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NEC田んぼ作りPJに参加してきました


更新:2016/9/15

NECの有志とアサザ基金の皆さんが参加して、放棄された谷津田の再生に取り組んでいるのが、
「NEC田んぼ作りプロジェクト with アサザ基金」です。
詳細は、下記の各々のページで詳しく紹介されていますが、2004年2月に活動が開始されています。

NEC田んぼ作りプロジェクト
NEC田んぼ作りプロジェクト with アサザ基金

このプロジェクトは、霞ヶ浦流域で荒廃が進む谷津田を再生し、荒廃を食い止めるため取り組みです。
耕作放棄された谷津田の事前調査から、再生計画を作り、実際の復田作業、稲作の各工程への参加、
収穫されたお米からお酒造り、お味噌作りなど、いろいろな事を体験できるものです。

回数は少ないですが、このプロジェクトに、作業のお手伝いをしながらカメラマンとして参加しました。
プロジェクトには、NECグループの社員家族やアサザ基金のメンバーが、老若男女を問わず参加しています。
そして、年々、復田の範囲が広がり、それに合わせるように多くの生物が戻って来ています。
昨年は、ヘイケボタルが前年に比べてかなり増え、多くの参加者が楽しんでいました。

谷津田とは
谷津とは谷にある湿地を意味し、主に関東地方の武蔵野台地と関東平野の境目に多く見られる小規模な谷です。
谷津には、周りから水が集まり、小川が形成されて水の通り道となります。
その谷津に作られた田んぼが「谷津田」です。地域によっては、「谷地田」、「谷戸田」とも呼ばれます。
谷津田は、谷間に作られた不定形の小さなものが多く、機械化が難しいこともあって荒廃が進んでいます。
手入れされた谷津田は、人々の暮らしを支えるとともに、多くの生き物をも支えています。
その谷津田が手入れされなくなると、湿地植物などが生い茂る元の荒れ地に戻ってしまいます。
また、周りの雑木林なども荒れ放題となり、特定の生き物以外は暮らしにくくなってしまいます。



< トピック >

2016/9/15:お味噌の熟成度会いと日本酒を飲んだ感想を追加しました。

谷津田の再生
踏耕による復田
田んぼの手入れ
<草取り><ザリガニ捕り><ホタル狩り>
雑木林の手入れ
<下草刈り><落ち葉集めと堆肥作り>
出来たお米の活用
<味噌造り>
<酒造り>
 
谷津田の昆虫
谷津田の野草


谷津田の再生

この辺りの谷津田は、30年近く耕作放棄されて、湿地植物などがうっそうと茂る湿地帯に戻っていました。
その谷筋の1つの再生に取り組んでいるのが、「NEC田んぼ作りプロジェクト with アサザ基金」です。
その直ぐ横にある谷津田は、手付かずのため下記の写真のように雑草で埋め尽くされています。


2014/7/26
手入れされた田んぼも、30年の時が経つと、ごらん様な雑草が生い茂る湿地に戻ってしまいます。
主に生えているのは、水の流れがある所はヨシ、湿地はカサスゲ、オニスゲ、シダなどです。
乾燥が進んでいる所には、セイタカアワダチソウも群生しています。


2015/8/1

2014/7/26
その湿地を機械と人手で除草し、復田したのがこの田んぼです。
この田んぼの左手には、前述の手付かずの湿地が広がっています。
私が参加したのは最近の事なので、当時のことは分かりませんが、大変な苦労があったものと思います。
機械を使っての作業も、湿地のためにタイヤが沈み込んで大変だったと聞いています。


2014/7/26             2015/8/1
こちらの田んぼは、達人田んぼと呼ばれている上流側の田んぼです。
奥の方の復田が進んでいるのが、見比べていただければ分かると思います。


2016/2/11

2016/2/11
2月の厳寒期のNEC田んぼです。早朝なので、一面に霜が降り、田の表面は凍っています。
凍ってはいても、厚みは5o強しかなく、例年より薄いとのこと。
この後、奥に見えている湿地の踏耕と、右手の林の中のササなどの除去、落ち葉の処理などを行いました。




踏耕による復田

踏耕、聞きなれない言葉ではないかと思いますが、田んぼを耕す方法の1つです。
アジア地域、特に南方の地方で行われていたもので、インドネシア南スラウェシでは今も行われています。
田んぼに数頭の牛を入れて踏ませることで、耕耘(こううん)と代掻きを行うものです。
日本でも、沖縄や九州などでは行われていたようで、鹿児島の「せっぺとべ」はその名残といわれています。
その踏耕を人海戦術で行い、復田しようというものです。
アサザ基金の方の話では、機械による耕作に比べ、生物への影響が少ないとのこと。
谷津田の再生による自然の再生、生物多様性の保全を目的とした活動には、ふさわしい方法かもしれません。


2015/8/1
踏耕を行う前、湿地を覆っていた植物の状態です。
全く地面が見えないほど、カサスゲ、オニスゲ、シダ、ヨシなどが生い茂っていました。


2015/8/1

2016/2/11
8月のこの日は、日中の気温が35℃を超える猛暑日で、大変厳しい作業となりました。
30分作業しては日陰で休息と、休みを多く取ってなんとか予定の作業を終えました。
2月のこの日は、最低気温が氷点下3℃となり、一面が霜で真っ白になっていました。
この寒さの中、寒さに負けることなく踏耕で、枯れた湿原植物を湿地の中に踏み込みました。
今年は、ここも田んぼとして田植えを行う予定とのことです。




田んぼの手入れ

NEC田んぼは、生物多様性の保全を目的としているため、無農薬で稲を育てています。
そのため、多くの生き物が生息していますが、困りものもいます。
1つは、アメリカザリガニです。畔に穴を開けて、田んぼの漏水の要因になったり、稲の根を食害します。
それと、イネ科のヒエの仲間、ミズアオイ科のコナギなどの雑草です。



<草取り>


2014/7/26                 2015/8/1
炎天下での草取り作業の様子です。
2014年の田んぼには、畔や田んぼの中にヒエやコナギなど、いろいろな雑草が見られました。
2015年には、雑草の類はぐっと減り、あまり見られませんでした。



<ザリガニ捕り>


2014/7/26
アメリカザリガニは、水田や用水路、池など、水深が浅くて流れの緩やかな粘土質の環境を好みます。
つまり、手入れされた水田の畔は、絶好の棲みかという訳です。
アメリカザリガニは、その畔に穴を開けて漏水の要因を作ったり、イネの根を食い荒らしたりします。
稲作をする者にとっては、困った有害生物ということです。
この困り者を楽しみながら取ってもらおうというのが、ザリガニ捕りという訳です。

※ あまり人がいない早朝には、あちらこちらでアメリカザリガニが見られました。
しかし、多くの人が作業を始めた頃、あっという間に姿を消してしまいました。



<ホタル狩り>

田んぼの手入れではありませんが、手入れされた結果の1つです。
湿地が田んぼになり、ヘイケボタルが戻って来て、増えています。


2015/8/1
日本では、ホタル鑑賞のことを特に「ホタル狩り」と言います。
このホタル狩り、「ホーホー蛍来いこっちの水甘いぞ…」と、唄まであります。
田んぼに発生するヘイケボタルは、清流を好むゲンジボタルの半分ほどの大きさしかありません。
しかし、ゲンジボタルの発生が数週間しかないのに対し、ヘイケボタルは数ヶ月に渡り見られます。
NEC田んぼのある谷津田にもヘイケボタルが戻り、昨年はかなりの数が見られました。
この写真は、3秒露出の写真13枚を合成したものですが、目視でもかなりの数が確認できました。




雑木林の手入れ

NEC田んぼのある谷津田は、その周囲を斜面林や竹林で囲まれています。
その斜面林や竹林も人の手が入らなくなって、荒れ放題だったそうです。
そんな斜面林や竹林も徐々に手入れされ、風の通る道ができ、整備されてきています。



<下草刈り>


2016/2/11
この日は、ほとんどの雑草が枯れて、むき出しになったアズマネザサの刈り取りなどが中心でした。
普段、使うことがほとんどないと思われる大きな剪定ばさみを、小さな子供も一生懸命操っていました。
その甲斐あって、林縁もきれいに片付いて、歩きやすい道になっていました。
右端の写真は何だと思いますか。これはクズの蔓が大きくなったものです。
地面にも、直径が1cmに満たない蔓が這いまわっていました。
この写真の蔓は、直径が5p程ですが、太いものでは10cmを超える大物もありました。
この太い蔓で巻きつかれた杉は、堪え切りずに枯れ死していました。
この蔓を巻き戻して剥そうとしましたが、上部ではしっかり巻付いていて剥がれませんでした。
根が残りますが、取りあえず、根元で切断し、巻き付いた蔓には枯れてもらうことにしました。

葛(クズ)
マメ科クズ属のつる性の多年草で、万葉の昔から秋の七草の一つに数えられています。
根を用いて食材の葛粉や漢方薬(葛根湯など)が作られ、民間治療薬として古くから利用されています。
また、乾燥する前の蔓は長くて扱いやすいので、籠(かご)などを編むのに利用されています。
そんな葛ですが、世界の侵略的外来種ワースト100に選定されています。
理由は、太い根が地中深くまで入り、完全な除去が難しいこと、
蔓が地面に触れるとそこから発根し、新しい株が発生して増えること、
その種子の特性が多様で、直ぐに発芽するものから、数年を要するものまであること、
から、非常に繁殖力が強く、その駆除も難しいためです。
また、その蔓は一夏に10m程も成長し、大きな葉が日光を遮るため、周りの植物への影響が大きい。
最近は、都市部などでも、山土から大発生して、大きな影響を与えている所があるそうです。



<落ち葉集めと堆肥作り>



林内の道にはたくさんの落ち葉が積もっています。それを拾い集めて堆肥を作ります。
生物多様性の面から、全ての落ち葉を取ってしまうとそこを棲みかとする生き物に影響します。
そのため、落ち葉もそこそこ残しながら集め、土と交互に積み上げます。
落ち葉は、カブトムシやコガネムシなどの幼虫の餌になり、さらにミミズの餌となって分解が進みます。
何年かはかかると思いますが、良い堆肥になることでしょう。




出来たお米の活用

NEC田んぼでは、うるち米の「日本晴(にっぽんばれ)」が栽培されています。
日本晴は、粘りが弱く、程よい硬さがあるため、寿司米は非常に適しています。
また、酒造好適米ではありませんが、広義の酒米として酒造用にもよく用いられます。
なお、達人田んぼの方では、もち米など別の品種が栽培されています。



<味噌造り>

小倉味噌店さんのご協力を受けての味噌造りです。
大豆は北海道のトヨムスメ、塩はモンゴル岩塩、米麹にはNEC田んぼのお米を使っています。
味噌の歩合は15.2割で、米麹の量が多めのため、お米の甘みや麹の香りが強い味噌になると思われます。
この時期に作っても、天然醸造では8月の暑さが必要とか。食べ頃は、夏が終わる頃になりそうです。


2016/2/11



まずは、蒸しあげられた大豆を手で、ひたすらつぶします。
とはいっても、完全につぶすと味噌にならなくなるそうで、適度につぶれれば良いそうです。



適度につぶれたところで、ドーナツ状にし、中央に米麹と塩を入れます。
そして、つぶれた大豆と米麹、塩をよく混ぜ合わせます。
よく混ざったら、ボール状に丸め、その後、熟成用の樽に空気が入らないように隙間なく詰めます。
後は、味噌蔵で熟成を待つだけです。自家用のものも直射日光を避け、暗所で熟成を待ちます。


2016/3/27                  2016/6/21                  2016/8/14
お味噌の熟成度合い変化です。3/27時点では、仕込み時点と全く変わりませんでした。
暑さが増した6/21時点では、若干、味噌の色が褐色みを帯び、熟成が進んだようです。
残念ながら、若干カビも発生していましたので、その部分を除去処理しました。
暑さもピークに近い8/14時点では、褐色みが強くなり、食べ頃と判断しました。
隅の方に若干カビらしきものがあったので、それを除去して、冷蔵庫に移しました。
お味噌汁やちゃんちゃん焼き、味噌炒めなどで、おいしくいただいています。




<酒造り 2016/3/20>

酒造りは、白菊酒造さんのご協力で行われます。
1月16日に酒仕込み神事が行われ、お酒の仕込みが行われました。
これにも参加したかったのですが、都合で参加できす、今回の新酒蔵出しのみへの参加となりました。
日本酒の製造過程で使用される設備の見学と、試飲、ボトルのラベル貼りが主なイベントです。
生原酒の試飲ができるのですが、車での参加のため、現地での試飲はお預けです。
ボトルに少しもらって帰り、家でいただきましたが、おいしかったです。



白菊酒造さんの玄関には、杉玉が吊るされています。奥に大屋石の蔵が見えています。



酒蔵の裏ですが、大屋石の上の漆喰壁が印象的です。漆喰の染みが時を感じさせます。

  
酒蔵の入り口にも杉玉         酒蔵の煙突  .

  このレンガ造りの煙突ですが、向かって右側の面に、下から割れ目が上に伸びています。
最初の割れ目は、関東大震災の際に出来たものだそうです。
その煙突が、東北地方太平洋沖地震(3.11)際にも大きく揺れ、そのひび割れが大きくなったそうです。
レンガ造りの煙突の強度は、そう強くはないと思いますが、鉄の補強バンドが倒壊を防いだのでしょう。


蒸米を蒸す釜場           麹米を作る麹室            酒母を作る酒母室

洗米後、寝かせて水分調整した浸漬米を、釜場の甑(こしき)で蒸して蒸米を作ります。
この蒸米は、麹造り、酒母造り、三段仕込の掛け米に使われます。
蒸米は適温に冷やされ、麹室に運ばれた後、揉み床にほぐして広げられます。
その後、目標の温度と水分量になるまで待って、種麹が入った缶を振りながら種付けをします。
ちなみに、麹には、黄麹、黒麹、白麹、紅麹などがあるそうですが、清酒には黄麹が使われるそうです。
酒母とは、麹、乳酸、酵母菌、蒸米を仕込み水で仕込んで発酵させ、酵母菌を大量培養したものです。
その酒母を作るのが酒母室で、酒母桶で発酵が進むと、発生する炭酸ガスで大量の泡が出るそうです。


 仕込みタンク         もろみ日数20日ほどの表面         もろみ圧搾機

清酒は、酒母に麹、水、蒸米を初添え、仲添え、留添えと仕込み量を増やしながら仕込む、三段仕込みで作るそうです。
仕込みタンクには、もろみ日数20日ほどのもろみが入っており、発酵もほぼ終盤だそうです。
櫂(かい)で撹拌させてもらいましたが、発酵が進んでいることもあり、比較的さらさらした感じでした。
もろみの香りもかがせてもらいましたが、なんというか、甘いようないい香りです。
発酵が終わると、清酒と酒粕に分離されるため、香りも各々に分かれて、異なる香りになるとか。
試飲させていただいた生のにごり酒は、もろみを袋吊りで濾過した生原酒だそうです。
少し甘みを感じますが、少し辛口で、後味もすっきりしていておいしかったです。
後のもろみは、圧搾機に送られ、圧縮空気で搾り、火落ち菌の殺菌のため火入れされます。
最後に、にごりが濾過された清酒をビンに詰めて完成です。

ビン詰めされた「愛酊で笑呼」に、最後にラベルを自分で貼って完成です。
ラベルがちょっと斜めになっているのは、ご愛敬ということで。

横に並んでいるのは、白菊酒造さんの純米原酒です。
山岡鉄舟が「白菊」のお酒を飲んでいた事に由来する命名だそうです。

※これらは胎内星まつりに持参して、みなさんに味わってもらいました。
「愛酊で笑呼」は、あまりお酒に強くない女性には受けていました。
純米原酒は、度数が高いこともありますが、日本酒好きはこれが良いと評判でした。





更新:2016/3/27
谷津田の昆虫
更新:2016/3/27
谷津田の野草

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