いです。写野に収まりきれず、片方のお尻が切れてしまいました。
ページトップへ戻る
星見紀行へ戻る
ホームへ戻る


八ヶ岳自然文化園内と周辺の様子


八ヶ岳自然文化園は、文字通り、自然の中にあります。
普段は、キャンプなどできないのですが、星まつり期間中は、特別に許可が出ます。
私も、毎年、駐車場脇のちょっとした芝生のある広場にテントを張っています。
例年のバケツをひっくり返したような豪雨対策をして、テントを張っていますが、ここ数年は用無しです。
今年も、少し、ポツポツと来ただけで終わってしまいました。
そのため、蒸し暑い夜を過ごすこととなり、少し離れた所にある「もみの湯」で汗を流しています。


2013/8/2 19:22              2013/8/3 9:12
8/2 降りそうで降らず終いで夕方を迎え、暗くなり始めた頃、入道雲がわき上がったきました。
ただ、こちらには流れてこず、結局、視界を邪魔しただけでおわってしまいました。
この後、暗くなってからは観望会の方は盛況で、多くの方々に楽しんでいただけたようです。
その観望会の最中、前述の大火球が、この入道雲があった辺りを、ほぼ真横に流れました。

8/3 この日は、朝からパッとしない天気で、八ヶ岳の方もご覧のように雲の中でした。
結局、この日も雨はなく、雲が多いまま夜を迎え、観望もままならないまま終わってしまいました。


八ヶ岳自然文化園内で見られる昆虫


今年も文化園やその周辺で、散歩がてら花や昆虫の写真を撮ってきました。
今年は、見てみたいと思っていたエゾゼミや、写真でしか見たことがなかったオトシブミなどに合えました。
また、林の中で、今は盛りと花を付けているノリウツギを見つけ、そこに集う昆虫たちを撮りまくってきました。

======= ノリウツギに集う昆虫たち =======


アオジョウカイ(Themus cyanipennis)、ハナカミキリに似ていますが、ジョウカイボン科の昆虫です。
草食のカミキリムシと異なり、肉食系の昆虫で、前翅が柔らかいのが特徴です。
成虫は、蜜や花粉を食べることもあるそうです。


ベニボタル(Lycostomus modestus)、ベニボタル科の昆虫で、名前の通りホタルの近縁種です。
ただし、近縁とはいっても発光はしません。
何となく、ハナカミキリに似てはいますが、押しつぶしたように扁平な体型です。
触角が大きく発達しており、オスメスによって櫛状や鋸状になります。



ヨツスジハナカミキリ(Leptura ochraceofasciata)、カミキリムシ科ハナカミキリ亜科の昆虫です。
黒地に黄色い4本の横縞が特徴のハナカミキリの仲間です。
林の中のノリウツギにかなり集まっていて、盛んに飛び回っていました。
それを撮りまくって、何とか飛翔中の姿を捕えることができました。
後ろ足を大きく上方に反り返らせた独特なポーズで飛翔するようです。


エグリトラカミキリ(Chlorophorus japonicus)コガタスズメバチ(Vespa analis)です。
エグリトラカミキリは、昨年も見かけましたが、数は少ないようです。
コガタスズメバチは、ヨツスジハナカミキリを撮影しているとどこからともなく現れました。
ノリウツギの周りを飛び回っていたのですが、止まったと思ったら、アオジョウカイを捕えていました。


ヒメコガネ(Anomala rufocuprea)アオハナムグリ(Cetonia roelofsi)です。
このような色合いのコガネムシは見たことがないのですが、大きさや特徴からヒメコガネとしました。
ヒメコガネの幼虫は植物の根、成虫はいろいろな植物の葉を食害する害虫の代表格です。
体色は変異が多く、暗い赤銅色から、藍色、緑銅色など様々です。
アオハナムグリは、中型のハナムグリで、林の周りや草原の白い花でよく見かけます。
ハナムグリやコアオハナムグリほど毛深くなく、腹部側面などが紫銅色をしています。
写真は、逆光での撮影となったため、暗く沈んだ色合いですが、光が当たると鈍い光沢のあるきれいな緑色です。

======= その他の見かけた昆虫たち =======


アカハナカミキリ(Aredolpona succedanea)です。
ノリウツギの花では見かけませんでしたが、ボタンヅルのハナで見かけました。
胸部背面や上翅が赤茶色のハナカミキリで、比較的よく見かけるハナカミキリです。


オトシブミ(Apoderus jekelii)です。後頭部が円錐状で長いことからオスと分かります(メスはこの半分以下)。
オトシブミが総称になっていることから、ナミオトシブミとも呼ばれています。
オトシブミの中ではもっとも大型で、上翅が赤いためよく目立ちます。
私も、葉の上に赤いものが見えたので気が付きました。
オトシブミの名前は、葉をくるくると巻きあげた卵の入った巣(ゆりかご)に由来します。
江戸時代、他人にばれないよう手紙を分かるように落として、相手に渡した「落とし文」に巣が似ていることから。


エゾゼミ(Lyristes japonicus)のオスとメスです。
昨年まで、声はすれどもセミには合えず仕舞いでしたが、今年、やっと合えました。
最初にあったのはオスで、数mしかない低い木で鳴き始めたので、見つけることができました。
撮影後に気が付いたのですが、奥の方の翅がうまく伸びなかったようで、かなり歪んでいます。
そのため、うまく飛ぶことができず、低い木に止まっていたのかもしれません。
メスは、翌日、木の下の方に止まっていたのを見つけました。

このときは、録音機材を持っていなかったので、鳴き声を録音できませんでした。
胎内星まつりに行ったときに、エゾゼミの鳴き声を録音できましたので、参考に下記に掲載します。

<エゾゼミの鳴き声>


オツネントンボ(Sympecma paedisca)コンボウアメバチ(Habronyx insidiator)です。
オツネントンボは、林の中で見かけましたが、地味な色合いなので目立ちません。
秋に羽化して、未成熟なまま越冬して、翌春に成熟して産卵する。成虫で越冬する数少ないトンボです。
名前の「オツネン」は、漢字で書くと「越年」で、越冬する事に由来します。
なお、よく似たホソミオツネントンボとは、翅を閉じたとき前後の翅の縁紋が重ならないことで識別できます。
コンボウアメバチは、観望エリアの植栽の影を飛び回っていました。
頭部と胸部が黒く、触角、脚、腹部は明るい橙色で、腹部は丸いこん棒状です。
腹端や上面が一部黒くなっていますが、ほとんど黒色部がないものも居るようです。
クスサンの幼虫に産卵し、蛹になった後、蛹から羽化する寄生バチです。


シラホシヒメゾウムシ(Baris dispilata)です。
チダケサシの花にかなりの数が付いていました。
10mmに満たない小さなゾウムシですが、背中から見ると黒地に薄黄色の斑点が目立ちます。
横から見ると腹部の下面なども薄黄色で、ツートンカラーで塗り分けられた車のデザインみたいです。

ページトップへ戻る
星見紀行へ戻る
ホームへ戻る